【投稿日】 2019年6月7日 【最終更新日】 2021年10月21日
妻という立場にいる女性が突然いなくなった時、夫である男性が慌てて探偵に相談するということも少なくありません。結婚をした後の女性は「妻」「嫁」「母」という様々な呼び方をされるのですが、どの立場でどんな交流があったのかを探るのは、意外に難しい作業となるのです。
では、家出した妻が帰ってこない・連絡もつかないといった状況に対し、夫である男性はどのような対処をとるべきなのか、具体的な例を交えて解説していきます。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
家出(失踪)した妻の日常をどこまで把握しているか
家出した妻を探したいという男性に多いのが、「意外に妻の日常生活を把握していない」という点です。妻の抱えていた悩みやストレス・日常生活における交友関係は、捜索をする上で重要な手がかりとなるのですが、実際に相談に訪れる男性が「思い当たらない」と答えることも少なくありません。
自分の妻が普段どんな生活をしていたのか、家出をするほどの原因にはどのようなものがあるのか、その具体例をみながら原因を模索してみましょう。
妻が家出をした原因の具体的な例とは
実際に家出をした妻が、その原因として上げている理由には次のようなものがあります。
- 姑との確執が酷く、夫に相談しても何もしてくれなかった。
- 子育てのストレスで精神的に不安定になった。
- 家族にないがしろにされているように感じ、息苦しくなった。
- 夫からのDVに身の危険を感じて逃げた。
- 女性として見てくれる男性に惹かれて不倫した。
- 自由な時間が欲しかった。
- 多額な借金や貯金の使い込みなどがあった。
- 夫との小さな喧嘩や意見の違いが引き金となり、ストレスが爆発して家出した。
- 家庭と仕事の両立からのストレス。
- 精神疾患による自殺や事件・事故に巻き込まれた可能性。
それまで1人の女性として生きてきた妻にとって、「誰かに合わせて生活習慣を変える」「ストレス解消をしようと思っても自由に動けない」といった環境は、家出に繋がってもおかしくない大きな心因的負担となっています。しかし、その状況に気づくことが出来る男性は大変少ないため、「妻が家出をした理由が思いつかない・わからない」という結果に繋がるのです。
好きで結婚したはずなのになぜ?と疑問に思うかも知れませんが、夫や子どもに合わせて生活していく状況は、穏やかな家庭を築きたいと願う一方で妻に大きなストレスが掛かっていることも少なくありません。「理解をして貰えない」「当たり前だと思われているのが辛い」「誰にも文句を言えないから逃げ出したい」といった思いが積もり積もった時、妻が家出という選択をする可能性が高くなります。
妻に対する思い込みはその後の対処に影響する
家出した妻を捜索するにあたり、夫が妻に対して思い込みを持っていると、その後の対処法に大きく影響してしまうこともあります。具体的な例としては次のようなものです。
- 喧嘩をして家を飛び出しても、いつもすぐ帰宅していたので大丈夫だと思っていたら帰ってこなかった。
- 家出をするだけの資金はないと思っていたら、在宅ワークで密かに仕事をしていた。
- 妻の交友関係は全部把握していたつもりだったが、知らないうちにネット上で繋がりのある友人がいた。
- 普段の生活から何も問題はないと思っていたら、実は妻が浮気をしていた。
- 夫である自分や両親に対して妻は文句がないと思っていたのに、実は不満を持っていた。
このような思い込みを持っていると、捜索の手がかりとなるはずのものを見失ってしまうことになるため、最初の段階から出遅れてその後の対処法がすべて後手に回る可能性が高くなってしまいます。
したたかな妻の場合、夫の持つ思い込みを利用して家出を悟られないようにし、時間を掛けて計画的に家出をすることもありますので、最初から「これはない」と判断するのを避け、思い込みを外して手がかりを探るようにしましょう。
家出(失踪)した妻のケースによって異なる対処法と捜索のポイントを解説
妻という立場は、ご主人となった男性からの一つの視点に過ぎません。妻となった女性は1人の人間であり、どのような生活をしていたかによって様々な行動範囲や交友関係を持っています。つまり、平均的な妻という視点からではなく、1人の女性としてどのような日常生活を送っていたのか、それによって対処法も捜索のポイントを異なってくるのです。
では、家出をした妻の捜索にはどのような点に注意をするべきなのか、それぞれのケースを具体例と一緒にみていきましょう。
基本的な対処法と捜索のポイント
まず最初に、家出をした妻に対する基本的な対処法をみてみましょう。妻がどのような生活を送っていたかにかかわらず、まず最初に確認するべきことは次の3つのポイントです。
- 妻に連絡が取れるかどうかを確認する。
- 妻の行き先を予測する。
- 妻の家出の原因を探る。
では、具体的にはどのような行動を取れば良いのか、その内容についてご説明していきます。
家出した妻が行きそうな場所を捜索する
妻が行きそうな場所や思い当たる行き先など、関係性のある場所を探して行きます。実際にあった例からご紹介すると、以下のような場所です。
- 普段からよく行く飲食店やコンビニ・スーパーなどの店舗
- スーパー銭湯やネットカフェなどの施設
- 妻の地元や所縁のある地域の宿泊施設
- 不倫相手の居住地
- 妻の交友関係者の居住地など
このほかにも、少しでも家庭内で話題になったり聞いたことがある場所はくまなく捜索し、近隣の人に尋ねて情報を集めるようにします。
家出した妻と連絡を取り続けてみる
家出した妻がスマホなどの携帯電話を所持している場合には、例え連絡がなくても電話やメールを送り続けてみましょう。音信不通の場合でも、使用している機材によってはGPS機能などにより居場所を特定できることもあります。
家出した妻の交友関係に連絡を取る
家出した妻と交友関係があった人に対し、可能な限り連絡を取るようにします。具体的な例としては、以下のような関係にある人がメインとなります。
- 妻の古くからの友人関係。
- 妻側の親族や地元で付き合いのあった人。
- 妻の勤め先や仕事上で付き合いがある人。
- 子どもの習い事関係で知り合いになっている人。
- 妻の習い事や趣味でお付き合いがある人。
- 妻のブログやSNSなどを通じてやりとりがあった人。
この他、少しでも可能性がある人にはすべて連絡を取るようにし、妻の行き先や家出の原因を探るようにします。
妻の持ち物や残された物を探して捜索の手がかりを探る
妻が何を持って出て行ったか、またどんな物が残されているのかを調べることで、捜索の手がかりを探します。
例えば、財布や携帯などの貴重品が残されている場合には突発的で事件性があると判断したり、荷物がキチンと整理されて貴重品がない場合には、計画的に家出をした可能性が高くなってきます。
各方面へ連絡し捜索の協力を求める
自力での捜索や証拠品探しなどが難しい場合には、警察や探偵などの第三者機関へ相談するようにします。家出人探しは時間が経つに連れて発見する確率が低くなってしまいますので、早い段階から警察や探偵といった捜索のプロに相談すると良いでしょう。
妻が専業主婦の場合
専業主婦というと、行動範囲が限られているように感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、行動範囲が広いか狭いかはその人の性格によりけりで、専業主婦だからといって必ずしも行動範囲や交友関係が狭いとは限りません。その一方で、専業主婦であるがゆえに家族以外との交流が少なく、精神的に不安定になって突然失踪するケースがあるのもまた事実です。
専業主婦の妻が失踪している時には、以下のポイントに注意をして捜索をしてみましょう。
- 妻が日常的に利用していたスーパーや店舗を把握する。
- 妻の趣味や習い事などから行動範囲を調べる。
- 子どもの習い事関係から情報を集める。
- 近隣の人から妻の日常生活について話を聞いてみる。
- 妻の親友や結婚前の職場などの交友関係へ連絡する。
仕事をしている妻の場合
共働きの家庭で妻が仕事を持っている場合、家庭と職場の二面性から捜索をする必要が出てきます。つまり、「妻・嫁という立場」と「自立した社会人女性の立場」という二つの面から捜索しなければならないのです。
このような場合、先述した「専業主婦の妻の捜索ポイント」に加えて、以下のような点も考慮する必要があります。
- 妻の職場での評判や噂を調べる。
- 妻の仕事上で交友関係がある人を調べる。
- 妻の通勤路やその周辺の行きつけの店などを調べる。
- 妻が外回りや出張などで出かけた先を行動範囲内に入れる。
- 仕事に関係するトラブルや問題などがあったかどうかを調べる。
範囲が広くなる分時間や労力が掛かる可能性もありますので、自力での捜索が難しい場合には無理をせず、多くの人に協力を求めたり探偵などの第三者機関を利用するようにしましょう。
妻が高齢者の場合
これは妻に限ったことではありませんが、高齢者の行方不明者は年々増加傾向にあり、さらに核家族化で失踪したことに気がつくのが遅れてしまうというケースも出てきています。
「高齢者の妻が日課の散歩に出たまま帰ってこない」「普段の買い物と同じように出掛けたまま行方不明となった」というケースも大変多く、残されたご家族が慌てて探し出す状態となることも少なくありません。定年されたご夫婦だけの生活で、見落とされがちな認知症などが原因となることもあるのです。
高齢者の失踪は、自力での帰宅が困難となっていることも多いことから、警察でも最優先的に捜索する対象となっています。
「妻の散歩は日課だから」「近所のスーパーへ買い物に行っただけだから」という考えに凝り固まらず、少しでも帰宅が遅かったり違和感を感じた時にはすぐに警察へ行方不明者届を出すようにしましょう。
家出人探しは時間との戦い!妻が行方不明になった時の理想的な捜索の流れを解説
これまで何も問題がないと思っている男性ほど、妻が突然行方不明になったことに動揺してしまい、最初の行動が遅くなってしまう可能性が高くなります。しかし、家出人探しは時間との戦いであり、探す時間が長くなるほど手がかりも薄れて見つかる確率も下がってしまうのです。
では、妻が行方不明となった時に具体的にはどのような行動を取れば良いのか、具体例を交えて効率的な流れを解説していきます。
突発的か計画的かを見分ける
まず最初に確認するべきことは、「妻の家出が突発的か計画的かを見分けること」です。つまり、本人に家出の意思があったかなかったかを確認していく作業です。それぞれの具体的な特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
突発的な家出と判断出来る証拠の具体例
- 自宅に妻の衣服やカバンなどが残されており、荷造りをした形跡がない。
- 通帳や印鑑などの貴重品が残されている。
- 料理の下ごしらえや掃除の途中など、日常生活がそのまま残っている。
- 直前まで携帯電話やメールなどで連絡をしていたのに、突然連絡が途絶える。
- 自宅に何者かが入って荒らされた形跡がある。
計画的な家出のと判断出来る証拠の具体例
- 妻の通帳や印鑑、免許などの貴重品が持ち出されている。
- 書き置きや遺書が残してある。
- 荷物が整理されており妻の衣服やカバンが無い。
- パソコンなどに公共交通機関の予約履歴が残っている。
- 特定の地域の情報誌や住宅情報などの本が残っている。
この他、家出人が帰ってこない・音信不通で連絡がつかない時にすぐに行うべき対処法について、下記のページにて詳しく解説しておりますので、こちらも参考にしてみましょう。
捜索に必要な手がかりや基本情報を集める
次に、妻を捜索する時に必要な手がかりや基本情報を集めていきます。具体的な例としては以下のような内容です。
家出した妻に関する基本情報の具体例
- 妻の年齢や氏名
- 妻の身体的特徴(身長・体重・髪型・ほくろの位置など)
- 妻が家出をした時の服装や持ち物についての情報
- 出来るだけ最近に撮影された妻の顔写真を数枚
家出した妻の捜索の手がかりとなる証拠の具体例
- 日記や直筆のメモ
- 遺書や書き置き
- 妻宛の借金の督促状やキャッシング会社のハガキ
- 旅行雑誌やリクルート雑誌
- 病院の領収書や診察結果
- 残されている薬
- パソコン内の検索履歴やメール
- 妻のブログやSNSの内容
- 電話番号がメモされた付箋や用紙
- ゴミ箱や衣服のポケットに残されていたレシート類
- 本棚の隙間や本に挟まれていた付箋やメモ
家出した妻が見つかっていない段階では、どのような原因も当てはまる状態です。全ての可能性を考えて、少しでも疑問に感じたり不審に思ったものは手がかりとして集めておきましょう。
警察や探偵事務所などの第三者機関に相談する
自力での捜索も勿論有効ではあるのですが、日常生活を送りながら家出した妻の捜索を行うのは、残された夫だけではなくそのご家族にとっても大変な負担となってしまいます。妻が家出をした・行方不明になり音信不通になったということがわかった段階で、警察や探偵事務所に相談することも視野に入れましょう。
警察に行方不明者届を提出して受理されると、その基本情報は全国規模で共有されることになるため、より広範囲から情報が集まる確率が高くなります。また、警察に届け出て受理されているということは、妻の捜索が公的に認められているということになりますので、聞き込みもやりやすくなるメリットがあるのです。
探偵事務所に相談して、捜索に関するアドバイスを貰うのも良い方法です。調査のプロである探偵の目からみた場合、自分たちでは気がつかなかった情報や事実を見つける可能性が高くなるだけではなく、代わりに捜索して貰うことで日常生活の負担が軽くなるというメリットもあります。
多くの探偵事務所では無料相談を受け付けていますので、まずは気軽に相談から初めてみるのも良いでしょう。
まとめ
妻が家出をして帰ってこない・連絡がつかない時の対処法について、詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容を振り返り、まとめてみましょう。
- 妻の家出の原因には家庭内でのストレスが関わっていることが多く、夫である男性がそれに気づけず家出となってしまうことも少なくない。
- 家出した妻の捜索をする時には妻に対する思い込みをせず、あらゆる原因や可能性を考えて捜索するようにする。
- 妻の捜索を行う際には、「携帯電話に連絡を取り続ける」「手がかりを探す」「妻に関する情報を集める」「心当たりに連絡したり捜索する」という対処法の他、妻の年齢や立場によって捜索する場所や範囲を考慮するようにする。
- 妻の捜索に必要な情報や手がかりを集めた後、自力での捜索以外に警察や探偵事務所へ相談することも視野に入れておく。
夫の視点と妻の視点の食い違いは、時として摩擦を起こし家出という大きなを事件へ繋がることがあります。そして、その違いを認めないまま捜索をしても、大切な証拠や情報を見逃してしまうことにもなりかねません。妻の捜索を行う時には可能な限り思い込みを外し、事実をありのまま受け止めるよう心掛けて、早期発見となるよう努めてみましょう。
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