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防犯カメラでの監視は盗撮になる?分かりづらい法律の線引を解説
【投稿日】2022年12月25日
オフィスや仕事場の防犯を気にして防犯カメラを設置したいと考える企業は多く、それに伴ってカメラ自体も性能を上げています。
防犯カメラを設置することは必要なことであるとわかりつつも、プライバシーの侵害に当たらないか不安になる人も多いでしょう。
防犯カメラを設置したことで起こるトラブルというものもあります。
今回は、防犯カメラでの監視は盗撮にあたるのか、その法律やガイドラインについて解説していきます。
防犯カメラでの監視は盗撮なのか?
防犯の目的で設置する防犯カメラですが、他人を無断で撮影していることには変わりがありません。
しかし、使用を取り締まられないということは、法的には問題ないという事になります。
防犯カメラの設置が違法になるのは、防犯カメラを設置したことによって「著しく損害を与える、もしくはその可能性がある」場合のみになります。
その判断基準としては、設置する際の理由にあります。
重要なのは設置理由!
防犯カメラを設置するにあたって、その理由によっては違法とみなされる場合があります。
防犯カメラはあくまで「防犯」を目的とするものであり、他人を「監視する」ものではありません。
他人の身体や権利を毀損すると判断されてしまう、もしくはカメラに写っている人から異議が唱えられた場合には違法だとされてしまいます。
オフィスに防犯カメラを設置する場合には、「防犯・防災」であることを宣言し、「計測・記録・監視」ではないことを従業員に伝えなければなりません。
防犯カメラを使用する上で、その内容が「計測・記録・監視」に偏ってしまうと、従業員のプライバシーの侵害に当たります。
そうなると企業側への不信感も募りますし、訴えによっては企業に損害が出る場合もあります。
防犯カメラの設置はあくまでこれから起こり得る犯罪や災害のための証拠を捉えておくためのものであることを意識し、使用方法・映像の流出などには特に細心の注意を払わなければならないといえるでしょう。
防犯カメラとプライバシーの侵害の関係性
さて、実際に設置した際には、どのようなことに気を付けていかなければならないでしょうか。
防犯カメラとは、常に他人を録画し、監視してしまう装置になります。使用者の意識によっては犯罪にも使えてしまうのがこの防犯カメラです。
無意識的に防犯カメラで違法行為を行わないためにも、プライバシーの侵害とはなにか、どのようなものがあるのかを知っておかなければなりません。
防犯カメラは、常に他人のプライバシーに干渉しているということを頭に入れておきましょう。
プライバシーに関する権利
人間は平等にプライバシーがあります。これらを侵害することは出来ません。
自分の容姿が写った写真などにある「肖像権」や自分の生活を侵されない「プライバシー権」などがそれにあたります。
これらについて、詳しく見ていきましょう。
肖像権
自分が写っている写真や動画などの肖像に関する権利のことを肖像権といいます。
無断で写真を撮られ、それを公開されないようにするために存在する権利です。
また、法律でも肖像権は保護されています。
防犯カメラで映しただけであれば肖像権の侵害には当たりませんが、その映像をインターネット上で公開したり、誰かに映像を渡したりすると肖像権の侵害にあたります。
プライバシー権
自分の生活やプライベートが他の人に侵害されないように守るのがプライバシー権です。
生活の保護や日常生活を穏やかに過ごせることを目的として、プライバシーは守られているため、防犯カメラで私生活を撮影した場合にはプライバシーの侵害になる可能性があります。
常に何を行っているのかがわかるような映り込みがあったり、生活を監視しているような撮影がされていたらプライバシーの侵害とみなされます。
防犯カメラを設置する上で知っておきたいガイドライン
防犯カメラを設置したいけれどプライバシーの侵害にならないように気を付けたいという方は、防犯カメラに関するガイドラインを確認しましょう。
防犯カメラのガイドラインは、「個人情報保護員会」「経済産業省」「各地方自治体」によって定められています。
個人情報保護委員会
個人情報保護委員会とは、企業への立入検査などを行い、個人情報を守るために設置された日本の行政機関の一つです。
個人情報の侵害にもなりかねない防犯カメラは、この委員会でしっかりガイドラインが定められています。
条例だけではなく、Q&Aという形で疑問に答えているのもありがたいポイントになります。
引用元:個人情報保護委員会
経済産業省によるガイドライン
経済産業省には、企業として使用する際のカメラの画像に関する責任のガイドラインが存在します。
生活者の不安を払拭することや、基本的な目的についての細かい規則が記載されています。
地方自治体ごとのガイドライン
住んでいる地域、企業のある地域ごとにガイドラインが異なります。
各市町村や都道府県で定められたものを問い合わせして確認しましょう。
自治体ごとにHPに記載されている場合もあります。
防犯カメラを設置する時に気を付けるべき3つのポイント
防犯カメラはあくまで監視の意味を持たないものであるということを解説していきました。
近年では個人情報保護法も制定され、個人情報の扱いが厳重なものとなり、それに伴って防犯カメラなどにうつる人も敏感になっているといえるでしょう。
防犯カメラに映ることで個人が特定されてしまったり、何をしているのかが詳しく知られてしまったりすると嫌だと思うのも当然です。
そのため、設置者は防犯カメラを設置する時に気を付けなければならないポイントが3つあります。
【ポイント1】プライバシーの侵害にならない場所に設置する
公共の施設であっても、企業などの施設であっても、利用する人の個人のプライバシーは侵害されてはいけません。
カメラを設置する側は、利用する人への配慮を第一に考える必要があります。
トイレや更衣室、個人の部屋などにカメラを設置するのはプライバシーの侵害に値すると考えてよいでしょう。
利用する人が不安にならないように、防犯カメラの位置がわかるようにしておくのもひとつの手立てかもしれません。
【ポイント2】誰でも見られるようにはしない
個人情報は流出や漏洩してはいけないものであり、だれでも他人を詮索できるような状態にしておくべきではありません。
防犯カメラの特性として、録画データを残すというものがあります。パソコンなどにそのデータを残しておくことであとから映像を見返すことができるというものになります。
犯罪行為や災害時に見返すことができるのは非常に便利なものではありますが、裏を返せば録画データで人の過去の行動を見返せる、ということにもなりかねません。
このとき、誰でもアクセスできるパソコンにデータを保存しておかないことが重要です。
パソコンにアクセス制限をかけるなどの対処をとり、特定の人間しかアクセスできないようにしておきましょう。
【ポイント3】他の人の意見も聞くようにする
防犯カメラを設置する際に、「自分はここを撮られていても嫌じゃないから大丈夫」等と考えていても、他の人は不快に思うかもしれません。
そのため、他の人の意見を聞き、どこに設置するかをしっかり話し合いましょう。
また、この場所にあるのは嫌だという異議が申し立てられた場合には、その意見も聞き、話し合う必要があります。
その意見を無視してしまうと、プライバシーの侵害にあたる可能性もあります。
各個人によってされて嫌なことが異なりますので、他の人の意見を聞きながら設置し、改善が必要な場合には改善も行うようにしましょう。
防犯カメラによるトラブルを起こさないための3つの対策
防犯カメラの設置は、「個人情報保護」と「プライバシー保護」という2つの観点を大切にしながら行わなければなりません。
これらは法律でも定められていますが、それよりも個人がどう感じるかという点に重きを置くことが多く、非常にデリケートな問題になります。
管理者や責任者が個人情報保護やプライバシー保護に対してあまり関心がないと大きなトラブルに発展しかねません。
事前の告知や責任所在を明確にすること、利用の線引きを定めておくこと等が重要なポイントになります。
できるだけトラブルが起こらないようにするために必要な対策は次の3つです。
対策1:防犯カメラがあることを告知する
企業で防犯カメラを設置する場合には、従業員にとっても重要なことになります。
無断で設置してしまうと「盗撮である」と判断されることが多く、トラブルになってしまいます。
そのため、できるだけ明確に、「いつ」「どこに」カメラを設置するのかを告知しておくべきだと言えるでしょう。
カメラを設置した後は、「何の目的」で使用するのかもきちんと説明しておきましょう。
従業員の監視ではなく、防災や防犯目的であるとしっかり伝えておかなければ、従業員の反発も予想されます。
導入前には必ずヒアリング調査や告知を行うようにしましょう。
対策2:カメラ管理者を設ける
録画データやカメラの取り扱いには、プライバシーを侵害しかねないものがあります。
そのため、そのカメラのデータやカメラを扱う事の出来る管理者を必ず設けるようにしましょう。
管理者の選出基準としては、信頼のおける限られた一部の人間であるようにしましょう。
アクセスできる人間を絞っておくことにより、漏洩や流出された際の特定がしやすくなるというメリットにもなります。
カメラの管理は難しいものではありませんが責任のある仕事だと自覚する必要があります。
企業であれば、「個人情報取扱事業者」になることで信頼を得ることができます。
個人情報取扱事業者になり、映像の管理の所在を明らかにすることで、万が一のことがあったときに責任を負わなければなりません。
その責任があることを明らかにすることで、従業員も安心することができると言えます。
対策3:防犯カメラの利用線引きを決めておく
個人情報保護委員会のガイドラインや自治体のガイドラインを知ったうえで、運用管理のガイドラインやルール、線引きを決めておきましょう。
ガイドラインやルールを設けることで管理者が本来の目的とは違う使い方をしないように防止する役目にもなりますし、ルールが制定されているということ自体が安心につながります。
導入しても使い方がわからない、そのまま放置してしまうという事態を防ぐためにもガイドラインは設けておく必要があります。
このガイドラインを取り決める際も、独断で行うのではなく、様々な人の意見を聞きながら制定していかなければなりません。
防犯カメラの設置は慎重に!
防犯カメラを設置するうえで「設置理由」を取り違えてはいけません。
あくまで監視ではなく、防犯目的であることを忘れないようにしましょう。
監視されていると相手方が感じたら、盗撮だとみなされてしまいます。
管理・運用側が誤った判断をしないように心がける必要があります。
防犯カメラを設置する上で、抵触する可能性のある法律は「個人情報保護法」と「プライバシー保護法」です。
これらの特性は、相手方の心情や感情に左右されるデリケートな法律であるという点にあります。
まずは、個人情報保護委員会・経済産業省・各自治体のガイドラインを読み、どのような使用方法を行えばよいのかを調べる必要があります。
そして、従業員たち・利用者たちの不安を払しょくしなければなりません。
そういったことから、設置する際には「従業員などにカメラの設置を告知すること」「カメラの管理者を設定すること」「防犯カメラの利用ガイドラインを設けること」に気を付けながら行うと良いでしょう。
防犯カメラは便利ですが、ひとつ間違えてしまうと生活やプライベートを侵食してしまう可能性がある為、扱いは慎重にしていかなければなりません。
また、運用する側がプライバシーや個人情報保護に対して理解し、従業員や利用者の権利を侵害しないように心がけていく必要があると言えるでしょう。
隠しカメラを活用した監視や調査、映像・音声証拠収集なら探偵事務所SATまで!
防犯カメラは、あくまで防犯が目的です。
そのため、監視や抑止などに役立ちはしますが、調査や証拠収集には活用することは難しいと言えます。
なぜなら、防犯カメラは、カメラの存在を相手に分からせることで、事件の発生を防ぐ役割を持っているからです。
例えば、お店などで「防犯カメラ監視中」などと書かれたポスターを見たことはないでしょうか。
存在を明らかにすることで抑止力としては一定の効果を得られますが、防犯カメラの死角に入られてしまうと、証拠映像を残すことができません。
もし、監視や映像・音声の証拠収集を目的とするのであれば、防犯カメラのように、存在を明らかにしたカメラではなく、相手に存在を知られることなく映像の撮影や音声の録音ができる隠しカメラの設置がおすすめです。
しかし、前述の通り、個人的に隠しカメラを設置してしまうと、個人情報保護法やプライバシー保護法に抵触してしまう可能性があります。
探偵であれば、探偵業法に則り、常識の範囲内で隠しカメラを設置するので、盗撮にならずに、隠しカメラを使った映像・音声証拠の収集、監視が可能となります。
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