【投稿日】 2022年11月15日 【最終更新日】 2022年11月15日

男女に出会いの場を提供するスマートフォンの「マッチングアプリ」などの普及によって、一時鎮静化していた「デート商法」が増加しその被害も増加傾向にあります。

この記事では、この「デート商法」の代表的な手口や事例、対処法などについて解説いたします。

デート商法の被害が再拡大中!

「デート商法」とは、恋愛感情を利用して高額な商品を売りつけたり契約を締結させたりする悪質商法の一つで「恋人商法」とも言われます。

売りつける商品としては、投資用マンションやアクセサリー、絵画、洋服など多岐にわたります。

かつての「デート商法」は、街頭アンケートなどの形で異性に接近して高額商品を売りつけるというもので1990年代に横行しましたが、2004年に特定商品取引法が改正されて「販売目的であることを隠して消費者に近づいて勧誘すると刑事罰(懲役や罰金)が科せられる」ように厳罰化されたことによって被害件数は減少していました。

しかし、10年ほど前から「マッチングアプリ」や「出会い系サイト」を利用した「デート商法」が増加してきており、被害も増加していると言われています。

国民生活センターの調査によると、「マッチングアプリ」や「出会い系サイト」が関係した「デート商法」によるトラブルの相談件数は、2011年度の63件から2020年度の171件まで増加しています。

また、近年の新型コロナの拡大によりオンラインの婚活などが広がっていることから、さらなる被害の拡大も懸念されています。

デート商法の特徴

「デート商法」の特徴として、被害者が被害に気づくのが遅いということが挙げられます。

これは、被害者には「恋人」から勧められた商品やサービスを購入したり契約を交わしたりしただけという意識が働くからです。

しかし、加害者は最初から騙して商品やサービスを購入させたり契約を結ばせたりすることが目的ですから、目的を果たした後は早々に姿を消してしまいます。

被害者がおかしいと気づいたときには、まったく連絡もつかなくなり泣き寝入りをしてしまうケースも多いのです。

また、被害者が恋愛経験の少ない若い男女が狙われやすいのも「デート商法」の特徴です。

デート商法の代表的な手口

「デート商法」自体は、古典的な悪質商法の一つですが、最近では「マッチングアプリ」などを利用して、その手口がより巧妙化・悪質化しています。

「デート商法」という名前からも分かるように、被害者に恋愛感情を持たせて「恋は盲目」状態にして、高価なものの購入を勧めるというのが一般的な方法です。

ここでは、「デート商法」の代表的な手口について紹介します。

【手口1】美女やイケメンなどを使う

「デート商法」の相手には、美女やイケメンがというのがよくあるパターンです。

これは異性としての魅力を用いて、狙ったターゲットに恋愛感情を抱かせるためです。

そのターゲットが、若くて恋愛経験が少ないような場合には、相手に夢中になってしまい冷静な判断ができなくなって、騙されていることに気が付かずに、高額商品を購入させられて被害に遭ってしまいます。

【手口2】「マッチングアプリ」や「婚活サイト」で近づいてくる

最近の事例で増えているのが、スマートフォンの「マッチングアプリ」や「婚活サイト」で近づいてくるというものです。

「マッチングアプリ」や「婚活サイト」自体が、恋愛や結婚の相手を探すために参加しているものですから、知らない異性から声を掛けられることに違和感を感じにくいことも、よく利用される理由だと考えられます。

【手口3】プライベートな話をしてくる

「マッチングアプリ」や「婚活サイト」で知り合ったばかりなのに、親しい相手にしか話さないような話をしてくることもあります。

これは心が通じ合っていることを示して親近感を抱かせようとしているのですが、相手のそういう態度に応えようという心理が働くため、より親密感が湧くようになってしまいます。

この手口は「結婚詐欺」と同じようなものだと考えて良いでしょう。

【手口4】商品の購入や契約に誘導する

このようにして、ターゲットに親近感を抱かせて恋愛感情を持たせたところで、高額商品の購入や契約の話を持ちだします。

高額商品の例としては、アクセサリー、洋服、絵画などが多いのですが、投資用マンションの契約をさせられたなどという例もあります。

ターゲットとなった被害者は、「恋人」からちょっと高価なものをねだられただけと思っていますから、高額商品の購入や契約に対して全く疑問を持たないところも、この「デート商法」の怖いところと言えるでしょう。

デート商法の事例

次に、具体的にどのような事例があるのかについて紹介します。

紹介する事例は、20代男性2人と40代女性1人のものですが、突然の電話や「婚活サイト」「マッチングアプリ」が出会いのきっかけとなっています。

特に1件目の事例は、突然見も知らぬ女性から電話がかかって来て会うことになって、あげく高額の指輪を買わされてしまったという「デート商法」の典型ともいえる事例です。

冷静に考えればおかしいと感じなかったのだろうかと疑問に思えるかもしれませんが、当人には恋愛経験がなく、また相手が美人だったこともあって、気がついたら契約してしまっていたということです。

このように、第三者から見ればおかしいと思えることでも、「デート商法」の当事者になると騙されていることに気が付かないことがあるということを、これらの事例から知っていただきたいと思います。

【事例1】高額なダイヤの指輪を購入させられた事例(20代男性)

ある日スマートフォンに「お時間ありますか?」という女性からの着信があった。電話に出ると話が合って改めて別の日に会うという約束をしてしまった。

約束のレストランで食事をしながら話していると、アクセサリーのデザイナーをしているということでアクセサリーを見せてくれた。

その後「ほかの作品ももっと見て欲しい」と言われて展示会場に連れて行かれた。

そして「結婚する時に必要だ」と意味ありげな言葉で高額なダイヤの指輪の購入を勧められて、嫌われたくないという思いから契約してしまった。

その後も電話で連絡を取りあっていたが、ダイヤの指輪を契約して8日を過ぎたところから連絡が取れなくなってしまった。

【事例2】投資用マンションを購入させられた事例(40代女性)

インターネットの婚活サイトで知り合った男性と数回デートを重ねて楽しい時間を過ごしていて結婚を予感していた。

しばらくして二人の将来のために投資用マンションの購入を勧められ、決断できないでいると「僕のことが信用できないのか」と迫られて、断り切れずに契約をしてしまった。

その後その男性とは連絡が取れなくなり騙されていたことに初めて気が付いた。

【事例3】DVD教材を購入させられた事例(20代男性)

マッチングアプリで知り合った女性と気が合って、メールでのやり取りが続いた後にデートをするようになった。

数回目のデートのときにレストランで、格安で旅行に行けたり安く買い物ができる会員サービス付きのDVD教材の話を聞かされて購入を勧められた。

高額な教材DVDの内容にはあまり興味はなかったが、彼女から一緒に旅行に行ったり買い物をしたいとせがまれて購入してしまった。その後彼女とは連絡が取れなくなってしまった。

デート商法への対処法

最後に、「デート商法」の被害に遭ったときの対処法についてまとめます。

「デート商法」は、これまでに説明してきたような手口などを使って巧みに異性に近づいてきて、騙されていることに気づかないままに購入させられたりします。

もし、「デート商法」の被害に遭ったことが分かったら、極力早く対応することが大切ですので、これらの対処法を参考にしてください。

【対処法1】まず相談窓口に連絡する

「デート商法」の被害に遭ったときには、まずは専門の相談窓口に連絡することをおすすめします。

そのうえで、相談窓口の方のアドバイスなどに沿って、後述する「クリーンオフ」などの手続きをして被害の回復を図ってください。

なお、連絡する前に次のような準備しておくと相談がスムーズに進みます。

  • 「デート商法」の被害に遭うまでの経緯を時系列にまとめておく
  • 加害者とのメールやSNSでのやりとりの記録
  • 加害者の連絡先、プロフィールなどの情報

相談窓口としては、次のようなところがあります。

消費者ホットライン「局番なしの188」

消費者庁が設置している全国共通の消費者トラブルの相談窓口です。

ガイダンスに従って操作すると最寄りの相談窓口に電話をつないでくれます。

国民生活センター

消費者被害に関して相談できる独立行政法人です。

消費者トラブルの情報を集めており、消費者と販売業者とのトラブル相談や衣食住に関する情報提供などを行っています。

警察相談専用電話「#9110」

生活の安全などに関わる相談に応じてくれる警察の窓口で、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。

ストーカーやDV・悪質商法・近隣や職場でのトラブルなどへの対応を行ってくれます。

法テラス「0570-078374」

国が運営している法律問題解決のための相談窓口で、法的トラブル解決のための機関や制度を紹介してくれます。メールでの問い合わせにも24時間対応しています。

【対処法2】クーリングオフで契約解除する

「クーリングオフ」は、対面販売などで購入した場合に契約を破棄できる制度で、商品を購入した日や契約をした日から、当日を含めて8日以内であれば「クーリングオフ」によって契約を解除することができます。

「クーリングオフ」をするには、書面で販売業者に対して通知を行う必要があるため「内容証明郵便」を利用します。

「内容証明郵便」とは、郵便を出した内容や発送日、相手が受け取った日付等を郵便局が証明するサービスで、「クーリングオフ」の通知を送ったことや販売業者が受け取ったことを証明することができます。

事例にもありましたが、加害者が「クーリングオフ」が可能な購入後8日間は連絡を取り合って被害者が疑問を抱かないようにして、8日を過ぎた時点で連絡が取れなるというのはデート商法では良くあるケースです。

【対処法3】クーリングオフ期間が過ぎても契約解除できる

「クーリングオフ」は原則として8日以内に行わなくてはなりませんが、法令に違反している場合は、8日を過ぎても契約を解除することが可能です。

具体的には次のようなケースです。

  • 販売業者が、商品に関する事実を故意に伝えなかった場合
  • 商品の重要な部分に関して、消費者側に勘違いがあった場合
  • 将来どうなるか分からないことに関して、確実に儲かると断定して勧誘した場合
  • 脅して商品を購入させた場合
  • 未成年者が親権者の同意なく契約を行った場合
  • 愛人契約や売春、暴利、賭博、ねずみ講など公序良俗に違反する場合

万一「デート商法」の被害に遭ったら早急に対処することが重要!

「マッチングアプリ」や「婚活サイト」を悪用した「デート商法」が増加していることから、「デート商法」の代表的な手口や事例、対処法などについて紹介しました。

もちろんこのような悪質な商法に引っかからないように注意するのが一番ですので、代表的な手口や事例などを参考にして十分注意するようにしてください。

なお、それでも万一「デート商法」の被害に遭った場合には、泣き寝入りをせずに専門窓口に相談をして早急に対処することが重要です!

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基本的に個人でデート商法相手の素性や証拠収集を行うのは不可能に近いことなので、プロである探偵にお任せください。

まずはヒアリングを行い、状況や今後どうしていきたいかなどをお聞きした上で、最適な調査、証拠収集方法をご提案いたします。

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