【投稿日】 2022年12月19日 【最終更新日】 2022年12月27日

2020年6月に適用された「パワハラ防止法」により、企業内部のハラスメント対策が年々注目されています。

特に2022年4月からは中小企業にも防止措置が義務化され、対策を怠った企業は損害賠償責任を問われる可能性も高まってきました。

しかし社内のセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントに対し、被害の声を上げられていないケースもまだまだ少なくありません。

今回は、表面化し辛いセクハラやパワハラを徹底的になくすために出来る企業側の対策について解説していきます。

セクハラ、パワハラに該当する行動の定義

ハラスメントは受け取り側がどのように思うかで被害の程度が大きく変わります。

そのため、「そんなつもりはなかったが無自覚のうちにハラスメントに加担していた」という事実が生まれやすくもあるのです。

まずはセクハラ、パワハラの定義と該当する行動について知り、どのような言動が望ましいかを確認しておきましょう。

セクシュアルハラスメントの定義

ハラスメントは性別や性自認、性的思考にかかわらず起こるものです。

その中でも特に次のような「性的な言動」によるハラスメント行為は、セクシュアルハラスメント(セクハラ)と呼ばれます。

  • 身体への過剰、不必要な接触
  • 交際・性的関係の強要
  • 被害者の身体や性的な部分に関する質問
  • 性的と受け取られる発言

悪意を持って行うのではなく、むしろ好意を持って行っていたとしても、受け取り手が不快感、嫌悪感を抱くのであればそれはセクハラに該当します。

また、交際関係の見返りに社内での優遇をちらつかせたり、逆に拒否した相手の減給、解雇などを行うこともセクハラとなるのです。

近年セクシャリティに関する議論は発展しており、「昔であれば冗談で済んでいた」としても深刻な問題となり得ます。

上司・部下を問わず社内における性的な発言には注意しなければなりません。

パワーハラスメントの定義

パワーハラスメント(パワハラ)は、次のような職場内での地位や対人関係の優位性を背景に、精神的・身体的苦痛を与えたり環境を悪化させたりする行為を指します。

  • 殴る、蹴るなどの暴力行為
  • 他社員の見ている前で集中的に怒鳴りつける行為
  • 社内での無視、仲間外し
  • 遂行不可能なノルマの付与
  • 解雇や減給を想起させる脅迫

相手に対する嫌悪や悪意を業務内に持ち込み、それを行使する行動全般がパワハラに該当する可能性があります。

ただ、指導の一環として間違いの指摘や注意を行うべき場面があることも事実です。

そのためパワハラに該当するかどうかを不安視する声が上がることもありますが、客観的にみて業務上必要かつ適切と判断される範囲の行動はパワハラに該当しませんので、必要な指導に対して臆する必要はありません。

あくまでも常識を逸脱した言動に対して気を付ける必要があると言えます。

社内におけるセクハラやパワハラを徹底的になくすには?できる対策

セクハラ、パワハラへの対策は、企業に対し法律で定められた義務です。

各企業内では、ハラスメント対策の徹底化が急がれています。

社内で起こるハラスメントは立場や地位が低い側が被害を受けやすいため、声を上げることさえできないまま退職に追い込まれるというケースも少なくありません。

また、セクハラやパワハラは、一度起こってしまうと問題そのものが解決したとしても対人関係の修復は難しく、軋轢が残り続けやすい一面もあります。

そのため、企業側に求められるのは“そもそもハラスメントが起こらないようにする”ための対策と言えるでしょう。

予防を前提とした対策としてどういったものが有効か、行っていくべき施策について解説していきます。

【対策1】方針の明確化と周知の徹底

セクハラ、パワハラを含む全てのハラスメントに対し、禁止の周知や罰則の施行などを行うことは有効な手段です。

形式的な周知に留めることなく規則として浸透させていき、ハラスメントを企業理念に反する行為として掲げていくことは社内外のクリーンさを高めることにも繋がります。

【対策2】相談窓口の設置などの体制整備

ハラスメント被害者は、社内での立場悪化などを恐れ被害にあっていることを言い出せないケースも多いです。

そのため、プライバシーに配慮した相談窓口の設置など、適切に対応するための体制を整えることも求められます。

定期的に抜き打ちで社内監査を行うなど、水面下で行われているハラスメント行為に対しても目を光らせ、被害が軽微なうちに解決するための取り組みを行っていきましょう。

【対策3】社内研修の実施

自らの言動がハラスメント行為にあたると当事者が認識していなければ、防止策をとっても効果は薄くなってしまいます。

そのため、社内でのハラスメント対策研修を行い、セクハラ、パワハラの定義についての指導を徹底することが必要です。

その他、被害者や告発者のプライバシー保護に関しての措置や、罰則の詳細についての最周知の場としても利用出来るでしょう。

社員全体に対する研修だけでなく、管理者・人事担当者に対しては別途、より理解を深める目的の研修を行うとなお対策としての効果は上がります。

セクハラやパワハラが起こってしまった際の対応

どれだけ防止策を施行したとしても、実際にセクハラやパワハラがすぐになくなるわけではありません。

しかし迅速かつ的確な事後対応を行うことが出来れば、被害を受けた社員が退職に追い込まれるなど、最悪のケースになることを防げる可能性がありますので、こちらも重要なポイントです。

ここでは、もしもハラスメント行為が起こってしまった場合にどのような対応が求められるのかについて、解説していきます。

【対応1】状況を正確にいち早く把握する体制整備

ハラスメントは加害側と被害側で意見に大きな隔たりがあることが多いです。

一方の意見のみに重きを置くと公平でない判断となり、適切な解決に至らないという自体にもなりかねません。

当事者に対する事情聴取のみで状況判断が出来ない場合は第三者にも聴取を行うなど、正確に把握する対応が求められます。

その際、聴取者は心情に左右されず中立な判断が出来ねばなりません。

社内担当者による聴取が困難であると判断されるのであれば外部機関に処理を依頼するなど、正確に対応を決定するための整備を整えることが必要です。

【対応2】被害者への配慮

加害側と被害側が直属の上司部下の関係である場合など、人員配置をそのままにしておくと業務に重大な支障が出ると判断されるのであればすぐさま配置転換を行うことが大切です。

メンタルヘルスの不調が見られる場合には、カウンセリングや医療行為の推奨など、社外の力を借り対応していく必要もあるかもしれません。

被害者の状況に配慮し、長期的な勤務継続が可能となるための最善の対応が求められます。

【対応3】解雇・懲戒処分など罰則の適応

正確な状況把握が完了したあとは、加害側へどのような処分を下すかを決定しなくてはなりません。

ハラスメント対策として罰則が定められている場合にはその通りに実行すべきです。

ただ、悪質性、常習度、自覚の有無など詳細な判断は慎重を要するため、事例ごとに処分の重さが異ならないよう公正に判断することが必要です。

しかし、処分を軽くするなどの恩赦は社内ハラスメントの蔓延を呼び込む可能性があります。

厳しく毅然とした判断で、処分を決定することが大切です。

セクハラやパワハラには「予防」が有効!迅速な体制整備を行うべき

今回は企業が行うべきハラスメント対策について解説いたしました。

令和4年現在、ハラスメント行為を防止するための企業努力は法律で定められた義務です。

ただセクハラやパワハラは被害側が泣き寝入りしてしまうことも多く、体制を整備したとしても表面化してこないケースもあります。

定期的な社内監査や被害側のプライバシー保護に重点を置き、ハラスメントを許さない社内体制を作り上げることが、企業にとっての急務と言えるでしょう。

社員が勤務しやすい企業づくりのためにも、長期的な対策実施が必要です。

表面化しづらいセクハラやパワハラの調査は、探偵事務所SATまで!

セクハラやパワハラなど、ハラスメント行為があったと被害が報告されたとしても、例えば行為を与えた側の自覚や記憶が無かったり、立証が難しいのが実情です。

会社側としては事実に基づき対応していく必要があるため、周囲の聞き取り調査や、過去のメールなどのやりとりのチェックだけでは不十分な場合があります。

そんな時に役立つのが、隠しカメラによる映像・音声です。

防犯カメラと違い、画質がよく、音声が録音可能なので、日頃のセクハラやパワハラの実態を調査することができます。

探偵事務所SATでは、建物管理者に許可を取り、探偵業法に基づき、隠しカメラを使った社内のセクハラやパワハラの実態調査が可能です。

もし、セクハラやパワハラ被害があると報告されているが、なかなか立証が難しいという場合には、探偵事務所SATにメール、またはお電話にてご相談ください。

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