通話機能だけではなく、調べ物や買い物・コミュニケーションツールとしても多くの人が所持するようになった携帯電話やスマートフォンは、家出人の捜索の手がかりとしても重要な位置を占めています。しかし、その情報は個人の重要機密であり、たとえ家族であったとしても入手するのは簡単ではありません。

家出人の携帯電話やスマートフォンの情報から一体どのようなことがわかるのか、捜索の手がかりとなる情報の入手方法も交えて解説していきます。

家出人の携帯電話やスマホの情報は有力な手がかりになる

現代社会において、携帯電話やスマートフォンは単純な会話だけにとどまらず、様々なシーンで利用されています。そして、それらの情報は家出人の捜索を行う上で重要な手がかりとなることがあるのです。

では、具体的にどのようなことがわかるのか、その内容についてみていきましょう。

位置情報から家出人の居場所を特定出来る

携帯電話やスマートフォンで知ることが出来る「位置情報」は、家出人の現在地を特定する上で重要な手がかりとなります。

家出人の捜索において、多くの場合は小さな手がかりから捜索範囲を定めたり、心当たりを探して家出人の居場所を特定していきますが、携帯電話やスマートフォンの位置情報である程度の目安がついていると、捜索範囲も定めやすく確実性も高くなるのです。

特に未成年者や高齢者が行方不明となっている場合、自力では帰宅出来ないような状況も考えられるため、一刻も早い位置情報の入手は家出人の安全を確保するために極めて重要となるのです。

早い段階からの捜索が効果的とされる家出人捜索において、携帯電話・スマートフォンから入手できる位置情報は、帰宅を待ちわびる家族にとって大きな手助けとなっています。

通信履歴から交友関係を知ることが出来る

携帯電話やスマートフォンによる通信履歴・保存データは、家出人の交友関係や行動を知る上で極めて重要な情報です。

少しでも多くの情報を手に入れるためには、家出人の交友関係の把握は欠かすことが出来ません。1人1台の所有も珍しくない時代となってきた携帯電話やスマートフォンは、家族も知らない家出人の交友関係を知るための手がかりとなるのです。

スマホの保存データから家出人の行動を探る

小さなパソコンともいうべきスマートフォンは、1台手元にあるだけで様々な行動を起こすことが出来ます。実際に家出人がスマートフォンで行ったことがある行動としては、以下のような項目が挙げられます。

  • 公共交通機関の予約
  • 仕事の検索
  • 引越し先の検索
  • ホテルの予約
  • 家出先の知人とのやり取り
  • SNSへの書き込み
  • スマートフォンを利用した支払い機能の設定など

家出人のこうしたやり取りは、捜索の方向性を定めたり家出の原因を探るために役立てることが出来ます。

家出人の携帯電話・スマホから手がかりを集める具体的な方法

家出人の捜索に大変役立つ携帯電話・スマートフォンの情報ですが、これらは家出人の個人情報であることから簡単に集めることが出来ません。

では、実際に調べるためにはどのような方法があるのか、具体的な例を挙げて解説していきましょう。

携帯・スマホのGPS機能を利用する

家出人の使用している携帯・スマホにGPS機能が付いていたり、GPSによる位置情報を利用したアプリが入っている場合には、家出人の居場所をGPSで特定することが可能です。

GPSとは、人工衛星からの電波測位システムです。地球上での現在位置を人工衛星からの電波で測って特定しており、この機能を利用したアプリも数多く普及しています。

  • GPSを利用したゲームアプリ
  • ナビゲーションシステムアプリ
  • 友人同士のコミュニケーションツール
  • 災害時の確認アプリ

こうしたアプリは、日常生活ではあまり意識していなくてもいざという時に役立つというメリットがあり、特に未成年者や高齢者を見守るといった点では大きな力を発揮します。GPS機能を利用するためには、お互いにフォローし合うなどの事前準備が必要となることもありますので、GPSによる捜索を試す時には一度確認してみるようにしましょう。

位置検索サポートを利用する

携帯電話やスマートフォンの回線を契約している会社によっては、万が一機器が紛失・盗難された場合に捜索することが出来るよう、位置検索サポートの登録サービスを行なっていることがあります。

これは、携帯電話やスマートフォンから発せられる電波がどの基地局に繋がったかで位置を把握する方法で、この電波を追跡することで現在位置を特定出来るという仕組みです。各契約会社のみがこの情報を把握しており、刑事事件などで情報開示の要請があった場合などにも役立てられています。

このサービスは、各契約会社のお客様サポートセンターやインターネット上のHPにアクセスすることでいつでも検索することが可能で、契約時に定めたれたIDやパスワードが分かっているという時には有効な手段となります。

家出人が契約者となっている場合には難しいかも知れませんが、もし家出人の携帯の契約者が家族の誰かになっている時には、位置検索サポートのサービスを利用してみるのも良いでしょう。

携帯・スマホの契約会社へ発信履歴の明細書を請求する

家出人の携帯電話やスマートフォンの発信履歴を知りたい場合には、明細書の請求を各契約会社へ申し込むことが出来ます。明細書でわかるのは発信履歴のみで、着信履歴は記録として残っていません。具体的な内容としては、以下のようなものになります。

  • 発信日時
  • 通話先の電話番号(番号のみで名前までは記録されていない)
  • 通話時間
  • 過去3ヶ月から半年ほどの期間の発信記録

ただし、発信履歴は極めて重要な個人情報となるため、明細書の請求には次のような条件が必要となります。

  • 携帯やスマートフォンの契約者(名義人)本人であること。
  • 契約者からの委任状があること。
  • 刑事事件の捜査の一環として、裁判所から情報開示命令が出されていること。

詳細については契約している会社によって若干異なる点も出てきますので、一度お客様窓口で問い合わせたり、Webで公開されている内容を確認するようにしましょう。

書類の偽造やなりすましなどの問題が増えたことにより、各契約会社では個人情報保護に非常に慎重となっています。少しでも疑いがある場合には、使用している家出人に連絡を入れることもあるため、請求の際には十分な配慮と注意が必要です。

無料通話アプリを利用した通信記録の情報は各アプリ会社へ

スマートフォンでの通話の場合、一般的な回線を通さず無料通話が出来るアプリを通して連絡を取り合うことが増えてきました。アプリを通した無料通話は契約しているキャリアの回線を通さないため、契約会社へ連絡しても発信記録の明細を取ることは出来ません。

無料通話アプリを通しての通信記録は、そのアプリを提供している会社へ直接申し込むことになります。情報開示条件はそれぞれに異なるため、事前の準備確認が必要です。

少しややこしく感じるかも知れませんが、アプリを通しての電話は一般の携帯電話回線とは異なりますので、アプリの提供会社とスマートフォンの契約会社の両方へ問い合わせるようにしましょう。

家出人のスマホと情報共有しているデバイスを調べる

スマートフォンの利用者は、電話やメールなどの通信手段としてだけではなく、様々な目的でスマートフォンを活用しています。スマートフォンの情報を他のデバイス(パソコンやタブレットなど)にも連動して共有することで、仕事や趣味などを充実させるのです。具体的な例としては、以下のような利用方法です。

  • スマホとタブレットに同じメールアドレスを登録しておき、スマホに入ったメールがタブレットにも着信するように設定する。
  • スマホのデータを定期的にパソコンへ保存し、バックアップデータを作っておく。
  • スマホに入れているチャット機能アプリをパソコンやタブレットと連動させ、どの機材(デバイス)を使用していてもすぐに返事が出来るように設定する。

もし家出人がこのような使用方法を日常的に行なっていた場合、残されたパソコンやタブレット内にスマートフォンの通信記録が残されていたり、継続して家出人のメールが着信
し続ける可能性がある
のです。

取り扱いに慣れていないと難しい部分があるかも知れませんが、情報収集の一つの手段として試してみるのも良いでしょう。ただし、機種によってはアクセスした途端に家出人へ連絡がいくこともありますので、十分な注意が必要です。

家出人の携帯電話・スマホの情報収集が難しいケースとは

入手出来れば家出人の捜索に大変有効となる携帯電話やスマートフォンの情報ですが、そのためにクリアしなければならない問題点も多く存在しています。携帯電話やスマートフォンの情報収集が難しくなるケースについてみていきましょう。

家出人が携帯電話・スマホの電源をオフにしている

携帯電話やスマートフォンは電子機器ですので、電源が入っていない状態では当然使用不可能となります。つまり、家出人が意図的に電源をオフにしていたり電池切れを起こしてそのまま放置をしている場合、電波が発せられないので追跡もGPS機能の利用も出来ないのです。

しかし、日常生活で携帯電話やスマートフォンを利用しなければならない機会は大変多いので、なにかのタイミングで電波を発したりGPSが反応するチャンスがないわけではありません。家出人への連絡が取れない状態であったとしても、定期的に連絡を入れ続けるように心掛けてみましょう。

携帯電話・スマホの契約者が家出人本人である

携帯電話やスマートフォンの契約者が家出人本人の場合、次のような問題が起こる可能性があります。

  • 契約が解除されており連絡がつかなくなる。
  • 家出人の通信履歴を問い合わせることが難しくなる。
  • 残された家族からの申し出が家出人へ通報されることで、関係が悪化する可能性がある。

計画的に失踪する家出人は、事前に携帯の契約解除を行うなどの準備をしていることも多く、例え家族であっても簡単に手がかりを掴むことが出来ないケースも少なくありません。また、契約会社には個人情報を守る義務があるため、契約者である家出人への通報を止めることも難しいでしょう。

通信通話料の関係から、複数台を1人の契約者にまとめていることも珍しくありません。携帯電話やスマートフォンの情報は個人情報であることを良く認識しておき、契約会社への問い合わせ前には契約状況を確認するようにしましょう。

家出人の失踪に刑事事件性がない

携帯電話やスマートフォンの情報開示条件の一つに、刑事事件の捜査上必要性があると判断され、裁判所からの命令が出ていることというものがあります。具体的な例としては、以下のような状況です。

  • 家出人が何かしらの犯罪を犯している可能性がある。
  • 家出人が何かしらの事件・事故に巻き込まれて行方不明となった可能性がある。
  • 家出人が13歳以下の未成年者、もしくは痴呆症などを患っている高齢者であり、一刻も
  • 早い発見をしなければならない。

つまり、警察が家出人の捜索を積極的に行うケースに当てはまる場合には、契約会社も情報提供などの協力を行いますが、家出人に命の危険性がなく刑事事件として認められないと、情報を集めることが難しくなるのです。

下記の記事では、行方不明となっている家出人に緊急性があるかどうか、ケース別に詳しく解説をしております。

捜索したい家出人がどのようなケースに当てはまるのかを確認し、適切な場所へ相談した上で携帯電話やスマートフォンの情報を集めるようにしましょう。

家出人の携帯電話の通信履歴を情報開示する流れを具体的に解説

家出人捜索の手がかりとして、必ずといっていい程注目される「通信履歴の情報開示」ですが、滅多にないことだけに、なかなかイメージが掴めないという人も少なくありません。

では、実際に情報開示の申し込みをした人はどのような流れで行なっているのか、その具体例を見ていきましょう。

申し込み前の事前準備

どのような場合においても必ず行わなければならないのが、「情報開示条件を満たしているかの確認」です。最低でも以下の項目は必ずチェクする必要があります。

  • 家出人の所有する携帯電話やスマートフォンの契約者が誰になっているか。
  • 通信履歴の明細を請求出来る条件が整っているか。
  • 明細を請求する時に必要な身分証明書などが揃っているか。
  • 契約時に設定したパスワードやアカウントの確認

これらの項目のうち、「契約者が情報開示を求める本人であること」「明細を請求するにあたり必要な身分証明書を持っていること」の2点は、最低でもクリアしていなければなりませんので、よく確認をしてから行動するようにしましょう。

アカウントとパスワードでWeb上のサイトから申し込む

通信履歴の明細を一番早く手に入れる方法は、各契約会社のサイトから申し込むことです。アカウントやパスワードがわかっていれば、その場でWeb上から明細を確認することが可能となります。ただし、契約しているキャリアによっては、事前に「通話履歴明細確認のための申し込み」をしなければならない場合があります。

必要条件に関しては各契約会社で詳細に説明をしておりますので、Web上から通話明細確認を行う場合には、一度契約会社のサポート項目からチェックをするようにしましょう。

店舗で申し込みを行う

アカウントやパスワードがわからなかったり、Web上での確認が難しいという時には、実際に店舗へ出向き通信履歴の明細書の発行を申し込むことが出来ます。「家出人が使用している携帯・スマートフォンの契約者であること」「顔写真付きの身分証明書等があること」という条件が整っていれば、比較的スムーズに申し込みを行うことが可能です。

ただし、明細書は書類として郵送で送られてくるため、申し込んでから数日は待つ必要があります。また、「月ごと」「回線ごと」で書類が分かれるため、書類一枚に付き100円〜200円の料金が別途掛かってきます。

「今すぐに知りたい」「緊急性があり時間がない」というケースにはあまり向いていない方法となりますので、行方不明となった家出人の捜索に事件性や緊急性がある場合には、すぐに警察へ届け出を出しそちらから働きかけて貰う方が良いでしょう。

弁護士に依頼して情報開示を求める

自分たちでの情報開示請求が難しいと判断した人の中には、弁護士に依頼をして家出人の携帯電話やスマートフォンの情報開示を求めるケースがあります。しかし、弁護士はあくまで「依頼された案件の処理のために情報開示を求める」ことになりますので、そこには必ず「情報開示を求めなければならない理由」が存在します。

例としては、以下のような状況です。

  • 行方不明となった家出人が借金を背負っており、その債務処理のために情報開示が必要である。
  • 行方不明となった家出人が所有している車や契約している駐車場などを緊急で処理しなければならないので、法的に問題がないよう処理するため情報を集めたい。
  • 養育費や慰謝料の支払いを裁判で命じられたのに逃げた家出人に対し、法的に訴えるために調査する必要がある。

つまり、家出人に対して何らかの法的手続きをしなければならないという状況に対し、その依頼を受けた弁護士が必要だと判断して情報開示を求めるのです。弁護士は、刑事・民事に関係する問題を法的に処理することが仕事になりますので、依頼を考える前にまずその必要があるかどうかを判断するようにしましょう。

家出人の携帯電話・スマホの情報を集める時に注意すべきこと

重要な手がかりとなる携帯電話やスマートフォンの情報は、捜索する上で確実性が高くなる一方で注意をしなければならない点も存在します。どのようなことに気をつければ良いのか、ポイントを押さえてみていきましょう。

知りたい情報を絞っておく

利便性が高い携帯電話やスマートフォンは、多くの手がかりが残されている可能性が高い一方で調べる項目も多岐に渡るため、逆に何からどう調べれば良いのか迷う人も少なくありません。一度に大量の情報を手に入れようとすると、かえって迷ったり時間が掛かってしまうこともあるのです。

携帯電話やスマートフォンの情報を調べることでわかるのは、以下のような項目が主になります。

  • 通信履歴で通話した相手の電話番号を知る。
  • 通信した日時を知る。
  • GPS機能で居場所を知る。
  • 位置情報検索で現在地を知る。
  • 家出人が携帯電話やスマートフォンを解約していないかどうか。
  • 家出人のメールアドレスが使用可能かどうか。

これらの項目を参考にして自分が知りたいと思う情報がどのようなものなのかをはっきりさせ、知りたい情報を絞ってから行動に移すようにしましょう。

情報開示条件を満たしているかどうかを確認する

個人情報保護の観点から、契約会社は入念に情報開示の条件を満たしているかどうかを確認します。家出人を早く探し出したいと思うあまり、よく確認せずに契約会社へ連絡する人もいるのですが、必要な書類がなかったり説明不足に陥ってしまうと、逆に詐欺やなりすましなどを疑われてしまう可能性もあるのです。

「契約者本人であること」「警察が事件性・緊急性を認めていること」などの情報開示条件をよく確認し、個人情報の情報開示に正当性があることをしっかり証明出来るように準備してから情報開示の申請をするようにしましょう。

入手出来た情報の取り扱いには注意する

家出人の通信記録を入手した家族の中には、次のような行動を取る人もいます。

  • 入手した電話番号に片っ端から連絡を取り迷惑を掛ける。
  • 入手した電話番号を不特定多数の人に知らせて捜索する。
  • 入手した情報をコピーして捜索の協力者に配布する。

せっかく入手出来た携帯電話やスマートフォンの個人情報も、このような行動を取ってしまうと逆に家族が訴えられる可能性が高くなり、家出人との関係も悪化してしまいます。また、基本的に通信記録には電話番号だけしか記載されていないため、個人で捜索を行うには限界があります。

一番良い方法は、入手出来た情報を手がかりの一つと考え、捜索のプロである警察や探偵に相談することです。特に探偵は民事・刑事に関係なく行動することが出来ますので、家族が入手した大切な情報を、有効的に活用することが出来ます。

多くの探偵事務所では無料相談窓口も設けていますので、携帯電話やスマートフォンから得た手がかりをどのように利用すれば良いのか、一度相談してみるのも良いでしょう。

まとめ

家出人捜索の手がかりを携帯電話やスマートフォンから手に入れる方法について、詳しく解説してきましたがいかがでしたのでしょうか。もう一度内容を振り返り、まとめてみましょう。

  • 携帯電話やスマートフォンを利用した捜索のメリットには、「位置情報から居場所を特定する」「通信履歴から交友関係を知る」「保存データから家出人の行動を探れる」といったものがある。
  • 携帯電話やスマートフォンから家出人の捜索の手がかりを探る方法には、「GPS機能を利用した捜索」「位置検索サポートを利用した捜索」「契約している通信会社へ発信履歴の明
    細書を請求する」「家出人のスマートフォンと情報共有しているパソコンやタブレットを調べる」といったものがある。
  • 携帯電話やスマートフォンの情報は個人情報になるため、「契約者本人であること」「契約者の委任状があること」「刑事事件の捜査に必要で裁判所からの命令が出ていること」と
    いった情報開示条件が必要となる。
  • 携帯電話やスマートフォンの情報を調べる時には「何が知りたいのか」といった目的をはっきりとさせ、項目を絞って調べるようにする。
  • 入手した個人情報の取り扱いには十分注意し、無理な捜索は避けて警察や探偵事務所への情報提供の一つとして考える。

普及率が急速の高まり日常生活に欠かせなくなっている携帯電話やスマートフォンは、家出人捜索の重要な手がかりである一方で、その取り扱いが難しく個人では利用しきれないといった問題も出てきます。出来る範囲内で捜索を続けながら、難しいと感じた部分は探偵などの第三者を上手に利用して、家出人の早期発見に繋げるようにしてみましょう。