大切な人が家出をしたと分かった時、残された人がまずやらなければならないのは「家出人を探すための手がかりを見つけること」です。家出人が残した物や行方不明となる前後の情報について調べ、それを元にして捜索を行うのですが、やみくもに手がかりを集めることは残された人にとって大変な負担となることも少なくありません。

では、家出人を探す手がかりとなるのは、具体的にどのようなものなのでしょうか。捜索に必要な手がかりについて、集める目的と集め方を詳しく解説していきます。

失踪した家出人の手がかりからわかる内容とは

まず最初に、家出人が残した手がかりからどのようなことがわかるのかをみていきましょう。「どんなことを目的として手がかりを集めているのか」がはっきりしていると、次のようなメリットがあります。

  • 家出人を探す場所が絞れる。
  • 目的別に手がかりを探すのでわかりやすい。
  • 手がかりの整理がつけやすくなる。

心配や不安を抱えた中で手がかりを探す行為は、どうしても落ち着かず慌ててしまうことも少なくありません。「何を目的として手がかりを探しているのか」がはっきりすることで、必要な手がかりを見つけやすくなります。具体的な例を挙げていきながら、手がかりからわかる家出人の情報について解説します。

家出人が失踪した原因について

家出人が何故行方不明となったのか、その原因がはっきりしているとその後の捜索方法が選択しやすくなります。警視庁の資料から家出の原因をみると、次のようになっています。

家庭関係

両親の離婚や家族内の不仲・親からの虐待といった家庭内の問題を原因とした失踪。

疾病関係

精神的疾患・認知症による徘徊を原因とした失踪。

事業・職業関係

仕事の失敗や会社の倒産・リストラを原因とした失踪。

異性関係

恋人の浮気や配偶者の不倫・婚約解消・かけおちなどを原因とした失踪。

学業関係

学校でのいじめ・成績の低下・受験の失敗などを原因とした失踪。

犯罪関係

誘拐・殺人・事故などの犯罪を原因とした失踪。

その他

放浪癖がある・遊び癖があり帰ってこないなどを原因とした失踪。


このような原因のうち、「未成年者の失踪」「疾病関係の失踪」「自殺の可能性がある失踪」「事件や事故の可能性がある失踪」は、行方不明となった家出人の命の危険性が高いと判断され、警察による積極的な捜索が行われます。

一つ一つの項目にあてはめながら、それぞれの原因に繋がる手がかりみつけることで、より明確な家出の原因を探ることが出来ます。

家出人の失踪が計画的か突発的か

家出人の失踪が「計画的なのか突発的なのかを知ること」も、手がかりを集める上で重要な目的となります。それぞれの具体的な例としては、以下のような状況です。

計画性のある失踪と突発的な失踪の大きな違いは、「家出した本人の意思がはっきりしているかどうか」です。明確な意思がある失踪の場合は、残された人たちが手がかりを探ることも可能ですが、突発的な失踪の場合は、警察や探偵といった「調査のプロ」でなければ手がかりすら見つからないこともあります。

手がかりを探す時にもし次のような項目があてはまった場合には、突発的な失踪と判断してすぐに警察や探偵へ相談するようにしましょう。

  • 家出人が認知症や精神的疾患を抱えている場合。
  • いつも通り通学した子どもが帰宅時間になっても帰ってこない場合。
  • 家族や恋人の出張先で大きな事故や災害が起こり、連絡が取れなくなった場合。
  • 家出人との連絡が突然途絶えた場合。
  • 財布や携帯など出掛ける時に必要な持ち物がすべて残っている場合。

家出人の移動手段や宿泊先など

家出人の移動手段として考えられるのは、主に次のような項目です。

  • 徒歩による移動
  • 自転車による移動
  • バイクや車による移動
  • バスや電車などの公共交通機関による移動

移動手段を知ることは、家出人の捜索範囲がどの位広いのかを把握する上でとても重要です。可能性として考えられる移動手段について、所持している自転車やバイク・車の有無や日常の行動範囲から手がかりを探るようにします。

計画的に失踪した家出人の場合は、行き先や移動手段に関する情報を残していることがあります。具体的には次のような項目です。

  • 一定の地域を特集した旅行雑誌。
  • 特定の自己啓発本やスピリチュアル系の本。
  • 家出人が気に入っている映画や本。
  • パソコンの履歴にチケットや宿泊先の予約の形跡。
  • 家出に同行している可能性がある人とのやり取り。

こうした情報も手がかりとして重要な点となりますので、手がかりを見つける時には意識して探すようにしましょう。

家出の手がかりを集める方法!自宅調査・持ち物調査で押さえるポイント

家出人を探す手がかりを見つけるためには、自宅調査・持ち物調査を欠かすことは出来ません。しかし、実際に調べた人の中には「どれもこれも怪しく感じてしまった」「これは関係ないと思った」という意見も多く、後に警察や探偵から指摘を受けて、もう一度手がかりを探し直すというケースもあるのです。

実は、家出人を捜索する手がかりは「目的とポイントを押さえる」ことで大変効率よく進めることが出来ます。どのような順番で手がかりを探せば良いのか、その詳細を見ていきましょう。

部屋の印象をチェックする

まず最初に、家出人が使用していた部屋を全体的に見回します。ここで目的となるのは「計画的か突発的か」という点の見極めです。

部屋が整えられいて物が減っている場合には「計画的な家出の可能性」が、日常生活そのままで生活の痕跡が残っていたり、逆に家探ししたように荒れている場合には「突発的な家出(もしくは誘拐・拉致)の可能性」があります。

この段階で「突発的な家出の可能性」が高い場合には、速やかに警察へ連絡することが大切です。可能な限り現状を保存しておき、必要なもの以外は触らないようにしましょう。

残された持ち物を調べる

家出人が残したものを一つ一つ調べていきます。ここで目的となるのは「家出の原因と行き先を探ること」です。次のような項目を意識して調べてみましょう。

  • 家出人の日記や直筆のメモ
  • 家出人の残した遺書や書き置き
  • 家出人宛の借金の督促状やキャッシング会社のハガキ
  • 旅行雑誌やリクルート雑誌
  • 病院の領収書や診察結果
  • 残されている薬
  • パソコン内の検索履歴やメール
  • 家出人のブログやSNSの内容
  • 残された衣服のポケットの中
  • 電話番号がメモされた付箋や用紙
  • ゴミ箱の中のレシート
  • カバンの中やポケット
  • 本棚の中の本や書類の間

上記の中で特に念入りに調べると良いのが、家出人が残したパソコンのデータです。ロックが掛かっている場合には難しいかも知れませんが、パソコンの中には消したつもりでもデータが残っていることが多く、短時間で情報が集まることもあります。

計画性が高い家出の場合、痕跡を残さないように時間をかけているケースもありますが、それでもわずかな手がかりが残っていることもあります。思いつく限りの場所を調べ、少しでも怪しいと感じるものは全て保存しておくようにしましょう。

持ち出した可能性がある物をリストアップする

次に、「家出人が持ち出した可能性がある物」をリストアップしていきます。この調査の目的は、「家出人を捜索する上で役立つ手がかりを掴むこと」です。

次のような物が見当たらない場合、家出人の捜索に役に立つことがあります。

  • 銀行のキャッシュカードや通帳、現金など
  • クレジットカード
  • 携帯電話
  • 運転免許証
  • 保険証
  • パスポート
  • 印鑑
  • 仕事に関係するような特殊免許
  • 所持していた車やバイク(車種やナンバーがわかるとさらに良い)
  • スーツケース、旅行バッグ
  • 大切にしていた物、愛用していた物

この他、無くなっている衣服や靴・鞄など、家出人が身につけているものがわかるようであればそれをリストアップしておき、警察や探偵に相談する時に伝えておくようにしましょう。

自宅調査以外で確認しておいた方が良いこと

家出人の自宅調査だけではなく、行動範囲内における動向も調査・確認の対象です。次のような項目は、行方不明となる前後の家出人の行動を探る上で手がかりになることがあります。

  • 住民票の移動や取得
  • 勤務先やアルバイト先の勤務状況
  • 学校への出席状況
  • 部活や社会人サークルへの参加状況
  • 習い事などの出席状況

特に一人暮らしの成人が行方不明となっている場合、離れて暮らす家族や親族ではわからない人間関係も多く存在します。可能な限り人間関係を明らかにして、少しでも捜索の手がかりを増やすようにしましょう。

集めた家出人の手がかりを持って相談をする

せっかく集めた捜索の手がかりも、有効に活用しなければ家出人の発見に繋げることは出来ません。集めた手がかりをどのように活用すれば良いのか、具体的な例をみていきましょう。

家出人の友人・知人・交際相手・親族へ連絡

行方不明となった家出人に近しい関係者へ、状況報告とさらに詳しい情報提供の協力を求めるようにします。集めた手がかりによって尋ねる項目は異なりますが、具体的な例としては以下のような項目を尋ねていきます。

  • 家出人が行方不明となる前の行動や言動について。
  • 集めた手がかりを元にした具体的な質問をしてみる。
    (例:家出人の借金の有無・いじめられていたか・トラブルがあったか・悩んでいる様子がなかったか・不倫や駆け落ちの噂はなかったか・精神疾患や自殺をほのめかす言動があったかなど)
  • 家出人の行方について心当たりはあるか。
  • 家出人から何か預かったり渡されているものはないか。
  • 家出人に関することで気になった点はなかったか。

こうした質問をすることによって、残された家族や恋人が知らなかった家出人の姿や思考が分かり、さらに詳しい捜索の手がかりが得られるケースも少なくありません。可能な限り情報をオープンにして、広い人脈で捜索の協力を求めるようにしましょう。

警察へ行方不明者届を出す

家出人が行方不明となった原因として、「緊急性」「命の危険性」「自力での危機回避が難しい場合(未成年や老人)」「犯罪や事故・事件に巻き込まれた可能性」などが考えられる時には、速やかに警察へ出向き行方不明者届を提出するようにします。

警察に行方不明者届が受理された場合、行方不明となった家出人のデータが登録されて全国の警察へ回ることになり、積極的な捜索や警ら中の声かけ・家出人の現住所への訪問といった形で発見されることもあります。

警察への届出に躊躇する人も多いのですが、早い段階からの届出が行方不明者の早期発見へと繋がります。探し出した手がかりとともに家出人の基本情報も準備して、早めに警察へ行くようにしましょう。

なお、行方不明届は「家出人が行方不明となった場所の所轄の警察へ」提出することになりますので、警察のホームページ等を参考にして、必要な準備を行うようにしましょう。

探偵事務所へ相談する

行方不明者の捜索にあたり、探偵事務所に相談する人も少なくありません。手がかりを持って相談に来る人は勿論ですが、手がかりを探す段階から探偵事務所に依頼して、確実に情報を固めていく人もいます。

探偵事務所に依頼するメリットは、家出人の捜索に関して積極的に動けるという点です。せっかく集めた手がかりも、時間が経つと情報が古くなったり記憶が薄れてしまうため、十分に活かすことが難しくなってしまいます。行方不明者の捜索は時間との勝負になってくるのです。

多くの探偵事務所では無料相談窓口を設けており、手がかりを集める上で必要なアドバイスを受けることが出来ます。このようなシステムを上手に利用して、家出人の早期発見へ向けた一歩を心掛けてみましょう。

まとめ

失踪した家出人の手がかりについて、詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容を振り返り、ポイントをまとめてみましょう。

  • 家出人の手がかりを集めることで、「家出した原因」「家出人の行く先や移動方法」「家出が計画的なのか突発的なのか」といったことがわかる。
  • 家出人の自宅調査や持ち物調査は、目的意識をはっきりと持った上で行うとスムーズになる。
  • 手がかり探しは「家出人の自室に入る前の印象」→「残された物を調べる」→「持ち出した可能性があるものをリストアップする」という流れを作ると分かりやすくなる。
  • 自宅調査以外にも、家出人の行動範囲内や役所・人間関係から情報を集めて手がかりにする。
  • 集めた手がかりは「家出人の関係者」「警察」「探偵事務所」などで活用し、さらに詳しい情報を集められるようにする。

目の前からいなくなってしまった家出人と繋がっている手がかりは、残された人にとっては大切な絆です。しかし、その手がかりも上手く集めたり活用出来なければ、家出人との再会が遠くなってしまいます。目的意識を持ちポイントを押さえた手がかり探しをして、家出人の早期発見に繋がるよう努めてみましょう。