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不良社員・従業員のサボりの証拠、探偵の素行調査で正当に処分する方法
【投稿日】2018年10月25日
「不良社員」とは、勤務態度や思想に問題が見られる社員のことです。社員の問題行動のうち、「仕事中のサボり」は軽視されがちですが、実は会社の信用を損ないかねないことをご存じでしょうか。
「仕事中にちょっと休憩する程度なら、誰でもするんじゃないか」と思われるかもしれませんが、ここで取り上げるのは確信犯的なサボりです。
不良社員による確信犯的なサボりの一例
- 営業に行くと申告して外出したはずなのに、インターネットカフェに直行していた。営業日報にも架空の訪問先など、虚偽の報告を記載していた。
- 病気療養のために診断書も提出し、休職中の社員がいる。自宅療養しているはずなのに、繁華街での目撃情報がしばしば報告されている。
上記のような不良社員のサボりの実態が社外に知られたら、会社が受けるダメージは想像に難くありません。そこで、不良社員のサボりに対処するために知っておくべき法律や、懲罰の根拠となる証拠の集め方ついて詳しく解説します。
不良社員のサボりによって企業が被る被害
社員のサボりを軽く見るべきではありません。自社に仕事をサボる社員がいた場合、その者の勤怠や勤務態度を見過ごすことは、企業にとって大ダメージともなり得ます。
では、社員のサボりが企業に及ぼす被害には、どのようなものがあるのかを見ていきましょう。
就業時間内のサボりは「労務提供の債務不履行」
就業規則で定めた就業時間中であるにもかかわらず、社員が仕事をせずにサボっていたら、会社が支払った給料と、社員の働きの釣り合いが取れません。これは、労働契約法における使用者(企業)に対する「債務不履行」と言います。
ではここで、労働契約法における労働者と使用者の義務について考えてみましょう。労働契約法は、労働者と使用者の義務について次のように定義しています。
第3条 第4項
労働者及び使用者は、労働契約を遵守するとともに、信義に従い誠実に、権利を行使し、及び義務を履行しなければならない。第6条
労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する。引用元: 労働契約法(総務省)
労働契約は、雇用契約書などの書面での合意の有無に関係なく、企業と社員の間に労働関係が生じた時点で契約合意と見なされます。企業と社員の双方には次の義務が生じるのです。
- ①社員は、会社に対して「労務を提供する」義務を有する。
- ②企業は、社員より提供された労務に対して、「対価=賃金を支払う」義務を有する。
上記のどちらかでも正当な理由なく履行されなければ、債務不履行となります。社員が就業中に仕事をサボるという行為は、①の「労務提供の債務不履行」に該当するのです。
サボりを放置する企業リスク
前項では労働契約法について知って頂くために、社員のサボりによって発生する被害を給与支払い分の損失に限定しました。実際問題として、社員のサボりを見逃して放置していれば、これ以外にもリスクが発生します。
そこで、不良社員のサボりを放置することで、企業が他にどのようなリスクを負うことになるかを、確認しておきましょう。不良社員のサボりを容認・放置することによる企業リスクには、このようなものがあります。
- 社員のサボりの時間分の給与も支払うため、実際の売上に対して人件費・経費が嵩み、収益が下がる。
- サボりが発覚した場合、社内風紀の乱れや、他の社員のモチベーションの低下に繋がる。
- 自社の社員のサボりが他社や社会に知られることで、会社全体の信用問題に発展する可能性もある。
たかがサボりと甘く見て経営に大打撃を受けないためにも、不良社員のサボりに対する処分は企業のリスクマネジメント上、必要な措置なのです。
不良社員の処分(解雇・懲罰)の前に理解すべき法的制約
労働契約法の壁
前項では、社員の労務提供義務の観点から労働契約法について説明しました。労働契約法に基づいて考えれば、就業時間中にサボっている不良社員に何らかの懲罰を課することは、正当な処分であると考えるのが一般的です。
ところが、この労働契約法が、社員の懲罰にあたって最大の壁にもなり得ることをご存じでしょうか。労働契約法は労働者の不当解雇や不当な懲罰を防ぐことを目的として施行された法律です。つまり、労働者は労働契約法によって、雇用が手厚く保護されているのです。
不良社員に対して懲罰を与える際、注意しなければならないのは、労働契約法 第15条および第16条です。社員に対する懲罰は、第15条・第16条に則り「客観的に合理的な理由」があり「社会通念上相当である」と認められない限り、無効と見なされてしまうのです。
ここで言う「客観的に合理的な理由」のポイントは以下のとおりです。
- 対象者の行為(懲罰の理由)は事実か?
- 第三者でも事実として認められるか?(具体的かつ客観的な証拠や証言はあるか?)
- 就業規則の懲罰事由に該当しているか?
また、「社会通念上相当である」と認められるためには、次の点をクリアしていなければなりません。
- 事業者側も改善のための措置(指導・監督・処分)を実行したか?
- 社会一般的に見て、処分は妥当か?
正当な処分(解雇・懲罰)に必要なのは「サボりの証拠」
ここまで、不良社員への懲罰は客観的に合理的な理由があることと、社会通念上相当であると認められる必要がある、とご紹介しました。特に重要視されるのは「客観的に合理的な理由」、つまり「サボりの証拠」です。
では、具体的な「サボりの証拠」がない状態で不良社員に懲罰を課した場合、どのような展開になるかを考えてみましょう。
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不良社員がサボりに対して課された懲罰を不服に思い、処分の撤回を求める際に起こしやすい行動が、労働組合や外部の相談窓口で不当解雇や不当な懲罰を訴えることです。この時、会社はその社員のサボりを証明できなければ、懲罰の正当性が認められず無効となる可能性が高いのです。
さらには、相談機関を介した当事者間の合意に至らなければ、最悪の場合、労働紛争に発展しかねません。紛争が長引けば企業のイメージダウンは避けられない、というリスクも背負うことになるのです。
ただし、不良社員に外部の相談機関へと駆け込まれても、客観的かつ具体的な証拠でサボりを証明できれば、不良社員への懲罰は有効と見なされ、労働紛争に発展した場合でも不利になる心配も要りません。
このように、労働契約法に抵触することなく不良社員の処分を行うためには、サボりの証拠を徹底的に掴んでおくことが絶対不可欠なのです。
素行調査で不良社員のサボりの証拠を徹底把握
不良社員への懲罰の正当性を証明するには、サボりの証拠を集めなければなりません。そこで、効果的にサボりの証拠を集められる調査手法が素行調査です。
では、素行調査とはどのような調査なのでしょうか。素行調査の方法や内容、調査によって得られる情報は何なのかを解説します。
従業員の素行調査とは
素行調査とは、調査対象者が「いつ・どこで・何をしていたか」を監視して、証拠として記録に残したり、撮影したりする調査です。不良社員のサボりの証拠集めが目的の場合は、不良社員の出勤日の行動を追跡して、記録や写真・映像に残します。
従業員の素行調査の方法
素行調査の基本は尾行と張り込みです。尾行と張り込み、それぞれの方法について詳しく解説します。
まず、尾行は原則として、社員が家を出てから帰宅するまでの全行程を追跡します。調査範囲を勤務時間に限定する場合は、勤務時間中の外出を尾行します。
張り込みは、対象者の自宅・勤務先・立ち寄り先付近でひたすら待機して、見張りをします。張り込みは目的によって次の2種類に分かれます。
証拠の撮影のための張り込み
外出中に立ち寄った場所や施設、施設への出入りの瞬間、立ち寄り先で接触した人物の写真を撮影するために張り込みます。これらの写真はサボりの証拠能力は高いですが、決定的瞬間を撮影する必要があるため、ベストショットを狙って待機する必要があるのです。
尾行に移るための張り込み
尾行中の不良社員が勤務先や立ち寄り先の施設に入ったら、その建物から出てくるまでひたすら待機します。対象者が張り込み先から出てきて移動を開始したら尾行を再開して、次の立ち寄り先で再び張り込み、移動したら尾行を再開する、という繰り返しになります。
また、尾行や張り込み以外に、不良社員のサボりを証明する際に活用できるのが、GPS発信機です。不良社員の仕事が外回りの営業なら、調査対象者の車両に設置して位置情報を取得・記録することができます。
残念ながら、GPSの位置情報そのものには証拠能力はありません。また、混雑した場所では位置情報に誤差が生じることもあるため、正確な場所や住所の特定には不向きです。あくまでも、不良社員の立ち寄り先を把握する際の補助ツールとして活用すべきでしょう。
従業員の素行調査で得られる証拠
素行調査によって得られる情報は、以下に関する記録と写真・映像です。これらの情報は、不良社員のサボりを証明するために必要な証拠となります。
- 調査対象者が出勤のために家を出る時間
- 通勤ルート
- 勤務先
- 退勤時間
- 勤務時間中に外出する場合は、立ち寄り先
- 外出中の立ち寄り先での滞在時間
- 外出中に接触した人物
上記からわかるように、素行調査を行えば、不良社員の勤務時間中の社外での過ごし方、つまり「サボりの証拠」が掴めるのです。
例えば、外回りの営業なら「外回りと称して外出したが、実際には外出時間として申告した○時~○時の間、インターネットカフェのブースに滞在していた」という事実が、素行調査によって証明されます。
不良社員の素行調査は探偵に依頼する
ここまで、不良社員のサボりの実態を証明するために、素行調査が効果的であることを説明しました。ですが、素行調査は調査の専門家ではない個人には、制約や負担が大き過ぎます。
そこで、個人で素行調査を行う場合と、調査のプロである探偵事務所に依頼する場合とで、それぞれの特徴を見ていきましょう。
個人で行う素行調査の特徴
素行調査を個人で行う場合の特徴には、次のものが挙げられます。
- 最小限の調査費用で済む
- 調査にかける時間的余裕がない
- 調査技術不足で証拠集めが難航する
- 調査中は事故リスクがつきまとう
- 調査対象に気づかれる可能性がある
●最小限の調査費用で済む
自力で調査を行うので、かかるコストは自らの人件費や諸経費だけです。とは言え、素行調査の精度や、集めることができた証拠の数や質次第では、費用対効果が望めない可能性が高いでしょう。
●調査にかける時間的余裕がない
尾行調査は、不良社員が家を出てから帰宅するまでの1日の行動、あるいは勤務時間中の外出に関わるすべての行動を追跡しなければなりません。張り込みをする場合も、不良社員が移動を開始するまで、滞在中の場所での待機が必要です。
●調査技術不足で証拠集めが難航する
尾行は調査対象者の使う移動手段に合わせる必要があります。不良社員が車や二輪車を運転して移動する場合は、調査を行う人間も車両で追跡しなければなりません。車両による尾行は特に難易度が高く、相手を見失いやすいだけでなく、尾行中の証拠写真・映像の撮影も失敗しやすいというリスクがあります。
●調査中は事故リスクがつきまとう
調査経験や技術を持たない素人が尾行を行う際、最も注意しなければならないのが、調査中の事故です。徒歩での尾行中はターゲットに集中するあまり、周囲への注意がおろそかになることで、事故に遭うリスクが高まります。特に車両で対象者を追尾している最中は、自らが交通事故を起こす可能性もあるのです。
●調査対象に気づかれる可能性がある
尾行の際、どれだけ相手に気づかれないよう注意していても、尾行の訓練や経験を積んでいない素人では、相手に気づかれやすいと考えるべきでしょう。また、尾行に気づかれてしまったら、ストーカー規制法違反と騒がれかねません。
探偵事務所が行う素行調査の特徴
一方で、探偵事務所に素行調査を依頼した場合、探偵は調査の専門家なので安心して任せられます。探偵事務所による素行調査の特徴は以下のとおりです。
- 尾行中に対象者に気づかれにくく、対象者を見失いにくい
- 長時間の張り込みも対応可能
- 証拠能力のある撮影技術
- 個人で行うよりも費用対効果は格段に上がる
- 調査を行うのは第三者なので、会社が素行調査をしていることを気づかれにくい
●対象者に気づかれにくく、対象者を見失いにくい
探偵は尾行のプロであり、尾行のために必要な訓練や経験も豊富です。相手に気づかれにくい尾行スキルを有しているのはもちろん、探偵の尾行は2人以上で行うのが基本なので、ターゲットを見失うリスクも少ないのです。
万が一相手を見失った場合でも、経験やそれまでに集めたデータから対象者の居場所を突き止め、発見することも可能なのです。
●尾行や張り込みが対象者に知られても、探偵ならストーカー規制法適用外
都道府県に届出済みの探偵事務所が行う尾行や張り込みは、ストーカー規制法が適用されません。万が一、調査対象者に素行調査のことを気づかれても違法行為ではないので、ストーカー規制法違反ではないか、と騒がれたり訴えられたりするリスクを心配しなくて良いのです。
●長時間の張り込みも対応可能
張り込みの最大のネックは時間です。探偵事務所なら調査チームを組んで素行調査に臨むため、張り込みが長時間に渡っても、人員交代することで対応できます。
●証拠能力のある撮影技術
証拠を押さえるための写真撮影は、調査対象者に知られないよう隠し撮りでなければなりません。
張り込み中ならまだしも、対象者を尾行しながら決定的瞬間を撮影するには、技術や経験が必要です。さらに、写っている人物が一目でわからなければ、写真の証拠能力は認められにくくなります。探偵事務所の調査員なら、これらの課題をクリアして証拠力のある写真撮影が可能なのです。
●費用対効果は個人で行う場合よりも格段に上がる
探偵事務所に素行調査を依頼した場合、調査料金に調査報告書の作成費用や人件費・諸経費が加算されたりするので、個人で行うよりも高額なイメージがあるかもしれません。
ですが、費用対効果で考えてみれば、同じ金額でも個人とプロとでは、調査の成果は格段に違います。探偵事務所の素行調査なら、より証拠能力の高い記録や写真が得られ、依頼人が満足できる証拠が集められるのです。
●調査を行うのは第三者なので、会社が素行調査をしていることを気づかれにくい
素行調査を行う探偵は、対象者から見たら赤の他人なので、対象者は探偵の外見的特徴や雰囲気に覚えがありません。そのため、調査員が対象者の視界に入っても尾行・張り込みに気づかれにくく、会社が素行調査を行っていることも気づかれにくいのです。
■まとめ
不良社員の「仕事中のサボり」がいかに企業にとって脅威となり得るか、ご理解頂けたのではないでしょうか。しかしながら、不良社員のサボりに対して適切な懲罰を課したはずなのに、不当な懲罰と見なされたり、パワハラを訴えられて労働紛争に発展してしまったりしては、元も子もありません。
不良社員の懲罰が正当であると認められるためには、「一に証拠、二に証拠」なのです。ここでご紹介した素行調査は、不良社員のサボりを証明する大変有効な手段です。
ところが、素行調査は拘束時間が長く難易度も高いため、個人での実施には限界があります。そこで、不良社員の素行調査は、プロである探偵事務所に依頼することをおすすめします。
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