【投稿日】 2021年8月16日 【最終更新日】 2021年10月21日
ビットコインを中心としてここ数年でかなり有名になった仮想通貨。
最近でもよくニュースになっています。
それだけ人気で話題になっている仮想通貨ですが、その分悪い人たちの参入も増えてきて様々な詐欺の事件が発生しています。
仮想通貨にはある程度の専門知識が必要ですが、詐欺集団たちは上手く言葉巧みに分かった気にさせて甘い言葉で騙してきます。
今回は仮想通貨詐欺の典型的な手口や仕組みについて数多く紹介し、もし詐欺に騙された時の対処法など詳しく説明します。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
増え続ける仮想通貨詐欺の相談件数
仮想通貨詐欺の相談件数は年々増加しています。
国民センターの苦情相談情報システム、PIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)に寄せられた暗号通貨(仮想通貨)の相談件数は次のようになっています。
2014年度 | 186件 |
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2015年度 | 440件 |
2016年度 | 847件 |
2017年度 | 2909件 |
2018年度 | 3431件 |
次のような相談内容が多いようです。
- アプリで知り合った人に仮想通貨について紹介され、海外サイトにお金を送金したがサイトからの返事がなく、紹介してくれた人とも連絡がとれなくなった
- 「必ずこれから価格が上がるコインだから絶対今のうちに買っといた方が良い」といわれて上場前のICOに出資したが、いまだに上場せず担当者がいつも不在。
- 価格保証が付いている、と聞いていたのに実際には付いていなかった。
典型的な仮想通貨詐欺の手口
仮想通貨詐欺の相談件数が増加していると説明しました通り、年々悪い人たちが様々な手口を使って詐欺を行っています。
詐欺の主な手口を事前に知っておくことで、巧妙な詐欺にも引っかからないようにしましょう。
【1】ICO詐欺
ICO(Initial Coin Offering)とは、資金調達として企業や事業者が、独自の仮想通貨(トークン)を販売し、投資家がそれを購入するという方法です。
株と似ていますが大きく違うところは、集めた資金に対して配当金を支払う必要がないところ、株式を発行する必要がないところ、小さなベンチャー企業、個人でも利用することが可能なところです。
一方で、投資家側はICOの場合、議決権が付与されないので経営に関与されるようなリスクが少なく、初期の安い段階から出資することが可能です。
こういった始めやすい、個人でも利用しやすいという点があるため、残念ながら投資家を騙そうとする目的の事業者も多くいます。
詐欺の方法も、次のような様々な方法を利用して投資家を騙そうとしてきます。
- フィッシングメールで別の会社を偽って入金を誘う手口
- 「絶対に儲かる」「価格保証がある」などと騙して入金させようとする手口
【2】仮想通貨事業への投資を謳う詐欺
仮想通貨事業も仮想通貨の売買ができる取引サービスなど様々ありますが
基本的に仮想通貨に投資をするものなので、仮想通貨事業に投資を謳うようなら
詐欺を疑いましょう。
【3】詐欺コイン
仮想通貨は大変普及してきましたので、ビットコインをはじめとして現在かなり多くの種類があります。
ですが、正しいコインに紛れて詐欺コインと呼ばれるものが存在しているのも事実です。
詐欺コインとは、資金調達するためだけに作成した未公開の仮想通貨です。公開すると嘘をついて投資させ、結局は公開せず、投資してもらったお金を持ち逃げするという詐欺です。
ニュースにもなった有名な詐欺コインをいくつかご紹介します。
- ジュエルコイン:ザンビア共和国で見つかったアクアマリンを利用して発行したそうですが、更新が長い間されておらず、集団訴訟の話も持ち上がっています。
- サークルコイン:まずサークルコインの販売をしていた「合同会社エクラドクール」が所得を隠ぺいしていたことが発覚しています。また開発企業も実態がありませんでした。
【4】仮想通貨で儲けると謳う情報商材詐欺
仮想通貨を売買することで儲けることもできますが、もちろん損をしてしまうこともあります。仮想通貨の売買はFXと近いものがあり、価格の変動が激しいところも魅力の一つです。「絶対に儲かる」というような甘い言葉で騙してくる人がいるので注意しましょう。
情報商材の種類もいくつかあり、「絶対に仮想通貨で稼ぐ動画、DVD」や「仮想通貨を自動売買システムで動かし稼ぐ」、「バイナリーシステムで仮想通貨の金額の変動を予測する」など様々です。
もちろん有益な情報もありますが、情報商材詐欺も広まっている状態ですのでよく各自で情報を吟味する必要があります。
【5】偽の売買取引詐欺
仮想通貨を直接売り込み、購入契約を結んだらそのまま連絡がとれなくなるような詐欺も流行っています。
購入契約を結んだコインが詐欺コインの場合もあるのでよく注意しましょう。
【6】エアドロップ詐欺
エアドロップとは仮想通貨界隈において、その仮想通貨の知名度向上、人気をアップさせるために無料でトークンを配るキャンペーンのことです。
無料でトークンが貰える、ということで利用する方が多い分、この詐欺の被害にあっている方も多くいます。
エアドロップ詐欺の場合は、情報を盗もうとしている詐欺が多いので次のことに注意しましょう。
- 自分の個人情報や連絡先などをむやみに教えない:エアドロップに参加するために登録する必要があることも多いですが、個人情報などの取り扱いには十分に注意しましょう。悪い人たちに自分の情報がまわってしまうこともあります。
- 秘密鍵(プライベートキー)は絶対に教えない:エアドロップで秘密鍵(プライベートキー)を求められることはまずありません。要求された場合は詐欺を疑いましょう。秘密鍵(プライベートキー)を教えてしまった場合、ほんとにトークンを貰ったとしても他の人があなたの資産にログインして抜き取ってしまう可能性もあります。
- 不要に寄付を行わない:エアドロップでは詐欺でなくても寄付を求めるものもあります。ですが、それが詐欺の可能性もあるので十分注意しましょう。
そもそも、仮想通貨には必ず不確定要素があります。
今人気がない通貨だからこそエアドロップを行っているわけですし、むやみやたらに寄付をするのはやめておきましょう。
【7】ウォレット詐欺
ウォレット詐欺とは、よく詐欺の話題ででてくる
「いったん10万円を預けると20万円にして返ってくる」といったものや「お金を預けておけば、預けた分の10%が毎月配当としてもらえる」といった甘い言葉で誘っておいて、お金を持ち逃げする詐欺です。
ウォレット詐欺の代表的な手口はポンジスキームです。
ポンジスキームとは、出資してくれた投資家の配当金を別の投資家が出資してくれたお金からまかなうような構図、いわゆる「ねずみ講」を指します。
例えば、月利回り10%といったものがあるとしてAさんが10万円を投資します。その利回り1万円を後で入ったBさんの投資した10万円から払います。そしてBさんの利回りをCさんの投資したお金から、、、これの繰り返しです。
この詐欺のこわいところは最初の方に投資した方々にはしっかりと配当金が払われているため、詐欺だと気づかないところです。
ですが、いつかは必ず新しい投資家の数が足りなくなり、配当金が払えなくなってしまい破綻していきます。
そうなったときにはすでに詐欺師は身を隠していて、詐欺の被害者の人数がかなり拡大してしまっている。といった最悪のケースもあります。
こういったウォレット詐欺を、仮想通貨を上手く利用し行っている方もいるので気を付けましょう。
【8】仮想通貨版の振込詐欺
振込詐欺は主に非通知電話で子供のふりをして老人を騙す「オレオレ詐欺」、郵便やメール、インターネットを通して巧妙に本物のように騙して架空請求をする「架空請求詐欺」、融資の保証金と偽って振り込ませる「融資保証金詐欺」、市役所や税務署、公的機関を騙って税金の還付金を受け取るために必要と言ったり、払わないと年金が貰えなくなる、と嘘の情報で騙してお金を振り込ませる「還付金詐欺」などがあります。
こういった詐欺が多いことはだんだんと周知の事実になってきていますが、最近ではこの振込詐欺の仮想通貨版が起きています。
仮想通貨の良いところの一つはそのトレードのしやすさです。
名前の通り仮想の通貨で実物はないですが、ネットを通じて入金、送金が容易です。
その手軽さを利用してビットコインを振り込ませる振込詐欺といったような事例もあります。
【9】ネットワークビジネスを使った仮想通貨詐欺
ネットワークビジネスとはここではマルチ商法、連鎖販売取引のことをさしています。
基本的に口コミ、マンツーマンのつながりで商品を紹介し、紹介されて購入した人はさらに新しい人に紹介して売る、といった構図です。
仮想通貨はいまだ新しいものではありますし、少し複雑なところがあります。
そういったところを言葉巧みに利用し、ネットワークビジネスを仮想通貨を用いて行う方もいます。
仮想通貨詐欺に騙された時の対処法
仮想通貨は新しいものですので、なかなか知らない言葉、知らないルールもあるかと思います。自分は絶対詐欺に騙されない、と思っていても詐欺をしようとしている方も巧妙に日々新しい手口で騙そうとしてきます。
また、騙されてしまったときは迅速な対応も必要です。
いざ騙されてしまったときに困らないように事前に対処法を知っておきましょう。
まずは第三者機関に相談
仮想通貨詐欺に騙されてしまったときは、自分ひとりでどうにかしようとせず、まず第三者機関に相談しましょう。
電話ですぐに相談できるところも多くなってきています。
国民生活センター(消費者ホットライン) | 電話番号:188
相談できる時間帯は、相談窓口により異なります。 |
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金融庁(金融サービス利用者相談窓口) | 受付時間:平日10時00分~17時00分 電話番号:0570-016811(IP電話からは03-5251-6811) |
仮想通貨の相談件数も今は多いので、たくさんの事例と比較して対応してくれると思います。
前もって相談することもできるので、少しでも詐欺の疑いを感じたら相談してみましょう。
警察に相談
敷居は高く感じてしまうかもしれませんが、事件性がまだあるか分からない場合でも警察に相談することが可能です。
警察相談専用電話 | 電話番号 #9110
又は最寄りの警察署まで 原則、平日の 8:30-17:15(※各都道府県警察本部で異なります。土日祝日・ 時間外は、24 時間受付体制の一部の県警を除き、当直又は音声案内で対応) |
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探偵などに事業主の素性や実態調査などの依頼
仮想通貨詐欺で探偵などに相談することも有効です。
ウォレット詐欺やネトワークビジネスのようなねずみ講、マルチ商法の場合は本当に詐欺なのか判断がつかないことも多いです。
また、そういった場合、知人や友人から紹介された商品ということもあり中々動きづらいこともあるかと思います。
そういった場合は探偵や専門の実態調査の事業がありますので、しっかりと調べてもらうことができます。
無料相談は24時間対応であるような業者もありますので、こちらも対処法の一つとして覚えておきましょう。
仮想通貨詐欺に騙されないためには?
仮想通貨詐欺の手口は日に日に増えています。
仮想通貨詐欺の典型的なものを知っておくのも大事ですが、次のポイントもしっかり気を付けておきましょう。
- その仮想通貨が金融庁に登録されている取引所で取り扱われているかを確かめる:特に詐欺コインの場合は架空のコインですので、まず取り扱われていません。紹介されたコインがしっかりどこかで取り扱われているかは確かめておきましょう。
- 注意事項についてしっかり明記されているか確認する:仮想通貨関連のものは利用者保護のために必ず注意事項を明記する必要があります。CMなどで広告を出している際にも必ず注意事項を述べているはずです。甘い言葉のみの説明だけであった場合は詐欺かもしれないと疑いましょう。
- 「絶対に儲かる」「必ず価格が上がるのでリスクはありません」などの誇張表現は信用しない:特に仮想通貨は新しいものですので絶対がありません。価格保証などもまずありませんので、誇張された表現は信用しないようにしましょう。
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今回は年々相談件数が増加している仮想通貨詐欺の手口、その対処方法、騙されないためのポイントについてまとめました。
仮想通貨の詐欺は年々件数が増加していて、その手口も増えてきています。
「自分は大丈夫」「友達の紹介だから詐欺なわけがない」などと妄信はせずに
甘い言葉は信用しすぎずに、十分注意しましょう。
最悪もし詐欺にあってしまった場合は、自分ひとりで解決しようとせず、第三者機関に相談、警察に相談、探偵や専門の調査事務所に相談することが有効です。
詐欺会社、詐欺コインについての情報も最近では増えてきているので、高額の寄付、投資などの場合はしっかり調べてから仮想通貨を利用しましょう。
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