【投稿日】 2020年10月6日 【最終更新日】 2021年10月21日
情報商材、高額塾・高額セミナーは、インターネットの普及に伴い近年増えてきました。ネット経由で主に「稼ぐ方法」を伝授し、その対価として高額な授業料を徴収するというものです。その内容と金額が見合わないケースなどが、「詐欺ではないか?」と問題になっています。
コロナ禍などによる社会不安を追い風に、さらなる増加が予想される情報商材や高額塾、高額セミナーのトラブル。なぜトラブルが起きやすいのかという基本的な情報から、実際トラブルに遭ってしまったときの対処法、相手の住所特定方法まで詳しく解説します。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
情報商材・高額塾・高額セミナーとは?どんなトラブルが起こるのか
まず情報商材や高額塾、高額セミナーとはどんなものなのかを理解しましょう。そこからトラブルが起きやすい原因・理由も見えてきます。
情報商材・高額塾・高額セミナーの営業形態
情報商材とは、主にインターネット上で売買される情報のことです。情報の内容は問いませんが、「簡単に稼ぐ方法」「大金を稼ぐ方法」などがトラブルになりやすいです。他に「〇〇が上達する方法」なども多いですが、トラブルに発展すれば対処法は同じです。
高額塾・高額セミナーとは、情報商材を提供するオンラインコンテンツを指し、ここでもやはり「稼ぐ方法」が主にやりとりされます。どうやれば簡単に大金を稼げるのか、そのノウハウをテキストや動画で生徒に伝え、契約期間中はメールなどで質問にも対応する形式が一般的です。
そして「高額」と冠されているとおり、最初に安くとも数十万円の受講料(テキスト代・動画視聴料)を徴収し、勧められるままに購入すると受講料は数百万に上ります。問題は、この金額がセミナー(情報商材)の内容に見合うかどうかです。受講者が不均衡だと感じた場合、トラブルが起きます。
しかもネットで取引されている情報商材のほとんどは、役に立たないと言われています。「稼ぐ方法」に関しては、よりその傾向が強いです。多くの人間に知れ渡ってしまっては効力を失ってしまうのが常だからです。
情報商材・高額塾・高額セミナーでトラブルが起きやすい理由
情報商材・高額塾・高額セミナーでトラブルが起きやすい(騙されやすい)理由
- お金を払って内容を見るまで金額に見合うかどうかわからない
- 「実際に〇百万稼いだ」などの体験談で勧誘されるため騙されやすい
- 最初は軽いアルバイトのように見せかけ、段階的に引き込む手口も
- 段階的に情報商材が売買され、最終的に数百万という高額の取引になるアップセル方式
- 年金問題やその他の社会情勢の不安に付け込む営業
こういった手法には問題がありますが、それでも販売者や業者を詐欺と断定できるケースは多くありません。それは何故でしょうか。
詐欺かも?と思っても対処しづらい理由と現状
まず、そもそも詐欺は要件を満たしていることを証明しづらい犯罪です。単に金品を騙し取っただけでは詐欺とは判断されません。犯人に最初から相手を騙すつもりがあったかなどの構成要件を、すべて証明できなければ、それは詐欺罪には当たらないのです。
さらに情報商材・高額塾・高額セミナーはインターネット越しの取引です。相手の名前や住所は虚偽かもしれませんし、動画の出演者も外部の人間(俳優など)なら、犯人にたどり着く情報は極めて少ないと言わざるを得ません。
よって情報商材・高額塾・高額セミナーの内容に不信な点や不満があれば、詐欺罪に問う以外の方法での対処が必要になります。もし最終的に詐欺罪で裁くとしても、綿密な調査と準備を行ってからです。
参考リンク:刑法246条 詐欺|e-Gov
情報商材・高額塾・高額セミナーのトラブルにはどう対処する?
売買契約やその他の取引に問題があった場合、詐欺罪以外にも販売者を取り締まる名目や方法はいくつもあります。それを実行するためには、「おかしい」と思ったらすぐに適切な行動をとることです。
状況の整理と証拠集め
詐欺が証明しづらい犯罪であることは先ほど述べました。つまり相手を詐欺罪に問いたいなら、たくさんの確実な証拠が必要です。そして詐欺罪以外で裁くためにも、状況の整理と証拠集めはとても重要です。
トラブルが起きたときにまとめておくもの・情報
- 契約書
- 契約時の状況・会話(録音や第三者の証言などがあればなお良い)
- メール・LINE・その他メッセージアプリなどでのやりとりすべて(スクリーンショットを撮る)
- 提供されたテキストや動画などの情報商材
- 販売者・業者のホームページやSNS(web魚拓とスクリーンショットを撮る)
これらの中に販売者・業者側の問題が認められれば、様々な手続きで返金を迫ったり適切な処罰を与えたりできます。
問題となりやすい文言・形態
- 「必ず儲かる」「誰でも稼げる」「勝率100%」のような効果を確約する言葉
- 契約時に嘘や脅しはなかったか
- 大幅な値引きなどによる二重価格表示の問題(実際に販売実績のない定価の表示)
- 高額なキャンセル料
- 返金保証
こういった手口は、ケースによって何らかの法律違反が認められることがあります。では具体的にどのような法律が適用できるのでしょうか。
情報商材・高額塾・高額セミナーのトラブルに適用できる法律
何も詐欺罪に限定せずとも、日本には消費者を守る法律はたくさんあります。トラブルになるような売買は、それらの法律のどれかに抵触していることがほとんどです。あなたのトラブルはどれに当てはまるでしょうか。
特定商取引法
特定商取引法とは、事業者の違法または悪質な勧誘行為を取り締まる法律です。
取り締まり対象となる項目
- 事業者の氏名などの明示の義務付け:事業者・責任者の氏名や住所が不明な場合
- 価格・支払い条件等についての不実告知:価格設定などについて前もって適切な説明があったか、故意に隠していなかったか
- 虚偽・誇大な広告:「必ず〇〇できる」などの真実ではない大げさな広告など
- 書面交付義務:契約締結時に重要事項を記載した書面を消費者に交付したか
これらの項目に当てはまれば、クーリング・オフ(無条件での解約)や、契約自体をなかったことにできる意思表示の取り消し、中途解約による消費者への損害賠償額の制限などが可能です。
詳しいことは以下のリンクをよく読んで、消費者庁に問い合わせるか、弁護士に相談してください。消費者庁は様々な売買や契約のトラブルから消費者を守る機関です。業者の過失がはっきりしていなくても、消費者からの相談や報告を受け付けています。
参考リンク:特定商取引法とは|特定商取引法ガイド
参考リンク:特定商取引に関する法律 第51条 業務提供誘引販売取引|e-Gov
参考リンク:消費者庁ウェブサイト
消費者契約法
消費者契約法とは、事業者に比べて情報の量や質、交渉力に関してどうしても劣ってしまう消費者の利益を守るための法律です。特定商取引法とは目的が異なりますが、取り締まる内容は重複するところもあります。
取り締まり対象となる項目
- 断定的判断の提供行為:「確実に稼げる」「確実に儲かる」などの断定的な文言での勧誘
- 不実告知:契約件数の水増しや実績のない金額表示など
こちらも消費者庁の管轄となります。
景品表示法
景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)は一般消費者の利益を守るための法律で、商品やサービスの品質、内容、価格などに関する不適切な表示を取り締まるためのものです。違反が疑われると消費者庁が検査に入り、それを拒否した場合や検査に基づく処置命令に従わない場合、事業者に懲役・罰金が科せられます。
取り締まり対象となる項目
- 不当な表示:誇大広告、実際よりも優良な商品であるかのように誤認させる広告など
こちらも消費者庁の管轄で、景品表示法専用の通報フォームも設けられています。以下のリンクを参照してください。
参考リンク:景品表示法違反被疑情報提供フォーム | 消費者庁
参考リンク:景品表示法の相談・被疑情報の受付窓口 | 消費者庁
参考リンク:景品表示法 第5条第1号|e-Gov
参考リンク:景品表示法違反行為を行った場合はどうなるのでしょうか? | 消費者庁
参考リンク:優良誤認とは | 消費者庁
特定電子メール法
特定電子メール法は、主に広告宣伝などの迷惑メールを取り締まるために2002年にできた法律です。情報商材や高額塾・高額セミナーの勧誘は、不特定多数に送られるスパムメールで行われることも多いため、特定電子メール法に抵触することがあります。
総務省と消費者庁の管轄であり、違法と判断された場合、送信者が総務大臣及び消費者庁長官の命令に従わない場合には、懲役や罰金が科せられます。
取り締まり対象となる項目
- オプトイン規制:受信者の事前承諾なしで送られたメール
- 送信者の表示義務:
①送信者の氏名又は名称
②受信拒否の通知を受けるためのメールアドレスまたはURL
③受信拒否が可能であることの告知
④送信者の住所
⑤苦情・問い合わせなどを受け付ける電話番号かメールアドレスかURL
以上全5項目のいずれか1つでも明記されていないもの、表記方法に誤りのあるもの - 送信元アドレスのなりすましの禁止:送信元アドレスを正確に表示せずに送られたメール
- 「広告宣伝メールを希望しない」と併記されたメールアドレスや問い合わせ先への広告宣伝メール
電子契約法
電子契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)は、主にインターネット上の取引(電子商取引)における消費者の救済措置を定めた法律です。民法でカバーしきれない事例に対応するために、2001年に制定されました。
取り締まり対象となる項目
- 操作ミスによる意図しない契約を無効にできる:契約内容の確認ページを設けていなかったなどのケース
電子契約法に関しては、消費生活センター、弁護士、警察が相談窓口となっています。これらの相談先については次の項目で詳しく説明します。
参考リンク:電子契約法について – 経済産業省
警察や弁護士など適切な機関・相手に相談
情報商材や高額塾・高額セミナーの事業形態が、詐欺以外の様々な法律違反となりうることはわかっても、消費者庁に連絡するのはハードルが高いと思う人も多いことでしょう。消費者庁は問い合わせに返信してくれるわけではありませんし、通報しても個人のトラブルが即解決することは稀です。
そんなときは、その他の適切な機関や窓口を頼ってください。適宜相談することで、消費者庁に連絡する際の参考になることもあります。
- 国民生活センター(HP):
- 消費者のサポート全般を扱う独立行政法人。何をすればいいか全くわからないときに適した相談先。
消費者ホットライン188 - 警察:
- 詐欺・窃盗・サイバー犯罪などに対応。
相談ホットライン#9110
参考リンク:都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口等一覧 - 消費者庁(HP):
- 前項で挙げた消費者の取引に関するトラブルの通報・報告などを受け付けている。但し調査状況などは原則的に被害者には報告されない。
- 弁護士:
- 民事訴訟や示談で解決する際の法律の専門家。弁護士の権限を行使した住所特定方法もあるので、相手に不法行為・違法行為があれば相談は必須。
情報商材・高額塾・高額セミナーのトラブルに関する相談先
同じ業種のトラブルでありながら相談先が分かれていることも、トラブルの解決の難しさを物語っています。すべてのケースで同じ対策が有効ではありません。詳しくはそれぞれのリンク先をしっかり確認し、自分のケースに適した相談先を選んでください。
但し上に挙げた相談先のうち弁護士以外は、必ずしも個人のトラブルの解決を目的とした機関ではありません。また弁護士でも相手に明確な不法行為が認められなければ、打つ手がないケースもあります。
そんな時に必要になるのが、探偵の調査力です。
証拠がない・判断材料が足りないなら探偵に!
情報商材の販売者、高額塾・高額セミナーの業者とのトラブルを解決しようにも、インターネット上でしかやり取りしていないケースがほとんどです。相手の不法行為や会社の所在地などの特定ができなくては、警察も弁護士も積極的には動けません。
しかしそこまでの情報・証拠を素人が集めるのはほぼ不可能です。そんな時は、早めに探偵に依頼することをお勧めします。
探偵なら情報商材・高額塾・高額セミナーの販売者の住所は特定できる?
探偵に絶対はありません。しかし探偵の調査力は素人が想像するよりはるかに高く、情報商材・高額塾・高額セミナーなどのトラブルは多額の金銭が絡んでいるため、解決のために探偵に依頼する価値は充分あるはずです。
ちなみに弁護士なら職務上請求や弁護士会照会によって相手の住所などを特定することもできますが、相手に明確な犯罪や不法行為が認めらなければそれも確実ではありません。
情報商材・高額塾・高額セミナー関連のトラブルでは、幅広い目的に対応できる探偵にこそ、できることは多いです。
探偵による住所特定方法とは?一般的なメリットとデメリット
探偵の調査は主に、インターネットなどから情報を集める情報調査と、聞き込み・張り込みといった実地調査の2つです。ある意味誰でも可能な調査方法ですが、精度はプロと素人では雲泥の差があります。
探偵に住所特定などの調査を依頼するメリット
- プロの技術と機材を用いるので、素人が行うより迅速かつ確実
- 自分の時間や労力を費やさずに済む
- 調査中も自分はいつも通りの生活ができる
- 弁護士や警察より柔軟かつ臨機応変な対応ができる
- 調査と同時に証拠集めができる
探偵に調査を依頼するデメリット
- 調査料金がかかる
- 調査料金を払っても100%確実に結果が得られるとは限らない
一般的に、探偵に調査を依頼するメリットとデメリットは上記のとおりです。少なくとも相手の住所を特定したいなら、自分で調べるよりは探偵に依頼する方がはるかに確実です。
一方、お金がかかるというのが多くの人にとってネックになります。しかし事前の準備などで調査料金を軽減することは可能ですし、何より個人のケースに寄り添った調査ができるのは探偵だけです。
個人の価値観の問題ですが、こと高額な授業料を取られる情報商材などのトラブルでは、費用対効果で考えれば、探偵の調査料を支払う価値はあるはずです。
調査方法に関する詳しい説明は、以下の関連記事をご参照ください。
情報商材・高額塾・高額セミナーの販売者や業者の調査を探偵に依頼するメリット
情報商材・高額塾・高額セミナーのトラブルには、詐欺やその他の罪を証明しづらい・判断しづらいという特徴があります。そのため警察や弁護士も積極的には動けず、具体的な対策を打つには確たる証拠が必要です。
その証拠を集められるのが探偵です。探偵なら現状で違法性が認められなくても、不法行為や犯罪行為を含めた問題点がないかを調べることができます。警察や弁護士、その他の相談機関ですぐに動いてもらえなかったなら、是非探偵に相談してください。
情報商材・高額塾・高額セミナーについて探偵が調査できること
- 業者の実態、住所、責任者の住所・氏名・連絡先などの個人情報
- 同様のトラブルの件数や被害者の実態
- 広告に虚偽はないか、値引きなどの表示は真実か
- 業者のホームページやメールの内容と実態に問題となる差異はないか
- その他、問題点の検証や情報・証拠集め
但し、探偵にも得意分野がそれぞれあります。情報商材・高額塾・高額セミナー関連は法律やインターネットの知識が関わってくるので、それらの分野に明るい探偵や、弁護士と連携の取れる探偵を選ぶとより確実に結果が得られます。
対処法が未確立な情報商材・高額塾・高額セミナーのトラブルこそ住所特定から!
情報商材・高額塾・高額セミナーは新しいサービス形態であり、ネット越しかつ情報という形のないものの売買であることから、販売者・業者に対して即効性のある対策が取れないのが現状です。詐欺罪が証明しづらい犯罪であることもこの状況を後押ししています。
このようなケースこそ、犯罪以外の問題でも臨機応変に調査のできる探偵が役に立つ案件です。
勿論実際に販売者・業者に法的措置をとるのは弁護士やその他の機関ですが、そのために必要な情報や証拠を集めるのが探偵の仕事です。「詐欺では?」「業務形態に問題があるのでは?」など不審な点があれば、警察や弁護士に相談すると同時に、探偵への依頼も視野に入れてください。
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