【投稿日】 2022年12月11日 【最終更新日】 2022年12月22日
近年は、実際の店舗よりもインターネット通販サイトを通じて買い物をする人が多くなっています。
それに応じて、利用者の購買意欲をあおり、お金や情報をだまし取る、インターネット通販詐欺サイトも爆発的に増加しており、被害に遭う人も多発しているのです。
もし、インターネット通販サイトで買い物をしたけれども、商品が届かない、或いは違う商品が届いた、という方は、ネット通販詐欺に遭った可能性が高いと言えます。
ネット通販詐欺サイトは、ネット上の至る所に存在しているため、誰もが遭遇する可能性があります。
ネット通販が当たり前となった今の時代、ネット通販詐欺サイトの対策を講じるのは、必須のスキルと言えるでしょう。
この記事では、ネット通販詐欺サイトの大きな特徴と見分け方、買ってしまった場合の返金方法について解説していきます。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
ネット通販詐欺サイトの3つの特徴
ネット通販詐欺サイトの特徴は主に次の3つです。
- 人気の商品を破格の割引で販売している
- 有名ショッピングサイトにそっくりのサイトで信用させる
- 代金前払いで、商品を送らないまたは別の商品が届く
一つひとつどのような特徴なのかを見ていきましょう。
特徴1:人気の商品を激安価格で販売している
ネット通販詐欺サイトでは、たいてい人気の高い商品を30~80%割引など破格の割引で販売しています。
特に、「爆安」「激安」などを売り文句にしているサイトは要注意です。
ブランドものの商品なら、アウトレットで30%割引などはあり得ますが、中古でもない正規品が、それ以上の大幅値引きで販売されることは、まずあり得ません。
商品が届かないことも多いですが、届いたとしても、たいていは中国などの外国で作られた偽物です。
割引でない価格だったとしても、極端に安い商品は、やはり詐欺を疑うべきでしょう。
特徴2:有名ショッピングサイトにそっくりのサイトで信用させる
ネット通販詐欺サイトの中には、有名ショッピングサイトにそっくりのサイトを作って、信用させ、金銭をだまし取るものもあります。
例えば、AmazonやYahooショッピングなどの疑似サイトは、いくらでもあります。
有名ブランドのサイトにそっくりの作りをしたサイトも多いです。
こういったサイトは、巧妙に作られているため、一見しただけでは、見分けがつきません。
こうしたサイトの見分け方は、次項で解説していきます。
特徴3:代金前払いで、商品を送らないまたは別の商品が届く
ネット通販詐欺サイトの特徴として、代金は必ず前払い、というのがあります。
多くは銀行振込のみになっていますが、中にはクレジットカードや代引きで支払えるところもあります。
こうして代金を先に払わせておいて、商品を送らない、または全く別の商品(偽物含む)が届く、というのが詐欺の手口です。
特に、クレジットカードの場合は、情報の取得を主な目的にしているため、商品が届かないだけでなく、クレジットカードの情報を読み取られてしまって、多額の被害が生じる場合があります。
クレジットカードの情報を書き込む場合は、特に注意しましょう。
ネット通販詐欺サイトの見分け方
ネット通販詐欺サイトは「サイト自体」と、そこから送られてくる「メール」に特徴があります。
これら2つの特徴を押さえれば、ほとんどのネット通販詐欺サイトを見分けることができます。
ネット通販詐欺サイトの見分け方【サイト編】
ネット通販詐欺サイトにおいて「サイト自体」で詐欺サイトかどうかを見分ける際に見るべきポイントは、以下の8つです。
- URLやメールアドレスが不自然
- 日本語やフォントが不自然
- 支払い方法が銀行振込による前払いのみ
- 入金先が個人口座
- サイト内の会社情報が不足
- サイト内に特商法(特定商取引に関する法律)の記載なし
- 極端に価格が安い
- 他サイトでは売り切れの商品を扱う
消費者庁のサイトでも以下のように分かりやすく解説されています。
ポイント1:URLやメールアドレスが不自然
まず、そのサイトのURLをよく見てみましょう。
最初に、そのURLが、公式サイトのURLと一字一句違いがないかをチェックしましょう。
サイトのURLやドメインは自由に決められるため、公式サイトと一文字違いであったり、「0」と「o」を入れ替えたりしただけの巧妙なURLがあります。
また、URLが、「https」から始まっていないサイトや、URLの左端に南京錠のマークがついていないサイトは、通信が暗号化されていないサイトです。
個人情報が漏えいする危険性があるため、注意しましょう。
さらに、URLの末尾が以下のようなものは、悪質なサイトでよく使われていることが確認されています。
xyz、top、com、shop、site、cc、icu、kr、co、jp、net、asia、biz、online、ru、did
引用元:広島県警察
「.jp」や「.net」などの見慣れた末尾でも、悪質な場合があるため、注意が必要です。
特に、商品名やブランド名で検索して、大手ショッピングサイトではない、独自ドメインのサイトにたどり着いた場合、詐欺サイトである可能性があります。
もちろん、そうしたサイトでも、優良店もありますが、注意するに越したことはないでしょう。
ポイント2:日本語やフォントが不自然
ネット通販詐欺サイトは、外国人の犯罪者集団によって行われている場合が多く見られます。
したがって、日本語が機械で翻訳したような不自然な表現になっている場合が多いです。
もし、サイト内の文章に違和感を覚えたら、ネット通販詐欺を疑った方がいいでしょう。
また、フォントに、旧字体や中国の簡体字など、普段目にすることのない漢字が使われている場合も要注意です。
こういうサイトは、中国から発信されている場合が多いからです。
ただし、Amazonなど公式サイトでも、中国製のものなどは、こういった表現やフォントが見られるため、このような商品が全て詐欺というわけではありません。
ポイント3:支払い方法が銀行振込による前払いのみ
現在の有名ショッピングサイトは、ほとんどが後払いやクレジットカード決済が可能になっています。
しかし、詐欺の犯人が、代金を振り込ませておいて、商品を届けずに逃げるには、銀行振込しか方法がありません。
カード決済も前払いですが、後から返金処理ができるため、逃げ切れないのです。
したがって、支払い方法が前払いの銀行振込のみである場合には、ネット通販詐欺サイトである可能性が高いでしょう。
ただし、カード決済ができるというダミーの提示をしておいて、実際にはできないというサイトもあります。
銀行振込のみでは怪しまれるため、とりあえずそれを避けようという、狡猾な手口です。
ポイント4:入金先が個人口座
銀行振込の入金先が、法人口座でなく個人口座である場合、また、外国人名義の口座である場合は、詐欺サイトである可能性が高いと言えるでしょう。
正規の販売店は、必ずきちんとした法人口座を持っているものです。
入金先が個人口座で、しかもそれが販売責任者とはっきりわからない場合は、入金するのをやめた方が賢明と言えます。
ただし、法人口座自体を売買する非合法の組織もあるため、法人口座だからと言って安全とは言い切れません。
ポイント5:サイト内の会社情報が不足している
会社概要は、全ての店に記載する義務があります。
したがって、会社概要がないサイト、住所や電話番号、販売責任者などの情報がサイト内に書いていない場合は、詐欺の疑いが濃厚です。
メールアドレスだけでは、そこに連絡をしても、まともに連絡が取れないことが多いでしょう。
会社の住所が途中までしか書いていない、グーグルマップで住所や会社名を検索しても出てこないまたは一致しない、住所と郵便番号が一致しないなども怪しいと言えます。
また、電話番号が記載されていても、通じないまたは電話番号検索でヒットしない、会社責任者・会社名・屋号と振込口座の名義が一致しないなども詐欺の可能性が高いと言えるでしょう。
中には、全く関係のない会社の住所や電話番号を無断で使用しているサイトもあります。
詐欺かどうか怪しいと思ったら、会社の住所や電話番号を検索してみるといいでしょう。
ポイント6:サイト内に特商法(特定商取引に関する法律)の記載なし
「特定商取引に関する法律」とは、消費者トラブルに遭いやすい取引を対象とした法律です。
これにより、事業者の違法行為を防ぎ、消費者の利益が守られることになっています。
インターネット通販は「特定商取引に関する表示」を掲載する義務があるため、この表記がないサイトは、正規の販売店ではない可能性を疑うべきでしょう。
ポイント7:極端に価格が安い
一般に流通しているその商品よりも、大幅に安い価格で販売されている場合、模倣品(偽物)であったり、全く別の商品が届いたり、最悪の場合、商品が届かない恐れがあります。
特に、「激安」「爆安」などとうたっているサイトは要注意です。
電化製品や衣服などは、偽物とは言えないまでも、海外製の粗悪な品物が届くこともあります。
また、店舗の取扱商品に統一性がなく、何でも売っていたり、店舗名やジャンルとかけ離れた商品ばかり置いていたり、商品画像の質や大きさにばらつきがある場合も、詐欺サイトである可能性が高いと言えるでしょう。
ポイント8:他サイトでは売り切れの商品を扱う
他のどのショップを見ても売り切れの商品を、安価で扱っている場合も要注意です。
安価であれば、他のショップよりも売れるはずなのに、真っ先に売り切れないのはおかしいですし、在庫の表記が「在庫量」などとあいまいなのも、怪しいと言えます。
商品が届かなかったり、別のものが送られてきたりする可能性が高いと言えるでしょう。
ネット通販詐欺サイトの見分け方【メール編】
ネット通販詐欺サイトからは、販売促進メール(ダイレクトメール)が送られてくる場合があります。
これらは、一見しただけでは、公式サイトから送られてきたかのような、きちんとした文面が記載されている場合がほとんどです。
しかし、サイトへのアクセスを求めたり、直接金銭を要求したりするようなメールは、全て疑ってかかる方が賢明と言えます。
メールを見分ける際のポイントは、次の3つです。
- メールアドレスがフリーメール
- ドメイン名が公式と違う
- 日本語が不自然
よく見ると、違いがわかりますので、注意してチェックしましょう。
ポイント1:メールアドレスがフリーメール
メールアドレスが、「yahoo.co.jp」や「gmail.com」などのフリーメールの場合、詐欺の疑いが濃厚です。
有名ショッピングサイトや正規の販売店は、独自のドメインを使っています。
フリーメールは、匿名性が高く、すぐに削除して逃げられるので、フリーメールを使ったダイレクトメールは、そもそも開かない方がいいと言えるでしょう。
特に、添付ファイルがついているメールは、開かないで削除するのが賢明です。
ポイント2:ドメイン名が公式と違う
ドメイン名は、個人が自由に取得できますが、基本的に一つのドメインは一人の個人或いは一つの事業者しか取得できないため、他人が全く同じメールアドレスを作成することはできません。
したがって、ローカル部は偽装できても、ドメインは異なる場合が多く見られます。
ただし、URLと同じく、公式のアドレスと酷似させる手口が後を絶たないため、公式のメールアドレスとよく見比べて、文字の一つひとつに間違いがないか確認することが大事です。
ポイント3:日本語が不自然である
これもサイトと同じですが、メールは、文章が主なため、より日本語の不自然さが目につきます。
最近では、翻訳ソフトの性能が向上したことにより、翻訳の精度も上がって、一見日本語としておかしくない文面であることも多いですが、以下の5点に注意すれば、見破ることができます。
- 句読点の位置がずれている
- 送り仮名が間違っている
- 誤字脱字が多い
- 文末表現や接続詞・助詞などの使い方がおかしい
- 旧字体や簡体字など通常では使わない文字が使われている
なお、そのようなメールが既に詐欺メールとして広く出回っている場合、文面をコピペして検索すると、詐欺であることが判明することもあります。
ネット通販詐欺サイトで商品を買ってしまった場合にお金を取り戻す方法
この項では、もしネット通販詐欺サイトに引っかかって、商品を購入してしまった場合に、どうやってお金を取り戻すか、その方法について解説していきます。
お金を取り戻す方法の第一は、まず関係諸機関に相談することです。
その後、振り込め詐欺救済法に基づいて、返金処理をしてもらいます。
以下に詳しく見ていきましょう。
対策1:関係諸機関に相談
ネット通販詐欺に遭ったと気づいたら、早急に関係諸機関に連絡を入れましょう。
一人で解決するのは難しいと言えます。まずは以下のような関係諸機関に相談することから始めましょう。
- 警察相談専用電話または警察のサイバー犯罪対策窓口
- 振り込みをした銀行
- 国民生活センター(消費者ホットライン)
- 最寄りの消費生活相談窓口
- 適格消費者団体
- 弁護士・司法書士
- 探偵事務所
まずは、相談を無料で受け付けてくれる「警察相談専用電話または警察のサイバー犯罪対策窓口」「国民生活センター(消費者ホットライン)」「最寄りの消費生活相談窓口」などに連絡を入れ、どうすればいいかを尋ねてみると良いでしょう。
また、もうすでに支払いを行っている場合には、上記と合わせて「振り込みをした銀行」に連絡を入れます。
そういったところに相談してもなかなか返金などがされない、裁判を起こしたい、など具体的な行動に移したい場合には、有料になりますが弁護士や司法書士などに相談したり、ネット通販詐欺に関しする証拠収集や調査を探偵事務所に依頼したりすべきです。
【1】警察相談専用電話または警察のサイバー犯罪対策窓口
詐欺の被害に遭った場合に、最初にすべきことは、警察に被害届を出すことです。
「事件」として扱われることで、「振り込め詐欺救済法」の対象となり、返金してもらえる可能性が高まります。
詐欺かどうか判断がつかない場合は、まず警察相談専用電話(#9110)や、各都道府県に設置されているサイバー犯罪対策窓口に相談するといいでしょう。
サイバー犯罪対策窓口は、インターネット関連のトラブルや詐欺に特化した窓口です。
詐欺かどうか定かでなくても、通販サイトやネットショッピングで何かトラブルがあった場合は、こちらに相談しましょう。
被害届を出す場合は、最寄りの警察署に提出します。
まずは電話で連絡を入れ、必要なものを聞いた上で警察署に行き、記入・提出します。
スムーズに被害届を提出するためには、以下の情報を押さえておきましょう。
- 商品の購入画面の画面キャプチャ・スクリーンショット、または印刷したもの
- 相手業者とのやり取りがわかるようなメールや振込明細書
- 詐欺被害に遭った日時
- 詐欺被害に遭った商品名・数量・金額など
- 詐欺被害に遭った通販サイトのURL
- 銀行振込した先の口座名義・口座番号
被害届を出さなければ、銀行が犯人の口座を凍結させることはできないため、金額の大小に関わらず、必ず被害届を出しましょう。
【2】振り込みをした銀行
次に、銀行振込でお金を払い込んでしまった銀行に連絡しましょう。
お金を取り戻す方法としては、「組戻し」と言って、振り込んだお金を相手の了解のもとで戻してもらう方法と、「振り込め詐欺救済法」に基づいて、犯罪利用された口座を凍結し、そこに残っているお金を被害者に分配するという方法があります。
もっとも、ネット通販詐欺においては、組戻しができる可能性は低く、ほとんどが口座凍結をすることになるでしょう。
そのため、犯人が口座からお金を引き出すよりも早く、口座を凍結する必要があります。
まず、全国銀行協会のサイトに記載されている、各銀行の振り込め詐欺被害者専用の連絡先に問い合わせしましょう。
口座番号や名義人、被害状況を伝え、「犯罪に利用された口座のため、凍結して欲しい」と依頼します。
もし、既に他の被害者からの通報などがあった場合は、銀行の判断で速やかに凍結してくれる場合もあります。
【3】国民生活センター(消費者ホットライン)
ネット通販詐欺に関しては、国民生活センターにも相談できます。
警察は、犯罪を取り締まることはできますが、ネット通販詐欺の全般にわたって、被害の救済までを含む相談窓口としては、国民生活センターが適切と言えるでしょう。
国民生活センターでは、消費者ホットラインとして、局番なしの「188」で電話相談を受けることができます。
【4】最寄りの消費生活相談窓口
国民生活センターに電話すると、最寄りの消費者生活相談窓口を紹介してもらえます。
電話相談だけでなく、直接赴いて相談することもできるので、活用しましょう。
【5】適格消費者団体
適格消費者団体は、被害に遭った消費者に代わり、詐欺サイトや悪徳業者による悪質な広告や犯罪行為を止めるように「差し止め請求」をすることができます。
例えば、詐欺サイトに誘導する広告や、SNSに流れている詐欺サイトのバナーなどを、違反行為として差し止めができ、被害の拡大を防げる可能性があるのです。
また、同じサイトで詐欺被害に遭った人が多くいる場合は、被害者を集めて、「特定適格消費者団体」を形成し、集団訴訟によって、返金請求が行える場合もあります。
したがって、同様の被害に遭った人がいないかどうか、一度連絡してみるのがおすすめです。
【6】弁護士・司法書士
警察以外の相談窓口は、専門的なアドバイスをくれるものの、基本的には自分で解決へ向けて動かなければなりません。(※警察も証拠無しでは動こうにも動けない場合があります)
しかし、外国の犯罪者集団や悪徳業者による詐欺は、個人の力では解決できないことも多くあります。
そういった時は、法律のプロである弁護士や司法書士に相談しましょう。
弁護士や司法書士は、法律的な知識が豊富である上に、様々な詐欺被害を解決した実績もあります。
弁護士や司法書士に依頼すれば、彼らが詐欺サイトや悪徳業者との間に入ってくれ、自分では何もしなくても、解決に導いてくれるでしょう。
最初は無料で相談を受け付けている法律事務所も多いため、「自力での解決は無理」と思ったら、まずはいくつかの法律事務所に相談してみることをおすすめします。
【7】探偵事務所
探偵事務所は、ネット通販詐欺サイトの会社の実態や、詐欺犯の住所や連絡先、過去の犯罪歴などを調査してくれます。
会社の実態や、過去の犯罪歴がわかると、警察も動いてくれやすくなる可能性が高いですし、連絡先を調べて、直接返金要求をすることもできます。
また、返金要求に応じてもらえず、訴訟になる場合にも、探偵の調査した会社の実態や、犯罪歴などが役に立ちます。
探偵に調査を依頼する場合には、できるだけ相手方とのやり取りのメールや、サイトのURL、振込明細書など証拠を集めておきましょう。
対策2:振り込め詐欺救済法に基づく返金
詐欺被害の被害届を警察に提出し、銀行にその旨連絡を入れると、振り込め詐欺救済法に基づいて、犯人の口座凍結処置がなされます。
そうすると、その口座の残高に応じて、被害額の一部または全額が返金されることになります。
返金を受け取るためには、申請期間中に申請し、①〜④の手順で、所定の手続きを行うことが必要です。
①取引停止等の措置による口座凍結
被害届が受理されると、警察と金融庁からの通達によって、「取引停止等の措置」がなされます。
これにより、詐欺に利用された口座は凍結され、犯人は口座からお金を下ろせなくなるのです。
また、銀行に直接寄せられた情報によって、銀行が独自に判断し、凍結に踏み切る場合もあります。
②債権消滅の公告
犯人の口座が凍結されると、銀行は消滅手続きを行います。
消滅手続きとは、口座名義人が持つ権利を消滅させ、口座の預金を自由に扱えなくするための手続きです。
口座を使用する権利の消滅を、口座名義人に通告することを、「債権消滅の公告」と言います。
銀行からの依頼により、凍結した口座の名義人に対して、権利行使の届け出を要求する公告が「預金保険機構」のサイトに掲載されます。
これは、60日間掲載され、この間に権利行使の届け出がない場合は、口座を使用する権利が消滅し、その口座の預金は名義人のものではなくなるのです。
③被害金分配の手続き
この手続きが終わると、次に「消滅預金等債権について被害回復分配金の支払手続が開始された旨等の公告」が掲載され、銀行から、被害金を受け取るために必要な手続きの案内が届きます。
この際、預金保険機構の「振り込め詐欺救済法に基づく公告」のサイトでも、被害金受け取りの手続きが開始されたかどうか確認できるので、念のため定期的にチェックするといいでしょう。
被害金分配の手続きの期限は、公告から30日以上と定められます。
期限内に手続きできないと、被害金の分配を受け取れないため、注意しましょう。
申請の際には、以下の書類が必要です。
- 被害回復分配金支払申請書(預金保険機構や各金融期間からダウンロード)
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
- 振り込みの事実を確認できる資料(通帳や取引の明細書など)
これらの書類を、振り込んだ口座のある銀行の窓口に直接持っていくか、郵送します。
④被害金の分配
被害金額は、被害者の被害額や、詐欺に利用された口座の残高によって決まります。
犯人は、振り込み確認後すぐに口座から引き出す可能性が高いため、満額が返金されることは少ないでしょう。
また、詐欺に利用された口座の残高が1,000円未満の場合は、振り込め詐欺救済法に基づく返金は受けられません。
被害金分配の手続き後、実際に分配されるまでには90日以上の日数がかかります。
なぜなら、口座名義人の権利行使の届け出受付期間が60日以上であり、被害金の支払申請の受付期間が30日以上となっているからです。
ネット通販詐欺は泣き寝入りしないことが大事!
以上、ネット通販詐欺サイトの特徴と見分け方、ネット通販詐欺サイトで商品を購入してしまった場合の返金方法を解説してきました。
ネット通販詐欺は、誰にでも遭う可能性があることで、多くの人が被害に遭っているため、決して泣き寝入りしないで、金額の大小に関わらず、届け出ることが大事です。
現在は、警察や銀行、消費者ホットラインなどでも、ネット通販詐欺の相談が多くなっているため、連絡を入れれば、相談に乗ってくれるでしょう。
ネット通販詐欺に遭ったかもしれないと思ったら、まず警察や国民生活センターに、裁判を起こしたり具体的に返金への行動を起こしたい場合には弁護士などに、相手と連絡がつかない場合は、探偵に所在調査などの相談することをおすすめします。
ネット通販詐欺に関する相手の所在調査や裁判に有効な証拠収集、調査なら探偵事務所SATにお任せ!
探偵は、ネット通販詐欺に関する返金処理など具体的な行動は起こすことはできませんが、相手と連絡がつかない場合などには所在調査をして相手の居所を掴んだり、裁判で「これがネット通販詐欺である」と証明できるような確固たる証拠の収集、調査など全般を行うことができます。
探偵事務所SATには、警察OBの探偵が在籍しており、ネット通販詐欺に関する調査や証拠収集のサポートを行っております。
探偵と警察、2つの視点から、探偵業法に基づきあらゆる手法を用いて調査いたします。まずはお電話やメールにてご相談ください。
警察OBに直接相談できる探偵事務所
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