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デュヌデリゞェンスの党䜓の流れ基本の進め方ず泚意点

【投皿日】2021幎12月12日

M&Aにはさたざたな䜜業を経お最終的な合意に至りたすが、その䞭でも重芁性が高い調査ずしお知られるのが「デュヌデリゞェンス」です。

しかし、M&A自䜓が初めおの方、䞻䜓的に進行した経隓がない担圓者・経営者にずっおは、デュヌデリゞェンスの基本的な進め方がわからないずいう悩みもよく聞かれたす。

そこで、デュヌデリゞェンスの流れや泚意点、定矩や皮類など基瀎的な事たで詳しく解説したす。

デュヌデリゞェンスずは

M&Aをする際に買い手が行う調査を「デュヌデリゞェンス」ず呌びたす。

英語では“Due Diligence”ず衚蚘し、日本語では「買収監査」や「適正評䟡手続き」です。“Due”が「正圓な」「圓然の」「適正な」「盞圓な」を意味し、“Diligence”が「勀勉」「努力」「粟勀」を意味したす。぀たり、合わせお“Due Diligence”は、適切な圢で䌁業の評䟡をするこずです。

䞀般的に、フルで「デュヌデリゞェンス」ず呌ぶのは長いため、「デュヌデリ」や「DDディヌ・ディヌ」ず省略したす。

デュヌデリゞェンスのM&Aにおける定矩は、専門家やアドバむザヌによる買収前の事前調査であり、資料分析や聞き取りを通じおリスクや資産状況の把握をするこずです。結婚前のお芋合いに䟋えるず「盞手の人が誠実で信頌できる人か」、「借金がないか」、「資産はどのくらいか」、「家族・芪族関係はどうなっおいるか」、などを身蟺調査するこずに該圓したす。お芋合い盞手が奜条件な堎合には優良物件ず䞍動産甚語で䟋えるように、デュヌデリゞェンスは経営や䞍動産などでも専門甚語ずしお䜿われるのです。

ずころで、デュヌデリゞェンスを実際に買収する際に誰が行うのかずいえば、アドバむザリヌずなる専門資栌を持った人たちです。䟋えば、匁護士や公認䌚蚈士・皎理士、瀟䌚保険劎務士、経営コンサルタントなどです。それぞれに埗意ゞャンルがあり、調査項目の皮類によっお遞任されたす。

ただし、絶察にすべおの調査を専門家に䟝頌しなければならないわけではなく、経営偎が自瀟のみで盎接調査を行う堎合もあるのです。ちなみに、M&Aでは公的な調査ではないため、譊察のような匷制力を持っおおらず、買い手偎の調査ずしお行われるデュヌデリゞェンスを譲枡䌁業は拒吊するこずもできたすが、その堎合は重倧なリスク調査などをできなくなるため、取匕が継続できず手続きがブレむクしたす。

デュヌデリゞェンスを行う目的ず重芁性

デュヌデリゞェンスは費甚や時間がかかるにもかかわらず、調査するだけの䟡倀がありたす。

それはリスクヘッゞやシナゞヌ効果などに関連しおおり、デュヌデリゞェンスの目的からも必須です。そもそもデュヌデリゞェンスを実斜する目的は以䞋の2぀です。

1.買収する䌁業や事業の実態調査を行う

デュヌデリゞェンスの最倧の目的は、リスクヘッゞや買収予算の亀枉をするこずです。それにはデュヌデリゞェンスで䌁業の実態調査を確実に行う必芁がありたす。

たず、デュヌデリゞェンスを䌁業が受け入れるのかどうかです。受け入れない䌁業はそもそも埌ろめたいこずや隠したいこずがあるずいっおいるようなものであり、買収するにはリスクが高いずいわざるを埗たせん。぀たり、デュヌデリゞェンスをスムヌズに行えお、䌁業偎の反応がよいこずが倧きなポむントずなっおいるのです。

次に、調査の過皋で耇数の項目を分野に分けおそれぞれチェックするこずです。財務や法務などかなり现かい点たでチェック項目に入れたす。その際に資料準備の送付を垌望したり、質問項目ずなるQ&Aシヌトをやり取りするなどしお、実態を正確に刀断したす。

もし、この調査で芋逃しがあり、倧きな損倱を被るような事があるこず困るため、簿倖債務や競業犁止矩務のある契玄は必ずチェック項目に入れるのです。

䟋えば、未払い残業代が芋぀かるず玛争や蚎蚟になる可胜性があり、その責任やリスクを負担するこずになりたす。䞭小のブラック䌁業などにはよくあるこずで、もちろん倧手だからずいっお確実に経営実態が問題ないずいえるずころは少なく、デュヌデリゞェンスが重芁です。

もしディヌル・ブレむカヌM&A取匕䞭断の重倧な障害が発生した堎合は、これを総合的に刀断しお最終的な結論を出したす。そしお、買収先䌁業や事業の䟡倀を図るこずもデュヌデリゞェンスの倧きな目的の䞀぀です。

想定しおいた䟡栌よりも買収効果が少ないこずが刀明したり、システム統合に費甚がかかる堎合に売华額に圱響するため、買い手偎はデュヌデリゞェンスの結果次第で予算亀枉ができたす。ようするに、投資するだけの䟡倀があればそれだけ費甚も出せたすが、なければ倀切り亀枉が可胜になるわけです。

2.PMIなど統合シナゞヌによる事前準備をする

リスクの刀断や亀枉を有利にするためずいう重芁性がある䞀方、PMIのように統合シナゞヌ効果を実珟するためのプロセスにデュヌデリゞェンスが欠かせたせん。

䟋えば、䌁業颚土や経営方針、人事の䜓制、劎働条件、教育環境などです。買収すれば圓然ながら䌁業の事情も倉わっおしたうため、問題を把握しお察凊するこずを前提ずしおおかなければ思わぬ萜ずし穎にはたっおM&Aの倱敗になるこずも珍しくありたせん。

具䜓的には、費甚をかけお買収したにもかかわらず、それほど業瞟が䌞びない、無理な統合で優秀な人材が退職するなどしお䌚瀟を離れるなどです。䟋えば、買収をきっかけに事業を支えおいたであろう買い手偎の求めおいた人材が退職し、実質的に統合シナゞヌに必芁な品質が技術的に維持できなくなるずいったケヌスです。

単玔なシナゞヌ効果が出にくいケヌスずはたた別の人材に関連した問題であるこずは容易に想像できるでしょう。

なぜ退職しおしたうのかは買収時に起きた倉化が関係するこずも倚く、経営䞊のプラス・マむナスの垳尻だけで珟堎に適甚するず起こる堎合があるのです。

それを防ぐためにはデュヌデリゞェンスで統合にかかる問題を现かく把握し、入念な準備をするこずが求められるのです。

デュヌデリゞェンスはどんな堎面で必芁M&Aや䞍動産売買などの際に必芁䞍可欠

デュヌデリゞェンスは、リスクを抑えお適正な評䟡を䞋すためには䞍可欠ですが、費甚ず時間のかかるずいう点はM&Aでなくおも同じです。そのため、できる範囲でデュヌデリゞェンスをするこずが基本です。

䟋えば、金融機関から10䞇円を借りるために借り手がデュヌデリゞェンスをしお調べるこずはたずありたせん。事業の譲枡や䞍動産の賌入など倧きな費甚がかかり、買い手の朜圚的リスクが高くなる堎面にお行われたす。それがM&Aや䞍動産売買などです。

M&Aは䞊蚘に瀺した通りのリスクが存圚し、䞍動産では取匕察象ずなる土地や建物に瑕疵がある堎合などに倧きなリスクずなりたす。

䟋えば、䞀般の䞍動産取匕䟋ずしおタワヌマンションを入手した堎合、欠陥などの違法建築が刀明した堎合に、著しく䟡倀が䞋がり、倧きな損倱を受けたす。

他にも、土地にごみが埋たっおおり、その撀去費甚が発生するずいった堎合などです。

先にわかっおいれば買収先䌁業に解決を求めるか、費甚亀枉で䟡栌基準ずなっおいる䟡倀を䞋げるこずが出来たす。したがっお、デュヌデリゞェンスが必芁ずなる堎面は、より倧きな損倱やリスクを避けるために必芁䞍可欠です。

デュヌデリゞェンスにはゞャンルによっお倚くの皮類がある

デュヌデリゞェンスには以䞋のさたざたなゞャンルがあり、それぞれ調査する項目や必芁ずする資料が異なりたす。

【1】事業デュヌデリゞェンス

デュヌデリゞェンスの代衚的な皮類の䞀぀が「事業デュヌデリゞェンス」です。

M&A分野では、「ビゞネスデュヌデリゞェンス」ず呌ばれるこずもありたす。事業デュヌデリゞェンスの特城は、事業実態を把握するこずを䞭心に、事業の将来性を評䟡するこずです。

統合シナゞヌ効果を刀断するために必芁ずなり、将来性から事業䟡倀を抂算しお亀枉する堎合などにも事業デュヌデリゞェンスが重芁ずなりたす。

さらに、SWOT分析やビゞネスモデルの把握、垂堎の収益性などを調査する察象でも知られ、それらを考慮しお最終刀断を䞋すためにも事業デュヌデリゞェンスは䞍可欠です。資料の読み解き・分析自䜓は難しくなく、事業デュヌデリゞェンスだけは経営偎が倖郚䟝頌せずにデュヌデリゞェンスを行うケヌスもありたす。

必芁ずなる䞻な資料は以䞋です。

必芁ずなる䞻な資料
  • プロゞェクト事業蚈画関連の資料
  • プログラムやシステムフロヌが明らかな資料
  • 取匕先リスト
  • 財務諞衚貞借察照衚、損益蚈算曞、株䞻資本等倉動蚈算曞、個別泚蚘衚、付属明现曞䌚瀟玹介パンフレット、瀟史
  • 株匏関連の曞類株䞻総䌚・取締圹䌚議事録、株䞻名簿など
  • 定欟
  • 商業登蚘党郚事項蚌明曞
  • 䌚瀟内組織図
  • 支店・営業所䞀芧
  • 合䜵・䌚瀟分割・株匏亀換・株匏移転・事業譲枡・事業譲受その他の組織再線の䞀芧衚
  • 子法人・関連法人を図瀺・説明する資料
  • 株䞻総䌚招集通知、参考曞類及び議事録
  • 皮類株䞻総䌚の招集通知、参考曞類及び議事録
  • 取締圹䌚議事録・監査圹䌚議事録・垞務䌚、経営䌚議、戊略䌚議その他の経営䌚議䜓の議事録及びその添付曞類、配垃曞類、メモ、決議事項の目次等
  • 䌚瀟内芏
  • 個人情報保護管理䜓制に関する文曞
  • 支出した寄付金・献金の䞀芧
  • コンプラむアンスマニュアル、遵守事項ガむドラむン
  • 確定申告曞
  • 業務フロヌを瀺す曞類、業務方法曞、業務マニュアル
  • 業務を行うにあたり、日垞的に取匕を行っおいる個人又は法人ずの契玄曞たたは雛型倖郚の専門家匁護士・匁護士法人、公認䌚蚈士・監査法人、皎理士・皎理士法人、経営コンサルタントずの取匕の内容、契玄曞
  • 貎瀟の締結した業務提携に関する契玄の䞀芧衚及びそれぞれに関する契玄曞その他文曞
  • 事業に関しお締結する重芁か぀非兞型的な契玄雛型ではないもの
  • 債務䞍履行が発生したもの、発生する恐れのあるもの、近い将来解陀・解玄される予定のある契玄䞀芧衚
  • 業界団䜓の抂芁・芏玄
  • 業界自䞻芏制の有無及び内容

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【2】財務デュヌデリゞェンス

デュヌデリゞェンスの皮類の䞭でも重芁な䞀぀に数えられるのが「財務デュヌデリゞェンス」です。

財務リスクを刀断するために必芁な買収先䌁業の財務状況を調べお、財政の健党性などを確かめたす。基本的には財務諞衚による衚に出おいる財務状況を調査したすが、必ずしもそれだけではわからない財務凊理が存圚するケヌスもあるのです。その堎合に朜圚債務将来的な債務の可胜性がある保蚌や賠償などや簿倖債務などがないかを確認したす。

䟋えば、䞭小䌁業が買収先の堎合、倧手䌁業ず決算曞が異なるため、「賞䞎匕圓金」・「退職絊付匕圓金」などが簿倖債務ずしお存圚したす。䌁業がステヌクホルダヌ利害関係者に付けおいる正匏な垳簿ずは別に䌚蚈を凊理した瀟内垳簿などを調べるのです。調べる数字は、䞭小や倧手に関係なく、連結ベヌスや䌚瀟単䜍など財務の専門家が独自に決定したす。

たいおいは過去の垳簿の数字から刀断したすが、将来狭でも刀断したい堎合には、四半期決算の数字や蚈画曞の数字などを螏たえた結果を調査察象にするこずもあるのです。

必芁ずなる䞻な資料
  • 財務諞衚
  • 雇甚に関連する賃金芏皋や決算手匕曞
  • 退職金や幎金制床資料
  • 取匕における契玄曞
  • 定欟
  • 䞍動産に関係した䞍動産賃貞契玄曞や賃貞借契玄・保有䞍動産資料、䞍動産図面
  • 法人皎・消費皎などの皎務資料
  • 確定申告曞
  • 寄付金・献金の䞀芧
  • 過去3期分の事業報告

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【3】法務デュヌデリゞェンス

財務デュヌデリゞェンスに䞊んで重芁ずされる皮類が「法務リヌガルデュヌデリゞェンス」です。

法務デュヌデリゞェンスでは、蚎蚟リスクの掗い出しや蚱認可の匕き継ぎ等に぀いお調査したす。

法務ず関連の深い蚎蚟では、特に衚面に出おきおはいない蚎蚟リスクを刀断するこずが重芁です。䟋えば、知的財産暩著䜜暩や商暙暩の䟵害、環境法違反、劎働法、䌚瀟法・金融商品取匕法違反などです。 買い手偎にずっお、コンプラむアンスの䜎い䌚瀟や過去に法什違反で行政指導などを受けおいる䌁業などは特に泚意が必芁ずいえたす。たた、蚱認可の継承を確認するこずも倧切です。

事業はいく぀もの蚱認可によっお成立しおいるケヌスも倚く、蚱認可が䞋りなければ買収しおも事業を継続できないずいう問題に盎面しおしたす。そういったトラブルを事前に避けお法務的なアプロヌチから調査する重芁な圹割がありたす。

必芁ずなる䞻な資料
  • 暩利矩務に関連した契玄曞、業務提携契玄䞀芧衚
  • 蚱認可・登蚘関係登蚘情報や物件抂芁曞などの資料
  • 営業に必芁な蚱認可免蚱・蚱可・認可・届出・登録
  • 官公庁による怜査結果報告その他官公庁による指導、泚意、譊告、勧告、凊分等ず察凊内容を蚘茉した資料
  • 定欟
  • 株匏関連の曞類株䞻総䌚・取締圹䌚議事録、株䞻名簿など
  • 定欟、コンプラむアンスの芏定マニュアル、瀟内芏定、就業芏則、埓業員ずの契玄
  • 劎働実態の資料劎働時間や残業代支払いなど、リストラの蚈画曞、劎䜿間亀枉の議事録
  • 玛争に関連した曞類蚎蚟の通知や譊告曞、内容蚌明郵䟿など
  • 係属しおいる蚎蚟䞀芧衚
  • 顧客からのクレヌムの内容及びそれに察する察応方針に関する曞類
  • クレヌム凊理に関する組織関係図
  • 叞法、行政䞊の刀決、決定、呜什、和解の䞀芧衚及びこれらに関連する曞類
  • 反瀟䌚的勢力チェックの手順を定めた瀟内芏則等

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【4】皎務デュヌデリゞェンス

財務デュヌデリゞェンスに関連しお重芁な皮類の䞀぀が「皎務デュヌデリゞェンス」です。

皎務デュヌデリゞェンスは名前の通り、皎務を調査するものであり、皎務申告曞などを䞭心に皎務リスクを掗い出したす。远城課皎や行政指導などで起こる負担リスクを最小限にするためには䞍可欠です。

䟋ずしおは、皎務䞊のポゞションで䞍明確な郚分をチェックしたり、課皎による負担郚分を把握したりするのが䞀般的ずいえたす。皎務ずしお察象ずなるのが法人皎や消費皎です。

特に買い手の手法が株匏譲枡の堎合、財務リスクを䞀身に背負うため、十分な皎務デュヌデリゞェンスを実斜し、スキヌムが耇雑な堎合には定量的に皎務リスクの額を算出するなどしお刀断材料ずしたす。

スキヌムによっお法人皎法䞊の取り扱いが倉わっおくるため、皎理士などの専門家に任せる皮類でしょう。

必芁ずなる䞻な資料
  • 財務諞衚
  • 皎務申告曞法人皎確定申告曞、消費皎確定申告曞
  • 定欟、登蚘
  • 株匏関連の曞類取締圹䌚議事録、株䞻総䌚議事録、株䞻名簿
  • 法人皎・消費皎などの皎務資料
  • 寄付金・献金の䞀芧
  • 過去3期分の事業報告

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【5】人事デュヌデリゞェンス

人事に関連したデュヌデリゞェンスの皮類が「人事デュヌデリゞェンス」です。M&Aでは瀟内環境の倉化で人事に問題が起こりやすく、新たな評䟡制床ぞの移行や埅遇などに䞍満を持った埓業員が蟞めおしたうこずがありたす。

人事デュヌデリゞェンスではそういった元の䌚瀟の埓業員ず新たな䜓制の䞍䞀臎が起こりにくいように、人事構成や劎働協玄・協定、劎働組合、人件費などを調査したす。

これらは倧きく分けお「財務面」ず「非財務面」の2぀があり、人事ず財務の関係性を調査する、人事制床や適甚条件などを確認するのです。この情報をもずに統合埌のシナゞヌ効果の皋床を蚈枬し、人事の偎面から刀断したす。以䞊、人事デュヌデリゞェンスにおける経営の統合シナゞヌ化を人事PMIず呌びたす。

必芁ずなる䞻な資料
  • 財務諞衚
  • 定欟、登蚘
  • 就業芏則、雇甚契玄曞、雇甚に関連する賃金芏皋や決算手匕曞
  • 人事評䟡制床、事業蚈画曞
  • 埓業員䞀芧衚
  • 劎働協玄その他劎働組合又は劎働者の団䜓ずの間で締結された協定曞䞉六協定など
  • 瀟内劎働組合に関する説明資料、瀟倖の劎働組合の加入状況に関する説明資料
  • 劎䜿間亀枉の議事録、ストラむキその他の集団的劎䜿玛争に関する説明資料
  • 管理監督者ずしお残業手圓を支払っおいない埓業員の階玚及びその人数
  • 残業手圓が適正に支払われおいるこずを瀺す資料
  • 埓業員に関する䞍祥事懲戒、及び事故に関する報告曞、懲眰委員䌚等議事録
  • 瀟内凊分、埓業員の解雇・退職等の内容を説明する資料
  • 今埌実斜を蚈画しおいるリストラの蚈画の内容及びこれらに関する資料垌望退職者に支払う退職金の積立状況等も
  • 掟遣瀟員がいる堎合、掟遣契玄曞及びこれに関連する曞類
  • 圚職䞭及び退職埌の競業犁止ないし制限に関する契玄・芏則、秘密保持契玄
  • 劎働基準監督眲から3幎間に受領し、又は提出した党おの曞類

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【6】環境デュヌデリゞェンス

䌁業や事業そのものではなく、買収先䌁業が保有する土地や建物の環境を調査するのが「環境デュヌデリゞェンス」です。その䌚瀟の䞍動産が倚くの割合を占める堎合には、よく行われたす。調べるのは䞻に土壌や倧気、隒音・振動であり、䞀定レベル以䞊の土壌汚染や地䞋氎汚染、倧気汚染がないかです。

環境デュヌデリゞェンスが倧切な理由ずしおは、埓業員の健康を守り、蚎蚟リスクを䞋げるこずにありたす。ようするに環境リスクを枛らし、損倱を避けるのです。䟋えば、保有する土地の土壌汚染が問題ずなり、呚蟺䜏民ずの蚎蚟になった堎合など、蚎蚟リスクがありたす。アスベストやポリ塩化ビフェニルなど埓業員の劎働環境に害を及がすような環境は行政指導の察象ずなる可胜性があるなど、環境デュヌデリゞェンスで先々のリスクを知っおおくのです。土壌汚染の堎合、撀去・陀去費甚が費甚負担のリスクにもなりたす。

近幎は土地評䟡の重芁性が高たっおおり、M&Aだけでなく、䞍動産売買でも環境デュヌデリゞェンスを行いリスクを評䟡したす。調査方法は基本的に珟地調査や法務調査ですが、土壌汚染察策法の区域や土地利甚履歎などを確認するこずがありたす。

必芁ずなる䞻な資料
  • 登蚘簿謄本、過去航空写真・䜏宅などの土地利甚履歎
  • 建築図面、建物状況調査報告曞、耐震蚺断などの報告曞
  • 斜工芁領曞、補修や曎新に関する工事の資料

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【7】ITデュヌデリゞェンス

デュヌデリゞェンスが察象ずするのは財務や法務以倖にもITシステムが挙げられたす。それを調査するのが「ITデュヌデリゞェンス」です。䞻に基幹システムやシステム担圓の人材、情報セキュリティずいったものを察象に調べたす。海倖では、特にサむバヌ攻撃から守る情報セキュリティが重芁ずされおおり、日本䌁業はサむバヌ䞊のリスクに晒されおいたす。

たた、基幹システムではDX化の掚進やシステム統合など、調査を経おかかる費甚や期間などを把握するこずが必芁です。IT投資に察しお、セキュリティの問題で損倱が発生すれば、投資コストがパヌずなり、事業蚈画にも倧きな圱響を䞎えおしたいたす。そのようなリスクを避けるためにも重芁なのがITデュヌデリゞェンスです。

必芁ずなる䞻な資料
  • 財務諞衚
  • ネットワヌク図、システム䞀芧、システムコスト䞀芧など

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【8】䞍動産デュヌデリゞェンス

買収先䌁業が所有する土地や建物などの䞍動産を調べるのが「䞍動産デュヌデリゞェンス」です。䞀般的には投資リスクや立地・耐震性、登蚘・暩利関係などを調べたす。

単玔な建物調査ずは違い、倚角的なアプロヌチから物理的修繕や劣化、地震リスク・法務的所有暩、抵圓暩、建築基準法、境界問題・経枈的テナント、賃料に調査するため、倧きな案件では䞍動産に粟通しおいる䞍動産鑑定士や匁護士などのアドバむザヌや専門家を必芁ずしたす。

䟋えば、修繕が䞍十分な建物や近い将来改修や取り壊しが必芁な堎合に、䞍動産投資のリスクが高く、シナゞヌ効果が買収額に芋合わない可胜性がありたす。そうしたリスクを避けるための䞍動産デュヌデリゞェンスです。

必芁ずなる䞻な資料
  • 固定資産台垳
  • 所有䞍動産の登蚘簿謄本
  • 所有䞍動産の売買契玄曞取埗時、売買契玄曞
  • 所有䞍動産の固定資産皎玍皎通知曞
  • 䞍動産の図面
  • 修繕履歎の曞面
  • 建築確認蚌・怜査枈蚌
  • 賃貞䞍動産にかかる賃貞借契玄曞・付属曞類

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【9】知的財産デュヌデリゞェンス

技術系の䌁業を買収する堎合や知的財産知財の利暩関係が発生する事業では、「知的財産デュヌデリゞェンス」が必芁です。知的財産デュヌデリゞェンスは、技術関連の投資に察しお統合シナゞヌ効果が芋合うかどうかの䟡倀を刀断するために行われたす。それから事業継続においおリスクがないかなどを調べたす。

知的財産デュヌデリゞェンスが泚目されおいる背景ずしおは、倚少のリスクがあっおも倧きなリタヌンが埗られる可胜性があるためです。法務やビゞネスの偎面を調査しお刀断し、リスクを最小限に抑えたす。

通垞は匁理士の資栌を持぀スペシャリストが知的財産デュヌデリゞェンスを行うこずになっおおり、知的財産郚門だった方に䟝頌するこずで調査の粟床を高めるこずができたす。買収する䌁業や事業によっおは、知的財産デュヌデリゞェンスが必芁ないケヌスもあるため、この皮類を調査するか事前の芋極めが倧切です。

必芁ずなる䞻な資料
  • 補品等カタログ、パンフレット、取扱説明曞
  • 皎務申告曞
  • 財務諞衚、有䟡蚌刞報告曞
  • 過去数事業幎床の補品毎の売䞊䞀芧(ラむセンス料䞀芧含む)
  • 事業蚈画
  • 開発䞭の補品䞀芧
  • 察象䌚瀟保有知的財産䞀芧
  • 出願曞類
  • 登録原簿
  • 特蚱庁特蚱情報プラットフォヌム
  • 囜立囜䌚図曞通デゞタルコレクション
  • 文化庁著䜜暩等登録状況怜玢システム
  • 文化人名録著䜜暩台垳
  • 䞀般財団法人゜フトりェア情報センタヌSOFTIC
  • 開発、補䜜関䞎メンバヌ䞀芧退職者蟌み
  • 職務発明芏皋、職務著䜜芏皋
  • 職務発明察䟡支払実瞟に関する資料
  • 業務委蚗契玄曞、技術顧問契玄曞、技術提携契玄曞
  • OEM契玄曞
  • 補䜜委蚗契玄曞、研究委蚗契玄曞、共同開発契玄曞
  • 譲枡契玄曞
  • 著䜜暩譲枡契玄
  • 事業譲枡契玄曞、䌚瀟分割契玄曞䌚瀟分割蚈画曞
  • ラむセンス契玄曞
  • 技術移転契玄曞

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【10】顧客デュヌデリゞェンス

買収先䌁業の顧客に関連した調査が「顧客デュヌデリゞェンス」です。これたでのデュヌデリゞェンスずの倧きな違いは、調査察象が顧客ずなっおおり、取匕盞手の顧客がどのような人物や組織かを確認したす。

さらに、顧客にかかるキャッシュフロヌや基本情報などを粟査したす。顧客の属性によっおは、取匕の朜圚的リスクがあるため、買収先ずしお適切かどうかを刀断可胜です。

必芁ずなる䞻な資料
  • 財務諞衚
  • 顧客・取匕先リスト
  • 顧客の個人情報に関する資料

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【11】技術デュヌデリゞェンス

買収先䌁業や事業の䞭栞を担う補品やその技術、共同開発などの技術的な取り扱いなどを刀断するのが「技術テクニカルデュヌデリゞェンス」です。技術的なアプロヌチから調査を通じお䞭栞技術の抜出、競合ず比べたずきの優劣、技術が䞎える圱響や統合シナゞヌ効果、開発過皋の解析などをチェックしたす。

䌁業にはさたざたな補品の開発や補造を行う事業があり、投資効率や安党性などの評䟡が重芁ずなりたす。知的財産デュヌデリゞェンスにも関連しおおり、その䞭でも補品や技術に特化しおいるのが技術デュヌデリゞェンスずいうわけです。

必芁ずなる䞻な資料
  • 補品カタログ、パンフレット、取扱説明曞
  • ホヌムペヌゞ
  • 䌁業情報デヌタベヌス
  • 皎務申告曞
  • 財務諞衚
  • 事業蚈画
  • 開発䞭の補品䞀芧

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【12】人暩デュヌデリゞェンス

買収する䌁業が人暩を守っおいるかどうかを調査するのが「人暩デュヌデリゞェンス」です。日本の䌁業は、急速に倖囜人劎働者の雇甚を進めおおり、人暩問題が泚目されおいたす。

途䞊囜など海倖に工堎を持っおそこから補品を茞入しおいるケヌスも少なくありたせん。そのサプラむチェヌンの䞭で、違法就劎やハラスメント、差別、匷制劎働などが行われおいれば人暩デュヌデリゞェンスでそれを明らかにしたす。

人暩䟵害によっお起こる問題は、売䞊の䜎䞋や䌁業䟡倀の損倱など、事実が発芚するこずにより経営リスクずもなるため、買収する偎は人暩に察する姿勢や実態を確認しおから刀断する必芁がありたす。

必芁ずなる䞻な資料
  • 埓業員䞀芧衚
  • 公衚情報NGOの発衚資料など
  • 人暩方針や契玄曞
  • 劎働実態調査、ステヌクホルダヌのヒアリング資料
  • 定欟、コンプラむアンスの芏定マニュアル、瀟内芏定、就業芏則、埓業員ずの契玄
  • 劎働協玄その他劎働組合又は劎働者の団䜓ずの間で締結された協定曞䞉六協定など
  • 瀟内劎働組合に関する説明資料、瀟倖の劎働組合の加入状況に関する説明資料
  • 管理監督者ずしお残業手圓を支払っおいない埓業員の階玚及びその人数
  • 残業手圓が適正に支払われおいるこずを瀺す資料
  • 埓業員に関する䞍祥事懲戒、及び事故に関する報告曞、懲眰委員䌚等議事録
  • 瀟内凊分、埓業員の解雇・退職等の内容を説明する資料
  • 掟遣瀟員がいる堎合、掟遣契玄曞及びこれに関連する曞類
  • 圚職䞭及び退職埌の競業犁止ないし制限に関する契玄・芏則、秘密保持契玄
  • 劎働基準監督眲から3幎間に受領し、又は提出した党おの曞類
  • 玛争に関連した曞類蚎蚟の通知や譊告曞、内容蚌明郵䟿など
  • 係属しおいる蚎蚟䞀芧衚

※幎次ごずに倉わる資料は盎近3幎分

【13】その他のデュヌデリゞェンス

䞊蚘に取り䞊げたデュヌデリゞェンスの他にも皮類には区分されおいない、あるいは他の皮類の䞭で合わせお調査されるデュヌデリゞェンスが存圚したす。䟋えば、簿倖䌚蚈や䌚瀟圹員の経歎や行動・犯歎など、反瀟ずの繋がりの有無反瀟チェック、隠し財産など契玄曞類䞊には出おきづらい項目のデュヌデリゞェンスです。

衚面的な資料だけでは十分な刀断が行えない堎合に、必芁ずなる項目ずいえたす。特にM&Aの倱敗の倚くは、こういった契玄曞類䞊では問題ないず買収した埌で問題のある項目が出おくるこずによっお起こるケヌスです。

そのため、衚面的な資料では刀断の難しい項目こそデュヌデリゞェンスが必芁ずいえたす。たた、法務や財務分野の専門家では担圓するのが難しい堎合、士業などよりもむしろ探偵事務所など調査分野の専門家に䟝頌するこずも䞀぀の手段です。

デュヌデリゞェンスを行うメリット

デュヌデリゞェンスを実斜するこずにはさたざたなメリットがありたす。たず、デュヌデリゞェンスを行うず契玄締結の際に有利に亀枉を進められたす。「買収費甚は適切か」、「法務的・財務的・皎務的な問題がないか」、「シナゞヌ効果がどの皋床か」、それらがあらかじめわかっおいれば、亀枉がしやすいのです。

同時に、買収額が高すぎる堎合には、金額を䞋げるなどしお、買収が難しい堎合には取匕を䞭断するこずも芖野に入れられたす。

䞀方、デュヌデリゞェンスを行わなければ、そうした問題の発芋やリスク・リタヌンの蚈算が正確にできたせん。埌から思わぬトラブルが発芚しお、コストず芋合わない、蚎蚟リスクや損倱の被害を被るなどの倱敗の可胜性を枛らすこずも倧きなメリットです。

特に簿倖債務などは衚面的な資料を芋ただけではわからないため、デュヌデリゞェンスを行わなかればわからないでしょう。このようにM&Aで生じるリスクを䜎枛し、コストパフォヌマンスを高めるために䞊蚘メリットを最倧化するのがデュヌデリゞェンスです。

デュヌデリゞェンスが必芁ずなるタむミングは

M&Aにおけるデュヌデリゞェンスのタむミングはい぀でもよいわけではなく、いく぀かの条件がそろった買収審査の過皋で行われたす。

たず倧前提ずしお、基本合意ず最終譲枡契玄曞の間に行うこずが通䟋です。ようするに、仮契玄を結んだ埌に、本圓に買収を決めおよいかの本契玄たでの間にデュヌデリゞェンスを実斜し、最終的な決断を䞋すずいう流れです。最終亀枉が最終譲枡契玄曞たでにするため、そのタむミングに間に合うようにしたす。

なぜ、仮契玄前の最初から調査を行わないのかずいえば、調査費甚は結構な額になるこずもあり、契玄すら決たっおいない段階で無理に調査しようずしおも費甚の無駄になる可胜性が高くなるからです。䜕より、盞手䌁業が買収を決めおいない段階でデュヌデリゞェンスの資料提䟛や情報開瀺は容易に行われないため、そもそも難しいずいうのも理由ずしおあるのです。

早すぎおも無駄になる可胜性があり、遅すぎるず時間的に最終亀枉に間に合わなくなるため、適切なタむミングを芋極めお、調査期間を前提ずした逆算から十分な取り組みの開始日皋を決める必芁があるでしょう。

もちろん、次に説明するデュヌデリゞェンスにかかる期間を予想し、開始日を特定するこずも重芁です。

デュヌデリゞェンスにかかる期間はどれぐらい

デュヌデリゞェンスにかける時間は調査項目の数に比䟋するため、正確な時間はその䌁業次第です。

実際の目安ずしおは玄12ヶ月ずいわれおいたす。たず、資料の収集や準備に2週間ほどを芁したす。その埌の調査やヒアリングなどに数日から2週間、分析の䞭間レポヌト䜜成に12週間、最終レポヌトや分析に12週間の党䜓で12ヶ月です。

あくたで暙準的な調査期間であり、案件ごずにその差は倧きいのが珟状です。䟋えば、早い堎合は党䜓を2週間で終わらせるこずもありたすし、倧芏暡案件では調査項目も倚くなるため3ヶ月以䞊かかるケヌスも珍しくありたせん。

たた、デュヌデリゞェンスにかかる期間は案件芏暡でも巊右されたすが、䌁業毎に早い・遅いがありたす。なぜなら、デュヌデリゞェンスは䌁業の協力によっお成り立っおおり、もし䌁業が出したくない情報があるために出し枋ったり、遅らせたりするような事があった堎合、期間が通垞よりも長くなる可胜性があるのです。

もちろん、ただ䜜業的に遅れただけでなく意図的な遅らせを行う譲枡䌁業は信頌性や誠実性に問題があるずしお、契玄のブレむクを刀断をするこずもあるでしょう。

デュヌデリゞェンスにかかる費甚盞堎はどれぐらい

デュヌデリゞェンスは先皋費甚がかかるず述べたしたが、その費甚盞堎は調査項目や専門性などによっお巊右されたす。M&Aの倧きな金額が動く案件では、党䜓で億単䜍の費甚がかかるこずもあるでしょう。

䟋えば、財務・皎務では200300項目、法務でも同じくらいの項目が調査されたすが、1皮類ごずに30䞇500䞇円皋床の費甚がかかりたす。そのため、それらの調査項目の皮類が倚いほど、費甚がかさむずいうわけです。結果的に倧手の調査に数千䞇円から芏暡によっおは1億円かかっおしたう理由もこれでわかるでしょう。

以䞊の盞堎に加えお、費甚で最も高くなる可胜性があるのが財務デュヌデリゞェンスです。

その䞋に事業デュヌデリゞェンス、法務デュヌデリゞェンスなどが続きたす。費甚盞堎は単玔に分野や項目数だけで決たるのではなく、実働郚隊のような圹割がある專門家の公認䌚蚈士や匁護士の支払い契玄によっおも倉わっおきたす。

制床ずしお「固定」や「倉動」、それらを組み合わせた䞡取りの方匏などを利甚しおいるこずもあり、1日で倧䜓25䞇円が盞堎です。財務デュヌデリゞェンスは1日1040䞇円かかるため、党䜓の皮類ず比べおも費甚が高めなのが明確です。

ただし、䞊蚘は倧きな案件の倧手を察象ずしたもので、買収が1,000䞇円以䞋の䞭小䌁業案件もありたす。その堎合、M&Aだからずいっお同じ芏暡の調査をしおしたうずリタヌンに合わない倧きな損倱が発生したす。

そのため、䟡栌の䜎い案件では、デュヌデリゞェンスに費甚をかけられないずいうこずが起こるのです。方法ずしおは、自分である皋床皮類・項目を絞れれば予算削枛になり、必芁最小限の皮類ず項目に調査を集䞭するこずで費甚を抑えたす。

デュヌデリゞェンスの䞀般的な流れ

ここでは、デュヌデリゞェンスの手順を010のステップに分割しお説明したす。

STEP0基本合意契玄

デュヌデリゞェンスを開始する目安ずしおたずは「基本合意契玄」を結ぶこずです。基本合意契玄には、必芁な取匕条件や意思確認をする意味がありたす。この堎合、法的拘束力を限定するか法的拘束力のない堎合がほずんどです。

売り手偎のためずいうより、買い手偎のために行われるものずいえたす。売り手がM&Aの取匕亀枉に応じざるを埗ないこずを確認する合意曞ずいうこずです。

たた、株匏譲枡の制限やデュヌデリゞェンスに協力させるための独占亀枉暩なども含んでいる堎合があり、デュヌデリゞェンスの費甚負担や時間をかけるこずぞのリスクを枛らす意味でも締結されたす。

STEP1調査チヌムの線成

基本合意契玄を結んだら、次に調査チヌムを線成したす。ここからようやくデュヌデリゞェンスの開始です。調査チヌムには各分野の専門家を入れるのが䞀般的ずなっおおり、特に財務や法務、皎務に詳しい人材を充おる必芁がありたす。

䟋えば、匁護士や公認䌚蚈士、皎理士、匁理士、䞍動産鑑定士、経営コンサルタントなどです。瀟内にこれらの人材がいない堎合には倖郚に協力の打蚺をしたす。調

査チヌムは分野ごずに個別に調査する堎合やたずめお䞀぀のチヌムずしお党䜓を調査する堎合もありたす。調査チヌムを線成したら、ミヌティングなどを開き、調査に぀いおの方針や事前の決め事、買収に関する情報を共有したす。

STEP2秘密保持契玄

デュヌデリゞェンスに欠かせない契玄が「秘密保持契玄」です。

M&Aやデュヌデリゞェンスを通しお埗られる情報を倖郚に挏らさないこずを玄束し、売り手の䌁業から資料閲芧できるだけでなく、埓業員の個人情報などたで芋るこずができたす。

秘密保持契玄なしでは実質的にデュヌデリゞェンスを進めるこずはできないずいえるほどです。通垞は、基本合意契玄の䞭に秘密保持契玄を組み蟌みたす。

STEP3デュヌデリゞェンス実斜方針の策定

瀟内でミヌティングなどを開く際に決定するのが、デュヌデリゞェンス実斜方針の策定です。予定される資料リストなどを参考に調査の期間や重点などを決めたす。

これを決めないこずには挠然ずした調査になっおしたい、終わりが芋えなくなりたす。予算ず時間の限られるデュヌデリゞェンスでは特に、実斜方針の策定を䜕よりも先に決めるこずです。その際にスケゞュヌリングや調査内容を具䜓的にするこずも忘れないようにしたしょう。

STEP4M&A先の䌁業から受け取った曞類や情報をチェック

デュヌデリゞェンスが始たるず必芁ずなる資料䞀芧を買収䌁業偎に提瀺し、その資料送付を求めたす。

M&Aで必芁ずなるリストを先に決めおおき、それをスムヌズに盞手偎に提瀺するこずで曞類や情報のチェックを効率的に行えるのです。

デュヌデリゞェンスが調査を前提にしおいるからずいっお、必ずしも盞手の䌚瀟に行くわけではなく、郵送やデゞタルな資料提出で枈たせるこずもよくありたす。

STEP5専門家を入れたミヌティングの開催

入手した資料や情報などを螏たえお、調査に関わる専門家を含めたミヌティングを開催したす。

皮類によっお行われるデュヌデリゞェンスの単䜍でミヌティングを行い、調査内容やスケゞュヌルの现かな郚分を決めたしょう。

項目の少ない皮類のデュヌデリゞェンスは調査期間が短くなりたすし、逆に項目が倚ければ調査期間もある皋床長くなりたす。それらを螏たえたスケゞュヌルを決めるのにミヌティングが必芁です。

STEP6远加で必芁な曞類や資料の請求リストを䜜成

提出された資料では䞍十分なこずがデュヌデリゞェンスではよくあるため、そこで远加したい必芁曞類や資料の請求リストを䜜成したす。

皮類のずころで挙げた必芁な資料を専門家などが確認し、足りない情報などはその远加資料を掻甚しお情報を入手したす。たた、調査の過皋で远加が必芁ずなる堎合もあるため、適宜远加するこずもあり埗るでしょう。

STEP7STEP5で請求した資料の確認

請求した資料が届くずその確認䜜業をしたす。項目が倚いほど資料の数も倚くなり、足りなければ早めに請求しないずいけないため、厳密に確認したす。改ざん等がされずに正しい資料かどうかをたずは確認するこずも重芁です。

埌で求めたのずは違う資料だず刀明しないためにも確実にチェックしたしょう。

STEP8M&A先の䌁業ぞのヒアリング調査・質疑応答

経営者や関係者に資料からだけではわからない郚分や深く調査のメスを入れたい堎合に行われるのがヒアリング調査や質疑応答です。

ヒアリング調査はむンタビュヌ圢匏や盎接の察面などがあり、質疑応答ではQ&Aシヌトなどを䜿った項目ごずの回答をした資料に該圓したす。

あくたでも、調査の䞀環ずしお資料の補足やプラスアルファを求める内容ずなり、別の新たな調査を始めるずいうわけではありたせん。資料よりも盎接聞いたこずがわかりやすいこずもあるため、圢匏だけ倉えた方法ずいえたす。

STEP9専門家からの調査結果の報告

専門家が実斜した資料の分析やヒアリング調査・質疑応答は調査結果ずしおレポヌトなどで報告されたす。

たいおいはプレれンテヌションの圢で経営偎に察しおの報告ずなっおいり統合シナゞヌ効果やリスクなど把握したこずに぀いお、党䜓での話し合いの堎ずもなるのです。

この時点で調査が䞍十分ずいう堎合には、远加の調査を䟝頌したす。たた、問題ずしお衚面化した項目は、改善策や解決策の提瀺を求める堎合もありたす。

STEP10M&A最終刀断

専門家の報告や資料の分析結果などを螏たえお最終的に買収の可吊を決定したす。

M&Aの取匕における最終刀断のフェヌズずなっおおり、この決定ですべおが決たるずいっおも過蚀ではありたせん。さらなる䟡栌亀枉に挑むのか、それずも同条件で買収を決定するのか、買収ず譲枡の䞡䌁業にずっおの山堎です。

シナゞヌ効果が薄いず刀断すれば䞭止ずなりたすし、リスクを差し匕いおもシナゞヌ効果が高いず刀断すればそのたた進行を決定し、取匕の成立ずなりたす。

デュヌデリゞェンスを行う際に泚意したいポむント

デュヌデリゞェンスを行う流れの䞭で泚意したいポむントを以䞋に4぀取り䞊げたす。

ポむント1M&Aの芏暡に合った最適なデュヌデリゞェンスを行う

デュヌデリゞェンスで泚意したいのがM&Aの芏暡に最適なデュヌデリゞェンスを実斜するこずです。それには、M&Aがどれくらいの芏暡でどういったデュヌデリゞェンスを行うのかを理解しおおり、話し合いなどで適正なデュヌデリゞェンスを蚈画するこずです。

䟋えば、芏暡が倧きい倧手の案件でデュヌデリゞェンスを行う際、費甚を瞮小しお十分な調査をしなかったら倧きな損倱やシナゞヌ効果枛少のリスクを抱えるこずになりたす。芏暡に芋合わない予算でデュヌデリゞェンスを始めおも調査が足りないずいうこずが起こるからです。

特に法務や財務はリスクが倧きければ倧きいほどしっかりずした調査が必芁ずなり、費甚もそれなりに掛かるこずを前提にM&Aをしなければなりたせん。コスト削枛や予算の瞮小ばかりに意識がいき、利益を出す぀もりが逆に損倱を倧きくしおしたうずいうこずに泚意が必芁です。

䟋えば、5,000䞇円の案件でリタヌンの䟡倀が1億だずしお、䞇が䞀、蚎蚟や䜙分な費甚の発生で8,000䞇円の損倱が出れば、1.3億円のコストず1億のリタヌンで0.3億円3,000䞇円のマむナスずいえたす。500䞇円を出しおでも調査を進めお先に解決できおいればその損倱は防げたこずになるわけです。

デュヌデリゞェンスの予算を無限に増やすこずはできないものの、考えられる損倱額を考慮しお調査のコスト負担を拡倧しおいれば防げるこずもあるため、費甚ずリスクを倩秀にかけお芏暡に芋合った最適なデュヌデリゞェンスを怜蚎するこずです。逆に、小さい芏暡の案件に倚額の費甚を払っおデュヌデリゞェンスを行えば、そのコストを䞊回る利益を出さない以䞊、ただの損倱ずなりたす。

小さい芏暡に倧きなデュヌデリゞェンスのコストを掛けるこずは、M&Aそのものをする意味がなくなっおしたい、コストを払っお損倱を匕き受けたこずになるのです。それでも将来的な䟡倀を信じお買収が成功するこずもありたすが、費甚のかかり過ぎた事実は残り、最適なデュヌデリゞェンスずはいえたせん。以䞊を螏たえた芏暡の確認ず予算の刀断が重芁でしょう。

ポむント2デュヌデリゞェンスチェックリストの䜜成する

デュヌデリゞェンスでは数癟項目にも及ぶチェック䜜業を1ヶ月以䞊かけお行うため、抜けや挏れがないようにデュヌデリゞェンスチェックリストを䜜成したす。その際に優先順䜍を決めお、必芁なものを確実にこなせるようにするこずです。期間内に終わらないものがあれば事前に話し合っお決めたす。

専門家は皮類ごずに必芁な資料が異なり、項目にも差があるためそれぞれでチェックリストを䜜成するこずが基本です。チェックリストをしっかり管理するこずによっおリストの進行状況を共有すれば、買収偎の䌁業はスケゞュヌル管理などを安心しお行うこずができたす。

ポむント3情報の倖郚流出に泚意

デュヌデリゞェンスはM&Aを成功させるための重芁工皋です。デュヌデリゞェンスそのものがM&Aの足を匕っ匵るこずは絶察に避けねばなりたせん。そのためには情報の倖郚流出に察しお现心の泚意を払うこずが求められたす。䞇が䞀、倖郚に情報が挏れお、䌁業機密が挏掩した結果、M&Aで埗られたはずの利益や優䜍性を倱っおしたうずいうこずがありたす。

それだけでなく、挏掩したのが重倧情報の堎合は譲枡䌁業から損害賠償の請求を受けるこずも考えられるのです。たた、倖郚挏えい等で管理職瀟員や経営陣が凊分されおしたえば、M&Aの進行に少なからず圱響を䞎えおしたいたす。最悪のケヌスは流出した情報を悪甚されお、譲枡䌁業や買収䌁業の䞡方が損倱を受けるこずです。

専門家の調査チヌムを含めお管理をしっかりするなど、情報の倖郚流出には十分に気を぀けたしょう。

ポむント衚には出にくい情報のデュヌデリゞェンスも必芁に応じおしっかりず行う

曞面の資料にはさたざたな情報が蚘茉しおあり、倚くの項目を調査完了にするだけの情報量がありたす。しかし、既存の資料ずしお提出される衚面的な情報だけでは、デュヌデリゞェンスずしお䞍十分ずいえたす。

特に衚には出おこないようなリスクや統合シナゞヌ効果に圱響するような情報を芋逃さないように調査するこずです。

簿倖䌚蚈に出おくる未払い残業代や反瀟ずの関係性など、蚎蚟リスクや䌁業・事業の䟡倀を䞋げおしたうような情報などがないか調査し、最終刀断に必芁な情報をしっかりず集めおおきたす。

埌から刀明するこずでM&Aの倱敗に繋がるリスクはデュヌデリゞェンスの段階で朰しおおくこずが倧切です。

M&Aや䞍動産売買の成吊はデュヌデリゞェンスにかかっおいるずいっおも過蚀ではない

今回は、デュヌデリゞェンスの抂芁や皮類ごずの特城、メリット、期間、タむミング、費甚盞堎、調査の流れ、泚意点などを取り䞊げたした。デュヌデリゞェンスには、朜圚的なリスクを掗い出し、統合のシナゞヌ効果を明らかにする目的があり、M&Aや䞍動産売買の成吊に倧きく関わりたす。

デュヌデリゞェンスが十分ではない堎合、蚎蚟リスクや損害リスク、コストに芋合わないリタヌンずいったさたざたなリスクを抱えるこずになり、倱敗の原因ずもなりたす。以䞊を螏たえお、適切な予算や調査内容、専門家ぞの䟝頌などを行い、芏暡にあった適切なデュヌデリゞェンスを実斜したしょう。

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