【投稿日】 2021年9月17日 【最終更新日】 2022年10月27日
競馬は夢とロマンの詰まった、長年愛されているギャンブルです。
最近ではゲームの影響もあってさらに人気が高まっている分野ですが、気を付けたいのが競馬に関する情報を高額で売りつける「競馬情報詐欺」です。
一攫千金を手にしたいという心理を悪用し、数百万円をだまし取る悪徳事業者がいることは事実です。
この記事では実際にあった競馬情報詐欺の手口、騙されないために気を付けたいこと、万が一騙されてしまった場合の対処法をご紹介します。
競馬を趣味にしている方、これから始めたいという方は一読して、今後の参考にしてください。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
実際にあった競馬情報詐欺の手口
悪質な予想・情報提供業者の被害事例はJRAの公式ホームページでも公表されています。
詐欺にあった方は「まさか自分が詐欺に遭うなんて」「詐欺だとは思わなかった」と思うものです。
実際にあった事例を知っておくことで自衛に役立ちますので、何件かの手口をご紹介します。
SNSで知り合った人に紹介してもらった高額競馬ソフト
100万円近い競馬予想ソフトを買ったものの全く当たらなかったケースです。
AさんはSNSで知り合ったBさんに、競馬投資で儲けているというCさんを紹介してもらいました。
AさんとBさんは、Cさんから「競馬を自動的にシミュレーションするソフトを使って利益を上げている。何もしなくても稼ぐことができる」と説明を受け、ソフトは通常100万円ほどするが、社員割引なら80万円で購入できると言われました。
最初は興味が無かったAさんでしたが、Bさんが熱心に話を聞いているのを見て、最終的には良い話だと信じてしまいました。
Cさんに代理購入してもらうにあたり、80万円を手渡しましたが、領収書や契約書の控えは貰っていませんでした。
実際にソフトを使用しても当たることはなく、騙されたと気付きましたが、Cさん経由で購入したため販売事業者の名称や住所がわからず、返金手続きをすることができませんでした。
競馬情報サイトに高額な登録金を支払って会員になった
競馬情報サイトに100万円以上の登録金を支払ってしまったケースです。
被害者は新聞広告に乗っていた競馬情報を購入しましたが、この時点では高額ではありませんでした。
結局その競馬情報は外れてしまいましたが、丁寧な詫び状が届き、誠意のある業者だと信用してしまいます。
その後、「絶対に儲かる、特別なアドバイスを受けられる会員にならないか」と勧誘されて140万円以上支払って会員になってしまいました。
その後一度も馬券が当たることが無かったため問い合わせたところ、「絶対に儲かるなどと言った覚えはない」と態度を豹変させてきました。
勧誘も申し込みも電話から行ったため「絶対に儲かる」と言った証拠を残すことができませんでした。
配当金を受け取るために高額な手数料を支払った
配当金を受け取るには手数料が必要だと言われ、振り込んでしまったケースです。
被害者はお金儲けがしたいと考え、インターネット検索で見つけた競馬予想サイトに登録しました。
仕組みはよくわからないが、レースの配当金を得られるということで登録してしまったそうです。
業者から「レースの1200万円の配当金が出たので支払いたいが、まず手数料として配当金の17.5%を支払ってほしい」と言われたので、その通りに支払ったところ、「同じ投票をした人が4人いるので、他の4人の振り込みが完了しないと配当金は支払えない」と言われてしまいました。
他の3人分の手数料も代わりに支払いましたが、配当金が支払われることはありませんでした。
競馬情報詐欺の特徴
様々な手口でお金をだまし取る競馬情報詐欺ですが、共通する特徴があります。
次に当てはまったら詐欺を疑いましょう。
無料登録後に有料会員を紹介してくる
いきなり有料会員になるのは気が引けるといった心理を利用した手口です。
まずは無料で予想情報を提供し、その後有料会員に招待します。
有料会員になるのはお金がかかりますが、「その分稼げる、すぐに損を取り戻せる」と甘い言葉で説得してきます。
有料会員になっても儲からなかった場合、「もっと的中率が高い特別なプランがある」とさらに投資を持ちかけてきます。
負債が膨らんでいる分、何とか取り戻したいとさらにお金を払ってしまう人が多いです。
もし有料会員にならなかったとしてもメールアドレスを転売されてしまうので、土呂久下覚えのないアダルトサイトや出会い系サイトから迷惑メールが頻繁に送られてくるようになります。
全額返金補償で安心させてくる
契約前に「当たらなかったら全額返金補償します」と安心させてくる手口です。
実際に当たらなかったとしても返金には応じてくれません。
当然返金を要求しますが、「情報の仕入れ値価格が上がったので追加で〇〇円支払ってほしい」とさらに投資するよう要求してきます。
また、サイトの目立たないところに「返金はポイントで行います」と記載されているパターンもあります。
この場合、業者は嘘を言っていないので詐欺には当たらず、消費生活センターや警察が動けません。
実際ポイントはもらえますが、別の有料情報の購入にしか使えなかったり、返金ポイント以上の高額情報の購入にしか使えない特別なポイントであったりするので大変悪質です。
配当金を受け取るために登録金が必要になる
無料会員登録した人に「高額当選の配当金を受け取るには有料会員に登録する必要があります(手数料が必要です)」と連絡して料金をだまし取る手口です。
まず無料会員登録しただけなのに馬券を購入されているのがおかしいです。
さらに会員登録や手数料に何十万円~百何万円と高額かかるのも変な話です。
しかし当選金が数百万~数千万円だと聞かされると、安いものだと錯覚してしまい払ってしまうのです。
また、情報料が後払いシステムのレースに勝手に参加していたことにされ、配当金を受け取りたければ料金を支払うよう請求してくる手口もあります。
お金を受け取るためにお金を払わなければならない事態は詐欺だと覚えていてください。
騙されてしまったときの対処法
まずは騙されないことが大事ですが、万が一被害に遭った場合、迅速に対処することで返金がスムーズに進みます。
騙されたと気付いたその時に速やかに対処を始めましょう。
1人では難しいと感じたらそれぞれの機関に相談してください。
自分で返金交渉する
まずは自分で返金交渉を試みましょう。
相手の会社に電話をしたり、内容証明を送ったりして返金請求を行います。
詐欺業者はクレームや返金請求には慣れているでしょうから、簡単には事は進まないかもしれません。
言いくるめられてしまうこともあるでしょう。
ただ、相手も消費生活センターや警察に連絡してほしくない気持ちもあるので、少額であれば返金してくれるケースもあります。
また、一部返金して和解を歩み寄るケースもあるようです。
消費生活センターに相談する
消費生活センターは、商品やサービスに関する苦情や問い合わせなどを受け付けている行政機関です。
消費生活センターの職員は返金処理に関して慣れているので、どうすればいいかわからないときに的確なアドバイスをしてもらえます。
ケースによっては消費生活センター側で業者に返金の連絡をしてくれます。
ただし、明確に詐欺だとわかる証拠がないと動いてくれないので、証拠を集めておく必要があります。
また、担当者によって対応がまちまちであるため、確実に返金してもらいたいという場合には弁護士に相談したほうが良いでしょう。
警察に相談する
詐欺被害に遭ったのなら警察に行きましょう。
ただ、警察というのは犯罪者を逮捕するのが仕事ですから返金が目的であるとすれば、あまり効果はありません。
被害届を提出し、返金と引き換えに被害届を取り下げるなど、詐欺業者と交渉する材料としては有効的ですが、一度取り下げた被害届を再び提出するのは困難なので最後の切り札と言ってもいいでしょう。
また、被害額が少ない場合や、被害者が少ない場合は警察が動いてくれないこともあります。
弁護士に相談する
返金に成功する確率が一番高いのが弁護士を通す方法です。
全額か一部返金かはケースによりますが、弁護士が動いた時点で返金請求はほぼ通るでしょう。
弁護士を雇った場合、費用がかかってしまうのがデメリットです。
着手金の他に成功報酬を支払う必要があり、返金額を超えてしまう可能性もあるので、事前によく考えて依頼しましょう。
また、少額の被害では引き受けてくれない場合もあるようです。
探偵に相談する
消費生活センターに相談する場合も、弁護士に相談する場合も、実際に詐欺に遭った証拠を出さないといけません。
また、返金請求する相手の所在をはっきりさせる必要があります。
詐欺だとわかってから業者に連絡しても雲隠れしてしまうケースや、最初から相手の素性を知らないケースもあります。
そうした場合は探偵に調査してもらいましょう。
詐欺の確証を得られず泣き寝入りするよりも、相手を特定して返金に持ち込む方が良いでしょう。
弁護士と同様に費用はかかってしまいますが、被害額が大きいなら迷わず相談すべきでしょう。
競馬情報詐欺に騙されないために気を付けるべきこと
競馬情報詐欺は巧みにこちらを信用させる手口を利用してきます。
いくら警戒していても、「儲けたい」という心理に付け込まれると人間は騙されてしまうものです。
競馬情報詐欺に騙されないために次のことに注意しましょう。
競馬予想の客観的な根拠があるかどうか
きちんとレースの予想をしているサイトや業者なら根拠があるはずです。
根拠を導き出すためには、膨大なデータ、蓄積された経験が必要になるでしょう。
競馬情報詐欺のサイトや業者は人を騙すことをメインにしているので、当然こうしたデータなどは提示せず、予想だけ配信します。
もし利用しようとしているサイトや業者が客観的な根拠を出していないなら、信用しない方が身のためです。
「前にこの情報で当たったことがあるから」「真摯に対応してもらったから」という理由で信用するのではなく、客観的な根拠を提示しているかどうかで判断しましょう。
実績が明確か
「全てのレースを的中!」など宣伝しているサイト、業者は疑いましょう。
ギャンブルを全て当てることは不可能です。
当然、業者としては当たった実績のみ公表したいでしょうが、的中の確率などのデータを公表していないなら怪しいです。
過去にどれくらいのレースを当てて、どれくらいの確率で的中させているという、明確な実績を公表していないなら信用しないことです。
逆にこうしたデータを公表しているサイトや業者なら信用度が高いと言えるでしょう。
「絶対」「あたり続出」など過度な言葉を使っていないか
「絶対」「必ず」「八百長」といった言葉が出てきたら信用してはいけません。
競馬に絶対というものはありません。
ましてや八百長もありえません。
メリットばかり並び立てていたり、過剰な文章で人を信用させようとしたりするのは全ての詐欺の特徴です。
「お金が欲しい」「儲けたい」と思っている時に「絶対利益が出る」と言われたら話に乗っかってしまいそうですが、ギャンブルに絶対というものはないのです。
リスクを隠して良い面ばかり説明しているサイトや業者は信用しないようにしましょう。
サイトのドメインが不自然でないか
少し専門的な話になりますが、競馬予想サイトのドメインが不自然でないか確認するのも業者を見極める方法です。
ドメインとはアドレスの「https://www.~~~」の「~~~」の部分です。
「インターネット上の住所」とも呼ばれており、相手を特定することができます。
ドメインはいつ取得されたのか調べることができるのですが、競馬情報サイトに「昨年の実績」と書かれているのに取得時期が今年ではおかしいですよね。
このように、ドメインの取得時期とサイトに書かれている活動時期にずれが生じている場合は詐欺用に新しく作られたホームページである可能性が高いのです。
また、サイト名だけ変更してドメインを使いまわして新たな詐欺会社を装うケースもあるので、サイト名とドメイン名に不一致がないか確認してみましょう。
JRAの関係者という人物
詐欺グループは巧妙に、自分がJRAに関係している、JRAから情報を貰っているとして、あの手この手で信用させようとしてきます。
- 「サイトにJRAのマークがある」
- 「JRAの関係者からリークした情報」
- 「〇〇競馬会という団体」
これは実際に詐欺被害に遭った方が詐欺業者を信用してしまった理由です。
JRAのリンクが貼ってあるからといってJRAに認可された業者ではありません。
リンクは誰にでも貼れるものです。
また、JRAの関係者を装う詐欺グループは八百長レースを仄めかしてきますが、JRAは公式に「不正なレースを行うことは競馬法で固く禁じられており、レースは厳しい監視のもとで行われています」と発表しています。
JRAの関係者や実在しそうな団体名にも気を付けましょう。
ウマい話に乗らないことが大切
競馬は1レースで人生が変わってしまうかもしれない夢のギャンブルです。
稼ぎたい、儲かりたいと思っている人が情報サイトに頼りたくなる気持ちも分かります。
競馬を始めて日が浅いという方はなおさらです。
しかし競馬予想に「絶対」というものはありません。
レースで走る馬たちでさえ結果はわからないでしょう。
どれだけウマい話であっても安易に信用してしまわないことが大切です。
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