【投稿日】 2022年6月7日 【最終更新日】 2022年6月21日
最近、よく聞かれるようになった「リファレンスチェック」という言葉ですが、言葉だけ知っていても、実際にはどんなものなのか、分からないと言う方も多いのではないでしょうか。
リファレンスチェックは、近年、企業の中途採用には欠かせないものになってきています。
この記事では、そもそも「リファレンスチェックとは?」というところから、その目的やメリット、具体的なやり方から注意点まで、詳しく解説していきます。
これから、リファレンスチェックを実施しようとしている企業の方は、ぜひ参考にしてください。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
リファレンスチェックとは?
「リファレンスチェック(Reference Check)」とは、英語を訳すと経歴照会、身元照会、信用照会といった意味になり、職務経歴書に書かれている内容に虚偽がないかどうか、応募者の信用を第三者に照会する手法です。
企業が中途採用を行う過程で、書類選考や面接で得た採用予定者や内定候補者(以下、応募者)の前職での実績や勤務状況、人間性などの情報について、関係のある第三者(前職の上司や同僚、取引先の幹部など)にヒアリングし、虚偽がないかどうか確認します。
日系企業では、まだ一般的ではありませんが、アメリカなどの海外企業や外資系企業では、リファレンスチェックは広く導入されており、採用選考プロセスの最終段階として組み込まれているケースも多いようです。
また、経営層などのエグゼクティブをはじめ、マネージャークラスの重要ポジションに就く人材の採用時にも多く実施されています。
企業によっては、リファレンスチェックの推薦者の人選によって、応募者の人脈や人望を評価することもあるようです。
リファレンスチェックは、個人情報保護法により、事前に応募者に目的を伝え、了承を得なければ実施できません。
リファレンスチェックの目的
企業がリファレンスチェックを行う目的は、以下の4点です。
- 第三者への事実確認をし、公正な選考をするため
- 企業と応募者とのミスマッチを防ぐため
- 書類・面接でわからない部分を客観的・多角的に判断するため
- 応募者との信頼関係を構築するため
ここでは、その一つ一つについて解説していきます。
目的1:第三者への事実確認をし、公正な選考をするため
企業は、応募者がアピールした職歴や実績を第三者に事実確認することで、虚偽の申告がないかどうかを確認することができます。
リファレンスチェックによってそれぞれの応募者の情報に虚偽がない事を確認できれば、公正な選考ができるようになるのです。
また、前職での状況を知ることで、より正確に応募者を評価することもできるでしょう。
目的2:企業と応募者とのミスマッチを防ぐため
採用のミスマッチは、企業と応募者双方にとって避けたいことです。
応募者が企業の雰囲気や価値観に合うか合わないかは、採用前に判明した方がいいでしょう。
リファレンスチェックで、企業の採用担当者には、より詳細な応募者情報が伝わり、より正確なマッチ度を測ることができます。
目的3:応募者の書類・面接でわからない部分を客観的・多角的に判断するため
応募者は、自分にとって都合の悪いことなどを、本人にはそのつもりがなくても伝えきれないことがよくあります。
リファレンスチェックでは、書類に書きにくいことや、面接では話しにくいこと、説明しきれないことなどを確認する目的もあります。
一般的にリファレンスチェックは、応募者のビジネス上の能力を確認することが目的ですが、過去に不祥事を起こしていたことが判明した場合などは、不採用にする場合もあります。
また、マイナス面以外にも、応募者からのアピールだけでは得られない、応募者の価値観や職務能力、人間関係の築き方などについて客観的な情報を得られ、多角的な判断ができる材料にもなります。
目的4:応募者との信頼関係を構築するため
応募者の経歴が正しいことを、第三者の証言によって裏付けることで、企業側は安心できます。
また、応募者の側も、申告内容に嘘がないことを確認してもらえるため、安心して信頼関係を構築しやすくなります。
これも、リファレンスチェックの大きな目的です。
リファレンスチェックのパターン
リファレンスチェックには、応募者自身がリファレンス先を紹介するパターンと、採用する企業側がリファレンス先を探すパターンがあります。
ここでは、その2つのパターンの違いについて解説していきます。
パターン1:応募者がリファレンス先を紹介する場合
応募者がリファレンス先を紹介するパターンでは、企業側から応募者に対して、リファレンス先を紹介してもらうように求めます。
その際、多くは2人以上を候補に挙げてもらいます。
リファレンス先の相手は、単に同じ企業で働いていた人物というだけでなく、応募者の業務内容や人柄などがわかる同僚や、評価をする立場にいた上司がいいでしょう。
応募者が上級管理職だった場合は、上司と言えば役員などになりますが、無理な場合は部下に頼む場合もあります。
この場合、事前に、応募者からリファレンス先に対して、リファレンスチェックの目的などを十分に説明して、理解しておいてもらうようにしましょう。
応募者がリファレンス先を紹介した後は、企業側が全てのやり取りを行うことになるため、応募者はリファレンスチェックそのものに関与することはありません。
最近では、調査会社などがリファレンス先への依頼メールや質問を代行してくれるサービスも出てきており、そうしたサービスを利用する企業も増えています。
パターン2:企業側がリファレンス先を探す場合
応募者から同意を得た上で、企業側がリファレンス先を探します。
企業側がリファレンス先を探す方法は様々です。
同じ業界からの応募者であれば、業界のネットワークなどを通じて、比較的容易にリファレンス先を見つけられるでしょう。
また、リファレンスチェックを請け負っている調査会社や、間に入っている転職エージェントを利用して、探す場合もあります。
この場合、リファレンスチェックまで含めて委託することが多いです。
企業側がリファレンス先を探す場合、応募者の前職の会社が、リファレンスチェックについて知識と理解があることが前提となります。
理解が少なかったり、個人情報への認識が厳しかったりした場合、他人の情報を勝手に話すことに抵抗感があるとして、協力が得られにくいケースもあるので、注意しましょう。
リファレンスチェックの方法
リファレンスチェックは、採用担当者または外部の第三者機関によって行われます。
一般的には、応募者の前職の上司二人ほどに書面もしくは面談でヒアリングを実施します。
書類形式
書類形式では、企業側が書面において質問事項を作成し、応募者からリファレンス先に渡して、回答をもらったら、応募者が回収して企業に提出する場合が多いです。
面接形式
面接形式の場合、電話での実施が一般的ですが、現在では、Zoomやスカイプ、Microsoft TeamsやGoogle Meetなどでのビデオ通話での実施も増えています。
リファレンスチェックの流れ
ここでは、リファレンスチェックの実施方法と、その流れを解説していきます。
リファレンスチェックの流れは、以下の通りです。
STEP1:応募者に対してリファレンスチェックの目的および実施することを伝える
まず、応募者に対して、企業の側からリファレンスチェックを実施したい旨を伝えます。
主に、「リファレンスチェックの目的」、「前職の関係者から応募者の情報をいただくこと」、「応募者からリファレンス先の連絡先を教えてもらうこと(応募者がリファレンス先を紹介する場合)」といった点を説明します。
STEP2:応募者からリファレンスチェックを実施することに対する承諾を得る
こうした説明に対し、応募者にリファレンスチェックを実施することに対する承諾を得ます。
個人情報保護法により、応募者の同意なしに企業がリファレンスチェックを進めることは違法です。
STEP3:リファレンス先を決める
応募者がリファレンス先を紹介する場合、事前に応募者からリファレンス先に依頼してもらい、リファレンスチェックの同意を得てもらいます。
その上で、応募者からリファレンス先の電話番号やメールアドレスなどを教えてもらいます。
企業側がリファレンス先を決める場合は、応募者の職務経歴書にある現職情報、企業サイトやSNSの情報などを辿り、応募者の情報が得られそうな人を探すか、調査会社や転職エージェントに依頼するなどして、リファレンス先を決めます。
STEP4:リファレンス先となってくれる人と連絡を取り、日程調整をする
リファレンス先に連絡を取り、リファレンスチェックを実施する日時を調整します。
リファレンス先にも業務があるため、無理のない日程を調整しましょう。
時間は、リファレンス先の勤務時間内に行うのが一般的で、長くても30分程度を目安にします。
STEP5:質問事項を決める
リファレンスチェック実施日までに、質問事項を検討・決定します。応募者によって、人柄、実績など特に聞きたいポイントが違ったり、リファレンス先の立場(上司・同僚・部下など)によって視点が違ったりなど、様々です。
そのため、一律に同じ質問を用意しておくのではなく、応募者やリファレンス先に合った質問を、その都度用意するようにしましょう。
この質問事項は、実施前にリファレンス先に共有されるケースもあります。
STEP6:リファレンスチェックを実施する
スケジュールされた日時に、リファレンスチェックを実施します。
ヒアリングをするうちに、追加で訊きたいことが出てきて時間を延長してしまったりしないよう、事前の打ち合わせや質問事項を決める際に、「どんなことを知りたいか」を明確にしておきましょう。
また、話が広がったり、深掘りして聞いたりといったことになるのを想定して、質問事項を決めたり、時間を設定しておくといいでしょう。
STEP7:回答結果をまとめ、採用メンバーに共有する
リファレンスチェックで得た内容を、テキストにまとめます。
リファレンス先、質問事項、回答結果、採用担当者の総評などを整理し、採用にかかわるメンバーと共有します。
リファレンスチェックの質問事項
ここでは、リファレンスチェックの質問事項について、具体的な例を挙げて解説していきます。
リファレンスチェックの質問事項は、大きく分けて以下の3点です。
- 勤務状況に関するもの
- 勤務態度やコミュニケーション、人物に関するもの
- 職務能力に関するもの
相手の勤務時間中に行うリファレンスチェックは、短時間になることがほとんどです。
その中で、採用側が知りたい情報を十分に得るには、それを引き出す質問事項が重要になります。
ここでは、大きく3項目に分けて考えると次のような質問が考えられます。
勤務状況に関するもの | ・応募者の勤務期間は○年○月から○年○月までで間違いありませんか? ・役職や職務内容は○○で間違いありませんか? ・応募者が以前にどのような勤務をしていたかという話は聞いていませんか? |
---|---|
勤務態度やコミュニケーション、人物に関するもの | ・応募者とはどのような関係でしたか? ・周囲とのコミュニケーションを活発に、また良好に行えていましたか? ・行動がつかめないと感じたことはありますか? ・遅刻や欠勤は多くなかったですか? ・上司へのホウレンソウや部下の教育はできていましたか? ・上司や部下との折り合いが悪いと思うことはなかったですか? ・人によって態度を変えたり、感情的になったりすることはありましたか? ・一言で言えばどのような人物だと思いますか? ・同じプロジェクトのメンバーとして、今後も一緒に働きたいと思いますか? |
職務能力に関するもの | ・主な実績にはどのようなものがありますか? ・問題やトラブルが生じた時の対応に関して、解決能力・意思決定能力はありましたか? ・積極的な提案は見られましたか? ・仕事のやり方に無駄があると思ったことはありますか? ・個人とチーム、どちらで働くのが合っていると思いますか? ・リーダーシップを感じたことがありますか?また、それは周囲にどのような影響を及ぼしましたか? ・仕事上で良い影響をもたらしましたか?具体的な例があれば教えてください。 ・職務における長所と短所を教えてください。 ・今後、改善すべき点はあると思いますか? |
リファレンスチェックのメリット
リファレンスチェックについて具体的な流れがわかったところで、改めてメリットを確認してみましょう。
メリットは以下の6点です。
- メリット1:自社の求める人材像とのミスマッチを防ぎ、採用リスクを減らすことができる
- メリット2:入社後のスキルや経験のギャップを未然に防ぐことができる
- メリット3:前職での勤務態度や働き方を知ることで、早期退職を防ぐことができる
- メリット4:自社の魅力を伝え、採用の成功率を上げることができる
- メリット5:書類や面接で知り得なかった人柄や働き方を知ることができる
- メリット6:休職など応募者が申告していないマイナス面を発見できる
一つひとつ詳しく見ていきましょう。
メリット1:自社の求める人材像とのミスマッチを防ぎ、採用リスクを減らす
リファレンスチェックは、内定・入社後に経歴や学歴の詐称が発覚するといった深刻なケースを未然に防ぐことができるメリットがあります。
また、自社が求める人材像や実績、働き方や社風と、応募者が求めるそれとがマッチしているかを、より正確に判断することができます。
求めていた人材像と異なる応募者を採用した場合、自社の水準に引き上げるための教育コストがかかってしまう可能性がありますし、応募者の方も、入社してみたら自分の力を存分に発揮できないという可能性があるでしょう。
社風や、一緒に働くメンバーとの融和性も重要なため、前職の職場での応募者の人柄や人との関わり方を知ることで、どのような仕事が適任かということや、どのような人と仕事をさせたらその人のパフォーマンスが活かせるのかがわかり、最適配置にも繋がります。
メリット2:入社後のスキルや経験のギャップを未然に防ぐことができる
例えば、企業が日常的に英語でコミュニケーションを取れる人を採用したい場合、応募者が「できる」といっても、実際のところはわかりません。
前職の業務では、実際には使っていないことも考えられます。
或いは、英語を使うのはメールだけで、海外とのミーティングはしていなかった、などというケースもあるでしょう。
このように、スキルや経験についての応募者情報の細かいギャップを埋めることができます。
メリット3:前職での勤務態度や働き方を知ることで、早期退職を防ぐことができる
リファレンスチェックでは、応募者が以前の職場でどのくらい真面目に勤務していたかがわかります。
勤務態度に問題のあった応募者を事前に知ることで、早期退職のリスクを減らすことができるのです。
また、応募者が何を求めて前職を辞めたのか、働く上で何を大切にしていたのかなどを知ることで、応募者に合った条件や働き方、労働環境を提供することができ、採用後の定着率アップに繋がります。
メリット4:自社の魅力を伝え、採用の成功率を上げることができる
前職で、応募者がどのような価値観で仕事をしていたか、どのような仕事にモチベーションを感じていたかを知ることで、自社のどのような部分を魅力として伝えるかが見えてきます。
応募者がそのパフォーマンスを発揮できるポジションや、モチベーションを感じる働き方や業務内容を提示することができれば、内定辞退や早期退職といったリスクを防ぐことができるでしょう。
メリット5:書類や面接で知り得なかった人柄や働き方を知ることができる
面接では時間的に応募者について得られる情報が限られてきます。
チームで仕事をしていたか、残業はどの程度していたかなど、細かい働き方までは確認できないことが多いでしょう。
また、職場での人間関係のトラブルや、細かい業務上のミスなど、応募者の短所を知ることもできます。
一方で、応募者が自分では認識していなかった思わぬ長所を知ることもあります。
「他のスタッフが動きやすいように、縁の下の力持ち役に徹していた」などといった、実績ベースではわからない貢献度を知ることができるのも、リファレンスチェックの大きなメリットです。
会社から見ると長所だと評価していても、応募者本人は当たり前のことだと思っていて、アピールしてこないケースもあり、リファレンスチェックによって、周りが客観的に評価していた点を知ることで、応募者を再評価することもできるのです。
メリット6:休職など応募者が申告していないマイナス面を発見できる
前職を辞めた際、応募者の能力に問題があったり、トラブルを起こしたりしていたケースもあります。
こうした場合、応募者は面接では話をしなかったり、取り繕って話したりすることが多いでしょう。
また、在職中に休職などがあった場合も、応募者側からすると履歴書には書きにくいものですが、採用する企業側としては、休職の有無とその理由は気になります。
リファレンスチェックでは、このように応募者が申告・提供していないマイナス面の情報を確認することも可能なのです。
リファレンスチェックの注意点
最後に、リファレンスチェックの注意点についても、しっかりと押さえておきましょう。
リファレンスチェックの注意点は、以下の5点です。
- 注意点1:応募者の同意を得ずに行った場合、個人情報保護法に抵触し、違法行為になる
- 注意点2:リファレンス先から拒否された場合を想定しておく
- 注意点3:聞くことができない事項がある
- 注意点4:リファレンスチェックの結果だけで合否を判断せず総合的に評価する
- 注意点5:リファレンスチェック後の不採用は慎重に判断する
注意点1:応募者の同意を得ずに行った場合、個人情報保護法に抵触し、違法行為になる
個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)では、個人データの第三者提供の制限規定(23条1項)というのがあり、応募者本人の同意がなければ、前職の企業は個人データを第三者に提供することができないと定められています。
つまり、応募者の同意がない限り、リファレンス先の企業がリファレンスチェックに応じてくれないばかりか、リファレンスチェックを行う企業側としては違法になってしまうということです。
これは非常に重要なので、応募者の同意は必ず得るようにしましょう。
(第三者提供の制限)
第二十三条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
注意点2:リファレンス先から拒否された場合を想定しておく
仕事の都合などでリファレンス先から拒否された場合、他の上司や同僚・部下などに依頼することになります。
そのため、事前に応募者から複数のリファレンス先を紹介しておいてもらうといいでしょう。
また、電話やビデオ通話などの手間や時間が取れず、拒否するリファレンス先も少なくありません。
このような場合は、リファレンス先の負担にならないよう、オンラインのアンケート形式で質問のやり取りを行ってくれるサービスもあるので、利用してみてもいいでしょう。
注意点3:聞くことができない事項がある
2015年の「個人情報の保護に関する法律」の改正によって、応募者の個人情報の取り扱いには、より注意が必要になりました。
特に、以下の6項目の他、本人が差別や偏見といった不利益を生じないように特別に配慮が必要な個人情報(要配慮個人情報)については、本人の同意がない限り、リファレンスチェックでは聞くことができません。
- 人種
- 思想信条
- 社会的身分
- 病歴
- 犯罪の経歴
- 犯罪により害を被った事実
また、応募者の家族の職業や、出生地などといった本人に責任のない事項についても、聞くことはできません。
厚生労働省によると、以下のような事項を応募用紙などに記載させたり、面接で尋ねたりして把握することは、就職差別に繋がる恐れがあるとされています。
<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条に関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
注意点4:リファレンスチェックの結果だけで合否を判断せず総合的に評価する
応募者がリファレンス先を紹介する場合、良い回答をしてくれる人を紹介される可能性があります。
また、リファレンス先が、必ずしも応募者の短所などのマイナス面の事柄を言ってくれるとも限りません。
つまり、リファレンスチェックで得た情報を鵜吞みにして、採用の合否を判断するのはリスクが大きいと言えるでしょう。
そのため、リファレンスチェックは、あくまで面接の評価を補うもの、応募者から見た強みが現実と合っているかを確認するもの、といった認識でいることが重要です。
注意点5:リファレンスチェック後の不採用は慎重に判断する
内定後にリファレンスチェックを行い、その結果、虚偽や経歴詐称などが判明した場合、内定の取消を検討することもあるでしょう。
しかし、内定の取消には注意が必要です。
内定を出した時点で、内定者は就業開始日より前であっても従業員としてみなされる、という労働契約(始期付解約権留保付労働契約)が成立したとみなされるからです。
この労働契約には解約権がついてはいますが、極めて稀な場合に限られています。
つまり、内定を取り消す「合理的な理由」があるといえる経歴詐称などの重大な理由があっても、必ずしも内定取り消しが認められるとは言えない(※厚生労働省「『採用内定の取消』に関する具体的な裁判例の骨子と基本的な方向性」より)のです。
そのため、リファレンスチェックは内定を出す前に実施するのがいいでしょう。
また、内定を出す前であっても、リファレンスチェックで個人情報を提供されたにもかかわらず、頻繫に不採用を出すと、企業のイメージダウンに繋がる可能性があります。
したがって、リファレンスチェックは、書類選考や面接を経て、ある程度採用の見込みが高い応募者に対してのみ、評価を補ったり、採用後の関わり方の参考にしたりする、といったスタンスで実施することをおすすめします。
リファレンスチェックは中途採用には必須!
新卒者の早期退職が増加している昨今、中途採用で如何に優秀な人材を採用できるかは、企業にとってこれからの大きな課題と言えるでしょう。
しかし、書類選考や面接で高い評価を得て採用された社員でも、入社後の職場環境や人間関係によっては、そのパフォーマンスを十分に発揮できないということも有り得ます。
リファレンスチェックは、書類選考や面接だけでは見えてこない、その人の人柄や能力、その人に合った働き方やモチベーションの上がる業務を知ることができるため、中途採用した社員を自社に有益に役立てるために、非常に有効な手段です。
したがって、これからの時代の中途採用には、リファレンスチェックが欠かせないと言えるのではないでしょうか。
とはいえ、リファレンスチェックに慣れていない企業には、戸惑いもあるでしょう。
そういった場合は、まずリファレンスチェックを専門に扱っている調査会社に相談してみることをおすすめします。
専門の調査会社であれば、その企業に必要なリファレンスチェックのやり方を、詳しくアドバイスしてくれるでしょう。
より詳細な経歴や犯罪歴など個人情報などが詳しく知りたいという場合には、探偵事務所にリファレンスチェックを依頼してみるのがおすすめです。
また、基本的にリファレンスチェックは、バックグラウンドチェックと同時に行うのが必須です。そのため、リファレンスチェックのみで判断せず、バックグラウンドチェックの結果などを持って総合的に判断するようにしましょう。
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