【投稿日】 2021年7月31日 【最終更新日】 2022年10月27日

この記事では、あなたの会社の社員や同僚が行方不明になったときに、どのように対処すべきか、またどのようにして探すべきかなどについて解説します。

ここでは、あなたが会社経営をしていて自社の社員が行方不明になった場合についてメインで説明をします。

もし、あなたと同じ会社に勤めている同僚が行方不明になった場合は、大企業であればあなたや行方不明になった同僚の上司、小規模な会社であれば上司はもちろん社長にも相談して判断を仰ぐことが必要になると思います。

くれぐれもあなた一人の独断で行動しないように注意をしてください。

会社の社員や同僚が行方不明・音信不通になった場合の対処の手順

あなたの会社の社員や同僚が行方不明や音信不通になったときの対処の手順は、一般的には次の通りとなります。

【1】まずは社員の安否確認が最優先

あなたの会社の社員や同僚が行方不明や音信不通になったことが分かったときに、最優先で行うべきことはその社員の安否確認です。

(1)まず本人への連絡(電話、メール)

朝から出社してこない、外回りの営業に出たっきり帰社しないなどの場合は、まずは本人あてに電話をかけたりメールで連絡をしてみましょう。

本人が電話に応答したり、メールへの返事があった場合は、無事なのかどうか、身に危険は迫っていないのか、どこにいるのかなどを聞き出してください。

事件や事故に巻き込まれて身に危険が迫っているような状況であれば、すぐに警察に連絡して捜索や身柄の保護などを依頼しましょう。

また、本人が電話に応答しない、メールへの返事がない場合は、次項によって配偶者や親族に連絡をしましょう。

(2)配偶者や親族に連絡

朝から出社してこない場合は、配偶者などの同居親族に連絡して、朝いつも通りの時間に家を出たのかどうか、朝からあるいは数日前から挙動におかしいところはなかったかなどを聞いてください。

いつも通りに家を出たのに会社に出社しないという場合は、通勤経路のどこかで行方不明になったということになりますので、通勤経路で交通事故や電車事故、その他の事件が起こっていないのかを確認しましょう。

ただし、若手社員など独身で一人住まいの場合は、同居の親族に朝の状況を確認することができませんにので、大家さんに話をして自宅の中を確認させてもらうことが必要となります。

また、配偶者などの同居親族に何らかの書き置きがないかも確認してもらってください。

書き置きが残されている場合で最も心配すべきケースは、「遺書」など自殺をほのめかす内容のものを残していた場合です。

この場合は命に関わりますので、すぐに警察に連絡して捜索を依頼しましょう。

なお、書き置きの中には「失踪宣告書」という「本人の意志による失踪であって自殺するつもりはない」ことなどを記載したものを残している場合があります。

この場合は、命に関わる緊急性はないと判断できると思いますので、配偶者や同居親族とお互いに持っている情報を共有して、今後の対応について相談してください。

(3)行方不明になった社員がいなくなった経緯などを探る

自殺の恐れや事件性がない場合は、会社の社員や同僚が行方不明になった経緯などを探ってみましょう。

社内では、その社員と交流のあった人たちから、最近変わったことがなかったかを聞いてください。

同様に、同居の配偶者や親族にも気になることがなかったかどうかなどを確認してください。

この調べ方で共通しているのは、行方不明になった社員が残していったものを細かく調べるということです。

例えば、手帳やスケジュール表、携帯電話やスマートフォン、使っていたパソコン、ゴミ箱に捨ててあるものなどを徹底的に調べてみましょう。

手帳やスケジュール表には、最近会った人の名前や地名、その他の情報が記載されている可能性があります。

スマートフォンやパソコンのブラウザの使用履歴を見ることによって、アクセスしていたサイトや地名などの検索履歴がわかります。

また、行方不明になった社員が利用していたTwitter、Facebook、LINEなどのSNSのアカウントの投稿履歴を調べてみることも有効です。

行方不明になった日以前の投稿内容から、行方不明の原因を探ることができるかもしれませんし、もし行方不明になった日以降の書き込みがあれば、どこかで無事にしていることが分かります。

さらに写真が投稿されていて、写真に位置情報が埋め込まれている場合は、専用のツールを使って写真が撮られた場所を特定することができます。

もし、ゴミ箱の中に借入金のメモや督促状などが捨てられているような場合は、借金から逃れるために行方不明になったということが推測できます。

【2】配偶者や親族と相談し、配偶者や親族に警察に捜索願いを出してもらう

前述のように、行方不明になった社員が遺書などを残していて自殺の可能性がある場合や、その他の事情から緊急性や事件性があると考えられる場合は、配偶者や親族から警察に「捜索願い」を出してもらってください。

警察で捜索してもらうためには「捜索願い」を提出する必要があります。

また、行方不明になった人が「失踪宣告書」を残している場合は、警察は緊急性のない行方不明者として扱い、積極的に捜索をしてくれません。

この「失踪宣告書」とは「自分の意志によるもので事件性がないこと」「自殺する意思がないこと」「探さないでほしいこと」などを記載した書き置きのことです。

しかし、この場合でも全国の警察で共有されている行方不明者のデータベースには登録されますので、何らかの情報が得られれば連絡がもらえます。

捜索願いが出せる人は限定されている。できる限り配偶者や親族から出してもらうようにしよう!

警察に「捜索願い」を出すことができるのは、次のような人だけに限定されています。

  • 親権者、配偶者などの親族
  • 後見人などの監護者
  • 行方不明者の福祉に関する事務に従事する者
  • 同居者、雇主、その他など行方不明者と社会生活において密接な関係をもつ者

もしあなたが会社の経営者で、行方不明になった人があなたの会社の社員である場合は、④の雇主に該当しますので、あなたが「捜索願い」を出すことも可能ですが、できる限り配偶者や親族に出していただいた方が良いと思われます。

【3】事件性などがなければ、就業規則に則って退職手続き!

社員が行方不明になったまま見つからない場合で、事件性などがないときは、就業規則に則って退職手続きをすすめることになります。

就業規則に「行方不明期間」の規定があれば、その期間が経過した後、自動的に退職手続きを行います。

例えば、「社員が行方不明となり1ヶ月以上無断欠勤し連絡が取れないときは退職とする」などと規定されている場合は、「行方不明期間」は1ヶ月となりますので、1ヶ月経過後に本人の意思に関係なく、自動的に退職手続きを取ることになります。

なお、解雇ではなく退職とする理由は、解雇の場合は本人に対して「解雇の通告」を行うことが必要となりますが、行方不明の場合それができないことによります。

就業規則がない場合、自然退職措置

もし、就業規則に「行方不明期間」の規定がない場合には、無断欠勤開始日に行方不明になった社員から退職の意思表示があったものとみなして、会社が退職日を決定することができます。

つまり、会社が退職日を決定して自然退職措置をとることになります。

社員が行方不明になったら、安否確認でまず事件性がないことを確認しよう!

この記事では、会社の社員や同僚が行方不明になったときに、どのように対処すべきかなどについて説明しました。

会社の社員や同僚が行方不明になったときには、まずは安否確認が最優先事項となります。

本人への電話やメール、配偶者・親族への連絡などによって自殺の恐れなども含めて事件性の有無を確認してください。

もし、自殺の恐れや事件性が疑われるときには、親族から警察に捜索願いを出してもらいましょう。

事件性がないことが確認できた場合は、配偶者や親族と密接に連携して行方不明の原因や行き先を探すようにしましょう。

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