親や兄弟といったいわゆる“家族”の住所を調べる方法は別の記事で解説しましたが、ではもっと範囲を広げて親族の場合はどうでしょうか。例えば相続問題などでは、家族だけでなく親族の住所も必要になることがあります。

家族と親族の定義から、自分で調べる方法、弁護士や探偵に依頼する際の注意点やプロの探し方まで解説します。

家族とは?親族とは?違いと定義

「家族」も「親族」も普通に使われる言葉ですが、その定義といわれるとすぐに答えられる人は少ないのではないでしょうか。この2つは寛容的・法的に定義されていて、何らかのトラブルが起きた際にはもちろん、住所を調べたいときにもそれぞれ事情が変わってきます。

住所を調べるにも有利な「家族」

家族とは一般に、婚姻関係にある夫婦を中心とした、血縁者の集団を指します。主に生計を一にする、同一世帯に住民票を置くなどの生活実態から判断されます。但しこれらはあくまで一般的な判断基準であり、民法では家族の何たるかを定義していません。

しかしこれらの条件で家族と認められれば、住所を調べるのに有利です。

主に家族にのみ可能なこと

  • 本人でなくても住民票を取得できる
  • 警察に捜索願を受理されやすい
  • 弁護士やその他の士業、探偵に依頼する際も断られにくい

「親族」の法律上の定義とは?住所を調べるのに有利?

親族という言葉は、民法ではっきりと定義されています。

次に掲げる者は、親族とする。
一 六親等内の血族
二 配偶者
三 三親等内の姻族

6親等内の血族には親子・兄弟姉妹の他、前後6代までの直系血族(祖父母や子・孫など親子の関係で繋がる血族)とその兄弟、遠いところでは祖父母の甥や姪の子供などが含まれます。親戚すべてではありませんが、顔や名前を知っている相手だけではなく範囲はとても広いです。

姻族とは配偶者の血族のことで、自分の兄弟姉妹・子・孫・ひ孫・甥姪・おじおばなどの配偶者直系血族の配偶者がこれにあたります。

このように親族は範囲が広く、必ずしも住民票や戸籍などの公的書類の取得ができるわけではありません。つまり同一世帯の家族の住所を知るより、親族の住所を知る方が難しいのです。さらに家族や他の親族との関係もあるため、勝手なことができないというのもネックとなります。

自分で親族の住所を調べる方法

親族の住所を自分で調べるには、どんな方法があるのでしょうか。親族という立場を活用した方法だけでなく、誰にでもできる方法も併せて紹介します。

住民票や戸籍の附票を取得する

相手が転居届などを出していれば、住民票の除票(住民票を移したことの記録)や戸籍の附票から現住所がわかります。住民票は同一世帯の家族なら取得可能ですが、最近は個人情報保護に厳しくなっているので、委任状がなければ親族による取得は難しいです。

戸籍の附票は本人の配偶者、直系の親族(祖父母、父母、子、孫などの直系の血族)、過去に同一戸籍であった者であれば取得可能ですが、それ以外の親族には取得が認められていません。つまり住民票と同様、戸籍も委任状がなければ原則的に親族による閲覧は不可能です。

しかしどちらも、それを必要とする正当な理由があれば取得できます。例えば相手との金銭トラブルや、緊急を要する相続問題などです。そういった事情を証明できれば、取得できる可能性は高くなります。

住民票や戸籍から住所を調べる方法の最大のメリットは、費用が安くつくことです。自治体などによって異なりますが、数百円で取り寄せることができますし、遠隔地の場合は郵送での取り寄せ(広域交付住民票)にも対応しています。

相手の家族に相談する

親族であれば相手の家族に相談することはそう難しくないはずです。正直に事情を話し、直接住所を教えてもらったり、代わりに住民票や戸籍を取得してもらったりできないか打診しましょう。

上の項で説明したとおり、親兄弟であれば住民票などの公的書類の閲覧が許可される可能性が高いです。

もし家族にも現住所がわからなかったとしても、以前住んでいた住所ならわかるかもしれません。わかるうちで直近の住所に会いたい旨の手紙を送れば、相手がこちらを避けているのでないなら返事が来るでしょう。

必ず住所が特定できるわけではありませんが、相手と険悪でないなら試して損はない方法です。詳しくはこちらの該当項目をご参照ください。

住民基本台帳を閲覧する

住民基本台帳は本来、地方自治体の住民データ管理のためのシステムですが、個人による情報の閲覧も場合によっては可能です。

住民基本台帳から得られる情報

  • 氏名
  • 生年月日
  • 性別
  • 住所

但し住基ネットには、公益性の高い目的のためにしか情報を提供しないという原則があります。よって個人が自治体の役所窓口に申し入れて、すぐに見せてもらえるわけではありません。

住基ネットの情報を閲覧するためには、まずは住所を知りたい相手が住んでいる自治体の役所に、その旨を問い合わせてください。自治体によって閲覧できる条件や必要書類などが異なるからです。

多くの自治体で住基ネットの閲覧に必要となるもの

  • 役所に出向いて閲覧請求書・誓約書など所定の書類に記入
  • 本人確認のできる書類(免許証、パスポート、保険証など)

また、住基ネットから得た情報を悪用すれば、住民基本台帳法に則って罰せられますので、その点にも充分注意してください。簡単に閲覧が認められないからといって、書類に虚偽の記載をするのももちろん駄目です。

以前の住所宛てに手紙を出してみる

相手が郵便局に転居届を出していれば、以前の住所宛てに送られた手紙は現在の住所に転送されます。この方法なら費用は送料のみです。

しかし相手がこちらを積極的に避けたり嫌ったりしているケースでは、この方法は逆効果となり、相手がさらに見つかりにくいように対策したうえで転居してしまう可能性があります。また親戚なら他の親族との関係も左右しかねないため、個人的に特に親しい相手以外にはあまりおすすめできません。

また、転居届が有効なのは1年間です。それ以降は郵便物の転送はされないので、手紙を送っても現住所をたどることはできません。

SNSやインターネット掲示板を活用する

情報収集できる範囲の広さで考えれば、SNSをはじめとしたインターネットは人探しにとても有効なツールです。しかし反面、個人情報の取り扱いに細心の注意が必要です。

こちらから多くの情報を提示すれば集まる情報量も増えますが、書き込んだ個人情報を悪用される可能性も高まります。しかも一度インターネット上にアップした情報は完全に消すことはできないため、ずっとその危険は付きまといます。

それどころか、親族というあまり近しくない間柄で許可なく相手の情報をアップする行為自体が、犯罪となる可能性もあります。身内から訴えられるようなことがないように、せめて相手の家族にだけでも同意を得ておきましょう。

知人・会社関係者などを当たる

住所を知りたい相手の会社の人や個人的な友人につてがあるなら、そちらに尋ねるのは何ら違法ではありません。但し最近では企業が個人情報の保護に厳しくなっているため、親族という立場で得られる情報はあまり多くはないでしょう。

しかし会社やその他の知人から得られた情報は、探偵に依頼したり警察に捜索願を出したりするときに役に立つことがあります。集められるならそれにこしたことはありません。

不動産登記から所有者の住所を調べる

近年、個人情報は厳密に管理される傾向にありますが、不動産登記簿は誰でも閲覧が可能です。よって相手が不動産を所有しているなら、法務局のシステムを利用して不動産登記事項証明書を閲覧・取り寄せすれば住所を知ることができます。法務局に実際出向いてもいいですし、郵送やオンラインでの取り寄せも可能です。

但し、登記事項証明書にある住所は最新のものとは限りません。それにそもそも不動産を所有していなければこの方法は使えません。しかし何らかの手掛かりにはなるかもしれないので、試してみるのもいいでしょう。

警察に捜索願を提出する

居場所のわからない人を探すとき、警察に捜索願を提出しようと考える人もいるでしょう。捜索願は誰が出しても受け付けてもらえるわけではありませんが、ある程度近しい親族なら受け付けてもらえる可能性は高いです。

しかし捜索願を出しても、警察が積極的に捜索してくれることはあまりありません。

警察が行方不明者を積極的に探してくれるケース

  • 対象人物が未成年である
  • 対象人物に命の危険が迫っている
  • 対象人物が犯罪を行う可能性がある
  • 対象人物が犯罪に巻き込まれる可能性がある

しかしこれらのケースに当てはまらなくても、他の捜査の過程で見つかれば知らせてくれます。それでも、見つかった本人が成人であり知らせることを望まなければ、知らされることはありません。また、現住所まで教えてもらえることはまずありません。

親族の住所調査を弁護士に依頼すべきケースとは?「職務上請求」と「弁護士会照会」

弁護士の主な業務は調査ではありませんが、弁護士など士業にだけ可能な住所やその他の個人情報の集め方があります。法律が絡むケースなどでは弁護士に依頼することが住所特定の一番の近道となるので、参考にしてください。

職務上請求

職務上請求:弁護士をはじめとする8士業が、職務上必要となる戸籍・住民票の開示請求をすること

法律上正当な理由さえあれば、委任状がなくても他人の住民票を閲覧することはできます。しかし、個人情報保護などの観点から、その理由が本当なのかの証明を迫られることがあります。そんな時に弁護士がついていれば、必要な理由の法的根拠が認められます。それが士業に認められた職務上請求権です。

しかし相手が役所に転居届を出していなければ、職務上請求でも現住所にたどり着くことはできません。

参考リンク:e-Gov戸籍法第10条の2

弁護士会照会

弁護士会照会:弁護士が構成する弁護士会という団体を通して、様々な官公庁や企業に必要な情報の開示を求めることのできる制度

参考リンク:日本弁護士連合会:弁護士会から照会を受けた皆さまへ

弁護士会照会に必要性と相当性がかけているケースを除き、照会を受けた官公庁や企業には、回答の義務が法律で定められています。例えば銀行口座や携帯電話番号がわかればそこから名前や住所を知ることができます。

但しこの方法で調べられる住所は、本人が官公庁なり企業なりに登録している住所のみです。本人が住所を変更しないまま引っ越していたり、そもそも照会先となるような企業がなかったりしたら、弁護士会照会でも住所の特定は不可能です。

弁護士に住所の調査を依頼すべきなのはどんなとき?

職務上請求や弁護士会照会が有効なケース

  • 相続問題
  • 介護問題
  • 金銭トラブルやその他の刑事・民事上のトラブル

相続手続きには相続人全員での協議と合意が必要ですし、親戚が介護を必要としていたら、介護義務のある家族に連絡を取らなくてはなりません。そういった問題や親戚間の金銭トラブルや、詐欺・脅迫・暴行などの不法行為には、弁護士に介入してもらうのが一番です。

弁護士に法的な解決を依頼すれば、それに関連する職務上請求や弁護士会照会が可能になります。但し職務上請求も弁護士会照会も、個人情報を閲覧しやすくなるだけで確実に住所を特定できるわけではない点に注意してください。

親族の住所調査を探偵に依頼するために大事なポイント

親族の住所を自分で調べる方法はいくつかありますし、相手の家族に相談したり、弁護士に依頼したりして個人情報を手に入れることもできます。しかしそれらの方法で必ずしも相手の住所を特定できるわけではありません。

では住民票や企業などに登録している住所と、相手の現住所が異なるときはどうすればいいのでしょうか。そんなときこそ、調査のプロである探偵の出番となります。

探偵に住所調査を依頼するメリットとは?自分で調べるのと何が違う?

探偵に依頼するメリット

  • 調査が迅速・確実
  • 自分の時間と労力を割かずに済み、調査中もいつも通りの生活が送れる
  • 調査するうえで不法行為を働いてしまう心配がない
  • 自分が探していることを相手に気付かれにくい

探偵に依頼するデメリット

  • 費用がかかる
  • 家族や他の親族の同意を得ないと後でトラブルになることがある

親族という立場で勝手に住所調査を探偵に依頼するときは、相手の家族や他の親族との関係をよく考えなくてはいけません。相続や介護といった正当性の強い理由がないならなおさらです。探偵に依頼する前に、家族・親族に話を通しておくことをお勧めします。

しかしその点さえクリアすれば自分で調査するよりは、ちゃんとした探偵に依頼する方が成功率ははるかに高いです。探偵の調査方法については、以下の関連記事に詳しく乗っているので是非参考にしてください。

探偵に住所調査を依頼するための準備と注意点

探偵に依頼する際に、数十万はかかる調査料はやはりネックになるでしょう。しかし依頼前の準備によって、調査料は軽減することができます。依頼の際に探偵に提出する情報量が多ければ、その分調査のための時間や労力が少なくて済むからです。

探偵に依頼する前にまとめておくべき情報

  • 氏名
  • 生年月日
  • 顔写真・全身写真(できるだけ新しいものを多く)
  • 出身地・実家の住所
  • これまでに住んでいた場所
  • 母校
  • 現在・あるいは以前の勤務先
  • 固定電話・携帯電話の番号(過去のものでも)
  • 交友関係
  • よく立ち寄っていた場所
  • 知人などからの目撃情報
  • 最後に遭った時・場所・その時の様子や会話の内容
  • 銀行の口座番号
  • 車・バイクなどのナンバーと特徴
  • その他、何か気になること

親族がこれらの情報をすべて知っていることはあまりないでしょう。よって、相手の家族や身内、知人などを当たって集めることになります。しかしその際は、個人情報を勝手に漏らしたり、名誉棄損などの罪に問われたりする恐れのあることは絶対にしないでください。

親族・身内の住所を知りたいケースとは?

家族なら特別な理由がなくとも住所を調べることができますが、親族など家族以外の身内となると、昨今では簡単に情報を集められません。また相手の家族や親族との関係もあるので、勝手なこともできません。

家族でなく親族の住所を知りたいというケースは、相続や介護がらみの理由が多いです。もしこのどちらか、或いはその他の刑事・民事トラブルが理由なら、弁護士と探偵の両方に依頼するのが最も確実です。

まずは双方に無料相談をして、プロのアドバイスの元で方針を決めていくことをお勧めします。