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取り込み詐欺に騙されてしまった時の対処法と事前にできる予防法
【投稿日】2021年9月17日
長引く不景気の波でなかなか後を絶たない「取り込み詐欺」。商品を受け取るだけ受取り、その後の支払いはしないという詐欺行為のことです。
遠いようで身近にある詐欺の一つでもありますので、取り込み詐欺にあわないようにその実態を知り、騙されないようにしていきましょう。
取り込み詐欺とは?
取り込み詐欺とは、後払いの支払いを指定して商品を購入し、代金を支払わずに奪い取る行為のことを指します。高額の商品を購入する前に事前に複数回の取引を行って信用を得てから高額商品を購入し、代金を支払わないというケースが多くなっています。近頃は、インターネットの普及により身近な詐欺となっています。未然に防ぐ為には取引相手をきちんと調査し、身元をはっきりさせておく必要があります。被害者から追及されても、経営不振による支払いが出来なくなってしまっただけだと主張し、詐欺罪に問われないようにするケースが多く見受けられます。
騙されないで!取り込み詐欺の手口
取り込み詐欺は被害者の信頼を得てから詐欺を働きます。その手口を知り、どうやったら騙されないのか、考えていきましょう。
古い会社などを利用し、本当の会社のように見せかける!
取り込み詐欺集団は、まずは通常の企業を装って商談を持ちかけてきます。その時、立ち上げたばかりの会社だけでなく、実在する会社名と同じ名前にしたり、社歴のある休眠会社を買収したり、自社ホームページを作ったりします。こうすることで実在する会社を装い、被害者の警戒を和らげていきます。
何度か支払い実績を作って、信用があるように見せかける!
新規の取引相手に、初めから後払いを利用可能にする業者は非常に少ないため、まずは相手の信頼を得るところから始まります。最初は低額な商品を購入し、支払いをきちんと済ませて相手の信頼を得ていきます。取引実績を作ることで相手を信用させて、普通の会社であることを装うという方法を取ります。
現金払いで少額な取引を積み重ね信用を作り、後払いで大きな取引を持ちかける
少額の現金取引をしていき、信用を作れたら大口の商談を持ちかけてきます。今までは少額だったので現金取引が可能だったけれど、高額なので後払いの請求書支払いでないと難しい、などといった理由を付けて後払いを要求してきます。
今までの信頼があった分、後払いにしてほしいという要求に応じてしまうことが多く、これによって取り込み詐欺が成立していきます。さらに、詐欺集団は売上が欲しい月末や年末を狙って商談を仕掛けてくるので注意が必要です。
そして、商品を納品しても支払いがされず、連絡がつかなくなります。
商品だけを持ち逃げするのが取り込み詐欺の主なやり口となっています。
取り込み詐欺にあってしまったら警察や弁護士に相談しよう!
取り込み詐欺にあってしまった、もしくはその疑いがある場合は警察や弁護士に相談しましょう。
警察は、騙そうという意図が証明されていないと詐欺罪の適用をしてくれません。会社が倒産してしまって支払いが出来なかった、といわれてしまえば詐欺にはあたらないため、逮捕には至らないのが現状です。
ですが、同じ手口の事件が多発していたり、それらの被害届が出されていた場合は捜査してくれます。犯人の手がかりやその手口などをまとめて警察に届け出ておくと良いでしょう。
弁護士は、犯人から商品を取り戻したり、訴訟を起こして賠償金支払いを犯人に命じたりしたいときに相談してみましょう。法的に措置が出来るのか、そうではないのかなども含めて相談ができます。
詐欺にあってしまった時は泣き寝入りするのではなく、きちんとしかるべき機関に相談しておくのが良いでしょう。被害届を出しておけば犯人逮捕の確率もあがります。
取り込み詐欺に合わないようにするには?予防や対策方法は?
年々増えつつある取り込み詐欺。その実態をご紹介してきましたが、どうやったらその被害にあわずに済むのでしょうか。相手のことを調べたり、証拠を残したり、後払いをしないようにしたりと出来ることがありますので詳しく見ていきましょう。
新規取引相手の企業を調べておく
新規の取引相手と商談を進めていくうえで調べておくべき情報があります。それは以下の通りです。
- 登記
- 責任者氏名
- 所在地
- ホームページ
まずはこの4点をきちんと調べておく必要があります。
商標登記を確認するのは確証を得るための最もわかりやすい方法です。最新の登記だけではなく何年か遡り、頻繁に事業者氏名や所在地が変わっている場合があります。これは危険なので要注意が必要です。
次に、責任者の氏名のチェックもしましょう。代表者氏名がない場合は詐欺の可能性が高いです。
所在地は、ホームページに書かれている場合の方が多くなっています。住所を検索してみて実際に事務所があるのかも確認して見ましょう。
詐欺企業の場合、ホームページの作りが雑だったり、どこかおかしい点があったりします。より確証を得るためにはその企業名で検索したり、ホームページ上の写真を画像検索にかけたりしてみましょう。
取引の証明・証拠を残しておく
裁判を起こす場合にも大切になってくる、書類や電話、メールのやり取りを出来るだけ詳しく記録し、必要な情報を残しておきましょう。取引する際も、請求書や領収書、発注メールなどをきちんと残し、取引終了後も一定期間保管しておくことが重要です。
取引の最中でも、おかしな点に気付けるかもしれません。
信頼のある会社でも後払いはしない
最も効果のある予防策は、後払いを許可しないことです。大口の取引を持ち掛けられ、後払いを要求された場合は詐欺の可能性が高いので用心しましょう。
後払いを許可してしまうこと起こってしまう詐欺なので、そもそも後払いの制度を許可しなければ未然に防ぐことが出来ます。
取り込み詐欺の事例
実際に起きた取り込み詐欺の事例もご紹介します。
事例1:2021年の事例
「民泊に納入する」などと偽り、業者から食材などをだまし取ったとして、警視庁捜査2課は詐欺の疑いで職業不詳、塚本勉容疑者(76)=東京都江東区=ら男4人を逮捕した。
捜査2課によると、4人は大量の商品を受け取り、代金を支払わずに行方をくらます「取り込み詐欺」の手口で、平成31年4月ごろから約半年の間に、東京や茨城など10都県以上の約30社から少なくとも計約1億円相当の商品を詐取し、転売して現金化していたとみられる。
逮捕容疑は、共謀して同年9~11月、東京都と茨城県の3社に「開業予定の民泊に商品を卸す」などと噓を言って、冷凍の海産物数トンや卵数百キロ、脱臭機十数台の計約2400万円相当の商品を詐取したとしている。
塚本容疑者は指示役で、他の3人はそれぞれ電化製品や海産物など担当を分け、業者に電話をかけていたという。東京都台東区の事務所で商談をするなどして相手を信用させていたという。
引用元: 産経新聞
事務所を構え、定期的に商談をして信用を得た事例です。
かなりの被害総額となり、逮捕に至りました。
事例2:2020年の事例
2020年7月に男6人の詐欺グループが逮捕された事件では、電化製品を取り扱う大阪市内の工具店が狙われました。詐欺グループは20年以上前に設立された休眠会社を利用し、取引を持ち掛けます。
工具店の店主は初めての取引なので実際に営業所を訪れ問題がないことを確認し、初回は約30万円の発電機を販売。期日より早く支払いがあったことで相手を信用してしまった店主は、続けて約1,000万円にものぼる発電機や業務用掃除機を販売してしまいます。
しかし今度は期日を過ぎても支払いがなく、再び営業所を訪れてみると会社の形跡はなくなっていたのです。このグループは同様の手口で取り込み詐欺をはたらいており、総被害額は1億円規模に上る可能性があるそうです。
引用元:産経新聞
こちらも少額の商談ののちに商品だけをもって逃げた事例です。
非常に巧妙なやり口で信用を得ているのがわかります。
流行りつつある取り込み詐欺には注意しよう!
取引をしている一般企業であれば被害に遭う可能性の高い「取り込み詐欺」についてご紹介しておきました。詐欺に引っかからないためにも、新規の取引相手の情報はきちんと確認し、信用のおける相手であっても容易に後払いをしないようにすることが大切になります。
商談を行う際は、相手をチェックしながら進めるようにしましょう。
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