【投稿日】 2018年4月18日 【最終更新日】 2021年10月21日

2007年6月に「探偵業法」が施行され、探偵業を営む以上届出が必須となりました。しかし、今もなお悪質な探偵事務所は存在し、2017年中に、国民生活センターに寄せられた探偵に関する相談の数は1,339件となっています。

悪質な業者が悪いのは、言うまでもありません。しかし、それだけでは問題の解決に至らないというのが現状です。

ここでは「料金」「成功報酬」「契約」「解約料」「その他」の5つの項目別トラブル事例と、トラブルの回避方法についてご説明します。

本来味方となるはずの探偵事務所とのトラブルを防ぎ、一刻も早く現在抱えている問題を解決するために、ぜひ本記事をお役立てください。

探偵との料金に関するトラブルと防止対策

まずは、料金に関するトラブル事例を見ていきましょう。

  • HPには格安価格が掲載されていたにも関わらず、実際に相談するとその3倍の料金だと言われた
  • 「追加調査が必要になった」と告げられ、勝手に調査料金の金額に上乗せされた
  • 「今すぐもう1人調査員を増やさないと尾行に失敗する!」と言われ、追加料金が発生した
  • 経費は実費請求であり、数万円程度と聞いていたが、調査後20万かかったと言われた
  • 「他の探偵事務所と比べて最も安い調査費用」と言われて安心していたが、実際は他社の3倍の料金だった
  • 格安で依頼を受けてもらったが、報告書の質が悪すぎて全く役に立たなかった
  • 調査に失敗したので文句を言うと「格安調査のため仕方ない」と開き直られた

料金に関するトラブルは、大きく「調査開始後、追加料金を請求された」「最初に説明を受けていない費用が後から発生していた」といった見積もり料金からの増額トラブルと、格安調査料金に伴う調査の質の悪さの2点に分けることができます。

特にHPに掲載している料金や、無料相談の段階で伝えた金額は良心的(むしろ、他の探偵事務所よりも低価格)でありながら、実際の調査に入ると、様々な理由をつけて追加料金を請求する事例は後をたちません。

料金トラブルを避けるためには

  • 契約書を交わし、見積もり記載以外の追加料金がないことを確認する
  • 「格安」「最安値」といった言葉に惑わされず、他の探偵事務所からも相見積もりをとる
  • 調査料金の金額だけに惑わされず、調査報告書のサンプルを確認する
  • 疑問点はその場で質問し、曖昧な返事、威圧的な回答の探偵事務所に対しては、契約を取りやめる

といった内容を確認しておきましょう。

探偵との成功報酬トラブルと防止対策

「成功報酬」という言葉をご存知でしょうか?本来は、依頼内容が成功した際には報酬が発生する(失敗した際には報酬が不要)という意味です。

しかし、この制度を悪用し「成功報酬」と「完全成功報酬」を使い分けている探偵事務所があり、多くのトラブルが発生しています。

【成功報酬トラブル事例】
AさんとB探偵事務所の間で成功報酬30万の契約を結び、Aさんは30万を前払いにて支払った。予定調査期間終了後、B探偵事務所は調査失敗を報告。

Aさんは「調査失敗=全額返金される」と考えていたが、B探偵事務所は「30万のうち15万は着手金であり、経費が10万円かかっている。そのため、返金は5万円である」と告げた。

成功報酬トラブルを避けるためには

まずは「成功報酬」という言葉だけで安心しないこと、そして内容を詳しく尋ね、契約書に記載しておくことが重要です。

特に

  • 「成功」「不成功」の基準とは何か
  • 調査費用の支払いはどうなるのか
  • 調査中に発生した経費の支払いはどうなるのか

といった点は後にトラブルになりやすいため、必ずよく話し合っておきましょう。口約束だけで済ませてしまうと、言った・言わないのトラブルにもなりがちです。契約書に記載し、第三者が見たとしても判断できる状況にしておきましょう。

「うちは、成功報酬ですから安心してください」などと言い、それ以上詳しく説明しない探偵事務所は、悪徳事務所の可能性が高いです。

探偵との契約トラブルと防止対策

次に、契約内容に関するトラブル事例をご紹介します。

  • 相談に行ったときに、強引に契約を結ばされた
  • しっかりとした説明がないまま、契約書にサインを求められた
  • 契約書に記載した内容の調査が行われていない
  • 契約に記載されている人数以下で調査が進められていた
  • 頼んでも契約書を作成してくれない。口約束だけで話が進んでいる

探偵業法には「探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明をしなければならない」との記載があります。

「次に掲げる事項」の中には「探偵業務の内容」「契約解除に関する事項」「調査金額と支払い時期」などが含まれていますので、これらの説明を省くことは、探偵業法違反です。

しかし、実際には説明が行われないまま契約を強要されるといったトラブルは後をたちません。また、契約書に記載されている内容が守られていないというのは、論外です。

契約トラブルを避けるためには

契約トラブルを避けるためには、一方的に相手の言いなりにならないという強い意思が必要です。

最低限、次の内容はチェックしておきましょう。

  • 探偵事務所が丁寧に説明してくれるかどうかを確認する
  • 質問に対して曖昧な返事があれば、契約を避ける
  • 契約書の作成を拒否する探偵事務所には依頼しない
  • 契約内容が守られなかった場合、料金を支払わないことを伝えておく

といった内容を確認しておきましょう。

探偵との解約料トラブルと防止対策

解約料とは、契約後に依頼主の都合で解約する際に発生する料金のことです。契約後から、探偵は調査の準備を開始します。一方的なキャンセルにより、探偵側に損害を与えないため、探偵の保護という意味で捉えられています。

しかし、残念ながらこの解約料を悪用する探偵事務所が存在しているのも事実です。

具体的な事例を見ていきましょう。

  • 20%もの法外な解約料を請求された
  • 調査1週間前にキャンセルを依頼したが、解約料が必要だと言われた
  • 具体的な損害額は言われないまま、一律10万の解約料を請求された

解約料の金額は、一律で決まっているわけではありません。しかし、だからと言って探偵事務所が自由に決められるわけではなく、暗黙の了解として8%以下というルールがあります。

解約料トラブルを避けるためには

トラブルを避けるためには、依頼主も知識を蓄えることが重要です。

  • 契約書に、解約料に関する記載があるかどうかを確認する
  • いつから、いくら解約料がかかるのか、しっかり確認しておく
  • 多額の解約料を請求された場合、消費者契約法9条「平均的な損害額以上を請求してはいけない」を元に、相手の損害額を尋ねる

といった内容を確認しておきましょう。

その他のトラブルと防止対策

その他、探偵事務所との間には、様々なトラブルが発生しています。その事例について見ておきましょう。

  • 調査中に、調査対象者が気づいてしまい別のトラブルが発生した
  • 探偵が違法行為により得た証拠であると判明し、裁判で使えなかった
  • 探偵事務所Aで失敗した調査も、Bであれば可能と言われたので依頼したが、再度失敗に終わった。自信がないなら可能と言わないで欲しい
  • 前払いにて料金を支払った途端、音信不通になった
  • 絶対に浮気をしているのに「浮気はしていません」の一言で報告が終わった

トラブルを避けるためには

探偵に依頼する際には、まず、焦りは禁物であることを覚えておいてください。「早く問題を解決したい」「誰でもいいから助けてほしい」といった心理状態では、悪徳業者に付け込まれるリスクが高まります。

最低でも

  • 契約書の内容
  • 調査の内容と方法について
  • 料金(いつ、いくら払うのか)
  • 解約料について(いつ、いくら発生するのか)
  • 調査報告書のサンプル
  • 調査を担当する人物の経歴

といった内容を確認しておきましょう。

少しでも不安、心配と感じる点については、遠慮せずに確認し、納得の上で依頼することが大切です。

探偵事務所とのトラブルを防ぐためには、事前確認が重要!おかしいと思ったら、すぐに相談を!

探偵事務所とのトラブルを防ぐためには、契約書、料金、調査方法など、すべてにおいて事前確認が必要です。「細かなことを聞いて、面倒な客だと思われないだろうか?」といった心配は不要です。

本当に親身になって相談に乗ってくれる探偵事務所であれば、面倒だと感じることはありません。

また契約後であっても、違和感を感じたり、トラブルに巻き込まれていると気づいたりした場合は、すぐに探偵事務所に解約の意思を伝えた上で、消費者センターに相談することをおすすめします。

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