探偵の見積書を注意して確認しなければいけない理由
住宅建築や家のリフォーム、車の購入など、日常の様々なシチュエーションにおいて、見積書を受け取る機会は多いものです。一般的には、見積書の金額と実際の金額が大きくかけ離れることはほとんどないでしょう。
しかし、だからといって探偵の見積書も同じだと考えてはいけません。実際に業界全体で見ると「見積書の金額をオーバーした」「追加料金が発生すると知らなかった」などのトラブルが多く発生しています。
その理由のひとつが、探偵・探偵事務所によって料金設定がバラバラであるという点です。
わかりやすいよう、表にして説明しておきます。
探偵事務所 | 見積書の記載内容 | 追加料金 | 最終的な費用 |
---|---|---|---|
A | 全ての金額 | なし | 低 |
B | 基本料金のみ | あり | 中 |
C | 最低限の調査料金のみ | あり。成功報酬含 | 高 |
最初の見積書の段階ではA>B>Cの金額順に見えますが、最終的に支払う費用はA<B<Cの順となることが、おわかりいただけたでしょうか。一番安いと感じたCが、総額では最も高くなるという結果となっています。
複数の探偵事務所の見積書を比較することは、大切なことです。しかし、見積書の金額だけを見て依頼先を判断してしまうと、後から後悔する結果になってしまいます。
【探偵の見積書に関するトラブル事例】
- 全て込みの料金だと思っていたら、調査終了後に追加料金を請求された
- 「経費は少額のため、別に請求します」と言われていたが、高額な請求に驚いた
- 見積書の金額に惹かれて選んだ探偵だったが、調査結果に不満が残る
- 見積書の金額は一番安かったが、調査中に気付かれてしまい後悔している
- 調査後に「調査が難航し、追加人員が必要となった」と言われ、追加料金が発生した
「高額な見積書を提出する探偵=良い探偵」というわけではありません。しかし、明らかに相場より低い見積書を提出してくる探偵には、何か裏があると考えた方が良いでしょう。
探偵事務所SATでは、依頼内容別のページにて、調査の相場価格を記載しています。依頼内容や調査の難易度によって、多少の価格変動はありますが、相場を知るために、一度目を通しておいてください。
相場とあまりにかけ離れた見積書を提示する探偵事務所への依頼はおすすめできません。
見積書の提出を断る探偵・探偵事務所は論外
大多数の探偵事務所は、依頼があれば見積書の作成・提示をしてくれるものです。しかし、中には見積書を提示せず「依頼主が支払い可能な金額に合わせて、調査を行います」といった言い方をする場合があります。
そう聞くと、依頼主の都合に合わせてくれる良い探偵のように思えるかもしれませんね。しかし、調査をする以上、人件費や経費は必ず発生します。つまり、一定の調査料金は必ず必要です。
見積書を提示しようとせず、曖昧なまま話を進めようとする探偵事務所が、しっかりとした計画に基づき、調査ができるとは考えにくいものです。格安で依頼できたとしても、求める結果が得られなければ、何の意味もありません。
もちろん見積書を提示された後で、価格交渉をする分には全く問題はありません。しかし、最初から予算を聞き出し、曖昧な条件のまま進めようとする探偵・探偵事務所に依頼することはやめましょう。
不本意な結果に終わる可能性が高いです。
それでは、早速探偵の見積書における、具体的な注意ポイントを見ていきましょう。
探偵の見積書は「基本料金・料金体系」に注意!
最初に注意しておきたい部分が、基本料金・料金体系です。調査料金の基礎となる部分ですから、しっかり確認しておきましょう。
基本料金とは
基本料金とは、1日あたり(または1時間あたり)の調査に必要な料金を示したものです。調査員の人件費や、撮影機材の使用料、報告書作成費用などが含まれることが一般的ですが、その内容は、依頼する探偵によって大きく異なります。
ここでは、その中身について特に確認しておくべきポイントをご説明します。
・調査員の人数
基本的に調査は2人1組で行われることが多いです。張り込みや尾行の場合、交代要員がいなければ、臨機応変な対応が難しく、また尾行バレの可能性も高まります。
基本料金には、調査員1人分の料金しか記載せず、見積金額を安く見せる手口もあるため、注意してください。また「今回の調査は、調査員1人で問題ない」と言われた場合は、その理由について質問しておく必要があります。
問題ないと言ったにも関わらず、調査開始後「追加人員が必要」と伝えてくる可能性があり、注意が必要です。
曖昧なまま、契約に持ち込もうとする探偵・探偵事務所は、おすすめできません。
・撮影機材の種類
特に浮気調査の場合、夜に相手の顔をはっきり撮影する必要があるため、高感度カメラや暗視スコープといった特殊な機材が必要となります。
「難しい用語はよくわからない」という方も、基本料金に記載されている機材使用料だけで、証拠として使える写真・動画がしっかり撮影できるのかどうかを確認しておきましょう。
特殊撮影の場合、別途追加料金を請求する探偵・探偵事務所もあります。
・報告書の内容
報告書の作成に関しては、基本料金に含まれることが一般的ですが、こちらの内容は探偵によって様々です。
例えば「自分の心を整理整頓するために、調査を依頼した」という場合と、「裁判資料として提出し、慰謝料を請求したい」という場合では、求める報告書の質が大きく変わります。
裁判所に提出できる報告書を作成する場合は、別料金が発生する可能性もあり、注意が必要です。必ず報告書のサンプルを見せてもらった上で、報告書作成代が含まれているかどうかを確認しましょう。
料金体系の仕組みを知っておく
探偵事務所が用いている料金体系は、大きく分けて3種類あります。それぞれの計算方法と、メリット・デメリットをご説明します。
・時間料金型
最も多く採用されている料金体系です。探偵の実際の調査時間によって、支払い料金が変わります。
- メリット:依頼主側からもイメージしやすく、費用が明瞭。短期間の調査向き。
- デメリット:調査が長期化すると割高になる。1日の基本料金や延長料金に注意。
1日の基本料金(最低稼働時間)が3時間と決められていた場合、実際の調査が1時間で終わった日も、3時間分の料金を支払う必要があり、割高になってしまいます。
また、1日7時間までと決められていた場合、7時間を超えると延長料金が発生する点にも注意が必要です。
時間料金型の見積の場合
- 最低稼働時間が定められているかどうか(その場合は、何時間か)
- 調査中、延長が必要な場合、探偵側で勝手に判断せず、電話確認した上で調査を続行してもらえるか
- 延長料金はいくらか
という点は、最低限確認しておきましょう。
・パック料金型
ある程度、調査期間の目安がついている場合などに用いられる調査方法です。金額は調査内容等によって異なりますが、1日6時間×3日間=20万(諸経費、実費全て込み)といった形で提示されます。
- メリット:調査対象者の行動がある程度推測できている場合、価格を抑えて調査が可能
- デメリット:期間内に調査が終了しないと割高となる。わざと期間終了まで調査をしない悪質な探偵がいることにも注意。
「配偶者が、浮気相手と旅行に行く日時がわかっている」「調査対象者が確実に行動を起こす日がわかっている」といった確信がなければ、パック料金型はおすすめできません。
パック料金型の見積の場合
- (提示した条件や情報から)パック料金の期間内で調査が完了する可能性はどれくらいか
- 延長を狙い、調査を進めてもらえないリスクを防ぐため、調査期間中のこまめな報告が可能か
- パック料金型のメリット、デメリットは何か
- パック料金型の期間終了後、調査を継続して欲しい場合の料金設定はどうなるのか
という点は、最低限確認しておきましょう。
・成果報酬型
成果報酬型は、調査に成功した段階で調査費用を支払うというものです。成果報酬型にも「完全成果報酬型」と「着手金+成果報酬型」の2パターンに分かれます。
- メリット:事前に支払う費用が安い。完全成果報酬の場合、初期費用はゼロ。
- デメリット:「成功」の定義が、依頼主と探偵で異なるとトラブルの元。
成功の定義の違いについて、浮気調査を例にあげてみましょう。
依頼主が考える成功 | 探偵が考える成功 |
---|---|
・不貞行為の事実確認+浮気相手の人物特定(写真・名前・住所等) | |
・調査期間中に浮気の事実がなかった | |
・ホテルへの出入り写真を撮影した(人物特定はできていない) | |
・特定の交際相手がいることが判明した(不貞行為の事実確認はできていない) |
これだけでも、依頼主と探偵の間に大きな認識の違いがあることが、お分りいただけたかと思います。
成果報酬型の見積の場合
- 契約書に「成功」の定義を記載することは可能か
- 成功した場合の成果報酬の金額は、最大いくらになるのか
- 他の料金体系と比べ、トータルの支払い金額はどう違うのか
という点は、最低限確認しておきましょう。
どの料金体系にも言えることですが、不安・不明な点は全て相手にしっかり尋ねることが大切です。曖昧に誤魔化したり、根拠もなく「大丈夫ですよ」と言ったりするような探偵・探偵事務所は、決して良い仕事ができません。
探偵事務所SATでは、極力専門用語を使わず、依頼主が本当に納得できるまで、丁寧に説明させていただきます。
私たちは、お互いが納得した上で調査を開始することが、より良い結果に繋がると考えています。どんな小さなことでも構いません。気になったことは、お気軽にご相談・ご質問ください。
経費の内訳は、細かくチェック!
次に、経費の内訳についてご説明します。そもそも、探偵の調査費用には、探偵側が負担するものと依頼主側が負担するものに、明確な線引きはありません。
一覧を記載しますが、全ての探偵事務所がこのルールに基づき、動いているわけではないことをご了承ください。
【依頼主が負担することが多い経費とは】
- 交通費(電車やバスなどの公共交通機関、タクシー、高速道路代など)
- 入店費(尾行のため、入店する必要がある場合)
- 燃料費(ガソリン代と走行距離から計算されます)
- 車両費(探偵側の用意する自動車やバイク、レンタカー代も含まれる)
- 消耗品代(フィルム、電池、テープなど)
【探偵側が負担することが多い経費とは】
- 撮影機材費(カメラやビデオ、特殊機材など)
- 報告書作成費
- 印刷費(写真などの印刷)
- 危険手当
探偵側が負担する経費に関しては、基本料金の中に含まれていると考えてください。
また「経費は全て後日清算します」という言葉には注意が必要です。もちろん、対象者が想像していない行動を起こすこともあり、必ず想定金額の中に収まるとは限りません。
しかし、探偵は計画を立てて行動するわけですから、車両は何台準備するのか、小回りが効くバイクも準備しておくべきかなど、ある程度は事前に予測が可能です。また、対象者が出張に出かけることがわかっていれば、尾行に必要な交通費もイメージできるはずです。
調査方法と共に、事前にある程度の概算費用を提出できない探偵・探偵事務所は、調査能力が低い、または、多額の経費を追加で請求する可能性が高いと言えます。
調査費用はこれで全て?追加費用はかかるのか?
調査プランと見積書を並べ、基本料金・料金体系、経費の内訳をチェックしたら、最後にチェックすべきポイントは追加費用の有無です。
「見積書に記載されている金額以外に、追加料金は発生しますか?」と尋ねておきましょう。中には「追加料金は実費請求します」という答えが返ってくることがあります。
その場合、必ず
- 発生する可能性がある実費の内容を知りたい
- どのような場合にいくら発生するのか、過去の事例で説明してほしい
ということを伝えてください。
追加費用、実費請求が全て悪いわけではありません。しかし、悪質な探偵の場合、本来は基本料金や最初の見積に加えるべき内容を、後日請求にするパターンも多いです。
数社の見積をとった上で、明らかに安い探偵事務所があれば、追加費用の発生や、実費請求を前提とした見積ではないかを疑った方が良いでしょう。
探偵事務所SATでは、見積書記載事項以外の追加料金を一切請求いたしません。最初から経費を含めた金額を提示するため、他の探偵事務所と比較した際に、やや高いと感じる可能性もあります。
しかし、調査費用は最終的な支払い総額で判断するべきです。
調査失敗はいうまでもありません。しかし、いくら調査に成功したとしても、例えば依頼主が最初に想定していた金額の2倍、3倍を支払うことになってしまったとしたらどうでしょうか?それでも、調査成功と言えるのでしょうか?
探偵事務所SATでは、誠実・明瞭な料金設定の元、依頼主が本当に納得いただけるまで、丁寧に説明させていただきます。