【投稿日】 2022年9月7日 【最終更新日】 2022年9月22日
家族や同居人などの身近な人が失踪(家出)して行方不明になってしまったときには、警察に「捜索願(行方不明者届)」を出して捜索をしてもらうことになります。
しかし、このときに失踪者(家出人)から「捜索願不受理届」が届け出されていると、警察は捜索することが出来なくなってしまうことをご存知でしょうか。
本記事では、この「捜索願不受理届」とは一体どのようなものなのか、またもし「捜索願不受理届」が届け出されていた場合には、どうやって失踪者(家出人)を探せば良いのかについて詳しく解説します。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
捜索願不受理届とは?
捜索願不受理届とは、捜索願(行方不明者届)の受理を拒否するために、失踪者(家出人)本人が警察に届け出るものです。
もし、失踪者(家出人)が捜索願不受理届を警察に届け出ている場合は、家族や同居人などが捜索願(行方不明者届)を届け出しても警察は捜索することが出来ません。
通常であれば、家族や同居人などから捜索願(行方不明者届)が出されると、警察は失踪者(家出人)の情報を警察庁のデータベースに登録して、全国の警察でその情報が共有できるようにします。
その後、全国のどこかの警察が、職務質問やパトロール、運転免許証更新、交通事故などによって、失踪者(家出人)とコンタクトをすると、その情報が捜索願(行方不明者届)の届出者のもとに伝えられます。
しかし、失踪者(家出人)から捜索願不受理届が届け出されていると、失踪者(家出人)本人の「居場所を伝えてほしくない」という意思を尊重して、警察することが出来ないのです。
つまり、どうしても行先を知られたくない人や居場所が知られると不都合なことがある人は、警察に捜索願不受理届を届け出してから失踪(家出)すれば、もし捜索願(行方不明者届)が届け出されたとしても、警察は捜索が出来ないということになるのです。
捜索願不受理届とは、失踪者(家出人)が、警察に対して「捜索をしてほしくない」という意思を明示するものということができます。
失踪宣告書との違い
失踪者(家出人)が、行先を探してほしくないときに「書き置き」を残していくことがあります。
この「書き置き」には、一般的に次のようなことが書かれており、これを「失踪宣告書」と言います。
- 自分の意思で失踪するものであって事件性はないこと
- 自分の行先を探してほしくないこと
- 自殺する意思はないこと
- 失踪には他の誰の関与もないこと
- いずれは帰ってくるという意思があること
このような失踪宣告書が残っていると、警察は失踪者(家出人)は「事件性がなく自殺の恐れもない単なる家出人である」と判断して、家族や同居人などから捜索願(行方不明者届)が届け出されたとしても、積極的な捜索を行ないません。
失踪宣告書とは、失踪者(家出人)が、家族や同居人などに対して心配をかけないために作成したものであって、「探してほしくない」という意思を明示するものだということができます。
なお、失踪宣告書が残されていた場合でも、全国の警察で共有されている行方不明者のデータベースには登録されますので、何らかの情報が得られれば連絡がもらえます。
どんな人が捜索願不受理届を出せるのか?
では、どのような人が捜索願不受理届を届け出することができるのでしょうか?
もともと、この捜索願不受理届は、警察がDV防止法やストーカー規制法に基づく弱者保護を目的として設けたもので、主に次のような人が届け出することができます。
- 配偶者からのDV(ドメスティック・バイオレンス)やモラハラの被害に遭っている人
- 元配偶者や元恋人・その他のものからストーカー行為を受けている人
つまり、現に配偶者からDVやモラハラの被害を受けている人やストーカー行為を受けている人が、自分の居場所が知られると命の危険にさらされる可能性があるような場合に、捜索願(行方不明者届)が届け出されても、「DVやモラハラ・ストーカー行為の加害者には居場所を教えたくない」という意思を示すためにあるのです。
ですから、実際に被害に遭っているというような正当な理由がある人でなければ捜索願不受理届を届け出することができません。
捜索願不受理届が出せない人とは?
前述のように、捜索願不受理届を届け出することができるのは正当な理由がある人でなければなりませんので、次のような人は捜索願不受理届を届け出することができないということになります。
未成年の失踪者(家出人) | 親からの暴力や虐待がないのに失踪(家出)した未成年者は、捜索願不受理届を届け出することができず、親から捜索願(行方不明者届)が届け出されることを阻むこともできません。 また、発見されたときも親への連絡を阻むことはできません。 これは、「子供は親の監視下で健全な生活を行うべきである」という考えに基づいています。 |
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借金や生活苦などによる失踪者(家出人) | 借金や生活苦などの理由から失踪(家出)した場合は、捜索願不受理届を届け出することができません。 特に、失踪者(家出人)にお金を貸している人から捜索願(行方不明者届)が届け出された場合は、警察がその提出を拒むことはできません。 |
DV被害やストーカー被害を受けていない失踪者(家出人) | 配偶者や親が過度に過干渉で一緒にいると精神的に苦痛を感じるだけで暴力や虐待を受けているわけではないという場合は、捜索願不受理届を届け出することができません。 実際に被害を受けていないので、DV防止法やストーカー規制法に基づく保護を受けられないからです。 |
<参考>捜索願不受理届を出す方法
捜索願不受理届は、現住所のある警察署の生活安全課が窓口になることが多いようですが、市町村によって違っているケースもあります。
捜索願不受理届を届け出したい場合は、この窓口に出向いて事情を説明して手続きをすることになります。
その後、その警察署から行方不明者のデータを管理している都道府県警察に提出されます。
捜索願不受理届が出されている人を探すには?
もしも自分の身内が失踪(家出)してしまい、警察に捜索願(行方不明者届)を届け出しようとしたものの、先に捜索願不受理届が届け出されていたために警察が動いてくれない場合は、どうやって失踪者(家出人)を探せば良いのでしょうか?
このような場合には、大きく次の2つの方法が考えられます。
方法1:自力で捜索をする
まず1つ目は、「自力で捜索をする」という方法です。
この方法は、人探しや調査のプロではない者が捜索をしますので、かなりの時間がかかることが予想されますので、大前提として事件性がなく自殺の可能性もないことがはっきりしている場合に取り得る方法です。
具体的には、失踪者(家出人)が残していったもの(手帳、手紙、パソコンの閲覧履歴、日記など)の確認、ビラ(チラシ)の作成・配布・掲示、SNSやインターネット掲示板を活用した人探しなどが挙げられます。
もし、何らかの情報が得られると、自分でその場所に出向いてさらに詳しい捜索をするということになります。
捜索にかかる費用は比較的安くなりますが、それなりの労力と時間がかかりますし、必ず見つけることができるとは限らないということを覚悟しておく必要があるでしょう。
また、向こうが「探して欲しくない」という意志を警察に「捜索願不受理届」として出している訳なので、無理やり自分で探したりするのは、ストーカー行為、個人情報保護の観点から違法行為となってしまう可能性もあるので、十分注意しましょう。
探偵事務所としては、個人での捜索は危険が大きすぎるので推奨することはできません。
方法2:探偵に調査を依頼する
2つ目は、「探偵に調査を依頼する」という方法です。
警察が積極的に捜索をしてくれない場合でも、探偵であれば正式に契約をして調査依頼をすれば、すぐに調査を始めてくれます。
もちろん調査費用が掛かってしまいますが、探偵独自の調査ネットワークなどを駆使して、かなりの高い確率で、失踪者(家出人)の居場所を見つけ出してくれます。
ただし、探偵の場合であっても、DVの加害者である配偶者からの依頼、接近禁止令が出ている場合、ストーカー目的の人探しの場合などについては調査を引き受けてくれません。
また、たとえ対象の方を見つけ出せたとしても、その方に「この方に捜索を依頼されている」ということを伝え、問題ない場合にしか対象者の情報を公開できないなど、たとえ見つかったとしても、居場所などの情報を伝えてもらえない場合などあります。
これは、探偵業を営む者は、調査対象者の平穏を害したり、個人の権利や利益を侵害することがないようにしなければならないと定められているからです。
捜索願不受理届が出されている場合は探偵に調査を依頼するのがベスト!ただし対象者に拒否される場合もある!
本記事では、捜索願不受理届とはどのようなものか、また捜索願不受理届が届け出されている場合には、どうやって失踪者(家出人)を探せば良いのかなどについて説明してきました。
捜索願不受理届が届け出されている場合には警察は捜索することができません。自分で捜索するにもリスクがあるので、どうしても探したいという場合は、探偵に調査を依頼する方法がベストです。
しかし、探偵事務所だからどんなケースでも探してもらえるという訳ではなく、犯罪やDVなどの加害、ストーカー目的の人探しなどは基本的に断られます。
また、たとえ見つかったとしても相手側が自分の居場所を伝えることを拒否すれば、探偵業法に基づき、居場所を教えてもらえないケースもあります。大前提として。捜索願不受理届によって「探して欲しくない」という意志を表明している訳で、その上で捜索する訳ですから、その点は十分理解しておきましょう。
捜索願不受理届が出されている場合の、人探し相談は探偵事務所SATまで!
探偵事務所SATでは、行方不明・失踪者の人探し相談及び調査を多数行ってきた実績がございます。
捜索願不受理届が出されていてどうすれば良いか分からない場合には、まずは探偵事務所SATまでご相談ください。
探偵事務所SATでも、対象者がたとえ見つかったとしても、「依頼されて捜索されている旨」をきちんと対象者にお伝えし、依頼者に居場所を伝えて良いと了解いただけた場合にしか、居場所をお伝えすることはできません。(※もちろん犯罪やDV、ストーカーなど加害、嫌がらせ目的の人探しは事前に断らせていただいております)
しかし、たとえ捜索願不受理届を出している方であっても、時間の経過によって気持ちが変わっている場合もございます。
捜索願不受理届が出されていて、悩んでいる方は、探偵事務所SATまで 、ご相談ください。きちんとヒアリングをした上で、どうすべきかを提案させていただきます。
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