【投稿日】 2019年3月12日 【最終更新日】 2021年10月21日

ストーカー行為として多くの人が最初に思いつくのが、しつこいつきまとい、待ち伏せ、尾行などでしょう。実際にこれらは、初期段階にとても多く見られるストーカー行為です。

会社からの帰り道、知らない男性が数m離れてずっと後ろをついてきたり待ち伏せしたり、何をするでもなく家の周りをうろついたり、駅でいつも待っていて毎日同じ電車の同じ車両に乗って見つめてきたり…。

職場が同じなら、用もないのにしつこく話しかけてくる、プライベートなことを聞き出そうとするなどのケースもあります。

これらの行為はストーカー規制法の取り締まりの対象でありながら、判断が難しく、警察も動きづらいのが現状です。

また被害者本人も、「気のせいかも…」と対策をためらってしまうのではないでしょうか。

しかし、つきまといが続けば精神的に追い詰められますし、そのまま放っておいても解決するどころか、ストーカー行為がエスカレートする可能性が高いです。家や電話番号などがバレておらず、まだ被害の小さい初期段階に正しく対処しなくてはなりません。

初期段階のストーカー行為にはどんなものがあるのか、それらにどんな対策をすればいいのか、そしてそれぞれのケースごとにどういった対応が効果的なのか。この記事を読んで正しい対処法を理解し、是非参考にしてください。

ストーカーされているかもと思ったら…初期段階のストーカー行為チェックリスト

初期段階のストーカー行為は判断がとても難しいです。よく見かける、目が合う、つけられている気がするなど、「ストーカーされいるかも…」と思っても、多くの被害者が気のせいとして見逃してしまいます。

実際に気のせいの場合もありますが、そうでないかもしれません。今後ストーカー行為をエスカレートさせないために、あるいはエスカレートしたときのために、怪しい行為や状況に早く気が付くようにしましょう。もし本当にストーカー行為なら、放っておけばいいという考えは厳禁です。

この記事でいう「つきまとい・待ち伏せ」は、ストーカー規制法(ストーカー行為等の規制等に関する法律)における「つきまとい等」とは少し異なります。明確な犯罪行為となる前の初期段階のストーカー行為の対策についてこの記事では説明します。

職場での初期のストーカー行為

職場でのストーカー行為は同僚・上司など内部の人間によるものが主ですが、店舗などの接客業であれば、お客さんによる被害もありえます。また接客業でなくとも、職場を突き止めて近所をうろついたり見張ったりするストーカーもいます。

誰でも上司や先輩、あるいはお客さんがストーカーだとは考えたくないもので、つい気のせいで済ませてしまう人も多いです。しかし被害が大きくなる前に、以下に挙げるような兆候に気を付けてください。

同僚によるストーカー行為(社内ストーカー・職場内ストーカー)の兆候

  • 社内メール・社内チャットで私的なメッセージを送ってくる
  • 勤務中に必要のない接触(体に触れる、話しかける)をする
  • 上司という立場を利用して、個人情報を聞き出そうとする
  • 自分と仲のいい同僚などから自分の個人情報を聞き出そうとする
  • 退社時間に合わせた待ち伏せ
  • 帰り道で後をつける / 一緒に帰ろうと声をかけてくる
  • トイレから出てきたところを待ち伏せる
  • 廊下などですれ違う際に、よろけたふりなどをして接触する
  • プレゼントをくれる / 自分にだけ高価なお土産やお返しをくれる
  • 仕事中に見られている気がする / よく目が合う

お客さんからのストーカー行為の兆候

  • 自分のいる窓口やレジにばかり来る
  • 店内でつきまとい行為がある(移動するとついてくる、見張っているなど)
  • 自分が店に出るまで店内や周辺をうろついている
  • 業務と関係のない会話をしようとする
  • 手を握る / すれ違う際などに体に接触してくる
  • 購入する条件としてプライベートな付き合いなどを要求される
  • 何も買わずに長時間お店に居座る
  • 意味もなくこちらを見ている / よく目が合う
  • 退勤時間に待ち伏せしている
  • 他の店舗スタッフから自分の個人情報を聞き出そうとする
  • プレゼントを渡してくる

中でも個人情報を聞き出そうとする行為には要注意です。個人情報には住所、電話番号、プライベートなメールアドレスやLINEのIDだけでなく、家族構成や休日の過ごし方・予定なども含まれます。

これらの個人情報が相手に渡ると、ほぼ確実にストーカー行為がエスカレートするので、早めに対処しなくてはなりません。

電車・バス・帰り道での初期のストーカー行為

駅やバス停、公道などでは多くの人とすれ違うため、ストーカー行為の起こりやすい場所です。知っている人、知らない人、誰に目を付けられるかわかりませんし、人ごみに紛れれば待ち伏せ・付きまといをカモフラージュできます。

つまり帰り道の駅構内や電車の車内などは、ストーカーされているかもと思っても断定が難しい場所です。そのためおかしな行動があれば、早めに気づいて繰り返されていることを確認する必要があります。

駅・電車内など帰り道でのストーカーの兆候

  • よく同じ車両に乗り合わせる
  • よく自分の隣やすぐそばに座る / 立つ
  • 直接、あるいはガラス越しにこちらを見ている / 目が合う
  • 離れた場所からこちらを見ている
  • 自分が電車・バスを降りると相手も降りる
  • 不自然な動きで自分の後ろに並ぶ
  • 駅に着くと待ち伏せしている
  • 自分が駅やバス停から帰るのに合わせて歩き出す / 後をつけてくる
  • 歩く速さを変えてもついてくる
  • 途中でコンビニなどに寄ると相手も入る

これらの行為は初期段階のストーカー行為としてありがちですが、どれも偶然だと言い逃れしやすい行為でもあります。そのため何度か繰り返されていることを確認し、その都度記録しましょう。

記録の仕方については「ストーカー行為の記録と証拠の保全」で詳しく説明しています。

お店での初期のストーカー行為

自分がお客さんとして訪れるお店でも、他のお客さんあるいは店員からストーカー行為を受けることがあります。特に長居しがちな飲食店は要注意です。

他の客からのストーカー行為の兆候

  • お店でよく会う
  • 自分に近い席によく座る / 座ろうとする
  • 自分が店内で移動するとそれに合わせて相手もついてくる
  • 声をかけられる
  • こちらを見ている / よく目が合う
  • 奢ろうとしてくる
  • お店の周辺で何度か出くわす
  • お店を出たときに後をついて出てくる
  • 手紙・プレゼントなどを渡してくる
  • 会話を聞こうとする / スマホや手帳を覗き見ようとする

店員からのストーカー行為の兆候

  • 会話の流れなどで個人情報を聞き出そうとする
  • 恋人の有無や恋愛に関する質問が多い
  • 自分にだけ特別なサービスがある
  • 必要のない接触をしてくる
  • 特別早い時間や遅い時間に来るように勧める(2人きりになろうとする)
  • 店外で会おうと誘う
  • こちらを見ている / よく目が合う

決まったお店でのみこのような不審な行動が見られるなら、まずはそのお店に行かないことです。ストーカー行為がエスカレートする前なら効果的な対策があるので、初期段階で試してください。

お店でのストーカー行為の対策

  • そのお店に行くのをやめる
  • 会員カードなどは作らない / お店に個人情報を登録しない
  • 早いうちに帰り、帰り道で後をつけられないように気を付けるタクシーを使う / 家族や恋人に迎えに来てもらう など
  • 同じ店を利用する知人・友人に口止めする

ストーカーを初期段階で解決するのに最も大事なことは、接触を断って個人情報を渡さないことです。接触する場所が限られているなら、その繋がりを断ってください。

つきまとい・待ち伏せ被害が始まったストーカー初期段階ですべきこと

全てのつきまとい・待ち伏せ行為やその他のストーカー行為を受けたときに、できるだけ早く、かつ必ずすべきことがあります。気のせいかもと思うくらいの些細なことでも、後々エスカレートする可能性を考えて、その都度対処しておかなくてはなりません。

職場や周囲の人間関係などを考えると1人で決断できないケースもあるでしょうが、直属の上司や親など必要最低限の人間にだけ相談し、できるだけ早く適切な対処を行ってください。

まずは警察へ相談し、つきまとい・待ち伏せの罪についても理解する。

つきまといや待ち伏せに限らず、ストーカー被害の心当たりがあれば、まずは警察に相談してください。

2000年にストーカー規制法が施行されてから、警察はストーカーに対し大きな実行力を持つようになりました。つきまといや待ち伏せといった初期のストーカー行為だけではすぐに逮捕できませんが、警察に相談することは必ず解決に役立ちます。

ストーカー行為を警察に相談することのメリット

  • 現段階でどうすればいいか適切なアドバイスが受けられる
  • 自分の現状を客観的に考えられるようになる
  • 警察からストーカーに話をして、冷静にさせることができる
  • ストーカー行為がエスカレートした場合に警察に話が通りやすい
  • 相談実績を作っておくと、刑事事件や民事裁判に発展したときの証拠になる

この中でも自分やストーカーが冷静に現状を判断できるようになることは、ストーカーの初期段階だからこそ強い効果があります。

被害者もストーカー被害に悩みつつ正常な判断ができなくなってしまいがちですが、ストーカー本人こそ視野が狭くなっている場合がほとんどです。しかし初期段階であれば、警察の介入によって冷静になり、ストーカー行為をやめるというパターンは実際にたくさんあります。

また次の項で詳しく述べますが、警察への相談から段階を踏んで対処した方が、相手を罰するにも効果が大きくなるようにストーカー規制法は制定されています。

もちろんアドバイスを受けたり警察への相談実績を作ったりすることも解決に役立ちますので、是非勇気を出して警察に相談してください。ケースによっては警察から他のより適切な機関をあっせんしてもらえることもあります。

警察に相談する際の注意事項やそのほかの相談窓口については、以下の関連記事を参考にしてください。

「つきまとい・待ち伏せ」は罪になるのか?①ストーカー規制法

つきまといと待ち伏せは、ストーカー規制法の「つきまとい等」に含まれており、取り締まりの対象となっています。しかし罪として裁くには、いくつかの条件を満たさなくてはなりません。

つきまとい等にストーカー規制法を適用するための条件

  • つきまとい・待ち伏せをはじめとする「つきまとい等」に含まれる行為が繰り返されるか、身体の安全か住居の平穏か名誉が害される
  • 恋愛感情が「つきまとい等」の行為の基となっている
    ※但し対象は元恋人や片思いの相手だけでなく、その家族や新しい恋人・配偶者なども含む

この2つの条件が満たされれば、以下の方法でストーカーを取り締まり、あるいは罰することができます。

ストーカーへの罰則・刑事的対処

  • 警察本部長などによる「さらに反復してその行為を行ってはならない」旨の警告
    ※この警告によって多くの場合ストーカー行為は止む
  • 警告に従わなければ、公安委員会による禁止命令
    ※警告なしに禁止命令が発令されることもある
    ※禁止命令の有効期間は1年間
    ※禁止命令に違反すれば2年以下の懲役または200万円以下の罰金
  • 刑事告訴
    ※被害者からの告訴
    ※1年以下の懲役または100万円以下の罰金

ストーカーはこじれると根本的解決の難しい犯罪です。初期段階で警告によって鎮静化を図り、禁止命令の発令によって刑事罰を強力にするという段階を踏む方が、単に罪に問うだけでなく事後処理などにも都合がいいです。

「つきまとい・待ち伏せ」は罪になるのか?②軽犯罪法

つきまとい行為はストーカー規制法でなく、軽犯罪法によっても取り締まることができます。軽犯罪法を適用することのメリットは、つきまとい行為が反復されなくてもよいという点です。

軽犯罪法におけるつきまとい行為

他人の進路に立ちふさがつて、若しくはその身辺に群がつて立ち退こうとせず、又は不安若しくは迷惑を覚えさせるような仕方で他人につきまとつた者

多くのつきまといや待ち伏せの多くがこれに当たります。よってつきまとい等が繰り返されなくても、警察に訴えれば取り締まることが可能です。しかし軽犯罪法で取り締まることによるデメリットもあります。

つきまとい行為を軽犯罪法で取り締まるデメリット

  • 犯人に逃亡の恐れ・住所氏名などが確認不可などのケース以外では逮捕できない
  • 罰則が1日以上20日未満の拘留ないし1000円以上1万円以下の科料のみ

よってストーカー被害の根本的解決を望むなら、この方法はあまり適切とは言えません。

「つきまとい・待ち伏せ」は罪になるのか?③迷惑防止条例

主に悪質な呼び込みやキャッチセールスなどを禁止する目的で、自治体(都道府県・市町村)ごとにつきまとい行為を迷惑防止条例によって禁止しています。例えば大阪府では悪質なつきまとい行為を、1年以下の懲役または100万円以下の罰金と定めています。

この場合、取り締まり機関は警察でなく各自治体となりますが、条例違反が認められた場合、警察による逮捕が可能です。

ストーカー行為の記録と証拠の保全

初期段階のストーカー行為に対してできることは限られています。しかし今後ストーカー行為がエスカレートしたときのために初期段階から自分でしておかなくてはならないのが、被害の記録です。

記録すべき内容

  • 被害を受けた日時(その場に同行していた人物についても)
  • 被害の詳細な内容(どこからどこまでつけられた、話しかけられた内容、体や持ち物に触れられたこと など)
  • これまでに相手に対して行ったこと(拒否した、会わないように行動パターンを変えた など)
  • 相手に関して知っている情報(住所・氏名・年齢・勤務先、自分との関係性と知り合ったきっかけ、ストーカー行為のきっかけの心当たり など)
  • 相手の特徴(特に犯人が知らない人物の場合)

犯人と離れてすぐ、帰宅してすぐなど記憶が鮮明なうちに記録する方がいいです。もし警察への相談の時点ですでに記録があれば持って行ってください。

また、つきまといや待ち伏せの初期ではあまりないかもしれませんが、犯人に壊されたものや渡された手紙・メールなどは証拠となるので、できるだけそのままの形で保存しておきましょう。もし、けがをさせられたら患部を写真に撮り、できれば病院で診断書をもらってください。

ストーカーの初期段階での注意点

ストーカー被害の初期段階にしてはいけないこと

  • 相手に話を合わせる
  • 相手の行動に合わせるような行動をする
  • ストーカー行為の証拠写真を撮る・撮ろうとする
  • 相手が話しかけてこないのにこちらから話しかける
  • 必要以上の大声や威圧的な態度で対応する
  • 手紙や文書を渡す(抗議の内容でも)
  • 自分を見ている相手に視線を返す・にらむ
  • 感情に任せて行動する
  • 自力で相手について調べる / 調べようとする

ストーカーの初期段階で大事なのは、これ以上被害を拡大させないことと、相手に積極的に働き掛けないことです。好意があると勘違いされるような行動をとっても、強く拒否しても、相手の感情を刺激するような行為は、ストーカー行為をエスカレートさせる元となるのでしないでください。

「つきまとい・待ち伏せ」ストーカー初期段階のケース別対処法

ストーカー行為の初期段階では明確な対策や拒否の姿勢を取りにくいのも難点です。終わってから、相手が去ってからああすれば良かったと思うことも多いでしょう。

また被害者の生活パターンやストーカーとの関係性によって時間や場所などが大きく異なるため、臨機応変な対応が必要となります。

その場で正しい対応をとれるように、ケース別に対策と注意点をまとめました。自分の被害に当てはまるパターンはもちろん、その他のパターンもよく読んで、もしもの時に備えてください。

駅・電車でのつきまとい※会わないようにするのが最大の対策※

駅や電車で会うだけの相手なら、会わないようにすることが一番の対策となります。

具体的な対策

  • 路線を変える
  • 乗車する駅を変える(ひとつ遠い駅で乗る・降りるなど)
  • 1本早い電車に乗る
  • 乗車する車両を変える
  • バスなど他の交通手段を使う
  • 同僚やクラスメイトと一緒に行動する
  • 駅員・乗務員の近くにいるようにする

通勤や通学に電車を使っていれば毎日のことなので、何か対策をとろうとするとどうしても不便を強いられます。しかしこれも身の安全のためです。1か月くらいは相手と会わないようにして様子を見てください。

もし相手が自分に合わせて行動を変えてきた場合は、改めて警察に相談する、探偵に依頼するといった本格的な対策が必要になります。

またしばらく相手を避けて何事もなく、久しぶりに元の電車に乗るときには要注意です。頼りになる人を連れて行く、駅員さんのそばを離れないなどして決して1人で行動せず、いつでも110番できる状態にしておいてください。

夜の帰り道(道路上)でのつきまとい※家がバレないように注意※

朝もつきまとわれることはありますが、夜、帰り道でつけられると暗くて危険なうえに、自宅を知られる可能性もあります。初めてつけられたときにそれを防ぐのが一番大事です。

家がバレたらストーカー行為は一気にエスカレートしやすいですし、その後の対策や解決法も大掛かりになるからです。

そのためにはつけられていると感じたらコンビニやカフェなどに寄って相手の様子を見てください。相手も同じ店に入ってきて動かない、店の前で待っているなど明らかに自分をつけているとわかる場合は、家族に迎えに来てもらうかタクシーで帰るかして、相手がついてこられないようにしてください。

あるいはこれはあくまで可能ならですが、その日はホテルなどに泊まって帰宅しないという方法もあります。

その他の具体的な対策

  • 防犯ブザーをすぐに取り出せる状態で持ち歩く
  • 帰宅時間を早める(明るいうちに帰る)
  • 明るく人通りの多い道を選ぶ
  • 帰り道で何かあったときに入れる店を見つけておく
  • 誰かに迎えに来てもらう・一緒に帰る

予防策として最も重要なのは1人にならないことと、何かあったときに駆け込める場所を確保しておくことです。ストーカー行為に気付いたらすぐにこの2つの対策を行い、絶対に家がバレないようにしてください。

職場・学校でのつきまとい※責任者への相談は必須※

職場や学校では、しつこく話しかけてくる、職場や学校の外で待ち伏せされる、手紙やメールを送られるなどのケースが考えられます。相手は主に同僚や同級生、あるいは上司、先生などです。

具体的な対策

  • 上司や先生などの責任者に相談する(自宅住所・電話番号など個人情報の保護についても)
  • ハラスメント相談窓口があれば相談する
  • できるだけ他の人と行動するようにする
  • 必要以上に微笑みかけたり話しかけたりしない
  • メールや手紙は証拠として保存しておく
  • 個室で2人きりにならないように気を付ける
  • 何かに誘われても断るか、他の人にも同行してもらう
  • 上司などが動いてくれるまではそれまでと同じ対応をする
  • どうしても2人きりになるときは会話を録音する(前もって準備をしておく)

職場も学校も、どれだけたくさん人がいても、いくらでも2人きりになれる場所はあるものです。つきまといを避けるためには2人きりになるようなシチュエーションを極力避けましょう。

そのためには上司や先生などの責任者の協力が必須です。できるだけ早く相談してください。これまでの被害に関しては口頭で説明するより記録を見せる方がわかりやすいです。

その際、個人情報の保護についても徹底してもらえるよう話をしてください。名簿などから相手に家がバレる可能性は、確実につぶしておかなくてはなりません。

また2人きりになってしまったときのために、小型レコーダーを準備するかスマホでいつでも録音できる状態にしておくのも対策のひとつです。

職場・学校付近での待ち伏せ※1人で出歩く機会を減らす※

これは相手が同僚や同級生ではなく、職場や学校にとって部外者であるケースです。ストーカーは、ターゲットの休憩時間や退社・下校時間に合わせて話しかけたりつきまとったりするために、会社や学校の周辺をうろつくことがあります。

職場・学校の責任者への相談は必須ですが、相手は部外者なので侵入は防げても周辺をうろつくことは禁止できません。管理責任者の権限があまり有効に働かないケースです。

その他の具体的な対策

  • 1人で外に出ない
  • 社用での外出は他の人に代わってもらう
  • 帰りはタクシーを使うか家族などに迎えに来てもらう
  • 民間の信頼できそうな女性支援団体に相談する・協力を仰ぐ

女性が男性に付きまとわれている場合に限りますが、警察が動いてくれなくても民間の女性支援団体が犯人に働きかけてくれることがあります。相手の出没場所が決まっているため、特別な調査も必要ありません。

ただし民間団体の質や目的は様々です。犯人を刺激しそうな団体には決して依頼しないでください。

自宅近辺でのうろつきや待ち伏せ※家がバレたら警察などにすぐ相談を※

自宅を知られてしまうとプレゼントや手紙の投函や盗聴など、より程度のひどい嫌がらせをされる可能性も高く、非常にやっかいです。初期段階だからこそ、これ以上ストーカー行為をエスカレートさせないのはもちろんのこと、エスカレートした場合も視野に入れた対策も必要になります。

具体的な対策

  • 1人で行動しない(ごみ捨て・ポストの確認などであっても)
  • 家に入るときは周りに人がいないかをよく確認してからドアを開ける
  • 1人暮らしなら誰かに泊まりに来てもらう
  • しばらく実家や頼りになる知人の家に泊まらせてもらう
  • 郵便・宅配などがきたら差出人の名前を尋ねる
  • 玄関を二重鍵にする、窓を強化ガラスにする
  • あまりに防犯性の低い部屋なら引っ越す
  • 投函された手紙・プレゼントなどはできる限りそのままの形で保管しておく
  • ドアやポストにいたずらされた形跡があれば写真を撮り記録をとる
  • ドアポストに盗聴器が仕掛けられていないか(不審物がないか)確認する


相談先

警察:
現状を伝える、周辺のパトロールを増やすなどの対策を要請、緊急の際の最寄りの交番の電話番号を聞く など
大家さん・管理人さん:
何か起こったときに通報したり親族に伝えたりしてくれることがある
警備会社:
家(建物)を犯罪から守るプロ
探偵:
うろつき・待ち伏せ・手紙やプレゼントの投函などの証拠集め、盗聴器発見調査 など

ストーカーに自宅を知られているというのは急を要する状態ですが、うろつき・待ち伏せは証拠が集めにくいため客観的な判断が難しく、ストーカー規制法やその他の法律で即逮捕というわけにはいきません。

よって堅固な自衛手段が必要であり、何かあったときのことを考えるなら、お金を払ってでも専門の業者に依頼することも視野に入れてください。

知らない人からのつきまとい※ストーカーなのか分からないときの対策※

知らない人からのつきまとい行為は、こと初期段階だとストーカーなのかどうかも判断できず、対策に迷ってしまうのではないでしょうか。

しかしたまたま帰り道が同じだけ、偶然出会っただけなどと安易に考えるのは危険です。知らない人にストーカーされるケースは少なくありません。異常な理由や些細なきっかけから執着を始めるのも、ストーカーの特徴です。

知らない人がストーカーになる理由

  • 偶然見かけて / 出会って好意を抱いた
  • 自分ではなく自分の恋人や家族に振り向いてもらうため / 嫌がらせさせるため
  • 自分で知らないうちに恨みを買っている
    ※この場合は恋愛感情とは関係ないため、ストーカー規制法で定めるストーカーには当たりません。

こういったケースももちろん、初期段階から充分に気を付けなくてはなりません。しかし知っている人からのつきまといと異なり、ストーカーと断定しづらく、共通の上司や責任者などへの相談もあまり効果がないという難点があります。ではどうすればいいのでしょうか。

知らない相手から付きまとわれた時の対策

■相手を刺激しない行動を心掛ける
知らない相手でもストーカーのおそれがあるなら、相手を刺激しないのは大前提です。
■ストーカーされやすい見た目を変える
大人しそうなメイクや髪型・服装だとストーカーに狙われやすいです。髪を染めたり化粧を濃くしたりすることで、相手がこちらへの興味を失うことがあります。
■できるだけ家族や友人と行動するようにする
1人暮らしなら家族と暮らすようにするのがいいですが、すぐにできないならまずは1人で行動することを避けましょう。
■記録をとる
知らない人をストーカーだと証明するには、動機が不明なためより多くの証拠が必要です。つきまといが繰り返されていること、こちらが行動パターンを変えてもつきまとい続けていることなどの記録をとってください。
■護身用グッズやボイスレコーダーなどを持ち歩く
知らない相手でも突然直接の接触をしてくることがあります。話しかけられた内容などの記録は証拠になりますし、もし襲われたら逃げるために防犯ブザーなどの護身用グッズを使用してください。決してこちらから話しかけたり暴力を振るったりしてはいけません。
■最寄りの警察署に相談する・通り道にある交番の場所や電話番号を控えておく
ストーカーと確定していなくても、警察がパトロールの回数を増やしてくれたり職務質問をしてくれたりすることがあります。またもしもの時のために、警察にすぐ連絡できるような準備も必要です。110番でもいいですが、最寄りの交番の方が早く駆けつけてくれるケースもあります。

知らない人からつきまといを受けるのは女性が多いですが、男性の被害者もいます。男性は気づくのが遅れがちなので、そういった点で注意が必要です。

ストーカー問題の解決は初期段階の対策がカギ

誰しもストーカー被害になど遭いたくないものですが、遭ってしまったら被害の小さい初期段階で解決するしかありません。

そのために大事なのが、徹底的な自衛と適切な機関・業者への相談です。これに失敗すればストーカー行為が長引くだけでなくエスカレートし、最悪の場合命を落とすことにもなりかねません。

積極的な打開策はないものの、堅固な自衛策が必要となる初期のストーカー行為。自分だけで解決しようとせず警察や知人などに相談し、その都度適切な打開策をとりましょう。

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