【投稿日】 2018年4月4日 【最終更新日】 2021年10月21日

探偵に持ち込まれる、様々な調査依頼のひとつに「借金調査」があります。

最初に、具体的事例をあげておきましょう。

  • 夫が黙って借金をしていたことが判明した。他にも隠している借金がないかどうかを知りたい
  • 父親の金遣いが急に荒くなった。キャッシングを利用していないか心配
  • 娘(息子)の婚約者が借金をしていないか調査してほしい
  • 採用予定の人物の借金の有無を知っておきたい
  • 交際相手が以前借金をしていた。全て返済したのか知りたい

「大切な家族が借金をしているなら、総額を知った上で共に返済計画を立てたい」「娘や息子の婚約者が、問題のない人物かどうかを見極めておきたい」「入社前に人物調査を行い、問題がない人物であれば採用したい」など、様々なリスクに備えて情報を得ておきたいと考えることは、とても自然なことです。

しかし、探偵だからといってどのような情報でも入手できるわけではありません。独自のルートを用いて情報を得ることは可能ですが、調査可能・不可能の範囲は、はっきり区切られています。

ここでは探偵が借金の有無を調べることができない理由、そして合法的な資産調査について、ご説明します。

探偵に依頼する前に、まずは一度ご確認ください。

探偵が借金調査を行うことはできません

結論から申し上げますと、探偵が下記のような借金調査を行うことはできません。

  • 借入額
  • 現在の借入残高
  • 借入時期
  • 支払い状況(延滞の有無)
  • 支払い日
  • ブラック(事故扱い)の有無
  • 現在銀行口座に残っている金額

などの情報収集に関する依頼は、お断りしています。

その理由は、借金調査の方法にあります。ひとつずつ、調査方法について見ていきましょう。

・本人に直接尋ねる

依頼主が直接尋ねることができるのであれば、探偵に依頼する必要はありません。また、探偵が尋ねたとしても正確な借金額を答えるとは限りません。

また、身分を偽り、個人情報である借金の残高や過去の借金暦を尋ねることも違法となります。

・個人信用情報機関に問い合わせ、開示手続きを行う

日本には、現在次の3社の個人信用情報機関が存在しています。

社名 主な対応範囲
株式会社日本信用情報機構(JICC) ・消費者金融
・銀行
株式会社CIC ・消費者金融
・信販会社(クレジットカード会社)
全国銀行個人信用情報センター(KSC) ・銀行関連のカードローン
・日本学生機構(延滞者のみ)

窓口に出向くか、郵送にて下記書類を提出することで、ローンやクレジットの支払い履歴と利用履歴を確認することが可能です。

  • 個人情報開示申請書
  • 委任状および申請者確認書類
  • 郵送料
  • 調査料

しかし、開示請求は本人でなければ行うことができません。本人以外が請求する場合は、委任状が必要です。

つまり、探偵などの第三者はもちろんのこと、家族や親戚など血縁関係がある人物であっても、本人の了承を得ることなく借金の額を調査することはできません。

・調査対象者に届いた金融機関からの書類を盗み見る

銀行やクレジット会社などから調査対象者宛に届いた書類を開封することで、現在の借入額や延滞の有無がわかることがあります。

しかし、こちらも探偵などの第三者はもちろん、家族や親戚であっても勝手に他人の郵便物を開けることは「信書開封罪」となります。これは、れっきとした違法行為です。

以上、3点を用いた調査では、合法的な借金調査ができないことをおわかりいただけたでしょうか。

「借金調査が可能!」とうたっている探偵事務所は違法調査の可能性大

インターネット上には「家族の借金を内緒で調査します!」「入社前の社員の借金の有無を秘密で調査します」といった言葉が溢れています。

しかし、先ほどお伝えしたように合法的に借金調査を行うことはできません。それでも調べるとすれば

  • 委任状を偽造する
  • 金融関係の社員を買収し、情報を得る
  • 調査対象者宛の書類を無断で開封し、情報を得る

といった違法行為に手を出さざるを得ないのです。

つまり「調査可能」をうたう探偵事務所=違法調査を行っている探偵事務所と考えて良いでしょう。

違法行為と知っていながら、探偵に依頼した時点で依頼主も同罪となります。また、もしも依頼した探偵が詐欺師のような人物で、調査料金を持ち逃げしたとしても、あなたは警察に届け出ることができません。

借金の調査は違法ということがお分かりいただけましたか?

それでは、借金以外の資産情報であれば、どうでしょうか?次の項では、合法的に調査できる資産情報について、見ていきましょう。

探偵が合法的に調査できる資産情報とは?

資産情報に関しては、合法的に調査することが可能です。

調査対象者の借金について知りたい理由が「お金を貸しているので、他に借金がないかどうか、また何か差し押さえられるものがないか知りたい」「配偶者が‘多額の借金があり、離婚の際の慰謝料が払えない」と言っているが、事実かどうか調べたい」という場合などは、資産情報を調べることで、目的を達成できる可能性があります。

まずは、探偵が調査可能な資産情報の一例をご紹介しましょう。

  • おおよその給料の額(年収)
  • おおよその退職金の総額
  • おおよその受け取る年金額
  • 所有している不動産とその価値
  • 所有している車やバイク、ボートなど
  • 一族が事業に関わっている場合の遺産相続額(推定)

もちろん、銀行口座残高等を調べるわけにはいきません。そのため、年収や退職金はあくまで様々なデータに基づく推定となりますが、ある程度信憑性が高いデータの入手が可能です。

過去や現在の借金状況を知る方法は、本当にゼロ?

どの金融会社からいくら借りているのかという情報は、合法的に調査することができません。完済済みでも、現在進行形でも同じことです。

ただし、借金の有無だけであれば判明する可能性が高い調査方法がひとつだけあります。それは、探偵による身元調査・素行調査です。

探偵業法で認められている「張り込み」「聞き込み」「尾行」や、データ調査を用いて調査対象者の生活パターンや素行を確認すること自体は、違法ではありません。

例えば

  • 調査対象者の友人に聞き込みを行い、借金の有無や金銭感覚を確認する
  • 尾行し、消費者金融やサラ金への出入りを確認する
  • 尾行し、競馬場やパチンコ店の出入りの有無などギャンブルの趣味嗜好を探る

といった方法があげられます。

消費者金融の店舗に出入りしている事実が確認できたとしても、実際の借金の額はわかりません。また一日中パチンコ店に入り浸り、多額の資金を費やしていたとしても、それだけでは借金をしているとは言い切れません。

しかし、他の調査と合わせ、おおよその給料の額や持ち物、生活レベル等を調査することで、金銭の流れをある程度把握することは可能です。

探偵は借金調査NG!ただし、借金の有無については調査できる場合も

調査のプロである探偵は、情報や技術を元に、様々な個人情報を入手することが可能です。

しかし、借金の残高や借入金融会社の名前、契約年月日や返済予定日といった借金に関する調査を行う場合、違法調査が必要となるため、合法的な調査を行う探偵会社は、一切引き受けることはありません。

「それでも、借金について調べて欲しい」と思われるのであれば、まずは「どうして対象者の借金について知りたいのか」という点を明確にすることをおすすめします。

例えば

  • 子どもが隠れて借金をつくっているかもしれないので、心配
  • 娘の交際相手に多額の借金があるらしいとの噂を聞き、娘に苦労させたくない
  • 夫の金遣いが急に荒くなり、借金をしてギャンブルをしているかもしれない

のように、きっと何か理由があるはずです。

本当に知りたいのは借金をしているかどうかではないこと、本当のゴールは別の場所にあることにお気づきでしょうか。

探偵事務所SATでは、まずは今のお悩みについてお話しいただいた後、依頼主の方の本来の目的に合わせた調査を提案いたします。合法的に依頼主の方に納得いただける証拠を見つけること、これが、探偵事務所SATが目指す解決方法です。

グレーゾーンの探偵事務所や、違法調査の可能性が高い探偵事務所に依頼することで、依頼主の方が罪に問われる可能性もあります。

より問題が大きくなってしまう前に、まずは一度、探偵事務所SATにご相談ください。

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