【投稿日】 2019年7月4日 【最終更新日】 2021年10月21日

家出人が運転免許証を所持して行方不明となっている場合、運転免許証の更新をきっかけに家出人が発見されることがあります。チャンスを逃さないために、家族がやっておくべきことについて詳しく解説していきます。

運転免許証の更新が家出人(失踪者)捜索の手がかりになる理由とは

家出人捜索の手がかりとして特に有力とされる運転免許証ですが、それにはしっかりとした理由があります。運転免許証が持つ情報量や効力を改めて確認しながら、その詳細をみていきましょう。

運転免許証の更新は警察と確実に接触する機会になる

運転免許証は一度登録した情報がそのまま継続するわけではなく、一定期間ごとの更新時期や引越しによる住所変更の手続きなど、運転免許証に登録されている情報に変更がある度にその内容が書き換えられていきます。そして、その情報はすべて警察が把握することになり、それがきっかけで家出人が発見できる可能性が高くなるのです。

運転免許証の更新や書き換えは、主に次のような場所で行われます。

  • 運転免許センター
  • 運転免許試験場
  • 警察署

運転免許証に関係する事務処理はすべて警察の交通部門が行なっているため、どの場所で運転免許証の更新をしても必ず警察に情報が登録されます。

もし家族から家出人の行方不明者届が出されていた場合、その情報はデータベースに記録されて全国の警察で把握することが出来ます。その状態で家出人が運転免許証の更新をすると、情報が照合されて家出人であることがわかるので、その場で家出人の身柄を保護したり家族への連絡を取るなどの対処が行われるのです。

仮に家出人が免許更新をした後に行方不明者届を出したとしても、免許の最新情報はすでに警察が持っていることになりますので、家出人捜索の大きな手がかりとなります。

運転免許証を身分証明書として利用する家出人は多い

運転免許証には以下のような内容が記載されているため、信用度の高い身分証明書として利用する家出人も少なくありません。

  • 住所
  • 氏名
  • 生年月日
  • 顔写真

例えば、リサイクルショップで物を売ってお金を作ったり、仕事を探す時の身分証明書として運転免許証を提示したりなど、様々な場面で運転免許証が役に立つ場面も多く見られます。

しかし、運転免許証には必ず有効期限があり、期限が切れた運転免許証では身分証明書として利用出来ません。つまり、運転免許証を有効にし続けるためには、どこかで必ず警察と接触する可能性が高くなるのです。

運転免許証の更新は誕生日の一ヶ月前後以内と定められており、一度失効してしまうとその後の手続きが大変になってきます。

実際に家出をした人の中には、運転免許証が失効した時のリスクと発見される可能性の二つで悩んだ末、運転免許証の更新に踏み切ったというケースも多く見られます。仕事上運転免許証が必要な家出人にとっては、運転免許証の更新はまさに死活問題でもあるのです。

「いつか必ず警察と接触する機会がある」「家出人が必要としており継続する可能性が高い」といった点が、運転免許証の更新が重要な手がかりとなる大きな理由となっています。

運転免許証の更新時期以外で家出人(失踪者)が発見されるケースとは

運転免許証の更新は、家出人が確実に警察を接触する機会になりますが、その他にも家出人が警察と接触する機会は存在します。運転免許証の更新以外で家出人が警察と接触するケースとはどのようなものなのか、具体的な例を見ていきましょう。

免許の種類が新しく追加されたとき

運転免許証といえば「普通自動車」と考える人が多いですが、免許にはそれ以外にも多くの種類が記載されています。例としては次のようなものが該当します。

  • 原付バイク
  • 自動二輪(小型・中型・大型)
  • 特殊車両(フォークリフト・クレーン車・ショベルカーなど)
  • 大型・中型(トラック・バスなど)
  • けん引(トレーラー・キャリアカーなど)
  • 第二種運転免許

原付バイクは16才以上から取得が可能ですので、未成年の家出人も運転免許証を所持している可能性があります。原付バイクの免許証を持っていると、のちにもっと大きなバイクや自動車の免許を取得した時、現在の免許に追加する形で登録されていきます。

特殊車両やトラックなども同様に、現在ある運転免許証に追加されて登録になりますので、もし家出人が仕事上必要でこのような免許を取得した場合、免許センターで手続きをしなければなりません。

この他、オートマチック車限定の運転免許証しか持っていない人が追加講習でマニュアル車を運転出来るようになった時も、免許センターで手続きをして免許を書き換える必要が出てきます。

このような状況も警察と接触する機会となりますので、家出人が運転免許証を所持している場合には視野に入れておくと良いでしょう。

家出人が交通違反をしたとき

例え家出人が車を置いていったとしても、家出人が車に乗らないというわけではありません。

普通自動車は勿論ですが、一般道路で免許が必要な車輌を運転している時に家出人が交通違反をすると、当然警察に通報されて免許の提示をすることになります。その時に免許の情報が照合され家出人とわかった場合、行方不明者届を出した家族に連絡が入るのです。

「確率的には低い」と考える人もいますが、交通違反となる項目は結構多いので、気をつけていても何かの拍子に違反切符を切られたり、警察に止められるケースは少なくありません。

  • 一方通行を逆走した。
  • 駐車違反をした。
  • 一時停止を行わなかった。
  • テールランプが切れていることに気がつかず整備不良で警察に止められた。
  • スマートフォンをいじりながら運転していた。

明確に交通違反とならなくても、迷惑行為と判断される運転をしていると警ら中の警察に呼び止められ、その場で運転免許証の提示を求められることもありますので、家出人が運転免許証を所持している可能性が高い時には必ず行方不明者届を提出しておく方が良いでしょう。

運転免許証の更新だけにこだわらずあらゆる方面から家出人(失踪者)捜索をする

家出人の運転免許証に関する情報は、残された家族にとって発見に繋がる大きな糸口です。しかしそれにこだわり過ぎてしまうと、せっかくのチャンスを逃して家出人の発見が遅くなることもあります。

家出人を早期発見するためにはどのようなことに気をつければ良いのか、ポイントを押さえて見ていきましょう。

運転免許証の更新時期はあくまで目安と考えてこだわらないようにする

確実に警察との接触がある運転免許証の更新ですが、その時期は固定されているものの期間が長く、場合によっては逆に時間が掛かってしまうこともあります。

例えば、家出人が運転免許証の更新後すぐに家出をした場合、次の更新時期までは最低でも3年は掛かることになるので、更新だけを頼りに捜索をするとかえって発見が遅くなる可能性があるのです。

下記の警察庁の資料でもわかるように、家出人の捜索は、早い段階から始めるほど発見率が高くなります。

運転免許証の更新を利用した捜索は、確実性が高い方法ではありますがそれだけにこだわらず、同時に様々な方面からの捜索を行うようにしてみましょう。

行方不明者届が解除されたときにどうするかを決めておく

警察において、行方不明者とは「生死がわからない、居場所がわからない人」を指します。もし家出人が運転免許証の更新をきっかけに見つかった場合、その時点で警察は「家出人の生死や居場所も把握」していることになりますので、例え家出人が家族の元に帰らなくても行方不明者届が解除されることもあるのです。

実際に、成人していた家出人が免許の更新で警察に発見されたものの、本人の意思が尊重されて詳細な住所や連絡先は秘密にされ、結局家出人が帰宅することはなかったが行方不明者ではなくなったので解除するよう言われた、というケースがあります。

確かに家出人の安否だけは確認出来るかも知れませんが、これではせっかく家出人が発見されても残されたご家族の望む形とは言えません。しかし、家出人が拒否している以上警察の出来ることは限られているため、そこからどうするかを考える必要性が出て来るのです。

家出人を探すご家族の中には「発見することが目的」となっている人も多いのですが、家出人が連絡を拒否している場合、その後の行動が難しくなってきます。

  • 見つけ出した後どのように接したいか
  • 定期的に連絡を取るようにするにはどうしたら良いか
  • 家出の原因を解消するための方法

このような点をよく考えた上で、発見した時に警察にお願いしたいことや家出人と繋がる方法を考えてみましょう。

早い段階から探偵に相談する

運転免許証の更新は警察が家出人と確実に接触する機会ではありますが、家出人の早期発見へ繋がる方法とは言いにくいのが難点です。時間の経過とともに家出人の発見率は下がっていくので、運転免許証の更新だけにこだわるのは得策ではありません。

そこで、警察へ相談するのと同時に探偵事務所に相談し、同時進行で捜索を進めるご家族の方も多くいらっしゃいます。

探偵の調査方法では、運転免許証の情報は「重要な手がかりの一つ」という捉え方をし、その他の情報や手がかりと合わせて家出人の捜索を進めていきます。運転免許証には捜索に有効な情報が記載されており、探偵はその内容を読み解きながら調査を進めていくので、免許更新のタイミングを待つことなくスピーディーな捜索が可能です。

また、探偵事務所では家出人の捜索目的や今後の不安・問題点などを話し合いながら調査方法を決めていくので、依頼者にとって納得のいく結果を得ることが出来ます。まだ迷っている段階であっても、無料相談などでアドバイスを受けることも可能ですので、まずは話をしてみるところから始めてみましょう。

まとめ

運転免許証の更新が家出人の発見に繋がる理由と家族がやるべきことについて、詳しく説明してきましたがいかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容をまとめてみましょう。

  • 運転免許証の更新は警察の交通部門が行うので、家出人と警察が確実に接触し発見される確率が高い。
  • 身分証明書や仕事のアイテムとして運転免許証を持ち歩く家出人は多いので、期限が切れないよう更新する可能性が高い。
  • 運転免許証の更新時期以外にも、「免許の追加取得による書き換え」「交通違反による免許証の提示」をきっかけに家出人が発見されることがある。
  • 確実に発見してもらえるよう、必ず警察へ行方不明者届を提出しておく。
  • 運転免許証の更新は「確実性はあるが時間が掛かる捜索方法」なので、早い段階から探偵に相談して積極的な捜索を行うようにすると良い。

運転免許証という重要なアイテムをどのように活用するかによって、家出人が発見されるまでの時間が変わってきます。少しでも早く家出人が発見されるよう、一つの方法にこだわることなく出来ることを確実に進めていってみましょう。

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