【投稿日】 2018年5月10日 【最終更新日】 2021年10月21日

大切なお子様がいじめられているかも知れない…そんな時、まず何から始めればいいのか迷われるご両親も多いのではないでしょうか。いじめは早期発見と早期解決が一番大切なポイントとなります。

  • いじめの可能性が出た時の対応策
  • いじめを解決へ導くために必要なポイント
  • いじめの対応策を講じる上での注意点

今回はこのような点に着目して、子どもを守るために知っておくべきいじめの対応策について詳しく解説していきます。

子供がいじめられた時に親ができる対応策を時系列で解説

お子様の学校生活において、いじめの問題を心配されるご両親は多いことと思います。勉強・運動・友人関係・先生とのパートナーシップ、そのどれもがある意味閉鎖された空間で行われている学校生活では、お子様ご本人から報告を受けない限り詳細を知ることが出来ないのが現状です。

では、お子様に対するいじめに気がついたその瞬間から、ご両親がすぐに出来る対応策にはどのようなものがあるのでしょうか。その内容を時系列に添ってみていきましょう。

いじめの可能性が出てきたらすぐに詳細な記録を取る

いじめを受けているお子様の多くには、次のような兆候が見られます。

  • 洋服や持ち物に酷い汚れや足跡がある
  • 普通に転んだとは思えないケガをして帰宅した
  • 学校の文房具の壊れ方が酷い
  • 忘れ物や物を失くす頻度が高い
  • 夜遅くまで起きていたり朝起きられないなどの生活リズムの崩れ
  • 遅刻や早退の増加
  • メールやチャットなどの利用時間が長くなる

いじめを受けていることを隠したいお子様は、ご両親が納得する理由を報告してやり過ごそうとします。しかし、その場を凌ぐために思いついた嘘の理由なので、後から同じことを尋ねてみると違う答えが返ってくることも少なくありません。

  • 持ち物が壊れたり汚れていたらそのまま保管する
  • 保管が不可能な場合は写真を撮っておく
  • 怪我をした場合にはその詳細を画像に残す
  • 問題が起こった日付と子どもからの報告内容を記録しておく
  • 可能であればメールやチャットの内容をスクリーンショットで保存

例え些細な内容であったとしても、記録をつけておくと後から問題点が見えてきたり内容の比較から真実が分かることもあります。いじめに関する相談をする際にも詳細を報告出来るという利点がありますので、いじめの可能性が出てきたらその日から細かい記録を取るようにしましょう。

病院の診断書を用意しておく

専門の知識を持つ医師が診察すると、いじめがはっきりとわかることがあります。

  • 子どもの証言と怪我の状態が一致しない
  • 検査をしても問題がないのに体調不良を訴え続ける
  • 拒食症や過食症、不眠症といった心因性の病気の指摘

医師はこのような点からいじめの可能性を考え、因果関係を探っていきます。医師という第三者からの視点を診断書にして用意しておくことで、次のようなメリットがあります。

  • 怪我や病気が治った後でも病院の診察を受けたことを立証出来る
  • いじめを受けた子どもの状態を相手に伝えやすくなる
  • 万が一の時の証拠として提出することが可能になる

お子様の掛かりつけで親身になってくれる病院であれば良いのですが、診察を受けた病院によっては詳細を書かずに怪我や病気の状態のみの診断書を出される場合もあります。診断書を取る時には、必ず以下の点に留意するようにしましょう。

  • 診断書を取る目的をはっきりと伝える
  • 詳細な内容での書き込みをお願いする
  • 出された診断書が希望に添わない時にはセカンドオピニオンも視野に入れる

学校にすぐに連絡し話し合いの場を持つ

いじめに対するはっきりとした確証がなかったとしても、ご両親の方で気にかかる点があったりお子様の様子がおかしい時には、すみやかに学校に連絡して話し合いの場を設ける必要性があります。学校に連絡するメリットとしては、次のような点が挙げられます。

  • 担任の先生や学年主任、教頭や校長といった学校の上層部にいじめの可能性を伝えられる
  • 子どもの様子を詳細に伝える良い機会となる
  • 学校側の協力体制を確認できる

学校にもよりますが、小規模校の場合には生徒に目が行き届きやすいことから、学校と話し合った段階でいじめが解決されることも少なくありません。大規模校も同様に、生徒に対して教師の人数が十分に足りており、尚且ついじめに対する対応マニュアル等の対策がある場合には話し合いによる解決を期待出来ます。

しかし、いじめの多くは教師に隠れて行われていることがほとんどで、学校側の認識が甘かったりいじめと思ってない場合があるのもまた事実です。

  • 子どもが受けたいじめの可能性について具体的な内容を話す
  • いじめだと思われる証拠として記録や診断書等と提示する
  • 子どもがいじめだと思う内容を話し共通の認識を持って貰う

いじめの定義は主観的な判断が重要になってくることから、自分がいじめだと思うことが他の人の基準と合わないことがあります。これは学校側に対しても同様で、ご両親がいじめだと思っていることが学校側ではいじめと認定されていないことも多いのです。

いじめ解決へ向けての話し合いには、複数人の一致した認識(コンセンサス)を持つことが最重要課題となります。話し合いの内容も後に学校側の対応を評価する決め手となることがありますので、ボイスレコーダーなどで記録を撮っておくようにしましょう。

犯罪性が高い時には警察にも連絡する

いじめがエスカレートしていくと、最悪の場合犯罪にまで発展することがあります。現代社会のいじめでは、ターゲットを一人決めて複数人でいじめるという組織的な動きが多く、特に思春期を迎えた子ども達はより犯罪に近いいじめを行う傾向にあります。

  • 集団での暴行
  • 実名入りの写真と個人情報をネット上に拡散
  • 万引きや恐喝を強制する
  • 金品の要求

集団によるいじめに耐えかねた子どもが、いじめから逃れるために犯罪に手を染めることも決して珍しくありません。少しでも問題があると判断した時には、警察へ相談するのも一つの手段です。

ただし、警察が介入出来るのはあくまで刑事事件の時のみです。

  • 暴行を受けた
  • 個人の所有物を盗まれたり壊された
  • 言うことを聞かないと危害を加えると脅された

このようないじめは全て犯罪として立件することが可能ですので、出来るだけ証拠となるものや証言を集めてすみやかに警察に相談するようにしましょう。

学校が非協力的な場合にはその他の公的機関や探偵事務所に相談する

お子様のいじめに対してどれだけ真摯に訴えても、学校側が非協力的で状況が改善しないこともあります。そのような時には、法的手段も視野に入れていじめ対策を行わなければなりません。

学校はある意味閉鎖空間で、外部からの圧力が掛かることでようやく事態を重く見て動き出すことも少なくありません。もし学校側の対応が悪くいじめ対策が思うようにいかないと感じた時には、他の公的機関や探偵事務所といった第三者機関に相談をするようにしましょう。

法務省の人権相談窓口

法務省では、いじめ=人権侵害という位置付けの元に、様々な相談窓口を設けていじめに関する相談を受け付けています。法務局の職員や人権擁護委員が相談に乗った上で、必要な場合は調査を行い問題解決へ向けたお手伝いを行います。学校に相談するのがためらわれるといった場合には、このような相談窓口を利用してみましょう。

警察の少年相談窓口

警察庁では各都道府県の警察ごとに少年相談窓口を設置し、電話やメールによる相談を受け付けています。実際に警察への相談から学校側に調査の申し入れがあったことから、ようやく学校側がいじめ解決に向けて動き出したという例もあります。ご両親や学校だけでは無理だと判断された時には、警察の相談窓口に連絡をしてみましょう。

探偵事務所の無料相談

近年注目を集めているのが、探偵事務所によるいじめ相談です。調査のプロという見地から、いじめに悩むご両親へのアドバイスを受けることが出来ます。多くの探偵事務所では無料相談も受け付けていますので、ご家族だけで抱え込まず探偵事務所に相談することも視野に入れてみましょう。

親がいじめの証拠を集めておくことで得られる効果

いじめがあったことがはっきりわかる証拠を集めておくことは、いじめ問題に関わる全ての人たちにとって重要な点となります。巧妙に隠されたいじめは、一見すると友人グループ内の単なる遊びの延長と捉えられることも少なくありません。ご両親がいじめと判断したその根拠を示す上でも、証拠を集めておくことは大切なポイントとなります。

いじめは犯罪であることを認識して貰うことが出来る

いじめ問題を解決する時には、主に次のような壁にぶつかることがあります。

  • 事の重大さを理解して貰えない
  • 大げさだと言われる
  • 出来るだけ内密に済ませようとする

いじめに悩むお子様とご両親にとって、話し合いの相手からこのような態度を取られることほど苦痛なことはありません。話し合いのスタートラインとしては、まず証拠を提示していじめ問題の深刻さを理解して貰う必要があります。

  • プロレスごっこと称して殴る蹴るなどを行った → 暴行罪
  • ブス、バカ、死ねといった手紙を送られた → 侮辱罪
  • やめてと言っているのに私物を乱暴に扱い壊した → 器物損壊罪
  • 無理矢理大量の給食を食べさせられた → 強要罪
  • 言うことを聞かないと殺すと言われた → 脅迫罪

現代社会のいじめ問題で恐ろしい点は、このような行動をいじめる子ども達が笑顔で当たり前のように行なっていることです。実際にいじめで自殺にまで追い込まれた事件では、加害者として訴えられた側が「死ねは挨拶みたいなもの」と主張していることがクローズアップされました。

いじめの証拠を集めて提示することで、いじめた側といじめられた側、双方の認識を統一したりいじめられた側の苦痛を訴えやすくなるといった効果を得ることが出来ます。

警察の介入がスムーズになる

証拠があると、警察への相談もしやすく警察の介入もよりスムーズになります。

  • 証拠品から状況を検証
  • 集めた証言から聞き取り調査
  • 刑事事件としての立件がやりやすい
  • 学校側への調査協力の申し出

警察によるいじめ問題への介入が増えてきた背景には、いじめによる自殺が増加したことやより犯罪性の高いいじめになってきたという事実があります。自殺でなくても、いじめの延長線上で過度な暴行による死亡事件も起こっており、最悪の状況を回避するために警察に介入して貰うという判断は決して大げさではなくなってきました。

警察への相談窓口を利用して相談をしながら、証拠集めを行い協力を得られるようにすることが大切です。

弁護士を通した慰謝料請求等の民事訴訟に対応しやすい

いじめを疑う根拠となった証拠を持って弁護士に相談すると、慰謝料や治療費の請求といった民事訴訟に対応しやすくなります。

  • 怪我の写真や病院の診断書
  • いじめの目撃情報や証言
  • 警察が介入している場合にはその調査内容など

弁護士を通すことの一番の利点は、弁護士を代理人とし相手との直接交渉を行わなくても良いという点です。また、弁護士に相談したという事実が相手側の認識に大きく影響を与えるという効果もあります。

TVドラマや小説などの影響で誤解されやすいのですが、弁護士に捜査権はありません。ですので、いじめの証言や証拠集めをしっかりとした上で、弁護士にその後の対応を相談するような形で進めるようにしましょう。

親がいじめの証拠を集める方法と注意点

いじめ対策として証拠を集めることの重要性は、これまでの説明でご理解頂けたのではないでしょうか。

日常の記録や物品の保管・病院からの診断書は比較的集めやすいのですが、動かない証拠としての音声や画像、いじめの証言を集めるのはなかなか難しいと感じる方も多いことでしょう。

そこで、実際にいじめを経験して証拠集めを行った方々の例を参考しながら、いじめの証拠を集める方法とその注意点について説明していきます。

ボイスレコーダーなどで音声を録音する

普段の様子や会話を記録する上で欠かせないのがボイスレコーダーです。高校でのいじめ問題を解決するため、スマホに接続出来るマイクで実際の様子を録音し、学校側に訴えたという方もいらっしゃいます。

  • 教師に対していじめの相談をしたのにあしらわれている様子を録音
  • 暴言や誹謗中傷発言の音声を録音
  • いじめている子の声や名前が入った会話を録音

このような音声を証拠として学校側に提出したり、各相談窓口で状況を把握して貰うための手段として役立てることが出来ます。

しかしボイスレコーダー等の機材を使用する場合には、以下のような点に注意が必要です。

  • 学校でボイスレコーダーを持ち歩くことは難しい
  • 周囲に気づかれないように配慮しなければならない
  • いじめる側に知られるといじめがエスカレートする可能性がある

特のお子様が小学性の場合ですと、ボイスレコーダーが気になり落ち着かなくなったり周囲に気付かれる可能性も高くなります。現在はペン型や超小型のボイスレコーダーなども販売されておりますので、ボイスレコーダーの使用を考える時に参考にしてみましょう。

クラスメイトや保護者からの証言を取る

保護者同士の会話やお子様の友人からの証言で、いじめがわかることがあります。スマホのアプリを利用したコミュニケーションツールにより、保護者同士のグループ内でいじめに関する証言が上がることもあります。

  • いつ、誰が、どこで、どのようにという点を明確に記録する
  • いじめの証言に関わるメールやチャットの内容は必ず保存
  • それとなく話をする時にボイスレコーダーで会話を録音

目撃証言やいじめに関する話は、いじめの対応策として有効である反面、以下のような点に注意が必要となります。

  • あまりにしつこく尋ねると警戒されていじめる側に気付かれる可能性がある
  • 保護者同士のネットワークでいじめる側に話が伝わる
  • 関わりたくない保護者から距離を置かれる
  • 子ども同士の付き合いに影響が出る可能性がある
  • いじめられている子ども本人が嫌がる

クラスメイトや仲の良い友人、そしてその保護者であるご両親は、お子様にとってはとても近しい存在に感じられます。その中で証言を得るためには、お子様の気持ちに十分な配慮をした上で、信用できる相手がどうかを確認しながら進めていくことが重要です。

探偵事務所に調査を依頼する

いじめはいつどこで行われているのかわかりません。しかし、日常生活で24時間お子様を見守ることは、物理的に不可能です。探偵事務所では、尾行や張り込み、必要であればいじめの現場を画像や音声に収めるといった方法で調査を行い、いじめ解決へ向けた証拠集めを行います。

お子様に直接関わりのない人物による調査は、お子様本人だけではなくご両親の心的負担を軽減する効果もあります。ご自身での証拠集めが難しい時には、探偵事務所に依頼してみましょう。

まとめ

ご両親によるいじめ対策とその方法について、詳しく解説してきましたがいかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容をまとめてみましょう。

  • いじめの可能性が出てきたらすぐに証拠の保管や詳細な記録を行う
  • 些細な怪我であっても病院で診断書を取る
  • 学校側との話し合いではいじめに対する共通の認識を持って貰うことを意識する
  • 学校側に不信感がある場合には他の公的機関や第三者機関へ相談する
  • 証拠集めはいじめを解決する上で重要なポイントとなる
  • 無理な証拠集めはせず探偵事務所への依頼も視野に入れる

お子様がいじめられているという事実は、ご両親にとって大きなショックです。しかし、そこからどのように動けばいいのかという指針があると、早期にいじめ対策を行うことが出来ます。それぞれの対策方法を検討して、出来ることから一つずつ行うようにしてみましょう。

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