【投稿日】 2022年11月27日 【最終更新日】 2022年11月30日

コロナ禍でおうち時間が増えた今、副業で稼ぎたいという人が増えています。

そうした需要に応えてか、ネットやSNS上には「簡単に家でできる副業教えます!」「〇〇するだけで誰でもお小遣い稼ぎができます!」といった宣伝があふれていますが、その宣伝はもしかしたら詐欺かもしれません。

この記事では最近問題になっている情報商材詐欺について、仕組みと、万が一騙されてしまった場合の対処法をご紹介します。

情報商材詐欺とは?

情報商材とは主にネットで販売されている情報のことです。

例えば、「異性にモテる方法」や「アフィリエイトの始め方」、「ギャンブルの勝ち方」など購入者にとって有益な情報・ノウハウを販売していれば、それは情報商材になります。

noteやBrainといったサイトの有料記事も情報商材の1種です。

意外と私たちの身近に存在する情報商材ですが、これらすべてが詐欺というわけではありません。

料金に見合っただけの有益な情報を入手できれば、それは正しく情報を売っていることになります。

しかし、中には情報の質に見合わない高額な請求をされるものがあります。

こうした悪質な情報商材を不当な値段で売ることを、情報商材詐欺と言います。

主に副業(せどり、転売、アフィリエイトなど)や、投資など「稼げる系」のジャンルに情報商材が多く、近年は仮想通貨系の情報商材詐欺が多くなっているようです。

情報商材詐欺の被害は次の図1の国民生活センターへの相談件数を見る限り、2018年の8,689件をピークとして、年々減少傾向にありますが、図1、2の10〜20代の若者の相談比率は年々増加しています。

引用元:国民生活センター「情報商材や暗号資産(仮想通貨)のトラブルー「もうかる」はずが、残ったのは借金…ー」

引用元:国民生活センター「情報商材や暗号資産(仮想通貨)のトラブルー「もうかる」はずが、残ったのは借金…ー」

また、2022年4月から18歳で成人とされる法律が施行され、18歳の若者でも保護者の同意無しにこういった情報商材などの契約ができるようになりました。

そのため、今後若者を中心に、ますますこういった情報商材詐欺被害が増えることが予測されており、国民生活センターでも積極的な注意喚起を行っています。

情報商材詐欺の具体例

情報商材詐欺の具体的な手口は消費者庁のHPで公開されています。

消費者庁HP「財産にかかわる危険」の中から何件か実例をご紹介します。

具体例1:「〇〇ビジネス」といったWebサイトに誘導し情報商材を買わせるケース

Webサイトから安い情報商材を買わせ、その後言葉巧みに高額な特別コースを契約させるケースです。

Webサイトから情報商材を販売する

この詐欺グループは「写真を撮るだけでお金を稼げる」と宣伝するWebサイトを開設し、情報商材を販売していました。

このサイトに興味を持った人に向けて勧誘することはもちろん、SNSのダイレクトメッセージを通じてWebサイトに誘導することもあります

「通常価格10万円のところ今なら2万円で購入できる」と、お買い得感を演出して購入を促し、「2万円ならだけなら」と購入者の警戒心を下げていきます。

情報商材を購入すると、「Instagramに写真をアップしてフォロワーを増やすことで写真を販売できる」という旨が書かれたのみで、詳細については書かれていません。

情報商材をきっかけに更に高額な商材を購入させる

詳しい説明を受けるには電話予約が必要で、電話説明において、もっと稼ぐためには7~150万円の特別コースに入ることが必要だと勧めてきます。

特別コースに加入するとフォロワーを増やすためのツールを使用することができ、フォロワーを増やした成果報酬として3万円が支払われます。

一時的な報酬が支払われることで信用してしまい、さらに高額なコースに加入してしまう被害者も多いです。

結果的にInstagramのフォロワーを増やしても、写真を購入するかは閲覧者の判断によるものなので、誰もが必ず収益を上げる仕組みになっておらず、高額な情報商材を買わされただけということになります。

具体例2:転売ビジネス(せどり)のノウハウを高額で購入させるケース

転売ビジネス(せどり)のノウハウを安価で購入させ、その後高額なサポートに加入させるケースです。

LINEから情報商材を購入させる

副業紹介サイトなどを通して、詐欺グループのLINE に友だち登録をするよう誘導されます。

友達登録すると「9,800 円でスタート出来る、簡単に稼げる方法を教えます」といったメッセージが届き、興味を持った人がサービスに申し込むと情報商材が届きます。

しかし、具体的な内容は記載されておらず、詳しい説明を受けるには電話予約が必要であると紹介されます。

電話予約するとマニュアルが届きますが、「業者から大手通販サイトの売れ筋商品の紹介を受け、通販サイトに出品して注文を受けてから商品を購入することで、無在庫で転売ビジネスができる」と記載されているものの、売れ筋商品の紹介を受けるには有料サポートに加入する必要があると示されています。

電話で有料サポートに加入するよう勧誘する

電話説明を受けると、担当者から10~150万円の有料サポートの紹介をされます。

サポート料金が高くなるほど売り上げ予想も30~900万円と高く説明されるため、高額サポートが魅力的に思われます。

担当者の言葉を信じてサポートに加入し、指示を受けて商品を出品するものの、他の出品者に比べて高額になってしまい商品はほとんど売れません。

加えて大手通販サイトでは、このビジネスのような無在庫での転売は禁止されており、無在庫転売が発見されると警告の上アカウント停止されてしまいます。

情報商材詐欺の典型的な手口・手法

情報商材詐欺の具体例を紹介しましたが、ここから見られる手口をまとめて紹介します。

  • SNS・Webサイト・LINE・メールなどで広く宣伝する
  • 無料または1万円程度の少額商品を購入させる
  • 実際に利益を出させて信じ込ませる
  • 電話勧誘で高額商品・サービスを購入させる

※ここで重要なのが、情報商材詐欺の多くは、一般的なWebマーケティング手法を用いて宣伝されることが多いということです。そのため、これらの手法は一般的なマーケティング手法として一般企業で使われています。この手法を使って宣伝しているからといって全てが情報商材詐欺という訳ではありません。

Webサイト・SNS・LINE・メールなどで広く宣伝する

情報商材詐欺はまず存在を知ってもらうことから始めます。

副業紹介サイトやSNSで宣伝し、自社のWebサイトに誘導します。

誘導の手口は様々ですが、TwitterなどSNSのダイレクトメッセージで勧誘する手口が多く、このケースでは大人だけではなく学生までが被害に遭いやすいです。

Webサイトでは実際に購入した人の体験談を偽って掲載し、あたかも稼げるかのように宣伝しています。

架空のインフルエンサーを登場させ、商品価値を上げる手法も取られています。

LINEの友達登録やメールマガジンの登録などで、定期的に情報を与えることで、洗脳に近い状態にすることもあるので注意が必要です。

無料または少額商品を購入させる

初めから数十万円以上の高額商品を購入する人はほとんどいないと思います。

「無料なら試してみよう」という方が多く、この時点で詐欺に引っ掛かっているとは気づかないでしょう。

まずは無料でメルマガなどに登録して、その後メルマガで不安や期待を上手く煽りながら、セミナーなどに誘導し、セミナーの最後に「今日申し込んでもらえれば30%オフ」などの魅力的なオファーをつけるなどをして売り込むのが一般的です。

また、購入見込み客を焦らせるために、「〜日何時何分まで限定」など、期限を設ける場合もあります。

実際に利益を出させて信じ込ませる

実際にその情報商材を購入し、その通りに行って最初は利益を出させるという手口もあります。

例えば、せどりの情報商材で、実際にその商材の通りに実行して500円利益が出てしまったらどうでしょうか。

「本当に利益が出た!」と、より一層その情報商材が本物であると信用してしまうと思います。

このように一度少額の利益を出させ、信用度を高めさせてから、高額商品を買わせるのも情報商材詐欺の常套手段です。

情報商材詐欺かどうかの見分け方

情報商材詐欺で使われる手口は、基本的に一般企業も使っているWebマーケティング手法なため、手法だけでは情報商材詐欺なのかどうか、見分けがつきません。

しかし、情報商材詐欺には次のような特徴や傾向があります。

もちろん、これらの特徴や傾向に当てはまるから必ず情報商材詐欺という訳ではなく、内容が良かったとしても宣伝されていたような成果が出なければ詐欺に当たる可能性があり、逆に、内容が怪しくても成果が出ている場合には詐欺になりません。

情報商材は非常に詐欺かどうかの見分けがつきづらいのも特徴の1つなので、あくまで指標の1つとしてこれらの特徴や傾向がある場合には、情報商材詐欺を疑って調べてみることをおすすめします。

特徴や傾向1:「1日たった◉分の作業で、月収◉万円」など簡単で多く稼げるなどの誇大広告表示

「PCやSNSの知識がなくてもスマホだけの1日たった◉分の簡単作業で、月収◉◉万円」のように、誰でも楽に、簡単に多く稼げると謳っているような場合は、情報商材詐欺の可能性が高いと言えます。

また、「私は主婦で何も取り柄がないところからこのビジネスを初めてなんと初月で◉◉万円の売上!やったのは1日たった◉分の作業だけ!」のように、体験談風に訴求してある場合や、SNSのDMで、「私が1日◉◉分の作業で、初月◉◉万円を叩き出した方法を特別公開!」という風に送られてくる場合もあるので、注意しましょう。

参入障壁が低く、大きく稼げるアピールをしている宣伝文句は疑いましょう。

特徴や傾向2:SNSのDMで送られてくるプレゼント

SNSをやっている人であれば、必ず送られてくる「今だけ特別プレゼント!」というDM。

これもプレゼントを受け取ったり、LINEに登録したりすると、その後いくつかのメッセージやメルマガ、動画などが送られてきて、その後高額商品販売の場となるセミナーに誘導されたり、高額商品の販売HPに飛ばされたりします。

このように見ず知らずの人から送られてくる、良くわからないプレゼントは無視が一番です。

特徴や傾向3:違法性のある文言やオファー

この情報商材を見たからと言って必ず稼げる訳ではないのにもかかわらず、「絶対に稼げる」「必ず稼げる」など、必ず成果がでるように書かれている場合には、消費者契約法の「不利益事実の不告知」に該当します。

そのほかにも消費者契約法の「不実の告知」や、景品表示法などに違反した文言が見られる場合には、注意が必要です。

特徴や傾向4:限定性や希少性のアピール

「あなただけに特別に、私が◉◉◉万円を稼ぎ出した秘密の方法を教えちゃいます!」や、「独自の」「最新の」など、限定性や希少性をアピールするのは、情報商材詐欺の常套手段です。

もちろん、限定性や希少性は通常のマーケティングでも使われるため、これがあったから詐欺という訳ではありませんが、やたらと限定性や希少性をアピールしている場合には、情報商材詐欺を疑った方が良いかもしれません。

特徴や傾向5:SNSでのネットショップ運営や友達作りなどの勧誘

SNSのDMなどで情報商材のリンクやLINE登録のURLを送ると怪しまれるということから、まずはそこまで情報商材感のない「友達作り」や「ネットショップ運営」などの文言でまずは勧誘するという場合もあります。

基本的に「友達作り」や「ネットショップ運営」のオファーがSNSのDMなどで送られてきた場合、情報商材詐欺を疑った方がいいかもしれません。

なぜなら、「友達作り」や「ネットショップ運営」の希望者をDMで募るのはあまりにも不自然だからです。

これは、情報商材詐欺全てに共通してくることですが、「なんでこの人は自分にこんなオファーをしてくる必要があるんだろう?」と不自然さが少しでもある場合には、情報商材詐欺を疑った方が良いと言えます。

情報商材詐欺に遭ってしまった場合の対処法

情報商材詐欺は、今回ご紹介したようにその特徴や傾向、典型的な手口などを知り、「少しでも怪しいと感じるものには手を出さない」と日頃から気をつけていれば引っかかることはほとんどありません。

しかし、実際に情報商材詐欺の被害にあってしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか。いくつかの対処法をご紹介します。

対処法1:返金依頼を行う

まずは自分で返金依頼をしてみましょう。

最初に「返金依頼をしたが受け取ってもらえなかった」という事実を作ることで、その後各相談窓口でスムーズに説明することができます。

また業者によっては簡単に返金に応じることもあるので、諦めずに交渉してみましょう。

返金の際は「事前に聞いていた内容と実際の商材が違うこと」「追加商材を購入しなければいけない事実を隠していたこと」など、具体的に事前の説明と違う部分を指摘します。

なるべくメールでやり取りをして、文章を残すだけでなく、販売ページのスクリーンショットを撮って証拠を残します。

電話で交渉する場合は録音すると良いでしょう。

関連記事:情報商材詐欺でお金を払ってしまった後に返金させるための6つの方法

対処法2:クレジットカード会社と交渉する

クレジットカードで支払いをしている場合、以下の対応をすることができます。

支払停止の抗弁

以下の条件に当てはまる場合、クレジットカードの請求を止めることができます。

これは代金を支払う前にできることなので早めに対応しましょう。

  • 分割払いで購入
  • 手数料含めて4万円以上
  • 次の①〜⑥に当てはまる場合:「①商品の引渡しや役務の提供をしてくれない。」「②商品に欠陥(瑕疵)がある。」「③役務の提供内容に問題がある。」「④見本・カタログ等と現物・役務内容が違う。」「⑤商品の販売条件となっている役務を提供してくれない。」「⑥その他契約内容等に問題がある。」

チャージバック

すでに料金を支払ってしまった場合、各クレジットカード会社で設けられているチャージバックという制度を利用できます。

これは詐欺的な商品の購入を取り消せる制度で、クレジットカード会社から販売会社に返金を求めるため、間接的に支払ったお金を取り戻すことができます。

利用するためには正当な理由が必要となるので、情報商材詐欺である証拠を提出しなくてはなりません。

対処法3:消費生活センターへ相談

消費者ホットライン(188)または消費生活センターに連絡することで、相談することができます。

状況に応じて消費生活センターが業者と交渉してくれたり、専門の弁護士を紹介してくれたりします。

消費生活センターに相談する場合も、証拠を用意しましょう。

対処法4:警察へ相談

警察は犯罪者を逮捕する組織のため、直接返金対応はしてもらえません。

ただし、業者は警察に被害届を出されることを嫌うため、返金交渉の材料として被害届を出すことは有利になります。

返金と引き換えに被害届の取り下げを要求されることがありますが、被害届を取り下げてから再び出すことは非常に困難になるため、返金を確認してから行うようにしてください。

対処法5:弁護士へ依頼

弁護士に相談する場合、実施に法的手続きや業者と交渉をしてもらえます。

ただし弁護士費用が高く、着手金は約20万円、返金の成功報酬も支払う必要があります。

返金額と比べて弁護士費用が高くついてしまうことがあるので、依頼する前によく考える必要があります。

対処法6:探偵へ依頼

情報商材詐欺かどうかは、実際に宣伝されていたような成果が出ているのか、そうでないのかによって詐欺かどうかが変わってくるので、判断しづらいのが特徴です。

そのため、もし情報商材詐欺などで騙されたお金を取り戻すために訴訟を提起したり、何かしら行動を起こす場合には、何より「それが詐欺に当たるかどうか?」を判断する証拠収集が何より重要となります。

その情報商材が詐欺なのかどうか、詐欺の証拠収集をしたい、音信不通になった情報商材詐欺の会社住所や連絡先などを特定したい、詐欺業者側に返金するだけの資産があるのかを調べたい、などの場合には、探偵に依頼するのも1の手です。

もちろん、探偵は、弁護士などとは違い返金交渉を直接行うことは法律違反になってしまうため、あくまで調査のみしか依頼をすることはできませんが、1つの対処法として覚えておきましょう。

情報商材詐欺に関する調査や証拠収集なら探偵事務所SATにお任せ!

情報商材詐欺に引っかからないためには、まずは今回の記事で解説させていただいたような情報商材詐欺の手口や特徴、傾向などを知り、少しでも怪しいと思うものについては無視することです。

しかし、ネットやSNS、または友人の紹介経由など、さまざまな経路で情報商材の情報は入ってきます。もし、万が一情報商材詐欺に引っかかってしまった場合には、まずは返金依頼やクレジットカード会社への連絡、消費生活センターへの相談など基本的な対処法を実施し、悪質な場合や金額が大きい場合などには、警察や弁護士、探偵などに相談しましょう。

1人で解決しようとせず第三者に相談して、1つひとつ対処していくことが何より大切です。

探偵事務所SATでは、音信不通になってしまった情報商材詐欺業者の住所特定や、素性調査、資産調査、または詐欺行為に関する証拠収集などを、探偵業法に基づくあらゆる手法を用いて調査いたします。

情報商材詐欺は、特に詐欺の立証が難しいとされ、訴訟を起こすにしても、不法行為の証拠収集が何より重要です。

もし、情報商材詐欺に関する調査をご希望の方は、お電話もしくはメールにてご相談ください。

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