【投稿日】 2020年12月18日 【最終更新日】 2021年10月21日

住所やマンション名までは調べられても、部屋番号まではわからないというケースは多いです。配偶者の浮気相手、車や自転車などにイタズラする犯人、民事訴訟・調停をするためなど、問題の解決のためには相手の住所を部屋番号まで特定しなくてはなりません。

マンションをはじめ、アパートや団地などの集合住宅の部屋番号を特定するには、どんな方法があるのでしょうか? それは自分でできる方法なのか、探偵に依頼すべきなのかなどについて解説します。

マンションの部屋番号を調べる理由や目的は?

「部屋番号を調べるのに理由なんて関係あるの?」そう思うかもしれませんが、実はなぜ知りたいのかによって、調査方法は異なります。知りたい理由によっては、簡単に調べられることもあります。

目的によって異なる調査方法

■相手に対し訴訟などの法的手段をとる
→住民票や戸籍の附票の閲覧許可が下りやすい
 弁護士による職務請求・弁護士会照会も可能
 場合によっては探偵に調査を依頼すべきケースも
■浮気や素行調査など問題の特定・証拠集めなど具体的な調査のため
→合法的に多角的なアプローチができる探偵に相談すべき
■サプライズのプレゼントやパーティなど
→相手との関係を証明できるものがなくては探偵も受任しづらい
 自分で調べるしかないケースも(※違法な調査方法はNG)

個別の案件によって事情は異なりますが、概ねこのように分類できます。この1か2、つまり弁護士や探偵といったプロに依頼できるようなら、早いうちに相談すべきです。何の調査であれ、早い方が成功率が高いのは間違いないからです。

実際に依頼するかどうか決めるのは、相談後で構いません。依頼しなくても相談することで役に立つ知識を得られることもありますし、第三者視点からの話を聞くことで自分を客観視できるという利点もあります。

調査方法などは後で詳しく説明しますが、自分で調べる場合は、くれぐれも違法な調査方法をとらないように気を付けてください。昨今、個人情報の取り扱いには厳しくなっているため、一層の注意が必要です。

民事訴訟や調停など、法的手段のための部屋番号の特定方法

まずは前項の1、相手に対して法的措置をとるケースについて説明します。このケースの利点は、法的措置のために弁護士の権限を行使できることです。

このような場合は、まず弁護士に相談しましょう。弁護士には職務上必要な情報を集めるための権限が認められているので、住所特定を有利に進められます。

弁護士による相手の住所・部屋番号の特定方法

■職務上請求:
戸籍法第10条の2に基づき、弁護士などの士業が受任した案件に必要な住民票や戸籍の写しの交付を、役所などに請求すること。
※個人で請求するより認められやすい
■弁護士会照会:
弁護士が所属する弁護士会という組織を通して、官公庁や企業などに対し、必要な情報の開示を請求できる制度。
※職務上請求と異なり、銀行・電話会社をはじめとする様々な企業にも請求が可能

弁護士にはこの2つの権限が認められているのが大きなメリットです。但しこれらの方法にもデメリットはあります。

弁護士に依頼する場合のデメリットと特定不可能なケース

  • 職務上請求・弁護士会照会が利用できるのは、弁護士に問題の解決(訴訟・示談など)が受任された場合のみ
  • 住民票や戸籍には部屋番号の記載を希望しない人も多く、その場合、職務上請求では部屋番号は特定できない
    (弁護士会照会で企業に請求する場合も同じ)

弁護士には他に調査の権限があるわけではないので、官公庁や企業にあるデータから特定できなければ、そこで手詰まりとなります。また当然ですが、訴訟のために部屋番号(住所)を調べたのなら、その目的以外の用途に利用することは違法です。

浮気調査・素行調査など、具体的な調査のために部屋番号を特定する方法

不倫は民事訴訟で解決するなら弁護士の領分ですが、多くのケースで詳細な事前調査が必要となります。よって素行調査・信用調査などと同じく、探偵に依頼すべき案件です。探偵なら様々な方法による調査が可能であり、弁護士との連携も視野に入れて臨機応変な対応ができます。

探偵による部屋番号の特定方法

  • 尾行
  • 張り込み
  • 聞き込み
  • 望遠カメラなどの特殊機材を使った調査

どの調査方法も、やろうと思えば誰でもできそうです。しかしプロの技術を持った複数人が連携して行うので、素人に比べると成功率は雲泥の差です。かつ探偵による調査なら、住所(部屋番号)特定と同時に、素行調査や浮気の証拠収集などもすることもできます。

また弁護士と同様、探偵に依頼するのも早いに越したことはありません。調査の開始が遅れればそれだけ手掛かりが消えてしまうからです。具体的な調査内容が決まっていなくても、まずは探偵に相談してみましょう。

その他、探偵に依頼する際に必要なものや注意点、探偵の選び方、探偵の調査料を安くするための準備に関しては、それぞれ詳細に解説がなされた関連記事を参考にしてください。どれもとても重要な情報ばかりです。

弁護士や探偵に依頼できないケース…自分で部屋番号を調べる方法は?

数十年前ならいざ知らず、現代では個人情報を勝手に調べたり集めたりするのが難しくなっています。対象者の部屋番号を知る正当な理由・目的があれば弁護士や探偵に調査してもらえばいいのですが、受任してもらえなければ、自分で調べるしかありません。

自分で他人のマンション・アパート・団地などの部屋番号調べる方法、そして調べる際の注意点にはどんなものがあるのでしょうか。個人情報の取り扱いに厳しい現代では、一歩間違えば刑事責任を問われることもあるので、以下の注意事項は調査前に必ずしっかり読んでください。

自分でできる調査方法

■本人に聞く
最も安全な方法。しかし、しつこいつきまといや無理強いをすると強要罪・ストーカー規制法違反にあたる可能性も
■共通の知人に聞く
比較的安全な方法。もちろん無理強いなどは強要罪・ストーカー規制法違反に当たる可能性あり
対象者本人が住所を教えたことを事後承諾しなければ、民事で賠償金の請求が認められる可能性あり
■インターネット検索する
SNSなどから情報を集めるのは合法。不正アクセスなどはもちろん違法
名前や誕生日などをうまく組み合わせて検索したり、知人のアカウントとの繋がりから探したりなど工夫・コツが必要
■名簿を調べる
社員名簿などから勝手に情報を得るのは個人情報保護法違反であり、会社が罪に問われる可能性が高い
■尾行してマンションのどの部屋に電気がつくかを確認する
尾行が気づかれれば各自治体の迷惑防止条例・ストーカー規制法などに触れる可能性あり
高層マンション・家族と同居などのケースだと特定は難しい
■マンション・アパート・団地のポストを見て確認する
オートロックマンションだと難しい
ポストに記名していない世帯も多い
■建物の住民の氏名まで記載されたゼンリン住宅地図を利用する
地図を購入するか、有料ネットサービス、図書館などを利用して調べる
最新版でもすべての住所氏名・部屋番号が記載されているわけではない
■部屋を望遠カメラなどで撮影する
撮影場所の確保、部屋の探し方など素人には難しい
誰かに見つかれば通報される可能性も高い

どれも調査方法自体が即違法というわけではありませんが、やり方を間違えば違法となるものが殆どです。素人にはその見極めが難しいので、どの方法もあまりおすすめできません。

ちなみにサプライズ目的などで探偵に依頼するには、依頼者と調査対象者がかなり近しい間柄であり、目的に違法性がないと証明できなければ難しいと思ってください。近しい間柄で部屋番号を知らないのはそれだけで不審ですし、違法な目的に利用される可能性のある調査は、まともな探偵なら受けません。

結果的に自分で調べることになるにしても、その前に探偵に相談してみてください。無料相談でも可能な範囲のアドバイスなら受けられるので、きっと自分で調査する際の参考になるはずです。

現在、法に触れずに部屋番号を調べるのは難しい

個人情報保護法をはじめ、高層マンションとオートロックマンションの増加、監視カメラの設置などを背景に、部屋番号の調査は難化傾向にあります。どれも安全な社会づくりのための取り組みであり、正当な理由がない限りそれらを犯すことはできません。

よって部屋番号を調べるための正当な理由があれば、それぞれのケースに応じて弁護士や探偵にできるだけ早く相談するのが賢明です。不用意に自分で調査すると、最悪の場合、法を犯してしまい、住所や部屋番号まで調べた相手を訴えるどころではなくなるかもしれません。

どんな事情があるにせよ、弁護士や探偵といったプロの意見は参考になるはずです。視野を広く持つためにも、自分で解決しようとせず、早めに相談してください。

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