【投稿日】 2021年11月1日 【最終更新日】 2022年10月27日
探偵・興信所を利用することを決めた時、選び方に迷ってしまう方は少なくありません。
ネット上の口コミには、良いものもあれば「ろくな調査をしてもらえず料金だけ騙し取られた」というような詐欺まがいの口コミもあり、どこを選べばよいか分からなくなってしまったという方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、探偵・興信所の選び方や良い探偵・悪い探偵の見抜き方を解説いたします。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
探偵・興信所を選ぶ時に重視すべき5つのポイント
日本には6,000以上の探偵・興信所が存在します。
実際に、警視庁が発表した「令和2年中における探偵業概況」によると、現在届出を行っている探偵・興信所は6,379件に上ることが分かりました。※1
これだけ多くの探偵・興信所があれば、どうやって選べば良いか分からなくなってしまう方も多いはずです。
そんな時は以下の5つの基準を元に探偵を選びましょう。
ポイント1:探偵届出証明書が事務所やHPに明記されているか
そもそも探偵業を営むには、管轄の公安委員会に対して届出を行う必要があります。
届出を行うと公安委員会から探偵業届出証明書が交付され、晴れて探偵業を営むことができるようになります。
探偵業届出証明書は探偵業法で以下のように定められているため、必ず事務所の見やすい場所に掲示されていなければなりません。
探偵業者は、第四条第三項の書面(探偵届出証明書)を営業所の見やすい場所に掲示しなければならない。
引用元:探偵業法第十二条二項
もしもHPや事務所内を探しても探偵業届出証明書が見当たらない場合は、そもそも探偵業の届出を行っていない可能性があるので避けたほうがよいでしょう。
ポイント2:個人ではなく法人が運営しているか
個人で探偵・興信所を運営している場合と法人で運営している場合では、法人で運営している探偵・興信所のほうが信用性が高いと言えます。
なぜなら、個人で探偵業を営むのは手続きや提出書類が少なく簡単であると同時に、開業者の判断ですぐに辞めることができるからです。
一方で、法人で探偵・興信所を営む場合は個人で営む場合よりも提出書類が多く、手続きにも手間がかかります。
また、法人で営む場合は公安委員会からの検査が不定期にあるなど、厳しく監視されているため、運営体制がきちんとしている探偵・興信所が多いのです。
ポイント3:警察OBが在籍しているか
探偵業は個人・法人によって提出書類や手続き、監視の有無に違いはあるものの、資格はないため基本的には届出さえすれば誰でも営むことができます。
そのため、調査力が高い探偵事務所もあれば、素人でもできるような調査しか行うことができない探偵事務所もあります。
調査力が高い探偵・興信所というのは、調査技術の高さだけではなくあらゆる視点から調査を行い、推察しながら進めていくのが特徴です。
あらゆる視点から調査を行う視点があるかどうかを見抜くポイントとなるのが、警察OBが在籍しているかどうかです。
探偵と警察は聞き込みや張り込みなどの調査方法が許可されている点は似ていますが、調査方法は全く異なります。
探偵に警察OBが在籍しているということは警察の視点からも調査を進めることができるということです。
つまり、警察OBが在籍している探偵・興信所の方が調査の手数が多いため、調査力が高いと言えるのです。
ただ、警察の中にも様々な部署があり、捜査に関係しない部署に所属していた可能性もあります。
元刑事や公安など、捜査を行う部署に所属していた経歴があれば調査力が高いと推測できます。
HPで詳しい経歴が見られる場合はチェックしましょう。
ポイント4:すぐに「伺います」と言って事務所以外でヒアリングや契約を行っていないか
探偵・興信所には依頼者の個人情報や調査内容、調査で取得した情報、プライバシーに関する守秘義務があります。
そのため、探偵・興信所は他人に相談内容を聞かれるような状況になることを避けるのが基本です。
そのため、ほとんどの場合、探偵・興信所の事務所まで依頼者に足を運んでいただき、事務所内で相談内容をお伺いしています。
喫茶店など、多数の人に相談内容を聞かれる可能性がある場所はもちろん、依頼者の自宅で話を聞くこともありません。
そのため、問い合わせると「伺います」と言って依頼者の自宅や近くの喫茶店を指定する探偵・興信所は信用性が低い可能性が高いです。
ポイント5:料金システムを提示しているか
探偵・興信所と依頼者の間で起きるトラブルの多くは、料金に関するものです。
特に「事前に説明のなかった追加料金が発生した」というトラブルは後を経ちません。
基本的に探偵・興信所は、依頼者に対して重要項目の説明義務があります。
そのため契約前には必ず契約内容や料金についての説明を行い、見積もりを作成します。
見積もり作成後、依頼者が合意して初めて調査が開始されるのですが、調査中に思わぬ追加料金が発生するケースが全くないとは言えません。
追加料金が発生する可能性があるのであれば、それに関しての説明を行い、大体どれくらいになるのかなど大まかな料金を提示しているような探偵・興信所が安心です。
気になる探偵・興信所を見つけたらここを確認!良い探偵と悪い探偵を見分けるためのチェックポイント
上記の選び方のポイントを基準に選ぶことで、ある程度信頼できる探偵・興信所を選ぶことができますが、良い探偵と悪い探偵の見抜き方を知っておくことでさらに確実に信頼性があり調査力が高い良い探偵を選ぶことが可能です。
「気になる探偵・興信所があるけどお金を騙し取るような探偵だったらどうしよう・・・」と不安に感じた時は以下のチェックポイントを確認しましょう。
その1:ヒアリングの内容
契約前に行われるヒアリングの際にわざと不安を煽ったり契約を急かしたりするような探偵には注意が必要です。
そもそもヒアリングは依頼者の相談内容や目的をしっかりと把握するために行われます。
ヒアリングが不十分なまま契約してしまうと、正確な見積もりやスケジュールが出せなかったり、思わぬ追加料金が発生してしまったりすることも考えられます。
ヒアリングの際に依頼者の調査目的や依頼内容について親身になって聞いてくれる探偵・興信所を選びましょう。
その2:料金体系
きちんとした探偵・興信所の場合は詳細な見積もりを出して依頼者に説明をした上で調査に取り掛かるため、料金に関するトラブルは少ないのが特徴です。
一方で、悪質な探偵・興信所の場合は大まかな見積もりしか作成せず、調査員の人数や調査時間などを水増しするケースが見られます。
料金体系によってもトラブルのパターンは異なるため、それぞれの料金体系の特徴を把握しておきましょう。
時間型 | 一般的に「1時間当たりの料金×調査員数×稼動時間」で計算されます。調査時間が少ない場合は料金を安く抑えることができるものの、調査時間が長いと割高になるケースあります。 |
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パック型 | ○時間○万円など時間と料金が決まっている料金体系です。調査時間が長い場合は割安ですが、予定よりも早く調査が終了した場合は割高になります。 |
成功報酬型 | 調査が成功した時に料金が発生するプランです。着手金が必要な場合もあるので注意しましょう。調査の難易度によって料金が変化するのが特徴です。 |
中でも注意が必要なのは成功報酬型の料金体系をとっている場合です。
成功報酬型は依頼者と探偵・興信所の間で成功条件を設定し、成功条件をクリアしたら料金が発生するという仕組みです。
この仕組みを逆手に取って探偵・興信所側が依頼者の目的にマッチしていない簡単にクリアできるような成功条件を設定しようとしたり、ろくな調査をしていないのに「浮気はしていなかった」と結論づけて料金を請求したりするケースがあります。
料金体系に少しでも疑問がある場合は、しっかりと探偵・興信所に確認しましょう。
確認した際にも詳細な料金を提示することを避けるようなところは良い探偵・興信所とは言えません。
その3:行政処分の有無
「探偵・興信所を選ぶ時に重視すべき5つのポイント」でも説明した通り、探偵業を営むためには公安委員会に届出をし、探偵業届出証明書を交付してもらうことが必須条件です。
届出を行わずに営業を行うと営業停止命令や営業廃止命令などの行政処分を受けることになります。
また、違法性のある調査を行った場合や行き過ぎた調査行った場合も同様に行政処分が下されます。
探偵・興信所の中には過去に行政処分を受けたことがある事務所が存在しますが、届出を行わないまま営業した経歴や、違法性のある調査を行ったことがあるような探偵・興信所へ依頼するのはおすすめできません。
警視庁のHPでは、過去3年間で営業停止命令を受けた探偵・興信所を確認することが可能です。
もし現在気になる探偵・興信所がある場合は一度行政処分の有無を調査してから依頼するとよいでしょう。
ネームバリューで選ぶのは危険!ポイントを押さえて良い探偵・興信所を見極めよう!
「よく広告を見かけるから」「有名だから」という理由で信頼できる探偵・興信所であると判断しがちですが、このような選び方はおすすめできません。
なぜなら、有名だからと言って信頼性や調査力が高いとは言えないからです。
また、HPでは信頼性や調査力に関して見極めることが難しいため、メールや電話で問い合わせをしてから実際に事務所に出向くのがよいでしょう。
中には無料相談などを行っている探偵・興信所もありますが、無料相談を利用したからと言って必ず契約しなければならないということはありません。
今回ご紹介した良い探偵・興信所の選び方や見抜き方を参考にして信頼性や調査力の高い探偵に依頼しましょう。
※1:警視庁「令和2年中における探偵業概況」