探偵に無料相談するときに準備・確認が必要な理由
ほぼ全ての探偵事務所では、依頼前の無料相談を受け付けています。しかし、一刻も早く相談にのってほしいからと、突然電話をかけたり、メールを送ったりすることはおすすめできません。
事前準備ができていないまま、依頼することによるデメリットについて見ておきましょう。
準備・確認不足のまま無料相談をして失敗した事例
- 相談の後、重要な質問の聞き忘れに気付いた
- 「早く調査すべき」と言われ、強引に契約させられた
- 調査能力の低い探偵事務所に依頼してしまった
- 調査を依頼すること自体に迷いがあったが、押し切られる形になってしまった
- 相談員との相性が合わないと思ったが断りきれなかった
- 自分の中で何を依頼したいかがまとまっておらず、不必要な調査まで頼んでしまった
- 提供できる情報を一度で伝えきれず、後出しになってしまったため、結果的に調査が長引いた
準備・確認不足のまま無料相談をしてしまったことで、後悔する結果になっていることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
探偵事務所側は、プロのため「話すことが苦手」「緊張してうまく伝えられないかも」といった心配は不要ですが、
- 調査対象者についてのデータ
- 依頼内容
- 証拠を元に、どうしたいのか(不倫・浮気調査であれば、離婚か夫婦関係の修復かなど)
- 希望予算
といった内容は、依頼主であるあなたにしかわからないことです。
また、HPを見た時点で感じている不安・疑問に関しても、探偵側が全てを察知することはできません。
無料相談は
- 依頼する探偵事務所を選ぶための相談
- 本当に探偵に依頼するかどうか、自分の心と向き合うための相談
- 依頼する場合の調査方法や求める証拠の質など、具体的な内容の相談
の3つを確認するための相談です。どれか1つが欠けても、安心して調査を依頼することはできないと思いませんか?
安心し、良質な調査をして欲しいと思うのであれば、依頼主側も準備・確認が必要です。そうすることで、探偵側もスムーズに、適切な調査方法の提案ができるようになります。
電話・面談の前に最低限準備しておきたいこと
最初に依頼主が探偵事務所に連絡をとる手段といえば、電話です。ほとんど全ての探偵事務所が無料相談を受け付けており、いきなり面談をするよりも心理的に安心感があると感じる方も少なくありません。
しかし、いくら無料相談とはいえ、曖昧な相談内容では曖昧な回答しか得られません。今後の調査・相談をスムーズに進めるためには、無料相談の段階で、どれくらいしっかり情報と希望を伝えられるかどうかが重要となります。
電話の無料相談に向けた事前準備
最初に、電話をかける前の準備事項からお伝えしておきましょう。
現在の状況を書き出しておく
電話の相手である相談員も、あなたの依頼内容や状況についてひとつずつ確認しながら、相談にのってくれます。
しかし、話しているうちに興奮し「言いたいことがうまく伝えられなかった」「重要なことを言い忘れた」といったことが起きる可能性も高いため、事前に一度紙に書き出し、客観的な視線をもっておくと良いでしょう。
時系列で書き出すことで、より状況が整理しやすくなり、相手にも伝えやすくなります。
調査の目的を考えておく
例えば、同じ浮気・不倫調査だとしても「離婚」「夫婦関係の修復」「浮気相手への慰謝料請求」「配偶者への慰謝料請求」など、目的は人によって異なります。
また、目的に合わせて探偵の調査方法・内容が変わることが一般的です。つまり、目的をきちんと告げることが正確な見積もりを貰う第一歩と言えます。できる限り具体的にイメージしておきましょう。
迷っている場合は、自分の心と向き合う
「探偵に依頼するかどうか」を迷っている場合は、無料相談の電話をかける前に、もう一度自分自身としっかり向き合うことが必要です。
あなたが依頼を迷う理由は何でしょうか?
- 配偶者を疑っているようで、辛い
- 本当に信頼できる探偵なのかわからない
- 高額な依頼料金を請求されるのではないかと不安
- 住所や氏名を伝えることで脅されたりしないだろうか
配偶者を疑うきっかけがあったからこそ、探偵への依頼を悩んでいる今の状態があるのです。依頼し、調査を進めることで「疑いが晴れ、スッキリした」という方もいらっしゃいます。
また、依頼料金のシステムや調査方法について確認するために、無料相談があるわけですから、まずは話を聞いてみなければ信頼できる探偵事務所かどうかはわかりません。
電話の無料相談は、調査依頼ではないため、良心的な探偵事務所であれば、住所・氏名については、無理に尋ねることはありません。どうぞ、ご安心ください。
もし上記以外の理由で、漠然とした不安を抱えている場合は、無料相談の段階で「依頼するかどうかはまだ迷っている状態です」との旨をしっかり伝えましょう。
依頼するかどうかを決めるのはあなたです。よほど緊急の内容以外、全ての話を聞き、もう一度頭を整理して考え決断しても遅くはありません。
面談の無料相談に向けた事前準備
電話相談を終え「もう少し詳しい内容について相談したい」「具体的な調査価格が知りたい」など、もう一歩踏み込んだ内容を求める場合は、面談の無料相談に進むことになります。
当日の持ち物や整理しておくべき情報は、次章でより詳しく説明するため、ここでは、主に心の事前準備と面談場所の確認についてお伝えします。
電話相談において、伝え忘れたことはないか
事前に紙に書き出し、できるだけ落ち着いて電話相談をしたとしても、相談しているうちに感極まったり、様々な感情が浮かんできたりする方は少なくありません。
言い忘れたこと、絶対に伝えたいことはないか、面談の日までに、電話の内容を振り返り確認しておくと安心です。
面談の場所、時間を確認する
当たり前なことだと思われがちですが「探偵に相談する」という、通常とは少し異なる状況の場合、普段では考えられないミスをする可能性があります。場所や日時の勘違いなどを防ぐためにも、もう一度しっかり確認しておきましょう。
また急な予定の変更に備えて、緊急連絡先を聞いておくことも必要です。
面談前に「情報の整理・揃えるもの・伝えること」の準備は必須!
それでは、ここから具体的な3つの準備内容について見ていきましょう。
情報の整理
まず、必要となるのが情報の整理です。探偵側から尋ねられたり、記入すべきシートを手渡されたりすることもありますが、事前に書き出しておくことで落ち着いて相談できます。
依頼内容によって情報の必要・不要は異なるため、下記の例はあくまで一例です。まずは一度、調査に関係する内容を、わかる範囲で全て書き出しておきましょう。
調査対象者の情報
- 名前
- 生年月日
- 身長
- 体格
- 住所
- 携帯番号
- 勤務先の名称
- 勤務先住所
- 写真(できるだけ最近撮ったものが望ましい。顔・全身)
- 車種と色、ナンバー
- 行動パターン(残業の頻度や休日など)
- 普段の移動手段(車や公共交通機関など)
- 趣味
- 行きつけの店や好みの場所
- 喫煙の有無
- 友人関係
- 恋愛関係
- 学歴
- 職歴
- 性格(警戒心が強いかどうかなど)
依頼主自身の情報
- 名前
- 住所
- 生年月日
- 携帯番号
- 行動パターン
- 勤務先の名称
- 勤務先
- 車種と色、ナンバー
- 調査対象者との共通の友人(いれば、名前や住所、連絡先)
依頼内容に関すること
- 依頼しようと思ったきっかけ
- 証拠取得後の行動
- 予算の上限
- 調査期間の希望
- 調査対象者が行動を起こしそうな日時
ここでのポイントは、曖昧な情報は記入しないという点です。うろ覚えの情報を伝えてしまうことで、調査が混乱することは少なくありません。わからないことは、正直にわからないと言うことが大事です。
揃えるもの
依頼したい内容に関する証拠や情報は、できる限り揃えておきましょう。ただし、無理をしない程度で構いません。
特にスマホやパソコンの中のデータは、トラップが仕掛けられている可能性もあります。あくまで、できる限りにとどめておきましょう。
浮気・不倫調査に関する証拠
- 電話帳
- 通話記録
- メール
- 通信アプリ
- 画像
- 予測変換機能
- レシート(デート用の店やラブホテルなど)
- 見知らぬ店のポイントカード
- (相手の予測がついている場合)名前や住所、写真など
所在調査・人探しに関する情報
- 家を出たときの服装
- 日記やメモ
- 所持金
- 持ち物
法人調査・信用調査に関する情報
- 名刺(名前などの間違いを防ぐため)
- 写真
ストーカー調査・嫌がらせ・ご近所トラブルに関する情報
- 怪しいと思われる人物の写真
- 残っている証拠(手紙やプレゼント、嫌がらせ現場の写真など)<
- 写真
上記以外にも、調査対象者に関する情報・証拠があれば、全て準備しておきましょう。あなたが何気なく話したひとことや用意した品物が、調査を大きく進展させる可能性があります。
伝えること
面談段階で必ず伝えるべきことは「調査結果を得た後の行動」と「予算」です。
特に告訴や慰謝料請求を視野に入れている場合、裁判で通用する証拠を集める必要があります。特に浮気やストーカーのように、相手がいる場合は、相手の所在地も調べなければ、裁判を進めることができません。
当初の依頼内容によっては、追加調査が発生する可能性や二度手間となることがあります。探偵に相談する段階で、その旨を伝えておくことで、探偵も事前に綿密な計画を立てて動くことができるため、よりスムーズな調査が可能です。
また、事前にある程度の予算を考えておき、上限を設定しておきましょう。
依頼内容別の各ページにて、相場の金額を記載していますが、依頼内容や提出できる証拠の量、難易度によって大きく変動することがあります。
そのため、相談時の見積もりを見た上で、予算上限を超えていた場合は、一度話し合ってみましょう。
契約前に確認しておくこと・見ておくこと
無料相談を終え、見積もりの金額に納得できれば、実際の調査依頼まであと少しです。しかし、ここで気を抜いてしまってはいけません。
契約前に必ず確認しておくこと・見ておくことをご説明します。
追加料金について
面談の際に提示された見積もりを確認したあとは、追加料金の発生の有無について確認しましょう。
追加料金に関するトラブルとして
- 調査に必要だからと調査員の人数を勝手に増やされ、人件費を追加請求された
- あと数日調査を続ければ、確実な証拠が手に入ると勝手に調査を延長された
- 見積もりの中には、交通費やカメラ使用代などの経費が含まれていなかった
といったものがあります。
調査中に想定外の出来事が起こることもありますが、一般的な探偵事務所の場合、勝手に人員を増やしたり、調査期間を延長したりすることはありません。
必要な場合は、必ず依頼主に連絡し、許可を得てから行動に移します。追加料金の有無について確認しておくことで、見積もり金額と実際の支払い金額が大幅にかけ離れるといったトラブルを防ぐことが可能です。
キャンセル料について
「調査を依頼したけれど、やっぱり取りやめたい」「依頼する理由がなくなった」といった事態が起こる可能性もゼロではありません。
一般的に、依頼主の都合によるキャンセルはキャンセル料が必要だと思っておいた方が良いでしょう。法律に基づくキャンセル料の規定はなく、各探偵事務所によってパーセンテージは異なります。
キャンセルを申し出た時期により、いくら必要になるのかという点を確認しておきましょう。
また、探偵側のミスにより調査継続ができなくなった場合は、前払いしていた調査料金があったとしても、完全に返金されることが一般的です。ただし、念のため返金制度について確認しておいたほうがよいでしょう。
クーリングオフの適用範囲に注意
2008年から、探偵との契約にもクーリングオフが適用されるようになりました。契約後8日以内であれば、理由を問わず契約を解除することが可能です。
ただし、クーリングオフが適用される条件として「探偵会社の事務所・依頼主の自宅」以外の契約と定められている点にご注意ください。
調査報告書の内容について
探偵事務所共通の調査報告書やテンプレートといったものは存在しません。そのため、どのような調査報告書が提出されるのか、また、写真は何枚添付されるのかなど、具体的内容を確認しておく必要があります。
「個人情報保護のため、見せられない」という探偵事務所は信頼してはいけません。一般的な探偵事務所であれば、事例ごとにサンプル用の調査報告書をつくっているからです。
また
- 調査期間中に、浮気の事実がなかった(調査対象者と依頼主が出会っていない)
- 調査期間中に、嫌がらせ行為やストーカー行為がなかった
- 疑わしい写真の素行調査を依頼した期間中は、偶然真面目に働いていた
など、結果や証拠が得られなかった場合の調査報告書についても尋ねておきましょう。
悪質な探偵事務所の場合、全く調査を行わず「問題なし」「証拠なし」と嘘の報告をするケースもあります。
契約書の内容について
相談の段階であっても、契約書の内容について確認することは可能です。いくら口頭で丁寧に説明してくれたとしても、契約書に記載されていなければ「そんなことは言っていません」と突っぱねられてしまう可能性があります。
特に
- 調査内容
- 追加請求の有無(ある場合は、条件がしっかり記載されているかどうか)
- キャンセルの条件とキャンセル料
- 日時の変更に関する対応(当日変更の場合に発生する料金など)
- 成功報酬の場合「何をもって成功とするか」
- 調査終了後に提出する報告書の内容
など、話し合いの上で決めた細かな内容は、全て記載されているかどうか、必ず確認しておきましょう。