【投稿日】 2021年8月16日 【最終更新日】 2021年10月21日

相手に恋愛感情を芽生えさせて金銭を奪い取ったりする恋愛詐欺が増えているといいます。

ここでは、恋愛詐欺の手口や見分け方、だまされた時の対処法、およびだまされないためにはどうすれば良いのかについて詳しく解説します。

いずれにしても、怪しいと感じ始めたら早めに気づいて動くことが大切です。

恋愛詐欺の典型的な手口

「恋愛詐欺」とは、恋愛感情を利用して相手をだまして、金銭を搾取したり、物品を買わせたり、保証人にならせたり、返済の意思もないのに金品を借りたり、個人情報を抜かれたりして、そのまま音信不通になってしまう詐欺行為のことです。

このような恋愛詐欺は、昔から行われてきた典型的な詐欺行為ですが、最近ではマッチングアプリを利用したケースが多くなっています。

被害者は、金銭などをだまし取られる金銭的被害と恋愛感情を弄ばれる精神的被害を二重に受けることになりますので、悪質極まりない詐欺と言えます。

ここでは、この恋愛詐欺の典型的な手口について紹介します。

恋愛詐欺の手口にはいろいろあるように思われるかもしれませんが、基本的には次のような流れで行われます。

  1. 好意があるフリをして近づいて来る
  2. 恋人関係になって精神的に依存させる
  3. 理由をつけてお金を借りようとする。または、高額の商品を買わされたり投資話を持ちかけられたりする
  4. 借りたお金を返すことなく、ある日突然いなくなる

それぞれのステップについて詳しく説明します。

「好意があるフリをして近づいて来る」ですが、最近ではマッチングアプリを利用して近づいてくる例が増えているそうです。

マッチングアプリ上で仲良くなって、実際に会うことになるのですが、その相手はイケメンで高収入、高学歴など、恋人としてこの上ない条件を備えていることが多いようです。

デートのときも、今まで誰もしてくれなかったような最高のエスコートをしてくれてお金払いも良く、本当に最高の彼氏を演じてくれます。

その結果、完全にあなたの心を掴んで、彼氏なしではいられないような状態にまでに精神的に依存させます。

このように女性をその気にさせるのも非常に巧みで、あっという間にあなたの恋人の地位を確保してしまいます。

この「恋人関係になって精神的に依存させる」という段階になると、あなたは恋愛詐欺だということなど全く考えることができないようになっています。

そこで、詐欺師は本性を少しずつ現してきて、いろいろな「理由をつけてお金を借りようとする」ようになります。

その口実としては「親が事故でお金が必要になった」「事業に失敗して借金ができた」などで、普通であれば「なにかおかしい」とか「怪しい」と感じるような理由なのですが、あなたは自分がだまされているとは一切考えず「あの人のためにお金を用意しなければ」と高額な金銭を恋人に貸してしまいます。

または、宝石や貴金属、腕時計や絵画などの生活に不必要な高額な商品を買わされたり、交際相手から投資の話を持ち掛けられて、高額な費用を要求されたりします。

その後多くの場合、「借りたお金を返すことなく、ある日突然いなくなる」ので、そのときにはじめてだまされていたことに気づくのです。

デート商法や結婚詐欺に発展する場合も!

恋愛詐欺の典型的な手口は先述のとおりですが、これが発展して「デート商法」や「結婚詐欺」になる場合もあります。

まず「デート商法」ですが、これはデートを装って高額な商品を購入させる詐欺です。

以前のデート商法では絵画や宝石、毛皮などの商品を買わせるのが主流でしたが、最近では不動産や株式などの投資関係の商品を購入させるケースが増加しているということで、被害額も高額になってきています。

また「結婚詐欺」は、結婚する意志がないのに結婚を餌にして異性に近づき、相手をだまして金銭を巻き上げたり、返済の意思もないのに金銭を借りたりする詐欺行為です。

恋愛詐欺で恋人になってから、「君と結婚したいな」などと結婚をちらつかせてきて、恋愛詐欺同様にいろいろな理由をつけてお金を借りたり、またはお金を巻き上げたりします。

そしてある日突然連絡が取れなくなってだまされていたことに気付くという、まさに恋愛詐欺の延長上にある詐欺行為と言っていいでしょう。

恋愛詐欺なのかを見分ける3つのポイント

次に、恋愛詐欺なのかどうかを見分ける3つのポイントについて説明します。

【1】交際前と後で態度が明らかに違う

恋愛詐欺なのかどうかを見分ける1つ目のポイントは、交際前と交際後で態度が明らかに違うことです。

これは、交際前の「恋人の地位を確保するまで」の態度と交際後の「完全に恋人状態になってから」の態度が明らかに違うということです。

恋愛詐欺では、相手が自分のことを理想の恋人だと思い込んで「完全に自分に依存した状態」にすることが非常に重要ですので、交際前は最高の彼氏を演じて「完全に自分に依存した状態」になるように仕向けているということなのです。

交際がはじまって恋人関係になってしまうと「完全に自分に依存した状態」になっているため、以前ほど最高の彼氏を演じる必要がなくなったと考えているのだと思われます。

【2】交際しているのにもかかわらず相手が自分の素性を全然明かそうとしない

恋愛詐欺なのかどうかを見分ける2つ目のポイントは、交際しているのにもかかわらず相手が自分の素性を全然明かそうとしないことです。

交際がはじまって恋人関係になっているにもかかわらず、「自分のことをあまり語らない」「家族のことも語らないし会わせてくれない」など素性を明らかにしない場合は、恋愛詐欺の可能性を疑ってみた方が良いかもしれません。

また、運転免許証や身分証明書なども一切見せてくれないという場合もあります。

【3】交際後、高額なお金の貸し借りや物品購入、個人情報記載、投資の紹介などの要求をしてくる

恋愛詐欺なのかどうかを見分ける3つ目のポイントは、交際がはじまった後に、高額なお金の貸し借りや物品購入、個人情報記載の要求をしてきたり、投資の紹介をしてくることです。

恋愛詐欺の手口のところでも述べましたが、交際をはじめてから何かと理由をつけてお金を借りようとするようになってきたり、物品の購入をせがんだり、投資話を持ちかけてきたりするようになります。

この段階で普通であれば「何かおかしい」と感じることができるのですが、相手のことを完全に信用してしまっているので、「なんとか彼を助けになりたい」とか「なんとか彼の意向に沿いたい」いう一心から高額なお金を相手に渡してしまうのです。

恋愛詐欺にだまされてしまった時の対処法

まず、「自分がだまされているのではないか」「なんとなく怪しい」と思い始めたら、すぐに記録を取って証拠として残すようにすることが大切です。

完全に詐欺師の術中にはまってしまうと、このように怪しいと思うことさえなくなるのですが、少しでもこのような気持ちが残っているのであれば、少し冷静になって証拠を残すことを考えましょう。

LINEやメールのやりとりの記録を取ったり、ボイスレコーダーで会話や電話のやりとりなどを録音したり、ありとあらゆるものを記録しておくようにしましょう。

また、実際にだまされて金品を貸したり取られたりした場合は、証拠として残した記録などを持って、次に説明する警察や弁護士、探偵、NPOなどの第三者に相談することをおすすめします。

なお、くれぐれも自分だけで解決しようと考えないことが大切です。

<1>警察など公的機関に相談

まず最初におすすめするのは、警察への相談です。

「被害届を出すほどの被害は出ていない」または「今の状態が詐欺被害と言えるのどうかはわからないがなにか怪しい」といった曖昧な状態にある段階では、まず電話番号「#9110」の「警察相談専用電話」に電話して相談するという選択肢があります。

この相談窓口は、受けている被害がどのような犯罪に該当するのかが明らかになっていなくても相談できますので、わからないことなどについて何でも相談することができます。

もし、実際にお金をだまし取られて被害を受けている場合は「詐欺罪」という刑事事件に該当しますので、被害届を提出して捜査をしてもらうことができます。

しかしながら、だまし取られたお金が戻ってくるケースは非常に少ないのが実情です。

警察に被害届を出す場合は、「彼がはじめからあなたをだますつもりで近づいた」ということを証明するための証拠が必要となりますので、先述のように証拠として記録を残しておくことが重要となるのです。

なお、「証拠を揃えられない場合」や「被害金額が軽微な場合」または「金銭的な被害がない場合」は、民事事件と判断されて「民事不介入」の原則から警察が関与してくれないこともあります。

<2>弁護士や探偵など民間機関に相談

詐欺師への処罰よりもだまし取られたお金や貸したお金の返金を優先させたいと考えているのであれば、弁護士に相談して返金交渉を依頼する方法があります。

相手に返済能力があり相手の住所がわかっているような場合は、詐欺師側が刑事事件として逮捕されて身柄拘束されることを回避するために、返金に応じることも少なくありません。

しかし、相手に支払い能力がない場合は、お金を取り返すことはできません。

また、弁護士に依頼する場合は弁護士への報酬が必要となりますので、被害額が少ない場合は弁護士報酬の方が高額となってしまうことがあります。

相手の住所などがわからない場合は、探偵に依頼して所在調査をすることもできます。

多くの探偵事務所では、恋愛詐欺に関する無料相談などを行っていますので、まずは相談してみて解決方法についてのアドバイスをもらうという方法も考えられます。

<3>結婚詐欺や恋愛詐欺相談を行っているNPOや企業などに相談

ネットで検索をすると結婚詐欺や恋愛詐欺に関する相談を受け付けているNPO法人がありますので、電話やネットを通じて相談することができます。

専門の相談員やカウンセラーによるカウンセリングが行われて、解決方法についてのアドバイスを受けることができたり、実際に被害を受けている場合は被害状況に応じた相談先(警察、弁護士など)を紹介してくれたりします。

ただし、NPO法人には法的な実行力はありませんので、あくまでアドバイスや相談先の紹介などになってしまいます。

恋愛詐欺にだまされないためには?押さえておくべき3箇条

ここまでに、恋愛詐欺の手口や恋愛詐欺にだまされてしまったときの対処法について説明してきましたが、そもそも恋愛詐欺にだまされないためにはどうすれば良いのでしょうか?

ここでは、恋愛詐欺にだまされないために押さえておくべき3箇条について説明します。

【1】信用が得られるまでは高額な金銭貸与や、プレゼントなどの購入はしないと決める。

1つ目は、相手の素性がはっきりと分かって信用できる人だという確証が得られるまでは、高額な金銭の貸与やプレゼントなどの購入はしないと決めておくことです。

最近では、ネットやマッチングアプリなどを通じて恋愛関係になり交際を始めるケースも増えてきていますが、真剣な交際を考えているのであれば相手のきちんとした素性を知っておくべきだと思われます。

恋愛詐欺の場合は、自分の素性を明らかにせずに高額な金銭を貸してくれと言い出したり、高価なプレゼントを要求したりして来るのが常道ですので、このように決めておくことによって恋愛詐欺にだまされる確率は非常に低くなると思われます。

【2】高額な金銭の貸与や物品購入などを迫られた場合には、必ず裏を取る!

2つ目は、高額な金銭の貸与や物品の購入などを迫られた場合は、必ず裏を取ることです。

先述のように、お金を貸してほしいという口実として「親が事故でお金が必要になった」「事業に失敗して借金ができた」などを挙げてきますが、これが本当なのかどうかをきちんと調べてみるようにしましょう。

病気や事故で入院しているということであれば病院名を聞いてみて、実際にその病院に問い合わせてみましょう。

このように、必ず本当かどうかを確認することによって、多額の現金が必要になる口実が事実かどうかを確かめることができ、だまされることがなくなります。

その他、自分で調べることが難しい場合は、探偵に依頼して素性調査をしてもらうこともできます。

【3】友人などに相手のことを赤裸々に話してみる

3つ目は、友人などに相手のことを赤裸々に話してみることです。

恋愛詐欺の場合、自分自身には相手に対する恋愛感情があるため、なかなか違和感や怪しさを感じにくくなっています。

人に話してみると自分自身が冷静になることができますし、友人など第三者から客観的に判断してもらったり、意見を聞くことができます。

その上で、やはりおかしいということになったら、然るべき第三者に相談するようにしましょう。

恋愛詐欺は自分で気づくのが難しい!だからこそ第三者の目を!

この記事では、恋愛詐欺の手口や見分け方やだまされた時の対処法、だまされないためにはどうすれば良いのかなどについて説明してきました。

恋愛詐欺や結婚詐欺の特徴として、自分自身でだまされていることに気がつくことは非常に難しいということが挙げられます。

完全に恋人である相手を信用しきっていますし、精神的に依存していますから、普通であればおかしいということや怪しいことにも気づくことができない状態に陥っているのです。

だからこそ、警察や弁護士、探偵、NPO法人などの第三者に相談してアドバイスを受けることが重要なのです。

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