【投稿日】 2023年3月10日 【最終更新日】 2023年3月24日

コロナ禍やウクライナ情勢などの影響を受けて、原材料や燃料費などは世界的な物価高騰が続いています。

特に中小企業などでは、資源高騰の影響により資金繰りが悪化して経営不振に陥る事態が増えています。

もし、取引先が突然音信不通になってしまったら、まずは倒産の可能性を考えなければなりません。

今回は、このような「取引先企業が音信不通になった場合」、優先的に確認すべき4つの事項について解説します。

取引先が音信不通になったとき優先的に確認すべき4つの事項

取引先が音信不通になったときに予想されることは、その取引先の倒産です。

そして、同時に注意しなければならないのは、取引先の倒産のあおりを受けて自社が連鎖倒産してしまうことです。

連鎖倒産には至らない場合でも、倒産した取引先の債権回収ができずに資金繰りが悪化することは考えられます。

これらの影響を最小限に留めるためにも、取引先の動向には十分注意を払っておく必要があります。

しかし、どんなに注意をしていたとしても、取引先が突然音信不通になってしまうようなことが起こるかもしれません。

そんなときに、優先的に確認すべき事項は次の4つです。

【1】取引先の正確な情報収集と確認

噂レベルの情報で、軽々に行動を起こすべきではありません。

したがってまずは取引先に関する正確な情報収集と確認が必要です。

企業の「倒産」を細かく分類すると、以下の表のようになります。

法的倒産 民事再生法 民事再生法に基づく倒産手続で、企業が存続するために一定の財産の保有を認めて債務を圧縮して、企業の経済的な更生を図るものです。
企業自身が手続きを行い、裁判所から選任された監督委員が手続きの進行を監督します。
会社更生法 大企業を想定した会社更生法に基づく倒産手続で、企業が存続するために一定の財産の保有を認め、債務を圧縮して企業の経済的な更生を図るものです。
経営陣の刷新が必要で、裁判所から選任された更生管財人が手続きを行います。
破産 破産法に基づく倒産手続で、裁判所から選任された破産管財人が破産者の財産を処分清算します。
清算して得られた金銭は、債権者に弁済・配当されます。
特別清算 会社法の特別清算規定に基づく倒産手続で、企業の資産や財産をすべて処分清算することによりその企業は消滅します。
基本的に、清算人が手続きを行います。
私的倒産 銀行取引停止 企業や個人が6カ月間に2度小切手や手形の不渡りを出すと「手形交換所取引停止処分」を受けます。
この処分を受けるとその後2年間は、当座勘定や貸出しの取引をすることができません。銀行取引ができない状態とは「事実上の倒産」を意味します。
内整理 企業が支払不能や債務超過に陥った場合に、法的手続きをとらずに債権者と話し合って債権債務の整理を行うことをいい、「事実上の倒産」の状態となります。

引用元:企業が倒産する5つの予兆。自社や取引先の安全性を客観的に確認するにはどうすべきか。

一般的に「○○が倒産した」という場合は、手形の不渡りなどを出して「銀行取引停止」になったことをいう場合が多いです。

その場合は「本当に取引先が不渡りを出したのか」という事実確認と「今後どのような法的手続を考えているのか」ということを、確実に調べる必要があります。

事実確認や今後の動向をうかがう方法としては、取引先の本社や工場などに直接出向いて、社長などの責任者から状況を聞き出すといったことが挙げられます。

【2】担保物件や納入済商品の確認

取引先の本社や工場などに出向いて確認すべきこととして、担保物件や納入済商品の所在確認があります。

当然、他の債権者も同じ行動をとり、同じ情報を得ている可能性があるので、担保物件や納入済商品が他の債権者に不当に奪われないように確保する必要があります。

たとえば、自社の担保物件が存在するのかどうか、存在する場合には自社の担保物件であることを記載したプレートなどが貼ってあるかどうかなどを確認し、プレートがはっきりわかるように写真を撮っておくと良いでしょう。

もしプレートが付いていない場合は、債務者に相談の上、新たにプレートを貼ってから写真を撮っておきましょう。

【3】取引先に対する債権や債務の確認

倒産しそうな取引先がある場合、取引先に対する債権や債務の種類、金額、支払い期日などを確認することも必要です。

例えば、未回収の売掛金(債権)がいくらあるのか、また取引先に対して買掛金(債務)がある場合はいくらなのかを明確にしておきましょう。

これは、もし取引先が倒産してしまった場合でも、売掛金と買掛金を「相殺」することによって売掛金(債権)を回収することができるからです。

また破産法に基づく破産手続きが行われた場合に、清算金の配当を受けるためには「債権届出書」を提出する必要があるため、あらかじめ債権の内容とその金額を確認しておく必要があります。

【4】取引先との契約内容の確認

取引先が倒産してしまった場合は、取引先との売買契約書の内容を確認することも必要です。

たとえば、「所有権の移転時期」や「所有権留保」についての記載の有無を確認するなどです。

各記載を確認し「所有権は本件商品の代金を完済により移転する」や「完済までは所有権は留保する」といった表記がある場合は、納品済商品であっても支払いを受けていない商品の所有権は自社にあることになります。

また、「期限の利益の喪失及び契約の解除」について「自ら振出し又は引受けた手形・小切手について不渡り処分を受けたとき」や「その他信用状況が悪化したとき」などという記載があり、さらに「上記事由により無催告解除」などと記載されている場合は、その売買契約書を解除することが可能です。

つまり、その後の納品を中止することができるということになります。

ただし、取引先が再建型の倒産手続を開始した場合は事業を継続することになり、納品を継続する必要があると考えられます。

しかしながら、その事実が確認できるまでは慎重な対応が必要です。

取引先の正確な情報を収集することと確認が先決!

今回は、取引先が突然音信不通になってしまったときに優先的に確認すべき4つの事項について解説しました。

このような状況で最初に確認すべきことは、その取引先が現在どのような状況にあるのかを正確に情報収集して確認することです。

また並行して、その取引先に対する債権や債務の確認や、取引先との契約内容の確認を行いましょう。

取引先企業の倒産による悪影響を受けないために、自社が受ける損失を最低限に留める準備を怠らないようにしてください。

倒産先企業の行方調査などは探偵事務所SATまで!

倒産先の企業に連絡がつかず、音信不通な場合、企業が倒産していたり、何らかの問題が起きている可能性があります。

企業が倒産してしまうと、そことお仕事の取引を行っていた企業や個人にとっては、死活問題です。

なぜなら、倒産した企業からの全額の債権回収は難しいためです。

そのため、取引前の企業調査はもちろんのこと、企業の倒産の予兆などを継続的にキャッチアップし、不利益を被らないようなチェック体制を作っておく必要があります。

また、倒産をして音信不通になる企業も少なくありあません。

もし、取引先企業が倒産をして音信不通になってしまったら、探偵事務所SATまでご相談ください。

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