恋愛感情やそれに伴う恨みから、特定のターゲットをつけ狙い迷惑行為をはたらく人物をストーカーと呼びます。

ストーカー規制法という法律があるということは知っていても、実際にストーカーの被害を受けたときに、何をどうすればいいのかわからない人がほとんどではないでしょうか。ストーカーによる迷惑行為は犯罪なので法で裁くことができますし、そのためには早い段階での正しい対応が大事です。

この記事では警察に相談する場合の注意点や、警察によるストーカー対策、警察以外の相談先、自分でできる対処法と予防策などについてできるだけ詳細にまとめました。

ストーカーは身近な犯罪です。既に被害に遭っている人はもちろんですが、まったく心当たりのない人も、是非この記事を読んでストーカー被害の予防をしてください。自分だけでなく近しい人を守るためにも必ず役立ちます。

ストーカーの被害に遭ったときにまずするべき正しい対処法

ストーカー規制法における「つきまとい等」にあたる行為

  • つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつき等
  • 行動監視をしていると告げる行為
  • 面会・交際等の要求
  • 著しく粗野・乱暴な言動
  • 無言電話、拒否後の連続電話、ファクシミリ、電子メール・メッセージの送信等
  • 汚物などの送付
  • 名誉を傷つける事項の告知
  • 性的羞恥心を害する事項の告知

以上8つの項目に当てはまる行為がストーカー規制法において「つきまとい等」とされ、これらが繰り返し行われることでストーカー行為とみなされます。

迷惑行為を繰り返し行われたという実績がなくては、警察にできることは限られてしまいます。警察に有効な対処法をとってもらうために、初期段階で正しい対処をしましょう。

はっきりと拒否・拒絶する

つきまとい等の中には、交際相手や仲のいい友達などの親しい間柄であれば許される行為もあります。それらの行為は拒否しているのに繰り返されることで、はじめてストーカー行為として取り締まりが可能となります。

ですからまずは、その行為を嫌がっている、やめてほしいと思っているという拒否の姿勢を相手に示さなくてはなりません。

その場合「やめて」と言うだけでなく、「やめなければ警察に相談する」などの具体的な対策を示すと効果的です。もちろん言うだけでなく実際相談しても構いませんし、警察に限らず弁護士や家族・友人、職場なら共通の上司などを出してもいいです。

被害の記録をつける・証拠を残す

ストーカー行為が繰り返し行われたことの証拠も残しておけば、後で警察などに相談したり法的措置をとったりするときに役立ちます。

証拠となるもの

  • 手紙や贈り物(勝手にポストに入れられたものなど)
  • 嫌がらせ目的で送り付けられた汚物やごみなど(残せないものは写真に撮る)
  • 送られてきたメール
  • 電話の着信履歴と音声の録音データ
  • その他の暴言や乱暴な言葉遣いの録音データ
  • ストーカー行為の証拠写真(探偵などに依頼して撮ってもらう)

記録すべき内容

  • 被害の詳細な内容と日時(その場に同行していた人物についても)
  • これまでに犯人に対して行ったこと(拒否した、会わないように行動パターンを変えた など)
  • 犯人に関して知っている情報
  • 犯人の特徴(特に犯人が知らない人物の場合)

ストーカー被害に遭い始めたら、普段からICレコーダーを持ち歩いて会話を記録できるようにしておいてください。ストーカー行為の証明には、嫌がらせ電話や相手の暴言の音声データが強力な証拠となります。

信頼できる身近な人に相談する

ストーカー被害に遭った人は、すぐには自分の置かれた状況を冷静に判断できません。当事者になるとなぜか、自分がストーカー行為を受けていることにもなかなか気づけないものなのです。

そんなときに客観的な判断を下してくれる人物がいれば、適切な対処にうつる手助けになります。またあらかじめストーカーの相談をしていれば、自分が危険にさらされたときにいち早く気づいて通報してくれるかもしれません。

もちろん相談先として最適なのは警察ですが、気後れしてしまう、知らない人には話しづらいという人も多いことでしょう。

そういった場合は、身近な人物に相談することをおすすめします。しかし相談する相手は誰でもいいというわけではありません。事態を悪化させないために、適切な相談相手を選ぶ必要があります。

相談相手に適した人物

  • 口が堅く信頼のおける大人
  • 住んでいる場所が近い(すぐに対応できる)
  • 普段の生活で一緒にいる時間が長い
  • 何かが起こったとき迅速に対応できる
  • ある程度の腕力や運動神経がある
  • できれば犯人より上の立場の人物(親・上司など)
  • ストーカー規制法について理解している

主に自分より年上の家族(親)、あるいはストーカーが仕事関係の知り合いであれば双方の上司などが当てはまるはずです。また集合住宅に住んでいる場合は、管理人さんや大家さんに話を通しておくと、何か起こったときに動いてくれることがあります。

もしそのような人物がいない場合は、探偵、弁護士、警備会社などに依頼することも視野に入れてください。

相談相手に適さない人物

  • ストーカーと親しい、または知り合い
  • ストーカーより小柄あるいは非力
  • 口が軽く秘密を守れない可能性がある
  • 正義感が強すぎてすぐに行動に出るタイプ
  • 人の話をちゃんと聞かないタイプ

ストーカーについて誰かに相談する場合、気を付けなくてはいけないのは、ストーカーに相談がバレることと被害者を増やすことです。ストーカー問題の解決のために相談するのですから、状況を悪化させることは絶対に避けてください。

どうしても適切な相談相手が見つからず、探偵・弁護士・警備会社などに依頼するのも都合が悪いという方は、次の項をよく読んで警察に相談してください。

ストーカー被害を警察に相談する場合

ストーカー規制法が施行されてから、警察はストーカー問題に関する最も強力な相談先となりました。ストーカーの取り締まりに関して、警察は大きな権限を握っています。

この項では、実際に警察に相談に行く際の注意点と、具体的にストーカー問題に対して警察ができることについて説明します。

警察に相談する前の準備

ストーカー規制法ができて取り締まりがしやすくなったといっても、警察は被害者がごく少数の案件にたくさんの人員を割くことはできません。

しかし被害状況の整理や犯人の特定ができていれば、対応は比較的スムーズに進みます。そのため、警察に相談に行く際はできるだけ多くの情報を整理してから行きましょう。

警察に相談に行く際にまとめておくこと

犯人に関する情報:
住所・氏名・年齢・勤務先・交友関係・性格・現在の潜伏先などわかる限りのこと
被害者に関する情報:
住所・氏名・年齢・家族構成、現在の状況(けがや精神状態)、避難できるあてなど
犯人と被害者の関係に関する情報:
いつ知り合ったか、交際・結婚していたか、これまでにあったトラブル、現在の関係、ストーカー行為のきっかけなど
被害者の協力者の情報:
全員の住所・氏名・年齢・職業、被害者との関係、加害者との関係、これまでの協力の内容など
被害の記録・証拠:
いつから始まり、いつどんな被害があったかの記録と、それを示す物品(手紙、メール・通話履歴・録音音声、贈り物など)
どういった解決を望むか:
ストーカー行為をやめてくれれば良い、警察からの警告、刑事告訴、緊急避難、示談、引っ越しなど

これらは多ければ多いほどいいです。被害者・犯人・協力者に関する情報は今後の対策を決めるのに役に立ちますし、被害の記録と証拠によってストーカー被害の緊急性を示すことができ、警察もより強力な対応が可能になります。

またこれらに加えて、被害者本人以外の人物が相談に行く場合は、相談者の住所・氏名・年齢・職業などの個人情報と、被害者との関係性も尋ねられます。

ここで勘違いしないでほしいのは、加害者に関する情報や被害の証拠などがなくても、警察に相談はできるということです。警察に相談すること自体が被害の記録や証拠になるので、何度でも相談に行ってください。

警察のストーカー被害への対応①相談・アドバイス

ストーカー被害に限らず、警察はあらゆるトラブルの相談を受け付けています。刑事・民事での訴訟やその他の法的手続きを考えていない場合でも、トラブルにどう対応すればいいかというアドバイスをもらえます。

ストーカー被害の相談に対する警察のアドバイス

意思決定支援手続:
ストーカーに関する資料にそって説明し、被害者の意思決定の手助けをする
被害防止の援助:
具体的なストーカー対策のアドバイス、犯人との交渉の仲立ち、避難先のあっせんなど

ストーカーの被害にあっても、どういった解決法があるのかよくわからず、わかっていても自分だけでは決められない・判断できないという人がほとんどです。そういった被害者のためにとりうる選択肢を示すのが、警察の最初の仕事です。

その上で被害者自身ができるストーカー対策をレクチャーしたり、ストーカーとの交渉の窓口となったり、緊急避難ができる施設を紹介したりしてくれます。

ストーカー問題は法的手続きをとれば解決するというものでもないので、警察の助力のもとにこうした対策をとることも必要です。今まさにストーカーが目の前にいるといった緊急の事態でない場合は、警察総合相談電話番号の「#9110」も利用してください。

警察のストーカー被害への対応②パトロールの強化

ストーカー規制法によって、ストーカーに対する警察の権限は拡大しましたが、それでも犯人を特定できなければできることは限られてしまいます。例えば何者かにつけられているような気がする、1度だけポストに不審な手紙が入っていたという程度では、被害者本人も緊急避難はためらわれるのではないでしょうか。

そういった場合には、警察が危険な場所や時間帯のパトロールを強化してくれることがあります。

警察のパトロール中にストーカー行為や暴力行為が行われれば現行犯逮捕もできますし、犯人不明のストーカー案件に対して警察がとれる対策の中では最も強力です。

警察のストーカー被害への対応③警告・禁止命令

ストーカー規制法によって、ストーカーへの警告と禁止命令の2つの公的な措置が可能になりました。

警察による警告と禁止命令

警告:
警察からストーカーへの「被害者に対しストーカー行為をこれ以上繰り返してはならない」旨の警告
禁止命令:
公安委員会からストーカーへの、ストーカー行為に対する禁止命令。禁止命令を受けてもストーカー行為を続けた場合、犯人には2年以下の懲役または200万円以下の罰金が科せられる。有効期限は1年間で、それ以上は被害者の申し出と聞き取り調査が必要。

警告と禁止命令のメリット

  • 同程度の軽犯罪より重い刑を犯人に科せられるため抑止力になる
  • 被害者が告訴しなくても犯人を裁く(刑事告訴する)ことができる

基本的にはまず警告を行い、それを無視した場合に禁止命令を出すという流れですが、被害者の安全が害される緊急の場合には、警告を経ずに禁止命令を出すこともできます。

早い段階から警察に相談したり、知人や近所の人に話を通したりしておけば、警告や禁止命令は出されやすいです。もちろんストーカー行為の証拠があればより迅速な対応を期待できます。

警察のストーカー被害への対応④被害届

警察の警告・禁止命令を待つのではなく、被害者自ら警察に対応を申し入れる方法もあります。

その1つが被害届です。被害届はいつどんな被害があったかを警察に申告するもので、犯人が特定されていなくても、被害状況さえはっきりしていれば出すことができます。

ストーカー被害に対しては警告や禁止命令といった特別な措置があるため、それを促すためであれば被害届は有効な手段です。また被害届の時点で犯人が特定されていれば、警察がストーカーから聴取を行い、逮捕してくれることもあります。

被害届を出すために必要なのは、被害状況の詳細な記録です。記憶をさかのぼってでもできる限り詳細に書き記しておきましょう。

警察のストーカー被害への対応⑤刑事手続き・逮捕

ストーカー行為はストーカー行為罪というれっきとした犯罪なので、それが立証されれば警察が犯人を逮捕することができます。罰則は1年以下の懲役または100万円以下の罰金で、禁止命令を違反した場合より軽くなりますが、その他の命令違反などでこれより重い刑が科せられる場合もあります。

逮捕されればストーカー行為の再発や、犯人による証拠隠滅・逃亡を防ぐために、警察が犯人勾留の手続きをとるのが一般的です。これによって被害者の安全が守られ、かつ犯人を罰しやすくなっています。

ストーカー行為罪は非親告罪なので、必ずしも被害者が警察に訴え出る(告訴)必要はありません。刑罰の対象になると認められれば、警察が捜査や検挙を行ってくれます。

ストーカーが逮捕されるパターン

  • 現行犯逮捕
  • 警告・禁止命令を無視してストーカー行為を続けた場合
  • 被害者からの被害届をもとに聴取を行い、ストーカー規制法に違反していた場合
  • 被害者が刑事告訴した場合

現行犯といっても1度つきまとい行為をしただけでは逮捕できませんし、警告や禁止命令が出されるまでには時間がかかります。被害届や被害者本人の告訴には、専門的な書類と確たる証拠が必要です。

つまりストーカーが逮捕されるには、証拠集めや警察への相談、場合によっては探偵や弁護士への依頼も必要になってきます。そういった正しい対応を早いうちからとっておかなくては、その分だけストーカー行為が長引き、逮捕も遅れてしまうのです。

ストーカーに関する警察以外の公的な相談窓口

ストーカー規制法では、国や地方自治体はストーカー加害者の更生と、ストーカー被害者の健康被害の回復に努める義務があると定めています。これに従って、ストーカーやDV被害者のために様々な相談窓口が設けられています。

ストーカーに関する相談窓口

婦人相談所:
ストーカー被害やDVに遭った女性の相談・保護・自立支援を専門的に行う厚生労働省管轄の機関で、各都道府県に1つずつ設置。

関連リンク:全国の婦人相談所一覧

男女共同参画センター:
都道府県や市町村などが自主的に設置している女性のための相談施設の総称。名称は自治体によって様々。
地方公共団体の犯罪被害者窓口:
それぞれの役所に設置されている犯罪被害者のための窓口。          
精神保健福祉センター:
様々な理由によって精神的な傷を負った人のための機関。ストーカーだけでなくアルコールや薬物依存症、思春期の悩み、認知症などにも対応。

女性の人権ホットライン:
主にストーカー行為、配偶者からの暴力等、セクハラなど女性に多い人権被害に対応する法務局または地方法務局のホットライン。
電話番号:0570-070-810
被害者ホットライン:
犯罪被害者が問い合わせをしやすいように検察庁が設けたホットライン。

法テラス:
法的トラブルに関する相談に対応する機関
電話番号:0570-079714

民間シェルター:
民間団体の運営する暴力の被害者のための一時的な避難施設。

いずれもストーカー専門の相談機関ではありませんが、状況や目的に応じて利用を検討してください。

ストーカー被害に対し自分でできる基本的な対策・予防策

ストーカーに関する警察の権限が拡大したといっても、相談すれば即逮捕してくれるわけではありません。それに一番いいのは、ストーカー被害に遭わないように予防することです。

警察やその他の機関に相談する前に、あるいはストーカー被害に遭う前に自分でできる基本的な対策や予防策はたくさんあります。

戸締りをしっかりする

防犯の基本は戸締りです。ストーカーはターゲットにつきまとうだけでなく、家に勝手に侵入して部屋を荒らしたり物を盗んだり、盗聴器を仕掛けたりします。盗聴器を仕掛けられて行動や個人情報が筒抜けになれば、ストーカー被害がさらにひどくなる恐れがあります。

それを防ぐためにも、戸締りは強固にしておくに越したことはありません。

戸締りで気を付けること

  • 帰宅したらチェーンをかける
  • 2階以下の部屋なら窓は開けっぱなしにしない
  • 夜寝るときは必ず窓を閉め鍵もかける
  • 来訪者が誰か確認できるまではチェーンをかけたまま対応する
  • ドアを二重鍵にする
  • 窓を防犯ガラスにする
  • オートロックのマンションに住む
  • 別れた恋人などに合鍵を渡していたら鍵を付け替える

特に若い女性であれば、チェーンのない部屋に住むのは論外です。オートロックとはいかなくても、せめてドアスコープとチェーンのある部屋を選びましょう。そして誰か来ても簡単にチェーンを外してはいけません。

賃貸の部屋にドアの二重鍵や防犯ガラスを設置するのは難しいかもしれませんが、もしすでにストーカーの気配があるのなら、もっと安全な部屋に引っ越すのも1つの方法です。引っ越しは犯人の侵入を防ぐだけでなく、物理的に距離をとって犯人を避けることにもなります。

郵便物やごみの取り扱いに気を付ける

郵便物やごみは、犯人にとっては個人情報の宝庫です。雑に扱えば自分を危険にさらすことになります。

郵便物・ごみの取り扱いの注意

  • 郵便物はシュレッダーにかけるなど細切れにしてから捨てる
  • ポストに鍵をかけて勝手に開けられないようにする
  • 郵便物以外でも個人情報に関わるものは細切れにしてから捨てる
  • ごみはできるだけ収集車の来る直前に捨てる
  • ごみ袋を二重にするかいくつもの袋に分ける

誰かに盗み見られることがないようにすることが大事です。ごみ袋を二重にするなどの工夫をすれば、犯人が明けるのに時間がかかり人目につきやすくなるため、ごみ漁りをあきらめる可能性があります。

インターネット・SNSに個人情報をアップしない

インターネットにアップしてはいけない情報

  • 名前・住所・年齢・職業・勤務先などの個人情報
  • 自宅や職場・学校の周辺の写真
  • 個人が特定できるような顔写真・自撮り写真・記念写真
  • リアルタイムでの位置情報・現在地
  • 今後の予定(旅行・外出先・帰宅時間 など)
  • 位置情報が紐つけられた写真・画像

最近では特にTwitterやSNSに個人情報を書き込みがちですが、これは非常に危険です。旅行先や外出先の写真をアップしたいなら、帰ってからにするなどして、現在地を他人に悟られないようにしましょう。

またスマホやデジカメには、写真に位置情報を記録する機能があります。写真をアップするならこの機能をOFFにしておいてください。

1人での行動や夜の外出を控える

時間や場所などを構わず迷惑行為を行うストーカーもいますが、やはり人通りの少ない場所や時間帯、犯行を目撃されにくい暗闇などは被害に遭う可能性が高いです。ストーカー以外の犯罪も増えるので、普段からできるだけこういった場所や時間帯は避けるのが無難です。

避けようがない場合はタクシーを利用する、すぐに110番できるようにダイヤルしたままスマホを持ち歩く、家族や恋人と通話状態のまま移動するなどの対策を取りましょう。

防犯ブザーを持ち歩く

夜道や人気の少ない場所を避けても、突然襲われることもあり得ます。そういった場合に備えて、防犯ブザーなどの大きな音を出す機器を持っておくのも防犯に役立ちます。

荷物の配達には差出人名を確認する

宅配便を装って侵入しようというストーカーもいます。荷物が届く心当たりがない場合や、何となく怪しいと感じたときは、ドアを開ける前に差出人の名前と住所を尋ねてみましょう。

宛名は表札を見てもわかりますし、ストーカーならターゲットの名前を知っていて当然です。しかし差出人について突然訊かれて、不自然でない返答をすることは難しいです。これで本当に荷物の配達か怪しい人物かを判断することができます。

予告のない工事・点検が来たら電話で確認する

正規の工事や点検であれば、書面などで予告があるのが普通です。それがなかった場合や書面に不審な点(問い合わせ先が書いていない、問い合わせてもつながらない、目的や日時が明記されていないなど)があれば、偽物である可能性があります。

突然の来訪であれば所属を尋ね、担当部署(市役所や電力会社など)にその場で電話すれば、本物かどうか判断できます。あまりに怪しい場合はそのまま110番しても良いです。

スマートフォンや手帳を放置しない

個人情報や予定などが記されているスマートフォンや手帳は、決してストーカーの手に渡してはいけません。電話帳から持ち主の友人の連絡先を手に入れ、知り合いのふりをして接触することも考えられます。

誰でも触れられるような場所に放置せず、できるだけ他人に情報を盗み見られないようにしましょう。

一人暮らしだとわからないようにする

家族と住んでいるより一人暮らしの方が狙われやすく、かつ犯人が大胆な行動に出やすいです。特に女性であれば表札に別居の家族や恋人の名前を書く、男物の洗濯物を干すといったカムフラージュも、全く何もしないよりはましです。

もし一人暮らしで実際にストーカーに狙われたら、防犯性の優れたマンションに引っ越す、家族と同居するという対策も視野に入れてください。

防犯カメラをつける

自宅のポストや玄関周辺はストーカー行為が行われやすい場所です。防犯カメラを設置しておけば犯行の証拠を押さえられるかもしれませんし、ストーカー行為を思いとどまらせることもできるかもしれません。

自分で設置しようと思ったら、電器店などで相談してみてください。値段や機能の面で適当なものがなければ、ダミーのカメラでも抑止力になりえます。

ただし確実な証拠を押さえるには探偵や警備会社への依頼を検討してください。

大家さんや管理人さんなどに口止めをしておく

相談相手の項にも書きましたが、賃貸住宅に住んでいるなら、大家さんや管理人さんにもストーカー被害に遭っていることを伝えておくべきです。管理人さんが近くに住んでいるなら何か起きたときに通報してくれるかもしれませんし、そうでなくてもストーカーが嘘をついて情報を得たり鍵を借りるのを防ぐために必須です。

また大家さんがその近辺で顔が広い人であれば、いい相談先を紹介してくれるかもしれません。

引っ越す場合は誰にも情報を漏らさない

ストーカーは損得を度外視して行動しがちなため、完璧な解決のためには引っ越さなくてはならない場合もあります。その場合はたとえこれまで相談していた相手であっても、絶対に引っ越し先の情報は漏らしてはいけません。連絡はメールのみで行うなどの注意も必要です。

特に紙であれデジタルであれ、文字の形で住所を伝えると漏れる危険が高まります。

引っ越し業者には、ストーカーから逃げる人専用のプランがあるので、それを利用してください。

役所などでの個人情報の保護措置を行う

個人情報は市町村の役所やその他の公的機関から漏れることもあります。現在ではストーカー規制法にのっとって、各機関が被害者保護のために個人情報の閲覧制限をしてくれます。

ストーカー被害に遭っていなくても、様々な犯罪から個人情報を守るために、できる範囲で手続きをしておくと良いでしょう。

情報の閲覧制限を申し入れるべき機関

市町村の戸籍担当部署:
住民基本台帳や戸籍関連             
運輸局・軽自動車検査協会:
現住所を含む自動車の登録情報の閲覧制限

法務局:
不動産関連、未成年の後見人に関する書類
警察:
行方不明者届の不受理(ストーカーがターゲットを探すために行方不明届を出すのを阻止する)

自分に必要な届け出がどれかわからない場合は、警察や弁護士に相談してみてください。

ストーカー問題を解決するための民間の相談先

ストーカー問題の解決のために警察への相談は必須ですが、被害の記録・証拠や相談実績がなくては積極的な対策をとれないという欠点があります。その他の公的な相談先も、解決までには時間を要するものがほとんどです。

しかしいつどんなひどい目に遭うかわからないからこそ、早く犯人を逮捕してほしいというのが被害者の共通の願いではないでしょうか。早期解決のためには、相応の金額を払ってプロに依頼することになります。

ひとくちにプロといっても、それぞれメリットとデメリットがあります。どういった解決を望むのか、予算はいくらかなどそれぞれの事情に合わせて、適切な業者を選んでください。

探偵に依頼する

犯人を特定してほしい、証拠を早く集めたいという場合に最も役に立つのが探偵です。探偵は調査のプロであり、犯行のパターンなどの手掛かりから犯人を探し出し、カメラやICレコーダーを使って証拠を集め、ストーカーが設置した盗聴器の発見調査と撤去もできます。

犯人を特定して証拠も集まっていれば警察もすぐに動いてくれるので、解決が早まることは間違いありません。

探偵が集めた証拠を警察にそのまま提出してもいいですし、告訴を考えているなら探偵に弁護士を紹介してもらえば、諸々の手続きがスムーズに進みます。探偵の専門は調査ですが、そういった問題解決のためのフォローも行っていることが普通です。

探偵は警察が対応しづらい案件に個別に対応するため、自分に合った調査と対策を選んで無駄なコストを省くことができるのもメリットです。

しかし探偵会社によって得意分野が異なるため、ストーカー案件に強く調査力の高い探偵を選ばなくてはなりません。

警備会社に依頼する

自宅周辺でのストーカー行為を防ぐのが一番の目的なら、警備会社が最適です。大抵の警備会社がセンサーや防犯カメラ、電気錠などを設置して侵入者を察知し、警備員が駆け付けるというサービスを提供しています。

また会社によっては個人を警護するサービスも行っていて、自宅外でのストーカー被害にも対応できます。

警備会社のメリットは、ストーカーから被害者を守るためのサービスが充実していること。しかしその反面、証拠を集めたりすることは不得手で、かつ初期投資が高額というデメリットがあります。

弁護士に依頼する

弁護士は主に被害者本人や探偵が集めた証拠を使って、告訴や示談などのしかるべき法的措置をとるのが仕事です。

警察で裁けない民事トラブルの解決には最高に心強い味方ですが、ストーカー案件では実は民事訴訟や示談はさほど効果的とはいえません。ストーカーは正常な判断力を失い、なりふり構わず行動している場合が多いからです。

ストーカー案件で弁護士が最も役に立つのは、警察への被害届や告訴状の提出の段階においてです。相談しても警察がなかなか動いてくれない、刑事告訴に及び腰であるというような場合は、是非弁護士に依頼してください。

弁護士も探偵と同じで、得意とする案件が事務所や個人によって違います。刑事告訴あるいはストーカー案件に強い弁護士を選びましょう。

ストーカーには早めの対策とできる限りの予防策を

ストーカー問題を解決するには、できるだけ早くに証拠と犯人に関する情報を集めて、警察に相談することです。初期段階で間違った対応をとっては解決が遠のいたり、ストーカー行為がエスカレートしたりということも充分あり得ます。

ストーカー問題解決のためのポイント

  • はっきりと拒否の姿勢を示す
  • 証拠・記録をしっかり残しておく
  • 早めに警察に相談する
  • 必要に応じてプロに依頼する

もちろんストーカー被害に遭わないための予防策も大事です。戸締りや個人情報の取り扱いには充分気をつけて、狙われる可能性をできる限りなくしましょう。そしてストーカーに遭ってしまったときにも被害を最小限に食い止められるように、正しい知識と対応を身につけておきましょう。