【投稿日】 2019年1月7日 【最終更新日】 2021年10月21日

ある特定の人物からしつこくメールが来たり、断っているのに何度もデートに誘われたり、別れた恋人から脅すようなことを言われたり……「これってストーカーなの?」「こんなことで警察に相談していいの?」と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

ストーカー行為から被害者を守るために制定されている「ストーカー行為等の規制等に関する法律(以下、ストーカー規制法といいます。)」では、被害が大きくなる前に、その前兆があった段階で警察が介入できるよう定めています。また、2017年の法改正によって、ストーカーの判断基準が広くなり、罰則も強化されています。

そのため、ストーカー被害を受けていたり、ストーカーの前兆と思われる行為で悩んでいたりするのであれば、警察やしかるべき機関などに相談しても問題はないのです。

この記事では、ストーカー行為の判断基準やその前兆などについて、わかりやすく解説していきます。もしも心当たりがあるなら、できるだけ警察などに相談するようにしてください。

ストーカー行為となる判断基準は?ストーカー規制法における定義

ストーカー規制法では、ストーカーの定義やその行為について定めていますが、ストーカーとはどのような行為か、なかなか理解することはできません。「つきまとい等」がストーカー行為になると言われても、実際にはどのような行為なのか判断が難しい場合もあるでしょう。

ここでは、ストーカーとなる「つきまとい」に当たる行為や、どこからがストーカー行為となるのかについて、詳しく解説していきます。

ストーカーとは?ストーカーと判断する大前提

相手の行為をストーカーと判断する前に、2つ確認して欲しいことがあります。相手の行為が、自分に対する「恋愛感情」から行っていることなのか、そして、相手に一度「止めて欲しい」と拒否する意思表示をしているかということです。

行為者が被害者に対して恋愛感情や好意を抱いている

ストーカーと判断するには、行為をする者(加害者)が相手方(被害者)に対して「恋愛感情や好意を抱いている」こと、または「恋愛感情や好意が満たされず、恨みを果たそうとする」ことが大前提となります。

そのため、元夫・元妻、元交際相手などが、相手への思いを断ち切れなかったり、満たされない思いから恨むようになったりして、つきまとうようになるパターンが多いのです。もちろん、勝手に片思いをしてつきまとう者もいます。

恋愛感情や好意の感情がない、単なる嫌がらせによるつきまといの場合はストーカーとはなりません。ただし、その場合は、軽犯罪法や各都道府県の迷惑防止条例等に違反する行為に当たる可能性はあります。

行為者に一度「止めて欲しい」と伝える

相手の行為をストーカー行為と判断するために、一度相手に対して、その行為を「止めて欲しい」と伝えてください。相手に「拒否」の意思表示をしたにもかかわらず、迷惑な行為をするのであれば、意思表示後の行為についてはストーカー規制法の「つきまとい等」と判断されやすくなるからです。

ここで注意して欲しいのは、相手への伝え方です。伝える方法を間違えると、相手が逆上してエスカレートする可能性もあるからです。言葉と態度ではっきりと意思表示することは大事ですが、相手が逆ギレするようなタイプであれば、相手を刺激しないようにすることも大切です。その場合、お願いするような形にして意思表示することも考えてみましょう。

自分の家族への行為がストーカー行為に該当することも

ストーカー行為は、必ずしも自分に向けたものだけが対象となるわけではありません。自分の夫や妻、子供、両親、きょうだい、親戚など、大切な家族に対しての行為もストーカー行為になります。行為者は、相手への思いが満たされなかったことに対して、その家族に恨みを持ち、つきまといなどの行為をするケースもあるのです。

「つきまとい等」ってどんな行為?

ストーカー行為の対象となるのは、「つきまとい等」に当たる行為を繰り返し行った場合です。「つきまとい等」の行為と判断されれば、警察から警告したり、各都道府県の公安委員会から禁止命令を出すことも可能となります。

「この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。」

「つきまとい等」に該当する行為は、次の8つに分類されます。

つきまとい・待ち伏せ・押しかけ・うろつき等

被害者やその家族など、その周りに姿を現す行為などが該当します。

  • 被害者などの後を追い回す、尾行する
  • 外出先を調べて先回りする、待ち伏せする
  • 前に立ちふさがる
  • 自宅・職場・学校などで見張る、監視する、勝手に押し掛ける
  • 自宅・職場・学校など付近をうろつく

行動を監視していると告げる行為

被害者やその家族などに「行動を監視している」ことを告げて、被害者等を恐れさせる、近い存在であることをアピールする行為などが該当します。直接ではなく、間接的に告げる行為も含まれます。

  • 「いつでも見ているぞ」などと口頭・電話・メールで伝える
  • ターゲットの行動や服装などを電話やメールなどで告げ、監視をほのめかす
  • 帰宅直後に「おかえり」など、リアルタイムで行動にそったメッセージを送る
  • お店などよく行く場所(ネット掲示板を含む)にメッセージを残す
  • いつも使っている車や自転車などにメッセージや訪れた痕跡を残す
  • すぐそばに来たことを、知人などを通じて伝言する

面会・交際等の要求

面会や交際など、従う義務のないことを行うように要求することが該当します。

  • 会うように要求する
  • 交際・復縁を要求する
  • 手紙やプレゼントのやり取りを要求する

著しく粗野・乱暴な言動

物を壊せば、刑法上の器物損壊罪、暴力をふるえば、傷害罪や暴行罪となる可能性がありますが、ストーカー規制法では、そのような実質的な被害がなくても対象とすることが可能です。

  • 「バカヤロー」など大声で罵倒する
  • 汚い言葉遣いで怒鳴ったり、メールや手紙を送ったりする
  • 大きな音を立てる
  • 物を殴る・蹴る

無言電話、拒否後の連続電話、FAX、電子メール・メッセージの送信等

しつこい嫌がらせによる電話やメール、SNSなどが該当します。電話でもSNSでも、相手に対してはっきりと拒否の意思表示をしていることが条件になります。

  • 自宅・職場などに電話をかけて何も言わない(無言電話)
  • 拒否されてもしつこく自宅・職場などに電話をかける
  • 拒否されても何度もファックス・電子メール・SNSを用いてメッセージを送信する
  • 拒否されてもターゲットのブログやホームページに書き込みをする

汚物などの送付

汚物など、相手が嫌がるものを送りつける行為も該当します。ストーカーの証拠になるため、すぐに捨てたりせず、写真に撮って、日時やその状況を記録しておいてください。捨てる前に、そのまま警察に届け出るのも一つの方法です。

  • 自宅や職場に、汚物や動物の死体などを送り付ける
  • 自宅や職場に、不快感を与えるものを送り付ける

名誉を傷つける事項の告知

いわゆる誹謗中傷に当たる行為などが該当します。

  • 被害者やその家族の名誉を損なうようなことを言う、メールなどで送信する、ネットに書き込みをする
  • 根拠のない悪いうわさを、被害者やその家族にも伝わるようにして流す

性的羞恥心を害する事項の告知

リベンジポルノなど、性的な内容の嫌がらせもストーカー行為に該当します。たとえ交際相手でも、裸の写真は他人の手に渡さないようにしましょう。

  • わいせつな写真・画像を自宅や職場などに送り付ける
  • 電話や手紙でわいせつな言葉を伝えて嫌がらせする
  • わいせつな内容をメール・SNSなどで送信する
  • 被害者自身あるいは被害者と思われる人物のわいせつな画像をインターネットにアップする、人目に触れる状態にする

どこからがストーカー行為なのか?

好きな人に積極的にアプローチをして付き合うようになったり、結婚できたというのはよくある話です。しかし、場合によっては、その積極的なアプローチが、相手に恐怖心を抱かせるストーカー行為にもなり得るのです。

どこから、どのような行為がストーカー行為となるのか、しっかりと覚えておきましょう。

嫌悪感を抱く、迷惑に感じる行為をする

好意的なアプローチとなるのか、はたまたストーカーとなるのか、これは受ける側によって大きく左右されます。受ける側が嫌悪感を抱いたり、迷惑に感じたりすると、その行為はストーカーとなってしまいます。

相手の気持ちを考えずに、一方的に自分の気持ちを押し付けて、相手が嫌な思いをしたり、迷惑に感じた時点でストーカー行為になるのです。

行為を繰り返す

ストーカー規制法でストーカーと定める行為は、つきまといなどを繰り返すことを言います。そのため、一度だけつきまとわれたり、一度だけ面会を求められたりというのは、ストーカーとみなされないのです。

法律上、明確な回数の基準はありませんが、数回繰り返しただけでも、相手が恐怖を感じたり、以後エスカレートする恐れがあれば、ストーカー行為と判断されます。

拒否されても行為を続ける

相手がはっきり拒否したのに、繰り返し同じ行為を続けていれば、ストーカー行為と判断される可能性は非常に高いです。相手が拒否している以上、一方的に気持ちを押しつける行為を続けることは、明らかにストーカーとみなされます。

ストーカー行為の前兆かも!加害者となる人物の特徴と前兆

ストーカーの加害者となるのは、元夫婦や交際相手、告白を断った相手など、その多くが自分と関係がある人物です。そのほか、顔見知り程度の人物や、ネット上で知り合った相手の場合もあれば、全く接点のない人物の場合もあります。

ここでは、ストーカーはどのような人間がなりやすいのか、またストーカーの前兆はどのようなものなのかについて、詳しく解説します。

ストーカー被害に遭わないためにも、ストーカーになりやすい人物の特徴やストーカーの前兆などは、しっかりと理解しておきましょう。

ストーカーになりやすい人物の特徴

ストーカーをする人物のほとんどは、物事を自分中心に捉える傾向があり、異常なくらいに執着するなど理性が欠如した行動を取りがちです。元々の性格が影響することも多く、次のような特徴がある人物の場合、ストーカーになる可能性があります。

ただし、必ずしもストーカーになるという訳ではありませんが、「予備軍」になりやすいので注意しておくと良いでしょう。

何かと理屈っぽい

普段から理屈っぽかったり、よく屁理屈を言ったりして、相手を丸めこもうとするタイプは要注意です。そういう人物は、自分の非を認めないことが多いからです。自分の行為について周りの人から注意されたとしても、ストーカーされる被害者が悪いと主張する傾向があるようです。

束縛が激しい

自分と一緒にいない時の行動を細かくチェックされたり、頻繁に電話やメールをしてくるなど、束縛が激しい相手にも注意しましょう。異性との交友関係を勘ぐって、携帯電話を見せるよう要求したり、勝手に携帯電話をのぞき見する人物も注意が必要です。

カッとなりやすい

自己中心的な性格で、自分の思い通りにならないと怒り出す人物にも注意してください。そのようなタイプは、自分の相手やパートナーを支配しようとする傾向にあり、カッとなって暴力をふるう可能性もあります。理由もなく、突然カッとなるタイプは本当に危険です。

交際相手がストーカーになる前兆

交際相手が次のような行動を取るようになった場合、ストーカーになる可能性があります。付き合い始めの頃は気にならなかったのに、交際期間が長くなるにつれて、相手の行動が普通と違うように感じるのであれば、注意してください。

  • 相手の行動を細かく知りたがる
  • 外出先で相手を見かけても、声をかけずに後をつける
  • 電話などをこっそり盗み聞きする
  • パソコンやスマートフォンの検索履歴や閲覧履歴をチェックする
  • 思い通りにならないと怒る
  • 暴力をふるうことがある
  • 乱暴な言葉遣いをしたり怒鳴ったりすることがある

交際を断った相手がストーカーになる前兆

交際を断った相手が次のような行動を取ってくると、ストーカーになる可能性があります。自分からしっかりと「断る」意思表示をしているのであればストーカーと判断できますが、相手に伝えていない状況で自分が不快と感じているのであれば、出来るだけ早く拒否するようにすると良いでしょう。

  • 拒否しても電話やメールがくる
  • 約束などをせずに一方的に会いに来る・接近する
  • 交際を断ったことなどを責める・脅す
  • 断った後に、自分の周りの人間に連絡を取る・取ろうとする

ネットやSNSで知り合った相手がストーカーになる前兆

ネット上やSNSなどで知り合った相手もストーカーになるケースがあります。次のような行動を取るようになった場合には、注意が必要です。迷惑だったり、不快に思うようであれば、早めに拒否することをおすすめします。

  • プライベートなど個人情報をしつこく聞いてくる
  • 会ったことがなく、顔も知らないのに告白してくる
  • 無視していてもメッセージを送り続けてくる
  • SNSの書き込みをすべてチェックする

過去にもストーカーしていた人物には要注意

過去にストーカーをしていた人物が、再びストーカー行為をする可能性は十分あります。その人物から交際を求められた場合、断る時は十分注意しなければなりません。しっかりと断るための意思表示をしないと、しつこくつきまとわれる可能性があります。

付き合い始めた後に、自分の交際相手が過去にストーカーをしていたことを知ったのであれば、慎重に行動する必要があります。相手の性格にもよりますが、別れることになった場合、断り方によっては恨みを買うこともあります。

相手の家族や知人などから情報を得る、信頼のおける人に相談する、話し合いに同席してもらうなど、十分注意するようにしてください。

もしかしてストーカーされてる?つきまといの可能性があるパターン

ストーカーが交際相手や顔見知りの人であれば分かりやすいですが、必ずしも自分の知っている人とは限りません。自分が全く知らなかったり、何かのきっかけで接点があったとしても覚えていない場合でも、相手が一方的に恋愛感情を抱いて執着してくることもあります。

もしも、自分の身の回りで次のようなことが起こっている場合は、ストーカーされている可能性があります。実害がなくても、狙われているような気がするのであれば、早めに警察に相談することをおすすめします。今後の対策やアドバイスなど、適切な対応を取ってくれることでしょう。

  • 外出先などでよく同じ人に会う
  • 近所でよく同じ人を見かける
  • しょっちゅう誰かに見られているような気がする
  • 帰り道など毎日同じくらいの時間につけられているような気がする
  • 同じ人とよく目が合う
  • 無言電話やいたずら電話がかかってくる
  • 自宅のポストや職場のデスクやロッカーに覚えのないものが置かれている
  • 差出人不明の手紙やメールが送られてくる
  • 自分の情報がネットなどの不特定多数が見る場所に書き込まれていた
  • 自分の周りで自分に関するうわさが流れている(恋愛関係のことなど)

ストーカーの判断基準は「拒否しても繰り返し行っていること」

今回解説したように、ストーカーと判断する基準は「拒否しているのに、嫌がる行為を繰り返して行っているかどうか」になります。そのため、相手の行為が迷惑だと思ったら、まずははっきりと拒絶してください。その後も続くようなら、間違いなくストーカー行為とみなされます。

ただし、相手の行為をストーカーと判断するには、相手が自分に「恋愛感情を持っている」ことが大前提です。

ストーカーの被害に遭っているのであればもちろん、相手の行為がストーカーになりそうなど、どうすればよいか分からない場合でも、早めに警察に相談してください。そして、心配に思っていることはすべて話すようにしましょう。

警察への相談や通報だけだと不安に思うのなら、探偵に調査依頼するのも一つの方法ですし、弁護士に相談するのも良いでしょう。自分一人で我慢することなく、警察などの公的機関や、調査・解決のプロを利用してみてください。

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