【投稿日】 2023年3月4日 【最終更新日】 2023年3月24日

最近のニュース報道などによれば、2022年における企業倒産件数は、2021年を上回って増加傾向です。

このところ、中長期的な企業倒産件数は減少傾向でしたが、2020年以降のコロナ禍などの影響や原材料費の高騰などによって増加に転じた可能性があります。

そこで今回は、取引先が倒産した場合に必要な債権回収を行うためのアクションについて解説します。

倒産とは?倒産の種類によってアクションが異なる!

「倒産」という言葉には明確な定義はなく、法律用語でもありませんが、一般的には「企業などが資金繰りの悪化により、債務の支払い不能に陥り事業を継続できない状態」になることです。

また、一口に「倒産」といってもいくつかの種類があり、取引先が選択した倒産の種類によってこちらが取るべきアクション(債権回収方法)が異なってきます。

倒産は、大きく次の2種類に分けることができます。

再建型の倒産 企業を存続させて事業を継続しながら、得られた収益から債務を弁済して事業の再建を図るもの(会社更生、民事再生など)
清算型の倒産 企業は消滅し、その資産や財産を全て換金処分して清算するもの(破産、特別清算など)

倒産した取引先が「再建型の倒産」に該当する「会社更生」や「民事再生」などを選択した場合は、企業は存続し事業を継続しながら再建を図ることになり、今後の取引の継続と債権回収を並行して検討する必要があります。

倒産した取引先が「清算型の倒産」に該当する「破産」や「特別清算」などを選択した場合は、企業が消滅してしまうことになるため、速やかな債権回収を行わなければなりません。

取引先が倒産したときにすぐやるべきアクション

再建型の「会社更生」や「民事再生」、清算型の「破産」や「特別清算」はいずれも裁判所を通した手続きによって行われます。

一旦手続きが開始されてしまうと、債権者であっても勝手に債権回収をすることができません。

そのため、債権回収ができなくならないように、迅速に行うべきアクションとして次の6つが挙げられます。

【1】正確な情報収集

「取引先が倒産した」という情報を入手した際には、一刻も早く取引先の本社や倉庫、他の事業所などに出向いて、「本当に倒産状態にあるのかどうか」の事実確認をすることが必要です。

また、倒産したことが事実であると発覚した場合は、その企業が「現在どのような状況にあり、今後どのような法的手続を考えているのか」などの情報を収集することも必須です。

【2】納入済商品の引き揚げ

倒産した取引先との間で交わしている売買契約書に、「代金完済までは売主に所有権を留保する」という取り決めがある場合は、取引先から納入済商品を引き揚げることができます。

納入済商品の引き揚げを行う際には、必ず取引先との間で署名入りの文書を作成しましょう。

また、実際の引き揚げの際には、取引先にも立ち会ってもらうことが必要です。

もし、取引先との間で所有権留保の取り決めがない場合は、「代金不払い」を理由に売買契約の合意を解除することで、納入済商品の返還を求めることができます。

【3】「相殺」による債権回収

倒産した取引先に対して債権と債務が存在する場合には、お互いの債権債務を対当額で「相殺」することによって、債権(売掛金)の支払いを受けたことと同様の効果(売掛金の回収)を得ることができます。

相殺を目的とする場合は、お互いの債権債務の種類や発生年月日、金額などを記載した「相殺通知書」を内容証明郵便で送付したり、取引先との間で「相殺に関する合意書」を取り交わしたりすることで、後々のトラブルを防止するための証拠を残すように行動することが重要です。

また、「相殺適状」という、相殺が可能な要件を満たした状態にあることも条件として必要です。

【4】「代物弁済」による債権回収

倒産した取引先が承諾すれば「代物弁済」によって債権(売掛金)を回収することもできます。

「代物弁済」とは、売掛金を支払えなくなった債務者が、支払いの代わりに動産や不動産などを債権者に引き渡すことによって、弁済とみなすことです。

本来、売掛金は金銭で支払わなくてはなりませんが、債権者が動産・不動産・債権など「財産的な価値のある資産」での弁済を承諾すれば、債務は消滅することになります。

この場合も、将来のトラブルを防止するために「代物弁済に関する合意書」を作成しておくことが望ましいです。

【5】「債権譲渡」による債権回収

倒産した取引先が保有している、「他の企業などに対する売掛金」などの債権を譲渡してもらって、債権回収に充てることも可能です。

その場合は、取引先と「債権譲渡」に関する契約を取り交わしたうえで、取引先からその企業に対して「確定日付付きの債権譲渡通知書」を発行してもらう必要があります。

【6】「債権者代位権」による債権回収

倒産した取引先が「他の企業に対する売掛金」などの債権を保有しており、一定の要件を満たす場合は「債権者代位権」による債権回収が可能です。

「債権者代位権」の行使には、裁判所の手続きや債務者の許可は必要ありません。

【7】「動産の差押え」による債権回収

「動産の差押え」とは「動産執行」ともいい、倒産した取引先が所有している「動産」を差押えて競売にかけて現金化し、その売却代金によって債権(売掛金)を回収するという強制執行手続です。

「動産の差押え」を行う際は、取引先が高価な動産を所有していることと、その所在が確認できていることが前提であるため、十分な事前調査が必要となります。

法的手続きが開始された場合の注意点

倒産した取引先が裁判所に対して法的手続の申立をすると、以下の通りその法的手続き以外での債権回収ができなくなります。

法的手続の種類 弁済の受け方・注意点
会社更生手続 指定された期間内において債権や担保権の届出が必要。届出をしなかった場合はその債権が消滅
民事再生手続 届出期間内における債権届出が必要。届出でをしない場合は債権が消滅
破産手続 個別財産についての担保権は行使可能。破産手続開始前に、取引先に対する債権と債務を有していた場合は、破産手続中でも自由に「相殺」可

いずれの場合も法理の専門知識が必要です。

実際の手続きの際には、倒産手続に詳しい弁護士などに相談して進めることをおすすめします。

取引先が倒産をしたときには迅速な債権回収が必須となる!

今回は、「取引先が倒産したときに迅速に行うべき、債権回収のアクション」について解説しました。

実際に債権回収のアクションを起こす前に、まずは正確な情報収集をすることが必要です。

得られた情報に基づき、必要に応じて専門家などと相談しながら適切なアクションを選択し、迅速な債権回収を目指しましょう。

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