「離婚して、慰謝料を請求したい」と、探偵に浮気調査を依頼されるケースが増加しています。ここでは、離婚と慰謝料請求、両方の目的を達成するためには何をすべきか、どういった手順により、問題解決に至るのか、詳しい内容をご説明します。

離婚・慰謝料請求を有利に進めることを目的とする浮気調査の種類

浮気調査とひとことで言っても、目的によって内容は多少異なります。最初に、浮気調査の種類を目的別にカテゴリ分けしておきましょう。

離婚だけを目的とした浮気調査

「慰謝料は不要なため、一刻も早く別れたい」というケースであれば、浮気相手が誰であるか(素行調査)は不要です。不貞行為の事実のみを把握するため、他のケースに比べ、早期に調査が終了する可能性が高いです。

慰謝料請求を目的とした浮気調査

慰謝料請求を目的とした浮気調査の場合、婚姻関係を継続するのか、離婚するのかによって、調査方法が変わります。

  • 浮気相手にのみ慰謝料請求することを目的とした浮気調査
  • 離婚して配偶者・浮気相手の双方に慰謝料請求することを目的とした浮気調査

基本的に配偶者との離婚を望まないケースであれば、浮気相手にのみ慰謝料請求をすることになります。この場合は、不貞行為の事実確認+浮気相手が誰であるか(素行調査)が必要です。

さらに離婚し、配偶者・浮気相手双方に慰謝料請求を行う場合は、不貞行為の事実確認+浮気相手が誰であるか(素行調査)に加え、配偶者に対する素行調査が必要となります。

離婚して慰謝料請求する流れと浮気調査の全手順

手順1,慰謝料請求が可能か、慰謝料請求できる条件を知る

全ての浮気(不貞行為)に対して、慰謝料が請求できるわけではありません。細かな条件はあるものの、基本的に次の2点のどちらかを満たした場合、慰謝料請求が可能だと考えてください。

  • 浮気(不貞行為)をした配偶者または浮気相手に故意または過失があった場合
  • 不貞行為の事実により、あなたが「権利の侵害」を受けた場合

浮気(不貞行為)に限定した内容ではありませんが、民放709条・710条に、上記を意図する内容が記載されています。

それでは、どういったケースであれば慰謝料請求が認められるのか、具体的な内容について、見ていきましょう。

【故意または過失】
認められる ・既婚者である事実を知りながら、不貞行為を継続していた
・直接告げられていないとしても、既婚者であると明らかにわかる状況で、不貞行為を続けていた
・配偶者が故意に浮気相手と不貞行為を行なった
認められない ・浮気相手は、既婚者だと知らず(知りようのない状態で)不貞行為を行なっていた
・配偶者が脅迫し(もしくは強姦と呼べる状況で)不貞行為を行なっていた
【権利の侵害】
認められる ・配偶者の不貞行為が原因で、夫婦関係が破綻または離婚した
・配偶者と浮気相手の間に肉体関係はないが、2人の交際により夫婦関係が破綻、または離婚した
認められない ・不貞行為以前から、夫婦関係がすでに破綻していた(別居中=夫婦関係の破綻と考えられる可能性が高いため注意が必要)

手順2,配偶者・浮気相手のどちらか、または双方に請求するのか慰謝料請求のゴールを決める。

慰謝料請求が認められるケースであれば、次は慰謝料請求をする相手を決定しましょう。

  • 配偶者のみ
  • 浮気相手のみ
  • 配偶者と浮気相手の両方

上記3種類のうち、どのパターンを選ぶかは、あなた自身が選ぶことができます。ただし、離婚を希望せずに、配偶者に請求したとしても、夫婦(家庭)の中で金銭が移動するだけです。配偶者に請求する場合は、離婚を前提として話を進めると考えたほうが良いでしょう。

また、浮気相手に慰謝料を請求する場合は、配偶者と離婚する、しないのどちらでも可能です。ただし、一般的には、離婚した上で請求する場合の方が、慰謝料が高額となるケースが多いことも覚えておきましょう。

手順3,浮気の慰謝料請求の相場を知る

浮気に対する慰謝料請求には、実は、はっきりとした明確な基準はありません。それぞれのケースによって異なるため、一概に相場をお伝えすることはできませんが、一定の目安となる金額のみご紹介します。

状況 慰謝料請求の目安
婚姻関係を継続する場合 50〜100万
浮気が原因で別居した場合 100〜200万
浮気が原因で離婚した場合 200〜500万

さらに、様々な条件により慰謝料請求の金額は増減します。

増額となるケース 減額となるケース
・婚姻期間が長い
・浮気の期間が長い
・子どもがいる
・浮気相手が主導し、不貞行為をした
・浮気相手が謝罪しない
・浮気相手と同棲していた
・浮気相手が妊娠・出産した
・婚姻期間が短い
・浮気の期間が短い
・子どもがいない
・配偶者が主導し、不貞行為をした
・浮気相手が謝罪した

芸能人・著名人の浮気の場合、名誉毀損や仕事に与える影響の大きさから、多額の慰謝料請求が行われています。しかし、一般家庭であれば、慰謝料請求の上限は500万程度であると考えておきましょう。

しかし、離婚に至る原因が不倫(不貞行為)だけでなく、配偶者の暴力などの原因が加わる場合は、総合的な慰謝料が増額される可能性は高いです。

手順4,浮気調査費用と慰謝料の収支を考える

ある程度、慰謝料の目安がついたら、次は浮気調査費用との収支を見ていきましょう。

    浮気・不倫調査の相場は下記になります。

  • 1時間:1〜2万円
  • 1日:8万円

自分が得られるであろう慰謝料の金額と、浮気調査費用を明確に出し、調査を依頼すべきかどうか、どこまで調査費を使うことができるかを、計算しておきましょう。

浮気調査にどれくらいの費用がかかるのか、より具体的な金額を知りたい場合は、探偵事務所に見積もりをとることをおすすめします。

手順5,浮気(不貞行為)の証拠、浮気相手に慰謝料請求する情報を集める

浮気(不貞行為)の証拠となるのは、性行為の事実、または性行為が行われたと推測できる状況だけです。キスやデート、手を繋いでいた、ツーショット写真などは、法律上、不貞行為とはみなされません。

  • 車の中での性行為
  • 性行為中の動画や写真
  • ラブホテルへの出入り写真
  • 同じ部屋の宿泊を伴う旅行
  • 浮気相手のアパート等での同棲

といった内容を証明できる写真・音声は、不貞行為としてみなされます。

しかし、一般人にとって、これらの証拠を自力で集めるのは、難しいでしょう。仮にラブホテルへの出入り写真を運よく撮影できたとしても「1回だけ魔が差した」と言われてしまえば、慰謝料請求をすることは難しくなります。

また、素人が尾行・張り込みを行い、相手に気付かれ証拠隠滅のため行動された場合も、その後の証拠集めが難航するため避けてください。浮気(不貞行為)に関する証拠集めは、探偵に相談・依頼することをおすすめします。

しかし、配偶者と慰謝料請求する相手(浮気相手)に関する情報は、自力で入手することができます。また、探偵に依頼する際にも、できるだけ多くの情報を伝えることで、調査が早く進展する、費用が安く済むなどのメリットが考えられます。

【配偶者に関する情報・浮気の証拠集めに役立つもの】

  • 名前
  • 外見的特徴(身長、服装など)
  • 移動手段(車、バイク、公共交通機関など)
  • 浮気相手との連絡方法(電話・LINE・メールなど)
  • 不貞行為に及ぶ可能性が高い日や曜日
  • 浮気(不貞行為)を疑い始めたきっかけ
  • 浮気(不貞行為)を疑い始めた時期
  • 過去の浮気経験
  • 帰宅時間や出張の有無を記載したスケジュール
  • 年収
【浮気相手に関する情報・浮気の証拠集めに役立つもの】

  • 本名
  • 住所
  • 外見的特徴(身長、服装など)
  • 配偶者との関係
  • 勤務先
  • 勤務先住所
  • 婚姻歴
  • 子どもの有無

上記に記載した内容以外でも「気になる」「証拠になるかも」などと思ったことは、すべて探偵に伝えることをおすすめします。

手持ちの情報量や調査の難易度によって、浮気調査に必要な日数は大きく変わります。効率よく浮気・不倫調査をするためのポイントについては、浮気・不倫調査(離婚)のページをご参照ください。

手順6,慰謝料請求額を決める

慰謝料を請求する相手、請求可能な金額、浮気調査費用と慰謝料の収支を再確認し、慰謝料請求額を正式に決定します。

ただし、ここで1点気をつけるべきポイントがあります。

慰謝料請求額が200万の場合、配偶者に200万、浮気相手に200万請求できるわけではありません。この場合の200万とは、配偶者と浮気相手の慰謝料の総額です。自分の中で、それぞれいくら請求したいのか、まず考えておきましょう。

手順7,慰謝料請求の各方法について

慰謝料を請求する方法は、大きく次の4つに分けることができます。

  • 口頭で請求する
  • 電話で請求する
  • 内容証明郵便にて請求する
  • 訴訟や調停にて請求する

ただし、口頭や電話の場合「言った・言わない」の話になるだけでなく、浮気相手と直接会うことによる心理的負担も少なくありません。また、直接話すことで感情的になってしまい、脅迫・恐喝と判断される可能性があります。

ただし訴訟や調停の場合は、時間や費用もかかるため、相手が支払いを拒否した場合や浮気の事実を認めない場合の奥の手と考えておいたほうが良いでしょう。

一般的におすすめの方法が、内容証明郵便による送付です。

【内容証明郵便とは?】

内容証明郵便とは、差し出し人の住所・氏名、差し出した日付、宛先の住所・氏名に加え、中に書かれた文章の内容について、日本郵便が証明してくれる書留の一種です。また、配達証明書をつけることで、相手の「受け取っていない」という言い逃れを防ぐ効果もあります。

  • 浮気(不貞行為)の事実関係
  • 浮気(不貞行為)によって受けた精神的苦痛
  • 慰謝料請求を行う意思
  • 慰謝料の請求額
  • 慰謝料の支払い期限と振込先口座
  • 配偶者と別れ、二度と会わないことを要求する旨
  • 上記内容に従わない場合は、法的措置をとる旨

といった内容を記載することが一般的です。

手順8,慰謝料の支払いを受ける際には、示談書の作成が重要

浮気相手や配偶者が浮気(不貞行為)の事実を認め、慰謝料の金額に同意した場合は、支払いを受けることになります。

慰謝料は一括払いが望ましいですが、相手に支払い能力がない場合もあります。その場合は、双方が話し合い、分割払いにて契約するパターンも考えられるでしょう。

【慰謝料を分割払いにする際の注意点】

浮気の慰謝料は、支払う側にとってモチベーションが下がるものです。話し合った直後は、深く反省していたとしても、月日が経つにつれ支払いが滞る可能性もあります。また、期間が長くなればなるほど、浮気相手の経済状況の変化の影響を受けやすく、当初の約束を破棄される可能性も考えられます。

一括払い、分割払い問わず、慰謝料の支払いを受ける際に作成しておくべきものが、示談書です。

【示談書の作成によるメリット】

  • 慰謝料の受け取りは、正当な権利であることを証明できる(恐喝ではないことの証明でもある)
  • 再度、不倫関係を結んだ際の違約金について記載できる
  • 不倫の事実を第三者に口外しないとの契約ができる

示談書の内容には、明確なルールはありませんが、一般的には下記の内容を記載することが多いです。

  • 事実確認
  • 浮気(不貞行為)に対する謝罪
  • 慰謝料の金額及び条件(一括・分割など)
  • 不倫の再発防止に関する誓約事項
  • 守秘義務(第三者に口外しない)
  • 精算条項(示談成立後は、互いに金銭の要求をしない)

手順9,慰謝料請求に応じない場合は調停・訴訟

浮気相手が慰謝料請求に応じない場合は、裁判にて慰謝料請求を行う必要があります。その流れをご紹介しましょう。

・裁判所に訴状を提出

訴状には、慰謝料の請求金額、慰謝料請求を行う理由を記載します。裁判を起こす側が住んでいる地域の裁判所に提出します。

・訴状の送達

裁判所から浮気相手の元へ訴状が送られます。裁判の期日や出廷義務が書かれており、浮気相手はこの段階で弁護士に依頼することも多いです。

・裁判出廷

裁判官が提示する和解案に双方が同意した場合、和解にて終了します。和解不成立の場合は、尋問へと進み、請求者・浮気相手・第三者による証言や証拠の提出が行われます。尋問後、和解が成立すれば、その段階で終了です。

・判決

尋問を経ても、和解に至らない場合は、裁判官が判決を言い渡します。

離婚・慰謝料請求を有利に進めるには浮気(不貞行為)の証拠が重要

希望する形で離婚・慰謝料請求を進めるためには、浮気(不貞行為)の証拠をしっかり集める必要があります。

どういった内容のものであれば、証拠として認められるのか、その内容をチェックしておきましょう。

【浮気(不貞行為)の慰謝料請求で証拠になるもの】

不貞行為と高い確率で認められる証拠

  • ラブホテルや浮気相手の部屋へ長時間滞在したことを示す写真
  • 配偶者または浮気相手が、浮気(不貞行為)の事実を認めた文章や音声
  • 配偶者と浮気相手が旅行先で同じ部屋に宿泊したことを示す写真
  • ラブホテルへの出入りなどを記載した、探偵による報調査告書

特に調査報告書の重要性に関しましては「探偵の調査結果である調査報告書の重要性とサンプルチェックすべき内容」にて、別途記載しています。合わせて、ご確認ください。

探偵が獲得する映像や写真以外にも裁判で提出できる証拠

  • ラブホテルの領収書
  • 友人や職場関係者など、第三者の証言

その他の領収書は、例え異性へのプレゼントや避妊具購入、二人分のディナー代だとしても単独では証拠として弱くなります。「頼まれた」など言い訳ができるためです。

しかし、配偶者の行動を日記などに記載しておくことで、東京に出張だと言っていた日付で、京都のレストランの領収書と避妊具購入のレシートが発見されたなど、辻褄が合わない場合に行動を推測するための証拠として使われる可能性があります。

ただし、あくまで合法的に手に入れた証拠に限ります。

浮気や不倫によって受けた精神的苦痛の証明

配偶者の浮気や不倫により、うつ病になった、リストカットをしたという場合は、診断書やリストカットの写真を証拠として提出することができます。

少しでも多く慰謝料請求するために「既婚者と知っていた」ことの証拠集め

少しでも多く慰謝料請求するためには、相手の「既婚者とは知らなかった」という言い訳を防ぐ証拠が必要です。

  • 浮気相手が配偶者の結婚式に出席していたことがわかる写真
  • 浮気相手が「奥さん(旦那さん)には秘密」など、婚姻の事実を知っていると思われる内容のメールやLINE
  • 配偶者が「妻(夫)にバレないようにしよう」など、婚姻の事実を伝えているメールやLINE
  • 配偶者と浮気相手が同じ職場で働いている(婚姻関係を知っているはずだと推測される)

などが挙げられます。

また慰謝料請求の金額は、不貞行為の回数や不貞行為が始まってからの月日にも影響を及ぼすため、配偶者の行動記録をつけておくことも大切です。

探偵に依頼することで離婚・慰謝料の根拠と有利に進める証拠が得られる

スムーズに離婚・慰謝料請求を進めたい場合は、不貞行為を立証できる証拠集めと根拠のある慰謝料金額の提示が必要となることをお分かりいただけたでしょうか。

慰謝料は不要だという場合も、配偶者が離婚を拒否する場合は、不貞行為の証拠が強い威力を発揮してくれます。慰謝料請求に関しては、なおさらです。

また慰謝料の請求金額に関しても、相場をあまりに超えた金額を請求すると、裁判官の心象も悪くなってしまうため、自分のケースではいくらになるかといった客観的な視点も重要です。

証拠集め、慰謝料金額をいくらにするのかといったことから裁判になった場合の手続きまでを、全て一人で行うには、負担が大きいと感じる方も多いことでしょう。そんな時は、探偵事務所に頼ってください。

「本気で離婚を考えている」「本気で慰謝料を請求したい」とお考えの方のため、探偵事務所SATは全力で力になります。探偵事務所SATでは、相談段階で依頼目的についてお伺いした上で、ご希望の方にはアドバイスや弁護士の紹介もさせていただきます。

どのような些細なことでも構いません。浮気調査や裁判資料、慰謝料に関する不安・疑問をお持ちの方は、まずは一度ご相談ください。