イジメ問題に苦しむお子様やご両親・保護者の方にとって、確固たる証拠を掴みたいと思うのは極当たり前のお気持ちです。誰に提出してもイジメと判断が出来る証拠として、最近ではボイスレコーダーや盗聴器による音声の録音が注目されるようになってきました。

しかし、イジメている相手に黙って録音することに躊躇してしまい、なかなか音声録音に踏み切れない方も少なくありません。

  • 勝手にイジメの音声を録音したら逆に訴えられないか?
  • 盗聴器などの利用は犯罪になるのではないか?
  • 録音した音声はどのように利用すればいいのかよくわからない

イジメの証拠としてその現場の音声を録音することは大変有効なのですが、録音の方法や証拠の使い方に気をつけなければならないというのもまた事実です。

では、一体どのような方法で録音されたものが証拠として有効なのか、具体的な注意点とともに詳しく解説していきたいと思います。

イジメの証拠集めに音声を録音することは違法ではない

こっそりイジメの現場を録音・録画して証拠としたい…でももし違法ならこちらが逆に訴えられてしまうかも知れない…イジメの証拠集めとして現場の録音・録画を考える方で、このような悩みを持つことは珍しくはありません。

実は、イジメの証拠として音声を録音することは違法ではないのですが、その証拠をどのように利用したかによって司法判断に大きな差が出てきます。

証拠の音声を有効に活用するために、気をつけなければならないポイントを具体的にみていきましょう。

録音のための機材は自分の持ち物限定で仕込む

まず基本的な考えとして、録音するための機材は当事者やその関係者が持つという点を外さないようにしましょう。

具体的な例としては、次のようなものが挙げられます。

  • イジメ被害者本人であるお子様がボイスレコーダーをポケットに入れる
  • イジメ被害者本人であるお子様の持ち物に盗聴マイクを仕込む
  • イジメ被害者本人であるお子様がスマホのアプリなどで録音、撮影を行う
  • 被害者のご両親や保護者が話し合いの際にボイスレコーダーで記録する
  • 被害者側の私有地内や車、自転車に撮影機材を取り付ける

より鮮明で確実な証拠を掴もうとする余り、ご自分の持ち物以外に録音・撮影機材を取り付ける保護者の方もいらっしゃるのですが、これは行き過ぎた行動と取られて逆に訴えられてしまう可能性があります。

  • マンション内の共有部分に無許可で隠しカメラを設置する
  • イジメ加害者の持ち物に盗聴マイクを仕込む
  • イジメ加害者の自宅周辺に無許可で撮影機材を設置する
  • お子様の通っている学校内に無許可で盗聴機材を設置する
  • 他人の私有地や建物に撮影機材を設置する

これらの行動は全て不法侵入やプライバシーの侵害です。場合によってはお子様のイジメ問題がより悪化してしまいますので、録音や撮影機材はご自身のテリトリー内や所有物にのみ仕込むようにしましょう。

話し合いの場でも相手に知らせる必要はない

イジメ問題で学校や加害者側と話し合いを行う際に、ボイスレコーダーでその内容を記録することは違法ではありません。また、事前に話し合いの内容を記録することを知らせる必要もありません。

  • 録音や撮影の目的がより正確な議事録を作るためであること
  • 録音や撮影された話し合いの記録データを外部に漏らさないこと
  • 記録データを改ざんしないこと

話し合いを記録する一番の目的は、相手側から提出された文書内の意図的な書き換えや事実と異なる部分を指摘することにあります。大変残念なことに、出来るだけ穏便に済ませたいと思う学校側からの報告書では、被害者側の訴えが反映されておらず被害が最小限となるように書かれてあることも少なくありません。

このような学校側の対応に関しても、正確に指摘してその根拠となる記録データがあることが、その後の動向を左右する上で重要となります。節度を守った録音が違法となることはありませんので、大切な話し合いは出来るだけ記録しておくようにしましょう。

記録データの使用目的によっては違法となることもある

  • イジメ問題の当事者やその保護者が行った録音や撮影は違法ではない
  • 私有地内や所有物に録音や撮影の機材を仕込むのは違法ではない
  • 会議をボイスレコーダーに録音することは違法ではない

イジメの証拠集めとして、以上の点が違法ではないことはこれまでの説明でおわかり頂けたのではないでしょうか。では、ニュース等で流れている「イジメ画像の流出による問題発覚」について、何故それが問題となるのか疑問を持たれる方も多いことと思います。

実は、イジメの証拠集めとして画像を撮ることと、イジメの現場を押さえた画像を流出させることは別問題なのです。

  • イジメの証拠として映像を提出したが学校側の対応が悪かったので画像サイトに載せた
  • イジメ加害者の写真と音声を不特定多数の人に送った
  • イジメ問題の話し合いをネット上でライブ公開した

イジメ問題がなかなか解決しないことで判断を見誤り、このような行動を起こしてしまう方も少なくありません。

しかし、当事者間での記録データのやり取りや裁判・事件の証拠として画像や音声を提出することは違法ではありませんが、当事者ではない不特定多数の人に情報を公開することはプライバシーの侵害となってしまうのです。

大切なお子様がイジメられているという現実は、そのご両親や保護者の方にとってとても許される事ではありません。しかし、その問題解決のために集めた証拠の使用目的を誤ってしまうと、逆にお子様や保護者の方々が責められる結果となってしまいます。

  • イジメの現場を押さえた音声や画像は当事者以外に漏らさないこと
  • 裁判や刑事事件の証拠として利用すること
  • 音声や画像が証拠となるかどうか判断がつかない時には専門家に相談すること

イジメの証拠集めとして音声や画像を記録した際には、その取り扱いに十分注意をして問題解決にむけて利用するようにしましょう。

イジメ問題で音声録音に使用する機材とその方法とは?

イジメの現場や問題解決にむけた話し合いを録音するにあたり、出来れば相手に知られないように記録してありのままの姿を捉えたいと思われる方も多いでしょう。

確かに、はっきりとわかる形で証拠を記録しようとすると、イジメが更に隠れてわかりにくくなったり悪化することも少なくありません。実際に音声や画像を記録した人たちの例を挙げて、機材について詳細にみていきましょう。

小型ボイスレコーダー等を使用する

イジメの現場や話し合いを録音するのに一番利用されるのがボイスレコーダーですが、はっきりとわかる形だと気づかれてしまい、なかなか証拠を押さえることが難しくなってきます。

現在では多くの種類のボイスレコーダーが販売されておりますので、状況に合わせて選んでみると良いでしょう。

小型ボイスレコーダー

薄くて小さい小型のボイスレコーダーです。ポケットなどに入れてもかさばらず、長時間の録音も可能で気づかれにくいという利点があります。

ペン型ボイスレコーダー

ボールペンの形をしたボイスレコーダーです。筆記用具として筆箱に入れる他、学校内で気づかれることなく集音することが可能です。

腕時計型ボイスレコーダー

腕時計の形をしており、自然な形で持ち歩くことが出来るボイスレコーダーです。お子様学校に持っていくことは難しいかも知れませんが、話し合いの際に相手に気づかれることなく自然に録音するといったケースでは大変効果的です。

ボイスレコーダーを選ぶ際に迷われたり疑問がある場合には、販売店の専門家の意見や探偵事務所などに相談をして参考にしてみましょう。

スマートフォンのアプリを利用する

スマートフォン専用のアプリを利用して、音声録音や画像を記録する方法もあります。

実際に利用されたケースとしては、学校にスマートフォンを持ち込むことが出来るお子様が独自でダウンロードして証拠を押さえたり、話し合いの場でごく自然にテーブル状にスマートフォンを置いておき記録したという保護者の方もいらっしゃいます。

逆に、話し合いの場で学校側や加害者の保護者に警戒されて、事前にスマートフォンをカバンにしまうことと要求されたといったケースもあります。スマートフォンを利用して録音をお考えの際には、集音マイクなども検討しておきましょう。

盗聴器を使用する

イジメの証拠集めと聞いた時、一番最初に思いつくのが盗聴器かも知れません。

  • お子様に気づかれないように持ち物に仕込みたい
  • 小さくて加害者に気づかれないものを利用したい
  • いろんな状況を考えて複数個のマイクを仕込みたい

現場の音を拾うマイク部分だけを仕込み、録音は離れたところで行う盗聴器の使用は、このような希望を持つ保護者の方にとって一番魅力を感じる方法かも知れません。

しかし、マイクを仕込むことは可能であっても集音された音を拾う為には別の機材が必要となり、専門的な知識や技術が不可欠です。

盗聴器の使用をお考えの際には、探偵事務所に相談をした上で適切なアドバイス等と受け、第三者の力を借りることも視野に入れるようにしましょう。

イジメの証拠を録音・録画した実例と注意点

実際にイジメの証拠を録音・録画した人たちは、どのような方法で証拠を集めたのでしょうか。実例と詳細な方法がわかると、ご自身のケースに当てはめて考えやすくなります。

ここでは実際にイジメの証拠を録音・録画した方々の例を挙げ、その注意点も交えてご紹介したいと思います。

小型のボイスレコーダー等をポケットや洋服の裾に仕込んだ

小学校低学年のお子様がイジメを受けていることに対し、心配した保護者の方がお子様の洋服に小さなポケットを縫いつけ、その中に小型のボイスレコーダーを仕込んで録音したという方法です。

  • イジメ問題の争点となっていたのが主に暴言や小さな嫌がらせであった
  • 洋服を脱がされたことはなかった
  • 担任の教師が仲良しだと思っている子どもがイジメのリーダーだった

このような点から、暴言とその声の主を特定するためにボイスレコーダーで録音する方法を選択した保護者の方は、録音された音声を学校側に証拠として提出。「◯◯君やめて!」という声や「バカ!」「デブ!」といった声が実際に録音されていたことから、学校と加害者の保護者から謝罪を受け和解に至りました。

洋服を脱がされたりランドセルをひっくり返されると、ボイスレコーダーが見つかってしまったり、壊されて証拠が取れず、イジメが悪化する可能性があります。ボイスレコーダーによる証拠押さえを考える際には、こうした可能性がないことを確認した上で行うことが重要です。

アプリを利用してイジメの現場を録音した

学校内のイジメを担任に訴えても聞き入れて貰えなかった高校生が、スマートフォンのアプリと集音マイクを利用してイジメの現場を録音し、証拠として提出したケースです。

  • 高校生だったので自主的にアプリを利用することが出来た
  • 協力してくれる友人がいた
  • 学校内へスマートフォンを持ち込むことが可能であった

以上の点からスマートフォンのアプリを利用した録音に成功し、イジメの現場を押さえてしかるべき対応を学校側に要求することが出来ました。高校生になると更にイジメが巧妙になり、親が口を出してもなかなか学校側が動いてくれないという現実的な問題もあります。

思春期で年齢が上がってくると、犯罪まがいのイジメが横行する危険性もありますので、お子様やご家族だけではなく、警察や法務局といった第三者機関やイジメ問題のNPO団体、探偵事務所などに相談をして早い段階で危険な芽を摘むようにしましょう。

子どもに気づかれないようカバンや持ち物に盗聴器を仕込んだ

イジメを受けて心が疲弊しているお子様に考慮して、お子様に気づかれないように証拠を押さえるため、持ち物や洋服に盗聴器を仕込んで証拠を集めたケースです。

  • 洋服を脱がされたりカバンを壊されるといった被害があった
  • お子様が消極的で証拠を押さえることが難しかった
  • 個人で出来る範囲を超えていたので探偵事務所に相談した

小学校の高学年になってくると、性的暴力や器物破損など悪質なイジメを行うことも少なくありません。狡猾な子どもの場合、グループを作り学校や保護者に気づかれないよう陰湿なイジメを繰り返すことも珍しくはないのです。

このような場合、被害者のお子様や保護者の方だけでは対応出来ない部分も数多く出てきます。保護者から相談を受けた探偵事務所では、イジメを受けても機材が壊れない場所を複数指定して盗聴器を仕込み音声を録音、それとは別にお子様の登下校や塾の行き帰りなどを見守り、証拠を押さえて学校側と加害者の保護者に提出しました。

どれだけ保護者の方が一生懸命になっても、イジメの被害で苦しんでいるお子様が報復を恐れて消極的になることも多いです。お子様の状態を第一に考え、保護者の方だけでは無理と判断された時には、探偵事務所に依頼して証拠を押さえることも選択肢に入れておきましょう。

まとめ

イジメの証拠集めとして音声や画像を記録することについて、その方法や注意点などを詳しくご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容を振り返り、まとめてみましょう。

  • イジメの証拠として音声や画像を記録することは違法ではない
  • 記録したデータを不特定多数の人に公開することが違法である
  • 証拠の音声や画像は扱いに注意をする
  • 証拠を取るだけではなく、話し合いも記録をしておき文書を改ざんされないようにする
  • 個人でも証拠を集めることは可能だが、状況をよく見て無理をせず探偵事務所などに相談することも視野に入れておく

イジメを解決するために必要な証拠集めですが、その使用方法を間違えると思わぬトラブルとなることもあります。冷静に判断して、問題解決へ向けた証拠集めとするように心がけるようにしましょう。