一般家庭やホテルに次いで、企業のオフィス内も盗聴のターゲットになりやすい場所です。しかも盗聴で得た情報は悪用されやすく、盗聴の事実が明るみに出ただけでも会社にとっては大ダメージとなります。

会社に盗聴器を仕掛けられると一般家庭などに比べてかなり見つけにくく厄介ですが、一刻も早く見つけなくてはなりません。それにはまず盗聴に気づくことです。盗聴器が仕掛けられやすい場所、盗聴を疑うべきサイン、そして盗聴器の発見方法を知り、いち早く盗聴に気づいて対策を立てましょう。

会社のオフィスは盗聴の危険性が高い場所

何人もの社員を抱え、取引先や配達・メンテナンスなどの業者も出入りするオフィスは、非常に盗聴器を仕掛けられやすい場所です。出入りするすべての人間に盗聴器設置の機会があるため、犯人の特定も容易ではありません。

犯人の動機も、いじめやパワハラといった社員同士のトラブルから、社内ストーカー、外部の企業スパイ、退職した社員の逆恨みなど様々あります。これらはどれも、ほとんどの企業に関係することばかりです。

さらにたくさんの備品が置かれているうえ、個人の私物まであるため、社内に仕掛けられた盗聴器の発見は非常に困難です。

しかも企業内の盗聴で得られた個人情報や企業秘密は悪用されやすく、そうなると会社には大ダメージ。そもそも盗聴されたという事実だけでも、世間に知られれば信用を失います。一般家庭での盗聴と最も大きく違う点はそこです。

情報が悪用される前に、何らかの事件に発展する前に、しかるべき処置をとって盗聴を解決してください。

会社が盗聴されているサインに注意

盗聴対策として、何より大事なのは被害が出る前に盗聴に気づくことです。どんな小さなサインも見逃さないように注意してください。

盗聴されている場合のサイン

  • 社員が知っているはずのないことを知っている
  • 外部の人間が社内の秘密を知っている
  • 誰が持ってきたかわからないものがオフィスにある
  • 観葉植物・時計・カレンダーなどの位置が変わったような気がする
  • 社員・あるいは外部の人間が社内で不審な動きをしていた
  • 不審な電話、用のわからない電話があった
  • 電気代・電話代が以前より高くなった
  • 切ったはずのパソコンの電源が切れていないことがある
  • 最近パソコンの動作が重い・遅い
  • 電話回線・インターネット回線などにノイズが入ることがある
  • 空き巣が入った/何者かがオフィスに侵入した形跡がある
  • 盗聴の調査に反対する/不自然な反応をする社員がいる

特に最初の2つは要注意です。すぐに手を打たなくては、手遅れになる可能性もあります。

またこれ以外でも、何か不審な点や変化を感じたら、それが盗聴のサインであることは十分あり得ます。あるいは他の問題が発生しているかもしれませんし、そういった場合の相談先として最適なのは探偵です。

会社のどんな場所にどんな盗聴器が仕掛けられやすいか

盗聴器は目的や設置場所に応じてたくさんの種類があります。電池式でどこにでも仕掛けられるもの、設置場所の電源を利用するため半永久的に盗聴できるもの、電話回線に設置して電話周辺の音声を聞き取るものなどが主ですが、もちろんどれも見つかりにくいように工夫がなされています。

それを見つけるためには、まずはどんな場所にどんな種類の盗聴器が設置されやすいかを知ることです。

盗聴器が設置されやすい場所

  • 人の出入りがよくある場所
  • 誰でも立ち入れる場所
  • 会議室・応接室など大事な話をする場所
  • 大きな備品・電化製品などの裏面や下部

これを大前提として、具体的に設置されやすい場所と盗聴器の種類について説明します。

デスク周辺

デスク周辺は多くの備品や小物、文房具などが集まっているため、オフィスの中でも特に盗聴器を設置しやすい場所です。こういった場所に仕掛けるのに最も都合がいいのが、擬態型(偽装型)盗聴器です。

擬態型盗聴器とは、小型の電子機器や日用品などの小物に盗聴器が内蔵されているものです。見た目では盗聴器とはわからず、堂々とデスクの上に放置できる形状になっています。

擬態型盗聴器の形状(何に擬態しているか)

  • 電卓
  • パソコンのマウス
  • USB
  • イヤホン
  • コンセントタップ
  • 延長コード
  • リモコン
  • ペン
  • メガネ
  • 置時計
  • カード(名刺サイズのカードでポイントカードなどと見分けがつかない)

他にもいろいろありますが、特にコンセントタップ型のものはよく使用されるため、要注意です。コンセントタップ型盗聴器はA~Fのアルファベットが書いてあることが多いので、それも参考にしてみてください。

会社は一般家庭に比べて非常に多くの人間が出入りする場所なので、このような盗聴器であればどこにでも紛れ込ませることができます。部署の責任者に見覚えがなくても誰かの私物かもしれませんし、勝手に撤去するわけにもいきません。

つまり盗聴器を設置される前に手を打つのでなければ、盗聴器発見調査をしてはっきりと盗聴器であると判明しない限り撤去できないのです。

同時に、その他のデスク周辺の盗聴器を設置しやすい場所も探しましょう。

  • 椅子やクッションの裏・内部
  • 引き出しの中
  • 机の裏面、下部、側面

固定電話・パソコン周辺

固定電話があれば、電話回線を利用した盗聴器が設置できます。最近では電話線に付属するコネクタや端子(電話線をつないだり接続したりする部分)や分子アダプタ、あるいはヒューズなどに似せたものが多いです。

これは小さいうえに電話線に付属していて自然なものに擬態しているため、素人にはなかなか見つけられません。

そしてパソコンには、盗聴(盗撮)ソフト・アプリ、スパイウェアなどが仕掛けられる可能性があります。これはスマホ用にも同じようなものがありますが、パソコンは機能の幅が広い分、さらに盗聴の性能と見つかりにくさを高められるのが恐ろしいところです。

天井・壁周辺、書類棚などの大型備品周辺

壁に掛けられているものにも、録音式や電池式の盗聴器が設置されている可能性があります。盗聴器は小型化が進んでいるため、例えば掛け時計の裏などにも隠すことができるのです。そしてもちろん、大型の備品(家具的なもの)も、盗聴器を隠すには適しています。

盗聴器を隠すのに適した場所

  • 掛け時計の裏
  • エアコン(リモコンも)
  • 照明器具付近
  • コピー機・ファックスなどの裏面・側面・内部・下部など
  • 本棚・書類棚などの裏面・下部・奥など
  • 書類ファイルの中、すき間、陰
  • 絵画・賞状・掛け時計などの裏
  • ホワイトボードの裏

これらの場所には、黒い箱型の盗聴器カードタイプの盗聴器が設置されることが多いです。特に何かの陰になっている場所を注意して探してください。

応接室・エントランス周辺

応接室やエントランス周辺は、人の出入りが多い場所です。そのため盗聴器を設置する機会もたくさんあります。

応接室・エントランス周辺で盗聴器が仕掛けられやすい場所

  • 靴箱
  • 傘立て・傘
  • 装飾品・サンプル・ノベルティ・観葉植物などの内部
  • ソファやテーブルの内部・下部・すき間など(ソファなら座面のすき間)
  • その他、柔らかい素材で内部に盗聴器を埋め込めるもの
  • オフィスと同じく大型備品の周辺
  • 書類やファイルの陰・すき間
  • 取引相手や出入り業者が意味もなく置いていったもの

応接室やエントランス周辺は、外部の人間でも盗聴器を設置することができます。外部の人間に盗聴されると、社内の大事な情報が外に漏れる可能性が極めて高いため、特に注意が必要です。

更衣室・給湯室・トイレなど

これらの場所は盗聴だけでなく盗撮の危険も高いです。

盗聴器・盗撮カメラを設置されやすい場所

  • ロッカー
  • 給湯器の裏
  • 換気扇
  • シンク下
  • 棚などの内部・裏面
  • 掃除用具入れ
  • 汚物入れ・掃除用具の裏
  • トイレのタンクの裏
  • ドアの下部
  • 天井
  • ごみ箱(下部も)

これらの場所は照明もあまり明るくないことが多いため、隠すのに都合がいいです。とにかく見えづらい場所を重点的に探してください。

会社に仕掛けられた盗聴器を見つける方法

会社に仕掛けられた盗聴器を実際に発見するには、3つの方法があります。それぞれのメリットとデメリットを説明するので、よく考えて選んでください。

経営者あるいは社員が調べる

経営者や責任者といった、少数の内部の人間で盗聴器を見つけて撤去する方法もあります。この方法のメリットは何より、盗聴の被害についてほぼ外部に漏らす危険性が低いことです。

この場合、市販の盗聴器発見器かダイヤル式FMラジオを用いて盗聴器探すことになりますが、盗聴器発見器は素人では設置場所の特定が難しいこと、FMラジオではアナログ電波の盗聴器しか発見できないというデメリットがあります。

しかし盗聴器があるかないかを調べるだけなら、この両方試してみるのはかなり有効です。一般企業は盗聴されていることが外部に知られるだけでもダメージを受けかねないので、初手としては自分で探してみるのはいい方法といえます。

盗聴器発見の専門業者に依頼する

盗聴器の発見に限っていえば、もちろん専門業者は技術・機材ともに最高レベルです。

盗聴器の技術は進歩し続けています。専門業者であれば盗聴に関する最新情報を集めていますし、それに対応する企業努力を続けています。

しかし会社に盗聴器が仕掛けられていた場合、それは複数である場合がほとんどです。広いオフィスに1つや2つ仕掛けたところで情報がうまく集められるわけがないので、10個以上仕掛けられる場合もあります。

あまりにたくさんの盗聴器があると、専門業者も簡単には見つけられないのが現状です。そうなると、捜索範囲を狭めるなどの工夫をして探すことになりますが、このやり方だと時間がかかってしまいます。

しかし逆にいえば時間さえかければほぼ確実に盗聴器を見つけられるため、とにかく設置された盗聴器を撤去したいという場合には最適です。

探偵に依頼する

探偵も盗聴器の発見と撤去を行っています。その技術と機材は会社によってピンキリですが、盗聴器発見に強い会社であれば盗聴器発見専門業者にも引けを取りません。

そして探偵には、盗聴器発見専門業者にはない調査力があります。

盗聴の犯人と目的まで突き止められる

探偵に依頼する最大のメリットは、優れた調査力で盗聴器の発見だけでなく犯人と目的を突き止められることです。

仮に機材のレベルが盗聴器発見専門業者に劣っていたとしても、犯人の目的(欲しい情報)がわかっていれば、どこに盗聴器を設置したかを推測できます。そうすれば無駄な時間を割かずに、ピンポイントで盗聴器を見つけられるのです。

これによって社内での作業時間が短縮されるため、秘密裏に調査が終えられます。

さらに犯人が特定できれば、盗聴問題を根本から解決できます。盗聴の動機は人間関係のトラブルと企業スパイが主ですが、どちらも示談・訴訟などの法的措置をとらなくては、解決は難しいです。その点探偵ならばそのために必要な証拠もそろえられ、警察や弁護士に事件を引き継ぐこともできます。

探偵に調査依頼する前に準備しておくべきこと

探偵に調査を依頼するためには、できる限りたくさんの情報を集めておくことが大事です。この情報が多ければ調査期間は短縮され、コストも削減されます。

探偵に依頼する前にまとめておく情報

  • 会社名・親会社や子会社との関係
  • 会社の所在地
  • 盗聴のことを話した関係者のリスト
  • 盗聴を疑いはじめたきっかけと時期
  • 盗聴器が仕掛けられていそうな場所
  • 怪しいと思う人物
  • 最近の社内での変化(新しいプロジェクト、人事異動、制度の変更、移転など)
  • 社内で起こっているトラブル(人間関係、いじめ・パワハラ・セクハラ、懲戒免職など)
  • 近隣住民や他社などとの社外トラブル
  • 立ち入り業者・取引先のリスト(個人名もわかる限り)
  • 関連のありそうな事件

情報の選別は探偵が行うため、できるだけ多くの情報を集めてください。多いに越したことはありません。

社内に盗聴器を2度と設置されないための環境づくりと対策

盗聴器発見専門業者や探偵に依頼すれば盗聴器は撤去されますが、これで終わりではありません。一度盗聴器を0にしたなら、もう二度と設置されないようにすることが大事です。

ここまで説明してきたとおり、会社に盗聴器が設置されると簡単には場所を突き止められません。定期的に対策をとって、盗聴器を設置されにくくかつ見つけやすい環境づくりを心掛けてください。

商談などの来客の後にチェックする

社外の人間が来社の際に盗聴器を仕掛けていく可能性は非常に高いです。特に来客を通す応接室や会議室は、重要な話し合いが行われることが多いため、盗聴するにはかっこうの場所といえます。

応接室・会議室であれば、いすや机の下、ソファのすき間、装飾品の陰などに設置されやすく、また来客の持参品などに仕込まれている可能性もあります。来客が帰った後に、出入りした場所を一通りチェックしてみてください。

社外の人間を社内で1人にしない

仕事相手だけでなく配達やメンテナンスの業者も含めて、できる限り社内で1人にさせず、盗聴器設置の機会自体をなくしましょう。作業の時間が長くてどうしてもずっとは監督していられないなどの場合は、後で怪しいものがないかチェックしてみください。

定期的にオフィスの掃除と備品の整理をする

要らないものを捨てる、部屋中をチェックするというのは盗聴器を見つけるための基本です。確実に盗聴器が撤去できるわけではありませんが、掃除することで盗聴器を見つける確率は高くなります。また余計な備品を捨てることで、盗聴器を設置しやすい場所を減らすことができます。

もし怪しいものが見つかった場合は、市販の盗聴器発見器で調べられます。どこにあるかわからないものを探すには技術や工夫が必要ですが、見つかったものが盗聴器かどうかを調べるのは素人でも比較的簡単です。

定期的に社内のトラブルを調査する

これは盗聴の原因を絶つ方法です。社員の聞き取り調査を定期的に行うことで、盗聴だけでなく様々なトラブルに早く気づくことができます。また聞き取りの際に、盗聴の心当たりなどを聞き出せるかもしれません。

定期的に盗聴器発見調査を行う

普段から気を付けていても、オフィスが広ければ広いほどどうしても穴ができてしまうものです。また盗聴器はこれからもさらに発見しづらくなることが予想されます。そのため年1回などのペースで、専門業者や探偵に調査を依頼して盗聴器を撤去するとともに、盗聴器に関する情報をアップデートしてください。

問題があってから調査を依頼するのでは会社の評判が落ちることもありますが、定期的に行っていればむしろクリーンな会社として印象付けられるはずです。

盗聴器をオフィスから根絶するために大事なこと

この記事を読んでもまさか自分の会社が盗聴されているわけがないと思っている人もいるかもしれません。しかし会社はいくらでも悪用できる情報にあふれていて、かつ盗聴器を仕掛けるにもとても都合のいい場所です。全く心当たりがなくても、定期的に調査するくらいでちょうどいいです。

調査をして実際に見つかれば撤去するだけでなく犯人も特定し、しかるべき処置を行ってください。そしてその後も対策を怠らないようにしましょう。