【投稿日】 2018年8月15日 【最終更新日】 2021年10月21日
結婚を考えている相手やその家族・親族が信仰している宗教は、場合によっては離婚の原因となることがあります。信仰の自由が法的に認められている一方で、宗教のしきたりや教えから精神的苦痛を強いられるケースも少なくありません。
探偵事務所の結婚調査で寄せられる宗教の調査依頼とはどのようなものなのか、その内容や具体例を詳しく解説していきます。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
探偵は結婚前の宗教についての調査はどこまで踏み込んだ調査が可能なのか
古来より、宗教は人々の心の拠り所として受け入れられ、日常生活にも普通に溶け込んでいます。しかし、生まれ育った場所も家庭も違う2人が生活を共にする結婚においては、日常生活に溶け込んでいる宗教自体が違い過ぎて問題となることもあるのです。
宗教に関係する問題について、探偵事務所ではどこまで踏み込んだ調査が可能なのか、事例を交えてご紹介していきます。
一般的な宗教に関する情報について
日本で一般的に広く受け入れられている宗教は、「神道」「仏教」「キリスト教」です。ここから更に細かく宗派が分かれていくのですが、探偵事務所で調査を依頼する人の多くは、「結婚後の生活にどの程度宗教が関わってくるのか」といった点に着目しています。
- 結婚相手実家の菩提寺や宗派について
- 結婚式を挙げるなら「神前」「仏前」「教会式」のどれになるのか
- 宗教に関係する行事にどれくらい熱心なのか
- 地元神社の氏子総代や寺院の檀家のまとめ役などやっているかどうか
- 結婚後に宗教に関する行事を強要されないかどうか
- どこまで熱心に信仰しているか
- 葬儀や先祖の供養はどのように行われているか
宗教を元にした人生の節目で行われる行事は、結婚する相手によっては受け入れ難い場合もあります。実際に相談があった中には、お互いの実家の宗教観念からどうしても譲ることが出来ず、「神前式」と「教会式」で結婚式を2回行ったというケースもあります。
ごく一般的な宗教であるからこそ「これが当たり前だろう」という感覚が強く揉めることもありますので、このようなトラブルを未然に防ぐ意味でも事前に宗教の調査を依頼するのです。
社会的に問題となっている新興宗教に入っているかどうか
社会的に問題となりニュースなどで取り上げられたり、大きな問題までは起きていなくても教義そのものに問題がある新興宗教に入っていないかという調査は、相手の宗教調査の中で一番多い依頼です。
- 勧誘が強引で誘拐事件にまで発展した。
- お布施を強要しており全財産をつぎ込ませる。
- 性的行為を儀式と称して強制的に行い問題となった。
- 殺人や犯罪に通じる行為を正当化している。
- 宗教上の理由により治療を拒否して死亡。
これらはほんの一例ですが、問題となっている新興宗教の信者である・または家族や親族に信者がいるといった場合、婚姻することで繋がりが出来てしまうと結婚生活に悪影響が出ることがあります。
- 信者ではないのに警察に疑われる。
- 信者になることを強要されトラブルが起こる。
- 病気になっても病院に連れて行ってもらえない。
- 職場や学校などで距離を置かれる。
- 新興宗教からの圧力で生活が破綻する。
新興宗教のすべてが悪いわけではありませんが、すでに社会的に問題視されている宗教団体との付き合いは、これまでに築き上げてきた人間関係や実績を大きく傷つける原因にもなりかねません。そしてそれは、結婚する本人同士だけではなくその家族・親戚にまで及ぶのです。
そのような危険性をはらんでいないかどうか、その点をはっきりさせるために探偵事務所へ調査を依頼する方が増えてきています。
霊視・お祓いといった霊能者への信仰があるか
宗教法人などのはっきりとした団体ではなく、個人の霊能者やお祓いを行なっている人に深く信仰しているかを調べるといったケースも依頼内容となります。
- 高額なお布施で毎月お祓いをしている。
- 霊能者の霊視通りに行動することを強要される。
- お札やお守りなどを法外な値段で購入している。
- 「霊視ではこうだった」という家族の口出しが多い。
- 霊能者へのお参りを強要してくる。
これは実際にあった例なのですが、地元で有名な霊能者に傾倒している義実家が「霊視ではこうだったから」とことごとく新婚生活に口を出し、勝手に持ち物を捨てたり家を建てる場所を指定したことで夫婦関係が悪化、最終的には離婚してしまったというケースもあります。
もし事前にこのような信仰があることがわかっていれば、結婚する相手と話し合ったり結婚そのものを一旦考え直す機会も生まれます。「◯◯教」という看板がないだけに見落としがちですが、このような霊能信仰に関する調査も重要な項目です。
スピリチュアルな自己啓発にのめり込んでいないか
- 宇宙からの力を感じる
- 自然霊との対話を大切にする
- 月や星の動きに合わせて生活をする
- ハイヤーセルフからのメッセージを受け取り自己肯定感を高める
- パワーのある飲み物や食べ物しか口にしない
こうしたスピリチュアル系の自己啓発も、生活を破綻させる理由の1つとして調査が行われています。一般的に言われる宗教ではありませんが、盲目的に信じて実行することで周囲との軋轢が生まれるといった点においては、宗教問題とほぼ変わりません。
- スピリチュアル系のイベントに参加するために高額な費用を使う。
- 生活を破綻させるほどのめり込んでいる。
- 話が通じず話し合いにならない。
- スピリチュアル系な考え方や生活を強要してくる。
- スピリチュアルグッズなど買い漁り家計に影響が出る。
こうした内容の調査で重要となるのは、「自分がどこまでなら許せるのか」といった基準があるかどうかです。中には、スピリチュアル系がどうしても受け入れられず拒否されることもあります。
運気を上げる・前向きになるためにスピリチュアル系に傾倒する人が増えていますが、それが一緒に暮らしていく上で問題がない範囲内であるかどうか、それを確かめるために調査を依頼するのです。
地域の土着信仰が結婚生活に影響しないかどうか
日本は昔から多くの神様が祀られており、地方に行くと地域ぐるみの土着信仰が今なお強く根付いている地域があります。
生活の一部となって当たり前のように受け入れてきた人にはなんでもないかも知れませんが、いざ結婚をしてから宗教的な理由であれこれ制限があることに我慢ができず、結果的に離婚する原因となることもあります。
- 嫁いだ者に対する差別的な対応がある。
- 受け入れがたいしきたりがある。
- 生活に制限がかかりストレスになる。
- 馴染めない。
- 考え方の違いを理解して貰えない。
一見すると単純な「婚家とのいざこざ」にも見えますが、性格や考え方が原因であればまだ話し合いの余地があっても、全てが「土着信仰」に基づいている行動は相手側に悪気がないことも多く「昔からのしきたりだから」で済ませられてしまうのです。
- 男性と女性で使用する入り口が違う。
- 女性は髪の毛が長くなければいけない。
- 髪の毛を染めてはいけない。
- 食べてはいけない食べ物がある。
- 1日の行動が暦や六曜で定められている。
これは地方に限ったことではなく、その地方から都会へ移り住んでも信仰を続けている家族・親族内で行われている可能性があります。結婚する相手のバックボーンにこのような信仰がないかどうか、結婚後の生活への影響まで含めて調査をしていきます。
探偵が結婚前の宗教についての調査に、時間がかかる・難しいケース
宗教に関する調査は、簡単に出来るものから調査自体が難しいケースまで様々です。調査が難しい場合には、下調べの段階で調査時間を長く取らなければならないこともあります。
ではどのようなケースが調査をする上で問題となるのか、その内容を見てみましょう。
家族・親戚・地域ぐるみで事実を隠している可能性が高い場合
信仰している宗教に問題があったり、社会的に受け入れられていないという自覚がある場合には、その宗教の信者であることを家族・親族・地域ぐるみで隠している可能性があります。過去に探偵事務所の調査により破談したという経験があるとその傾向は更に強く、結婚するまで隠し通すようにするのです。
一般的な調査において、菩提寺やお参りしている神社などは比較的すぐにわかりますので、探偵事務所の調査でも簡単には情報が集まらないということは、裏を返せばそれだけ抱えている問題があるということにもなります。
もし相手やその家族・親族に対して宗教的な不安がある場合には、その理由まで含めてまず探偵事務所に相談し、アドバイスを受けてみるのも良いでしょう。
一見すると宗教とはわからないようにしている場合
特定の宗教に深く傾倒しているからといって、誰でも一目でわかる生活をしているわけではありません。しかし、特殊な宗教・信仰の場合にはわからないようにカモフラージュしてあることも多く、情報として見落とされることもあります。
- 普通のマンションが信仰場所となっている。
- 一見するとただの会社にしか見えない場所が宗教の集まりだった。
- はっきりとした特徴があるわけではない。
- 大々的にアピールをしている団体ではない。
- 決定的な証拠が掴みにくい。
このような宗教・信仰の場合には、事前にどのくらいの情報が集まっているかが調査のカギとなります。まずは相手に違和感を感じた部分をメモしたり些細な情報を集めた段階で探偵事務所に相談をし、協力体制を取りながら調査を進めていくことが大切です。
調査に危険をともなう場合
過去に社会的な問題を起こした宗教に関する調査は、犯罪行為に巻き込まれる危険性をともないます。
- 拉致監禁
- 嫌がらせ行為
- 脅迫
- 暴行
- ネット上の誹謗中傷
このような行為を回避するためにはまず第1に「調査していることを知られないようにすること」が大切ですが、先に述べたように調査対象者が意図的に隠していたり分かりにくい場合には、もう少し踏み込んだ調査が必要となります。依頼した探偵事務所に宗教調査に関する独自のノウハウや情報網がなければ、調査自体が出来ない可能性も出てくるのです。
安全に調査を行う上で重要なのは、どの時点で調査を切り上げるのかといった判断基準です。基本的には依頼者の意向に従って調査を進めていきますが、実績のある探偵事務所からの注意などもよく聞いた上で判断するようにしましょう。
結婚相手の宗教調査を依頼する時に必要なこととは
結婚を予定している相手の宗教調査では、依頼をする前にいくつかやっておくべき準備があります。どのようなことに気をつけて準備をすれば良いのか、その具体的な例を解説していきます。
基本的なデータ・証拠を集めておく
まず最初に、調査対象者となる相手の基本的なデータを集めていきます。これは他の調査でも必要なこととなりますので、下記をページを参考にして相手のデータを集めてみましょう。
基本的なデータの他にも、次のような項目について可能な限り情報があると、調査を進めていく上で大変有効です。
- 相手の家族や親族に関する情報
- 出生地や親類縁者にまつわる土地についての情報
- お墓の位置
- 宗教や信仰を感じるきっかけとなった言動や行動のメモや音声
- 身につけているお守りやお札などの画像
決して無理をしてまで集める必要はありませんが、これはと思うものがあればどんな些細な情報や証拠も集めておき、探偵事務所に相談するときに提出するようにしましょう。
調査をする最終的な目的を定めておく
どうして調査をしたいと思ったのか、調査の結果によりどのような行動をしたいと思っているのか、最終的な目的を定めておくことも探偵事務所に相談する上で重要な項目です。
- 宗教に関する事実確認だけ知りたい → 情報を集める
- 宗教や信仰が受け入れられない場合にはお付き合いを解消したい → 証拠が必要
- 精神的に問題があると判断した場合には専門家の力を借りたい → カウンセリングなどの専門家に相談するための情報集め
探偵事務所の調査計画は、依頼者の目的によって変わってきます。つまり、依頼者がどのようにしたいかによって必要な調査や人数などの細かい計画書を立てていくのです。
自分の考えをまとめることで相談もスムーズになりますので、探偵事務所の連絡をする前にしっかりと目的を定めてみましょう。
実績のある探偵事務所へ依頼する
宗教という特殊な項目を調べるためには、そのためのノウハウや情報網が不可欠です。探偵事務所に相談をする際には、最低でも次にような項目について質問してみましょう。
- 宗教関係に詳しいかどうか
- 調べるためのノウハウを持っているかどうか
- 実際に調べたことがあるかどうか
優良な探偵事務所では依頼者の質問に丁寧に答え、調査に対するリスクについてもきちんと説明をします。依頼内容に関して理解を示し、依頼者に親身になることでお互いのパートナーシップを深めることが大切なのです。
下記のページでは、探偵事務所選びのポイントについて詳しく解説しておりますので、こちらも参考にしながら探偵事務所を探してみましょう。
まとめ
結婚調査における宗教調査について、詳しくご説明してきましたがいかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容をまとめてみましょう。
- 探偵事務所に依頼される宗教調査は「結婚後の生活に影響が出ないかどうか」が一番重要な項目となっており、その内容は宗教だけではなく土着信仰や霊能・スピリチュアルな信仰まで多岐に渡っている。
- 宗教によっては調査が難しいケースもあるので、まずは相談しながら状況をよく確かめ、危険がないように調査を進めなければならない。
- 宗教調査を依頼する時には前もって目的をはっきりとさせておき、必要な情報を出来る範囲で集めてから相談することが大切である。
宗教自体が離婚事由として認められることはありませんが、宗教や信仰によって行われた行為が家庭内の不和の原因として認められることはあります(お布施による家計の圧迫・病院に連れて行かないといったDV行為・信仰を理由に行われる人権侵害など)。
このような状態にならないために行われるのが、結婚前の宗教調査なのです。結婚前調査の中でも特に知られないようにする必要性が高い項目ですので、無理に自分で調べるようなことはせず、まずは探偵事務所の無料相談などを利用してみましょう。
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