【投稿日】 2019年4月10日 【最終更新日】 2021年10月21日
単なる間違い電話かと思っていたら何度もかかってくる無言電話や、相手が名乗らない非通知の電話。あるいは毎日のようにかかってくる、拒否しづらく応対するのも疲れる知人からの電話。
こういった迷惑電話が何度もかかってくるようなら、それは高確率でストーカー行為の始まりのサインです。
相手が単なるいたずら目的であれば無視や着信拒否で解決することもありますが、もしストーカーの仕業であれば、相手を刺激して行動をエスカレートさせかねません。
しかも迷惑電話はよほどの場合でないと警察は動いてくれません。
では迷惑電話にはどう対処するのが正しく、どんな効果的な対策があるのでしょうか。犯人がストーカーであるケースを主に、迷惑電話への正しい対処法を解説します。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
ストーカーによる迷惑電話の予防策
迷惑電話に関して最もいいのは、最初からかかってこないように予防しておくことです。
迷惑電話は犯人を特定しにくいため、一度かかってくるとすぐにやめさせる有効な手段はありません。そのためできる範囲で普段から対策を立てておくことが必要になります。
特に1人暮らしの女性や、仕事柄異性と関わることの多い人は普段から気をつけてみてください。
自分でできる迷惑電話への予防策
- 電話に出ても「はい」とだけ答えて自分から名乗らない癖をつけておく
- 携帯電話は非通知ブロックと公衆電話ブロックをしておく
- 固定電話をナンバーディスプレイ機能のあるものにする
- 固定電話も非通知ブロック・公衆電話ブロックができる機種であればしておく
- 知らない番号にはかけ直さない
- 郵便物から電話番号を知られないように、ポストに鍵をつけるなどの対策をする
大事なのは、迷惑電話をかけられにくい状態にしておくことです。もちろん仕事や家庭の事情ですべての対策はできないということもあるでしょうが、できる限りの予防策をしてください。
そして上に挙げた予防策のうち特に気を付けてほしいのが、郵便物やポストを漁られないようにすることです。郵便物からはたくさんの個人情報を盗み出せますし、郵便物から勝手に番号を知られては犯人の特定がさらに難しくなるからです。
迷惑電話に限らず、特にストーカー関連の被害を防ぐためには、郵便物などの自衛は必須です。
ストーカーによる迷惑電話を見分ける方法
予防しても、あるいは十分な予防ができずに迷惑電話がかかってきてしまったら、まずはその電話が本当にストーカーの仕業なのかを見極めましょう。
無言電話や非通知でのいたずら電話では、相手の正体も目的もわかりません。相手の目的がストーカーではない場合もあり対策が変わってくるため、判断がつくまでは様子を見る必要があります。
迷惑電話のストーカー以外の目的
- いたずら:
- 隣人・知人によるもの、見ず知らずの無差別なものの両方が考えられる。
- 嫌がらせ:
- ストーカー(恋愛感情のもつれ)以外の恨みによるもの。
- 在宅確認:
- 空き巣などの下調べ。主に留守になる時間帯を調べるため。
- ワン切り調査:
- 電話番号が使われているかどうかの調査。営業や詐欺に利用されることがある。
迷惑電話の目的として考えられるもの
遊び感覚のいたずら目的から、空き巣や詐欺など大きな犯罪につながるものまで、迷惑電話の目的は色々あります。いたずら以外の目的の場合、ただ放っておくという対応はとても危険なのです。
ストーカーかどうかを見分ける方法と初期の対策
ストーカーの可能性のある迷惑電話への対処法で大事なのは、これ以上こちらの情報を与えないことと、相手を刺激しないことです。同時に証拠と相手の情報を集められればなお良いです。
様々なケースがあるため、本当は最初から探偵に相談して段階的な対処法のアドバイスを受け、犯人の特定を目指すのが一番なのですが、なかなか踏み切れない人も多いでしょう。そういった場合に、被害が長引くケースも視野に入れて自分でできる対処法があります。
迷惑電話の初期の対処法
- 迷惑電話のことはあまり周りの人には相談しない
- しばらくは番号のブロックなどをせず様子を見る(すでに非通知ブロック設定にしているならそのままでいい)
- 電話に出ても「はい」「もしもし」だけで対応し、こちらからはしゃべらない
- 自分の対応と相手の話した内容を録音する
- 電話の日時と内容を記録する
- 交友関係・生活の変化などストーカーに関連しそうな事柄も記録する
- こちらからはかけ直さない
- 何度か続くようなら警察に相談し、指示に従う(番号ブロック、電話番号を変えるなど)
- 全く心当たりがなく、かつ早く解決したい場合は探偵に依頼する
しばらくこちらからは特別な対応をせずに様子を見て、それでも続けてかかってくるならストーカー、あるいはターゲットを定めた嫌がらせです。後にもっと大きな被害が出た時のためにも、早い段階から記録や録音を残しておきましょう。
※ストーカーは恋愛感情に基づくつきまとい行為のことを言います。恋愛以外の恨みなどが原因ならストーカーではない「嫌がらせ」です。対処法は基本的には同じですが、ストーカーであればストーカー規制法が適用できます。
迷惑電話の対処でしてはいけないこと
- 感情に任せてしゃべる・怒鳴る
- 電話に出ず無視をする
- 自分で犯人探しをする
これらの行為は相手を刺激する可能性が高く、非常に危険です。積極的な対策をしたいなら、警察や探偵に相談してください。
ストーカーの迷惑電話への段階的な対策と対処法
迷惑電話はおおむね、最初は非通知か公衆電話からのまったく相手の情報がない状態から始まります。この段階では、できることはあまりありません。
しかし、しばらく様子を見て基本的な対処を行うことで、少しずつ相手の情報が集まり、できる対策も増えていきます。もちろん警察も動きやすくなります。
迷惑電話の解決には時間がかかりますが、何より自分の身の安全のために、慎重な対策を立てましょう。
相手の電話番号がわからない迷惑電話への対策と対処法
非通知や公衆電話など、相手の電話番号もわからない状態では何もできません。ストーカー以外の可能性もあるため最初の数回は様子を見なくてはなりませんが、何度もかかってくるようなら最初にすることは、非通知ブロックと公衆電話ブロックです。
初期段階であれば相手も自分の電話番号を知られてはまずいと考えるだけの冷静さがあるため、これで止むことも少なくありません。もしそれでも迷惑電話が続くようであれば、通知された番号が犯人特定の手掛かりになります。
ちなみに非通知ブロックや番号通知などのサービスは、電話会社や電話機メーカーによっていろいろあります。
- 発信者特定アプリ「Whoscall」:
- スマホにかかってくる詐欺電話や迷惑電話を識別・ブロックするアプリ。
- ナンバーお知らせ136:
- 最後にかかってきた電話の日時と電話番号がわかるサービス
- ナンバーリクエスト:
- 非通知の電話に通知して描けるようにメッセージを流すサービス
- 電話帳登録情報検索(有料):
- ハローページとタウンページに掲載されている番号であれば住所・氏名などが特定できるサイト
- あるある電話帳(有料):
- 全国の電話帳のデータから様々な形で番号検索ができるソフト
迷惑電話対策サービス
非通知でも相手が脅迫などを行う、1日に何十回とかかってくるなどの命の危険が迫っているようなケースであれば、警察が捜査してくれることもあります。身の危険を感じたらためらわずにすぐ相談してください。
番号通知の迷惑電話への対策と対処法
相手がストーカーであれば、非通知ブロックをしても番号を通知してかけてくるケースも多いです。その場合はさらに行為がエスカレートし、ストーカー規制法を適用できるようになる可能性も高いので、できるだけ早く警察に相談しましょう。
警察にできる迷惑電話対策
- 電話の逆探知:相手が電話で脅迫などを行い、被害者に身の危険が迫っているような場合のみ行ってくれることがある
- 警察がかけなおす:警察が介入することで、犯人に自分のしていることが犯罪になりうると自覚させることができる
- 通信記録や利用者情報の開示請求:確実にストーカー行為と断定できる場合などに、警察の権限で通信業者に通信記録と回線の利用者情報を開示させることができる
間違わないでほしいことが、電話をかけなおしてやめさせられるのは、警察だからです。被害者本人や知人がかけなおすと犯人を逆上させたり、知人にも恨みを向かわせたりということになりかねないのでやめてください。
無言電話の対処法と対策
通知・非通知にかかわらず、出ても相手が何もしゃべらない無言電話は、こちらの情報を引き出すのが目的の場合もあります。相手がストーカーでもその他の犯罪の下調べ目的でも、無言電話にこちらから名乗るのは悪手です。
固定電話にかかってくる無言電話は空き巣や侵入目的のストーカーなどが在宅確認を行っているケースも考えられるので、電話に出なければ不在とみなされて侵入されるかもしれません。無視すればいいというものではないのです。
無言電話に対処する際の注意(相手に情報を与えないために)
- 聞き返すときにも名前を名乗らないようにする
- 相手が無言でも「もしもし」など声をかけてみて、しゃべるのをしばらく待ってから切る
- 何度も続けてかかってくる場合以外はできるだけ電話をとる
- 電話をすぐにとれないときは部屋の照明をつけて留守でないと思わせる(固定電話の場合)
- 何度もかかってきたら非通知ブロック・特定番号ブロックなどで防ぐ
連続して何度もかかってくるようなら、それは犯罪の下調べなどではなくストーカーか嫌がらせである可能性が高いです。記録をとり、ブロックしても止まなければ警察や探偵に相談しましょう。
無言以外の迷惑電話への対処法と対策
迷惑電話は基本的に、自分が誰かわからないようにかけてくるものです。なのにあえて何かしゃべったり音声を流したりするのは、ストーカーかその他の嫌がらせだと考えられます。
このケースはターゲットを定めてかけてきている可能性がとても高いため、解決には積極的な対策を講じなければなりません。無視や着信拒否ですめばいいのですが、それでも止まなければ、ストーカー被害として警察や探偵への相談も視野に入れてください。
無言以外の迷惑電話への対処
- 非通知でかかってくるなら非通知ブロックをする
- 電話の内容の録音と記録(日時や気づいたことなども)
- エスカレートさせないため、こちらからはあまりしゃべらない・質問もしない
- 録音データと記録を持って警察や探偵に相談し、アドバイスに従う
音声データは重要な手がかりです。迷惑電話に軽率な対応をせずにプロのアドバイスを受ければ、犯人を捕まえられる可能性は充分にあります。
職場などにかかってくる迷惑電話の対処法と対策
職場に迷惑電話がかかってくるケースも、まずは非通知拒否や特定の番号のブロックからです。もし業務上の理由などによりそれが不可能であれば、音声を録音し記録をつけて、警察や弁護士に相談する旨を伝えるのが最も効果的です。
実際、業務妨害罪として訴えることもできるので、それでも迷惑電話が止まないようなら探偵に調査を依頼し、相手を特定して弁護士に依頼して内容証明郵便を出すという方法もあります。
仮に犯人がストーカーならば、あえて会社にかけるのはターゲットの社会的信用を失わせる目的か、自宅や携帯電話の番号を知らないためなどが考えられます。どちらにせよ信用を失わせる嫌がらせであることは間違いないので、相手を特定できれば信用毀損罪に問うことが可能です。
また職場の電話番号しか知らないという点からも、犯人を絞り込むことができます。その手掛かりをもとに探偵に調査してもらうのも、現実的な解決策です。
参考リンク:e-Gov第三十五章「信用及び業務に対する罪」
迷惑電話をかけるストーカーを特定する
番号通知でも非通知でも、無言でもそれ以外でも同じですが、迷惑電話で警察が積極的に捜査をすることは稀です。多くの場合、電話番号を変えるなどのアドバイスのみにとどまります。よって早期解決のための犯人の特定などの調査は探偵の仕事になります。
探偵に相談すべき迷惑電話のケース
- 犯人に心当たりがある
- 証拠はないが犯人が誰かほぼわかっている
- 電話番号、迷惑電話の録音などの手掛かりがある
- 帰宅してすぐなど、こちらを見張っているかのように電話がかかってくる
これらのケースは、特に犯人がストーカーである場合によく当てはまります。
少しでも手掛かりがあれば、そこから調査して犯人を突き止め証拠を集めるのが探偵の仕事です。警察が何もしてくれないときは、決して自分で犯人を捜そうとはせず調査のプロである探偵に任せてください。
探偵にできる迷惑電話の調査
- 声紋鑑定
- 弁護士と連携した電話会社への利用者の問い合わせ・履歴の開示請求
- 盗聴器発見調査
- 自宅・職場・ポスト周辺などの張り込み
- 尾行などの行動調査
ターゲットを定めて迷惑電話をかけているなら、恋愛感情で動いているストーカーか、その他の個人的な恨みからの嫌がらせです。そういった犯人はターゲットの自宅周辺をうろついていることが多いため、張り込みで見つかることがあります。
見つけた犯人を尾行調査し、証拠をつかめば示談に持ち込むことができます。また迷惑電話以外にもストーカー行為をしていれば、ストーカー行為罪で訴えたり慰謝料をとったりすることも可能です。
電話番号を変えても迷惑電話が続くケースの対策と対処法
電話番号を変えてもまた迷惑電話がかかってきたら、それは誰かが新しい番号を教えているからと考えるのが普通です。しかし親やごく親しい数人にしか教えていないのにかかってくる場合は、犯人は別の何らかの方法で電話番号を入手しているのです。
ストーカーが電話番号を入手する手口
- ターゲットの電話番号を知れる立場にいる人物
- ターゲット周辺の人物から聞いている
- ターゲットのポストの郵便物を盗んで見る
- ターゲットやターゲットの知人の手帳やスマホなどを盗み見る
- 自宅や持ち物に盗聴器を仕掛けている
郵便物には受取人の電話番号が書いてあるものも多く、それらを盗めば全く知らない相手でも簡単に電話番号を入手できます。
電話番号を入手されないための対策
- ポストに鍵をかける
- 電話番号の書かれた郵便物は実家など別の場所に届くようにする
- スマホや手帳などを他人に勝手に触れられないようにする
- 電話番号を変えたら信用できるごく少数の人物にしか教えない
- 知人にも誰にも電話番号を教えないように頼んでおく
すでに電話番号を知られてしまったらこれらの対策は意味がありませんが、探偵ならこれらの手掛かりから犯人を見つけることも可能です。ポストや実家周辺の張り込み、電話番号を知っている知人の行動調査などを行えば、高い確率で犯人は見つかります。
また電話番号を変える前に探偵に相談すれば、より効果のある対策を立てることもできます。
迷惑電話だけで相談するのは気が引けるかもしれませんが、警察でも探偵でも弁護士でも、相談は早ければ早いほどいいです。
ストーカーの迷惑電話をどう解決するか
無言電話、非通知、脅迫など迷惑電話の形は様々ですが、どれも共通するのは相手の情報が集まりにくく解決に時間がかかることです。中でもストーカーによる迷惑電話は、無視や拒絶が逆効果になることもあり、簡単には解決できません。
迷惑電話解決までの手順
- 相手の目的がわかるまでは様子見
- ストーカーの可能性が高ければ警察に相談
- 音声や迷惑電話の特徴などの手掛かりがあれば探偵に依頼
- ストーカー規制法で取り締まる or 示談・民事裁判で解決
被害者本人が対処する場合は、ストーカーを刺激しないためにこのような段階的対策をとらざるを得ません。
しかし早く解決したいなら、警察や探偵に早い段階で相談してください。特に探偵は、犯人の特定や証拠集めのために前もって対策を立てておく方が効果的なので、相談するのは早いに越したことはありません。
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