【投稿日】 2022年9月15日 【最終更新日】 2022年9月28日
不動産の売買や土地の値段について調べたいと思った時、どのように調べるべきかわからない!という人も多いでしょう。
不動産の相場を調べることができるサイトの一つに、「土地総合情報システム」という国土交通省が運営しているサイトがあります。
このサイトは、インターネット上で話題にあがるサイトですが、実際につかったことがある人や、使い慣れているという人はそこまで多くありません。
土地総合情報システムサイトとは、一体どういうモノなのか、その特徴を抑えながら使っていくと、自分の欲しい情報を効率的に得ることができます。
本記事では、そんな土地総合情報システムサイトについて、詳しく解説していきます。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
土地総合情報システムとは?その特徴をご紹介!
土地総合情報システムは、国土交通省が2006年4月から運営している不動産の公示価格や取引価格・地価公示の価格を閲覧できるWebサイトです。
このサイトは、誰でも利用可能で、不動産価格や土地の価格の相場を調査することができるサイトです。
このサイトの目的は、不動産市場の信頼性や透明性を高めることで、不動産についての情報を一般の人に向けて公開することにあります。
簡単に不動産相場が検索できるため、不動産会社の方をはじめ、不動産売却・買取を検討している人でも気軽に使用でき、役に立つサイトとなっています。
不動産の物件情報が載っているサイトだと、売り出し価格のみ表示されているため、実際の取引成立した時の金額がいくらかわかりません。しかし、土地総合情報システムでは成約時の価格がわかるため、売買の際の参考にしやすくなっています。
ただし、任意のアンケートからデータをとっており、データ量が少ないのも特徴の一つです。場合によっては情報がひとつもないということもあり得るので、その点は認識しておきましょう。
土地総合情報システムでわかることは3つ
土地総合情報システムでわかることは、土地の相場、農地の相場、戸建てやマンションなどの相場の3つです。
これらを調べながら、自分に必要な情報を取捨選択していくことが必要になってきます。
土地総合情報システムで分かること1:土地の相場
土地総合情報システムでは、「土地単価の相場」を把握することが可能です。
国土交通省では、以前から、地価公示制度というものを実施していました。
地価公示とは、都市計画法に定める都市計画区域その他の土地取引が相当程度見込まれる区域における標準地について、一定の基準日における当該標準地の単位面積当たりの正常な価格を判定し、国が公示する価格です。
地価公示では地価を表示する定点ポイントを設けており、その定点ポイントの毎年1月1日時点の地価を鑑定評価して公開しています。
そういった公的な情報を元に作成された土地の相場のため、信頼性も高く、安心して使用していくことができます。
土地ではなく不動産の場合、国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するレインズマーケットインフォメーションというサイトを利用することでその価格目安がわかります。
しかし、レインズマーケットインフォメーションでは、戸建てやマンションの価格を調べることができても土地の価格は調べることができません。
そのため、この土地総合情報システムを使用して土地の価格を把握していく必要があります。
国土交通省が行う、地価調査・都道府県基準地価を調べることでその土地の価格を知ることができます。
土地総合情報システムで分かること2:農地や林地の相場
土地総合情報システムは農地や林地の価格を調べるときにも役立つサイトです。
農地や林地の土地の価格を、取引成立の事例ごとに掲載しているサイトは他にはありません。これについても、実際に取引した人からアンケートをとって作成したデータの公開となっています。
農地や林地は取引自体が多いわけではありませんので、不動産業者も情報をたくさん持っていないのが事実です。そういった意味でも、貴重な情報といえるでしょう。
農地の情報を知るには、各県の「田畑売買価格等に関する調査結果」を見れば良いのですが、専門性が高く、資料としてとても難しいので一般的には普及していません。
土地総合情報システムはその点わかりやすく、過去の事例も掲載されているので役立ちやすいです。
農地や林地を売買したいと考えているのであれば、土地総合情報システムをチェックしてみましょう。
土地総合情報システムで分かること3:戸建てやマンションの相場
土地総合情報システムでは、戸建てやマンションの総額を知ることも可能です。
土地総合情報システムでは、土地と建物を合わせたものが掲載されているので、建物のみの情報というわけではありませんので注意が必要です。
土地と建物の合計金額が掲載されているため、建物の価格のみを調べたい場合にはレインズという不動産専門のサイトと併用するのが良いでしょう。
ただし、番地の記載はないので特定のエリアを絞り込んで検索することは出来ません。
土地と建物で検索した場合にわかる事は以下の通りになります。
- 所在地
- 地域(住宅地or商業地or工業地or宅地見込み地)
- 最寄駅(名称/距離)
- 取引総額
- 坪単価
- 面積
- 平米単価
- 形状(正方形/袋地等 等)
- 今後の利用目的(住宅/店舗/事務所 等)
- 前面道路(幅員/種類/方位)
- 都市計画(都市計画区域/用途地域)
- 建ぺい率
- 容積率
- 取引種類
これらの情報を参考にしながら、周辺地域の物件情報も調べていくと、大体の相場を分析していくことができます。
土地価格と建物価格の合計額である総額が表示されているため、それぞれの価格が表示されているわけではない点を特に注意しましょう。
土地総合情報システムの使い方・調べ方
土地総合情報システムの調べ方について、解説していきます。操作方法や検索結果の見方について確認していきましょう。
まずは「土地総合情報システム」と検索し、土地総合情報システムのサイトを開いてみましょう。
そこから、不動産取引価格情報検索、というところをクリックしてください。
STEP1:時期・地域・種類を選択する
画面の左側に、1から3まで番号が振られています。その番号に沿って手順を進めていきましょう。
まず、調べたい取引時期を選択します。時期は四半期単位で選択可能です。データをダウンロードしたい場合には、ダウンロードを押しますが、検索だけを行いたい場合には時期入力をしましょう。
続いて、検索する種類を選びます。「宅地」「土地」「土地と建物」「中古マンション」「農地」「林地」と分かれています。調べたいもののボタンを押しましょう。
最後に、地域を選択します。住所入力の欄があるのでそちらに入力するのも可能ですし、右側にある地図からボタンを押して検索することもできます。
条件を入力できたら、「検索する」ボタンを押しましょう。
STEP2:検索結果を確認する
画面が切り替わったら、条件に該当する不動産取引価格の検索結果を確認します。
土地総合情報システムでは、プライバシー保護が優先され、物件の特定ができないように、大まかな情報のみが公開されています。
所在地については、市町村までしか公開されていないため、詳細な住所までは特定できません。当事者の名前についても一切表示はありません。市町村で、相場を予想する必要があります。
検索結果に表示される情報は「所在地」、「最寄駅」、「取引総額」、「坪単価」、「面積」等です。
開発が一気に行われた市町村では、成約価格に大きな差がないのが特徴です。大まかな目安として考えましょう。
土地総合情報システムとレインズの違い
土地総合情報システム以外にも、不動産の価格を確認する方法として、レインズがあります。
レインズ(Real Estate Informaition Network Systems)とは、国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステムのことです。
レインズでは、会員となっている不動産会社が売主の依頼に基づいて不動産情報を登録し、会員間が連携して買主を探すというシステムが採用されています。
不動産会社間の情報交換システムなので、一般の人はレインズの情報を見られません。
土地総合情報システムとレインズの違いとして、「場所の特定が可能か」「利用できる人が限られているかどうか」といった点が挙げられます。それぞれ確認していきましょう。
違い1:場所の特定が可能かどうか
土地総合情報システムでは、一般の人にも公開しているサイトの為、個人情報保護のために市町村名までしか公開されていません。
細かい住所は勿論、売り手や買い手に関しても情報は伏せられています。
一方、レインズであれば、物件の住所などの詳細や売り出し価格なども細かく確認することができます。
ちなみに、レインズマーケットインフォメーションという、レインズの一般向けサイトであれば、誰でも利用可能です。
ただし、地番まではわからないため、土地総合情報システムと同様、物件の特定はできません。
違い2:利用できる人が限られているかどうか
土地総合情報システムは誰でも利用できるオープンなインターネットサイトになります。
しかし、レインズは登録会員である不動産会社だけが利用できるシステムです。
土地総合情報システムで下調べをし、目星を付けた後で詳しい詳細を知る為にレインズを利用できる不動産会社や鑑定士に相談しに行く、というのが主流の使い方とされています。
土地総合情報システムを使う上での注意点
土地総合情報システムを使う上で気を付けたいことを3つ、紹介します。
「細かい情報は確認出来ない事」「情報はそこまで多くない事」「過信しすぎないようにする事」の3点になります。
注意点1: 細かい情報は確認できない
前述した通り、土地総合情報システムでは、物件の地番やマンション名までは表示されません。土地総合情報システムは、一般向けに公開されているサイトになる為、個人情報保護のために詳細を載せていないのが特徴でもあります。
そのため、物件の詳細を確認する方法はなく、エリアごとの状態や相場を大まかに把握する形になります。
戸建てやマンションに関しては、総額のみの表示となる為、相場の把握が難しくなります。
土地総合情報システムは、不動産を調べたいとなった場合には「土地と建物」の項目しかないので、土地価格と不動産価格が合算されて算出されています。その点でも、物件を含めた相場よりも、土地の相場のみを調べることに適しているサイトだといえるでしょう。
土地総合情報システムや不動産のみの相場を載せているレインズマーケットインフォメーションで市町村単位での地域相場を調べ、詳しい情報をレインズにアクセスできる不動産会社に行って確認するのが最も良いサイト利用方法になります。
自分で全てをチェックできるわけではありませんので、事前の下調べに利用すると考えておきましょう。
注意点2: アンケート回答率が低いため情報量は多くない
土地総合情報システムの情報は、不動産の買い手のアンケート回答で構成されています。
このアンケートは任意で行っているため、回答が必ずしも得られているというわけではありません。回答率は3割と、かなり少なくなっているのも事実です。
アンケートの回答率が低いという事は、それだけ回答しない人が多い事につながりますので、サイトの情報自体も充実しにくくなります。特に、取引件数が少ないエリアでは、そもそもの情報が出てこないという場合もあります。
そのため、あくまでひとつの目安程度に考えておきましょう。
注意点3: 過信しすぎないようにする
土地総合情報システムは情報が少なく、偏ってしまっている可能性もあります。
アンケートの回答が誠実に行われているかも定かではありません。
単体での情報を鵜呑みにするのではなく、色々な相場情報と比較し、自分で調査していくことが大切になってきます。
わからない事や難しいことがある場合には、プロの不動産鑑定士などに調査を依頼するのが一番良いでしょう。
土地総合情報システムで、土地の価格の目安を知ろう!
土地総合情報システムは、不動産の取引価格や、都道府県ごとの土地価格、農地や林地などの価格まで見ることができるウェブサイトです。
不動産情報を取り扱っているレインズが不動産業の人しか見られないのに比べ、土地総合情報システムでは、一般の人も情報を見ることができます。
ただし、詳しい地名や細かい情報などは確認出来ませんので、該当エリアの大体の相場を見積もるのに使用しましょう。
土地総合情報システムを上手く利用し、自分が欲しい情報を取捨選択していきましょう。
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土地総合情報システムは、便利ですが、あくまで参考となるサイトの1つです。土地の売買などの際には、さらに詳しいデューデリジェンスを行う必要があります。
また、土地については一般的なデューデリジェンス以外にも、過去に何か犯罪に使われた土地ではないか、心理的瑕疵などはないか、過去の所有者についてなど、一般的なデューデリジェンスで分かる事以外の調査も場合によっては必要になります。
また、売買の場合には、相手側の素性などもしっかりと把握してから売買を行いたいのが本心だと思います。
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