【投稿日】 2020年8月24日 【最終更新日】 2021年10月21日
昔の友人や同級生、疎遠になった家族や親戚、離婚した元配偶者やその子供、前の職場の上司・同僚など、以前の住所はわかっているが今は連絡を取る方法がないというのは色んなケースでありえます。
そんなとき、以前の住所や電話番号などから、相手の現在の住所を調べる方法はあるのでしょうか。
結論から言えば、あります。しかし自分と相手の関係や、住所を知りたい理由・目的によって、方法や調べやすさは大きく異なります。場合によっては合法的な方法では不可能なケースもあります。
この記事では、それぞれのケースによっての有効な調べ方や相談先、注意点などについてまとめました。よく読んで、自分に最も適した方法を選んでください。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
引越し先の住所を知りたい「理由」によって「調べ方」は異なる
探す前に、まずは自分が何のために相手の現住所を知りたいのかをはっきりさせてください。その理由・目的によってとれる方法や適切な相談先が異なるからです。
連絡が取れない相手の住所を知りたい理由・目的
- 借金や損害賠償を支払わないまま逃げられたなどの金銭トラブル
- 名誉毀損や業務妨害などの刑事・民事上の法的トラブル
- 元配偶者による慰謝料・養育費の不払いや親権に関することなど
- 配偶者の浮気相手を探し出して責任を取らせたい
- 家族・親族間の相続・介護問題
- 恩のある先生や先輩に会ってお礼を言いたい
- 長い間会っていない友人・知人の安否を確認したい
- ストーカー行為などの犯罪・不法行為のため
一般的には金銭問題やその他の法的トラブル、離婚に関する問題などが理由なら、弁護士に依頼して現住所を調べてもらうことができます。特に法律と関係のない理由であれば、自分で調べるか探偵に依頼するかです。
そして当然ですが犯罪行為や不法行為を目的とした人探しは、弁護士も探偵も引き受けませんし、その目的のために自分で調べるのもやめましょう。
「弁護士」による転居先住所の特定方法は?依頼すべきなのはどんなケース?
弁護士をはじめとする士業には、住所特定のために行使できる職権があります。弁護士は住所特定だけを行うことはしませんが、依頼された法的トラブルに必要な情報を閲覧・取得することが認められています。
もし法的なトラブルを理由に相手の転居先住所を知りたいなら、自分で調べる前に弁護士に相談する方がスムーズです。では、そのような法的トラブルにはどんなものがあるのでしょうか。
弁護士に依頼すべきケース
弁護士に住所特定が可能なのは、法的な問題がかかわってくるケース全般です。調停や訴訟(裁判)を考えている場合はもちろん、様々な民事・刑事のトラブルが含まれます。
弁護士が引越し先の住所を調べられる法的トラブル
- 相手に対して調停や訴訟を考えている
- 相手が慰謝料・損害賠償を払わないあるいは延滞している
- 配偶者の不倫相手を探し出して責任を取らせたい
- 元配偶者との養育費や親権に関する問題
- 相続人や相続に関係する人間を探し出したい
- 親戚や近隣住民が介護を必要としているため、介護義務のある人物に連絡を取りたい
刑事事件なら警察に相談すればいいと思うかもしれませんが、警察は緊急性のある事態でなければ、個人のトラブルではあまり動いてくれません。かつトラブルの解決のために住所を特定しても、必要がなければ教えてくれません。
よって警察に引越し先の住所の特定をしてもらうのは現実的ではありませんし、実際に刑事事件になりうるトラブルがあった場合でも、弁護士に依頼すると話が通りやすくなります。
「職務上請求」で住民票・戸籍の附票から転居先を調べる
弁護士が住所特定を行うのに有効なのが、職務上請求という制度です。弁護士は受任した案件に必要であれば、住民票や戸籍の附票などの公的書類の閲覧が認められます。住民票と戸籍の附票には転居先が記載されているので、そこから引越し先の住所がわかるのです。
士業に限らず一般人でも、正当な理由があれば家族以外の公的書類の閲覧は認められますが、最近は特に個人情報の取り扱いに厳しくなっています。そのため法的なトラブルに関係するなら、公的書類の取得は弁護士に依頼した方が確実です。
参考リンク:戸籍法10条の2第3項|e-Gov
「弁護士会照会」なら電話番号・銀行口座などからも調べられる
弁護士をはじめとする士業が職務上請求で取得できるのは、住民票や戸籍謄本のみです。しかし多くの弁護士で構成する弁護士会を通せば、公的書類だけでなく官公庁・企業が有する情報を閲覧・取得できることがあります。これを弁護士会照会といいます。
弁護士会照会なら、携帯電話番号や銀行口座番号などから所有者の住所を調べることが可能です。個人ではどんな正当な理由があっても、このような形での情報の請求は認められません。弁護士会照会は、まさに弁護士にトラブルの解決を依頼した場合のみのメリットといえます。
弁護士に転居先住所特定を依頼するデメリット
弁護士に依頼すれば、職務上請求や弁護士会照会によって、個人では調べられない相手の住所を知ることができることはわかってもらえたことでしょう。しかしこれらの方法も、決して万能ではありません。
職務上請求・弁護士会照会のデメリット
- 利用できるのは法的なトラブルの解決を弁護士に依頼した場合のみ
- 公的書類や官公庁・企業の情報を調べても、相手が住所変更を届け出ていなければ現住所はわからない
- 弁護士会照会は1件ごとに費用がかかる
職務上請求も弁護士会照会も、官公庁や企業などが有している情報を元に調査を行う制度なので、それ以上の情報は得られないというのが大きなデメリットです。しかしそれでも法的トラブルがあるなら、多角的に解決法を検討するために弁護士に依頼するのは無駄にはなりません。
引越し先住所を自分で調べる方法もありますが、法的トラブルがからんでいるならまずは弁護士に相談する方が、失敗なく事を進められます。また依頼された弁護士が必要だと判断すれば、探偵や興信所をあっせんしてくれることもあります。
自分で相手の引越し先・転居先の住所を調べる方法
民事・刑事の法的トラブルと全く関係ない理由で他人の引越し先住所を知りたいのなら、自分で調べる方法もいくつかあります。自分で調べれば時間や労力はかかりますが、概ね安くつくのが一番のメリットです。
住民票・戸籍の附票を取得するか住民基本台帳(住基ネット)を閲覧する
住民票や戸籍、住民基本台帳は個人でも閲覧が可能です。とはいえ誰でも、どんなケースでも可能なわけではありません。
住民票を取得できる続柄・ケース
- 同一世帯にいる人物
- 本人の委任状を持っている場合
- その他、住民票を必要とする正当な理由がある人物
戸籍(戸籍の附票)を取得できる続柄・ケース
- 配偶者・元配偶者(本籍地が同じ場合のみ)
- 相手が元配偶者で子供の親権を取っているケース
- 直系の親族
- 本人の委任状を持っている場合
- その他、戸籍(戸籍の附票)を必要とする正当な理由がある人物
住基ネットを閲覧するための条件
- 該当の役所に閲覧の予約をする
- 本人確認書類の持参
- 閲覧を希望する正当な理由があり、それを証明できる
※自治体によって必要な書類などが異なるので、事前の問い合わせが必要
住民票や戸籍を必要とする正当な理由とは、主に法的トラブルです。最近は個人情報の保護に厳しくなっているので、他人による公的書類の取得・閲覧は認められにくいです。同一世帯や直系親族などでない場合は、たとえ正当な理由があっても弁護士を立てるのがベターです。
不動産登記簿を閲覧・取得する
あまり知られていませんが、不動産登記簿は誰でも閲覧・取得が可能です。手数料はかかりますが、最近ではオンラインでも手続きができます。もし相手が取得している不動産があるなら、不動産登記簿から住所が調べられます。
しかし当然ながら、相手が登録している住所が引越し前の住所であれば、現住所は特定できません。
参考リンク:サービス概要|登記情報提供サービス
以前の住所に手紙・小包を送る
引っ越す前の住所がわかっているなら、その住所に手紙を送れば転送されて、新しい住所がわかる可能性はあります。相手が郵便局に転居届を出していたら新しい住所に転送されますし、郵便局の追跡サービスを利用すれば最寄りの支局がわかるからです。
引っ越してすぐには転居届を出していなくても、そのままだと不便なのでしばらくしたら出す人は多いです。1度手紙を出して返送されても、何度か試せばある程度は現住所を絞れることがあります。
しかし相手がこちらを避けているなら、郵便物が届いた時点でまた引っ越す可能性はあります。そうならないようにこの方法を試す前に、探偵に相談しておくと、引越し先の住所を特定できる可能性が高くなります。
SNSなどのインターネットで呼びかける
最近ではSNSをはじめとするインターネットが発達しているので、相手が遠くに引っ越してしまった場合でも問題なく、広く情報を募ることができます。親兄弟などの近しい家族、趣味の知り合い、昔の部活などのチームの仲間などならある程度的を絞って呼びかけることも可能です。
しかし広く情報を募るということは、広く情報を発信するということです。多くの人の目に個人情報が触れれば、それだけ悪用される可能性も高まります。発信する情報の取捨選択に細心の注意を払わなくてはなりません。
相手の家族・職場や共通の知人などに尋ねる
相手の家族、職場の同僚や上司、その他の共通の知人などに転居先の住所を尋ねるのは、強引なやり方をしなければ特に違法ではありません。
しかし相手がこちらを避けているなら周囲の人間には口止めをしているかもしれません。かつ最近では企業の個人情報の取り扱いは厳しくなっているため、職場から情報を得ることは難しいでしょう。
成果が得られるかどうかは自分と相手との関係によりますが、もし相手の現住所が特定できなくても、何らかの手掛かりが得られる可能性はあります。得られた手掛かりは、弁護士や探偵に依頼する際にも役に立つので、無駄にはなりません。
「探偵」による「転居先住所調査」とは?様々な手掛かりからプロの技術で特定
弁護士などの士業は特別な職権を行使して住所を調べられますが、官公庁や企業に登録されていない情報は集めようがありません。一方、探偵は特別な閲覧権や請求権はありませんが、プロの技術とノウハウを用いて、あらゆる手掛かりから住所を特定します。
転居先住所調査を探偵に依頼するメリット・デメリット
所在調査(住所調査)を探偵に依頼するメリット
- プロの技術とノウハウで迅速かつ確実に成果を得られる
- 広範囲を調査できる(外国の調査に対応していることも)
- 自分の時間や労力を費やさずに済む
- 調査のために法に触れたりトラブルを起こしたりする心配がない
- 弁護士や警察より柔軟な対応ができる(会わずに安否確認したいなどの希望にも対応可能)
探偵が住所特定のために行う調査は、主に情報調査と聞き込み・張り込みです。依頼人から得た情報を元にさらに情報を集め、ある程度的を絞ってから聞き込みや張り込みを行って、確実に住所を特定します。
これらの調査は誰にでもできると思うかもしれませんが、プロと素人では精度もスピードも雲泥の差です。上に挙げたような自分でできる住所特定方法も、実際は探偵の指示の下で行った方が、確実に結果が得られます。是非早い段階で探偵に相談するに越したことはありません。
一方、所在調査(住所調査)を探偵に依頼するデメリットは、自分で調査するより費用が掛かることです。一般に特別簡単なケースでなければ、数十万円以上かかると考えてください。しかし調査料は、事前準備などによって安く抑えることも可能です。
探偵に住所特定調査を依頼する際の準備と注意点!調査料金の軽減も可能
探偵の調査料金は主に人件費で、調査期間の長さに比例して高額になります。つまり逆に言えば、最初から多くの情報が揃っていれば、調査期間は短くなり費用も削減できるということです。
探偵の住所調査に役立つ相手に関するデータ
- 名前
- 生年月日
- 知っている限りの過去の住所(できれば直前のもの)
- 実家の住所・出身地
- 顔写真・全身の写真(できるだけ最近のものが良い)
- 身長や体格や服装などの外見的な特徴
- 携帯電話番号
- 学歴・出身校
- これまでの勤務先
- 自動車を持っていればナンバー・車種・色など
- 趣味・よく立ち寄る場所
- 交友関係
- 相手の話からわかったことなど
探偵の調査ではいろんなことが手掛かりになりえます。前もってたくさんの情報を集めることは、調査をスムーズに進めて時間と費用を削減することにつながります。
その他、探偵に依頼する際に必要な書類や細かい注意点などは、関連記事を参照してください。
「引越し前の住所」を知っていれば「引越し先の住所」は調べやすい
引越し前の住所は、引越し先・転居先の住所を調べる際の有力な手掛かりです。住民票や戸籍の附票を取得する際に必要な情報ですし、郵便物の転送を利用する方法も元の住所がわかっていないと使えません。
そしてもちろん、探偵に依頼する際にも引越し前の住所は手掛かりになります。その手掛かりを最大限生かすためには、できるだけ早く調査に着手することです。多くの情報を集めるのも大事ですが、まず探偵に相談してからでもそれは可能です。
自分が何をすべきか知るためにも、探偵や弁護士などに早めに相談してください。
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