【投稿日】 2021年9月17日 【最終更新日】 2022年10月27日
近年、出会いの場としてマッチングアプリやSNSなどが主流となっていますが、交際クラブ・デートクラブも根強い人気があります。
交際クラブ・デートクラブはランクによって料金が異なるため、リーズナブルで手軽に入会しやすいところから、富裕層しか入会できないようなランクがあるのが特徴です。
ランクによっては高額な入会金や年会費などがかかることから、富裕層が集まりやすい出会いの場として知られています。
優良な交際クラブ・デートクラブが多くある一方で、中には本来は必要ない保証金や高い入会金を請求してそのまま連絡がつかなくなるような交際クラブ・デートクラブ詐欺があります。
では、もし詐欺が疑われる交際クラブ・デートクラブにすでに入会してしまった場合はどのように対処すればよいのでしょうか。
この記事では、交際クラブ・デートクラブ詐欺の手口や特徴、騙された時の対処法をご紹介します。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
交際クラブ・デートクラブ詐欺とは
交際クラブ・デートクラブ詐欺とは、交際クラブ・デートクラブ側が「女性と交際すれば高い報酬を受け取ることができる」と謳い、問い合わせや登録をしてきた男性から入会金や紹介手数料、保証金などを騙し取る詐欺です。
紹介される相手の女性は主に経営者やレースクイーン、キャビンアテンダントなどの職業に就くセレブであることが多く、職業のネームバリューや「報酬を受け取ることができる」という謳い文句から、入会金や紹介手数料、保証金を支払ってしまう男性が多いのです。
交際クラブ・デートクラブ詐欺の手口
交際クラブ・デートクラブのほとんどは、主にWebサイトで集客を行っています。
一方で、交際クラブ・デートクラブ詐欺業者はWebサイトで集客をしつつ、Web広告や新聞広告、迷惑メールを出してターゲットのほうから連絡が来るのを待っています。
ターゲットから連絡が来たところを巧みに勧誘し、入会まで持ち込むのです。
入会まで持ち込んだら、以下のような手口でお金を騙し取っていきます。
手口1:入会金や紹介手数料、保証金などを騙し取る
入会手数料や紹介手数料、保証金を騙し取る手口はさらに以下の2つの手口に分けることができます。
- 高額な入会金を支払わせたあと、行方をくらませる
- 一向に女性と会わせず、どんどん紹介手数料や保証金を釣り上げる
そもそも交際クラブやデートクラブは、紹介される女性のランクによって入会金や紹介手数料が変わる仕組みになっているケースがあるため、入会金や紹介手数料だけでは詐欺かどうかを見分けることができないことがほとんどです。
また、保証金は後で返金されると謳っていることがほとんどなので、疑うことなく支払ってしまうケースが後を絶ちません。
そのため、交際クラブ・デートクラブと連絡がつかなくなって初めて詐欺だと分かるケースが多いのです。
また、交際クラブ・デートクラブと連絡がつかなくなるケースの具体例として、入会金や紹介手数料を支払い、会う約束をして待ち合わせ場所に行ったものの時間になっても誰も現れず、連絡もないというケースがあります。
このようなケースでは、こちらから交際クラブ・デートクラブ側に連絡してもすでに連絡がつかなくなっているか、「こちらも女性と連絡がつかない」などとのらりくらりと言い訳をされてしまいます。
入会金や紹介手数料を騙し取る手口では、振り返って見ると「お金を払ったのに一向に女性と会えない」「徐々に保証金が釣り上がっていく」など不審な点がいくつもあるのが特徴です。
手口2:関係を拒んだターゲットの男性に高額な慰謝料を請求する
女性に肉体関係を迫られ、拒否すると慰謝料を請求されるというのが2つ目の手口です。
写真上では美人で若い女性だったので紹介してもらい、いざ待ち合わせ場所に行くと50代〜60代ぐらいの女性が待っています。
もちろん、待ち合わせ場所に来ていた女性は交際クラブ・デートクラブのサクラで、初めから肉体関係を拒否されることを前提としてやって来ます。
慰謝料を請求される手口は、入会金や紹介手数料、保証金などと併せて騙し取られることが多いため、被害額が高くなるのが特徴です。
もしかして登録した交際クラブ・デートクラブは詐欺なんじゃ?こんな交際クラブ・デートクラブは注意!
すでに交際クラブ・デートクラブに登録している方の中には、上記の2つの手口を見て心当たりがある方もいるのはないでしょうか。
実は詐欺を働く交際クラブ・デートクラブにはいくつか共通する特徴があります。
現在登録している交際クラブ・デートクラブと照らし合わせながら注意すべき交際クラブ・デートクラブの特徴を詳しく見ていきましょう。
その1:営業許可が届出済であることがホームページに明記されていない
交際クラブ・デートクラブは基本的に「デートクラブ営業開始届出書」を管轄する警察署長を通じて公安委員会に届け出る必要があります。
都道府県ごとに交際クラブ・デートクラブの規制に関する条例は異なりますが、ほとんどの都道府県で必要となる書類です。
もし、デートクラブ営業開始届出書を提出していない場合は摘発対象になります。
信頼できる交際クラブ・デートクラブの場合、公式ホームページ内に届出済みである旨の記載があるはずです。
届出済みであることが記載されていない場合は、運営体制がずさんであるか、詐欺の可能性があるので、すぐに退会しましょう。
その2:入会時のヒアリングがいい加減
入会金や紹介手数料、保証金などを騙し取る詐欺が目的の交際クラブ・デートクラブは、ヒアリングが雑なケースが多いです。
詐欺が目的の場合、そもそも女性を紹介する気がなく紹介できる女性がいないため、必然的にヒアリングが雑になります。
一方で、優良な交際クラブ・デートクラブは、より要望に近く、相性が良い女性を紹介できるように丁寧なヒアリングが行われています。
ただし、ヒアリングがいい加減だからと言って必ずしも詐欺であるとは断言できません。
注意すべき交際クラブ・デートクラブの他の特徴とも照らし合わせ、総合的に判断しましょう。
その3:料金システムが不明瞭
交際クラブに登録するには、入会金や年会費がかかります。
その他にも、女性を紹介してもらうごとに紹介手数料がかかるのが一般的です。
優良な交際クラブ・デートクラブの場合、入会金、年会費、紹介手数料が明記されていますが、詐欺を行う交際クラブ・デートクラブのサイトには、詳しく書かれていなかったり、濁していたりすることがほとんどです。
明記されている場合でも、最初に女性と会うまでにかかる費用の相場は一番ランクの低いところでは10万円ほどですが、ランクの高いクラブでは50万円ほどと幅があるため、相場によって必要以上に高額かどうかを判断するのは難しいと言えます。
また、明記されている項目以外の料金を請求されることもあるので、登録前に一度問い合わせて確認しておくとよいでしょう。
その4:入会審査が行われていない
優良な交際クラブ・デートクラブでは、職業や年収を基準に入会資格がある人物かどうかを判断するための入会審査が行われます。
入会審査は基本的に自己申告制ですが、収入証明を求める交際クラブ・デートクラブもあるなど、非常に丁寧に行われています。
しかし、詐欺が目的の場合、より多くの人に入会金や年会費を払ってもらう必要があるため、審査が緩かったりそもそも行われていなかったりするケースがあるのです。
ただし、しっかりとした入会審査が行われていたからと言って、詐欺でないとは言い切れません。
なぜなら、ランクの高い交際クラブやデートクラブを装って詐欺を働いているケースでは、騙し取る額も大きいため、途中でバレることのないように入念に審査を行うからです。
登録後、入会審査以外にも不安な点がいくつもある場合は詐欺の可能性を視野に入れましょう。
その5:問い合わせをしても繋がらない
交際クラブ・デートクラブ詐欺を働く詐欺師たちは、大規模な詐欺グループでない限り少人数で活動していることがほとんどです。
また、交際クラブ・デートクラブ詐欺だけではなく、投資詐欺などの他の詐欺も同時に行っている可能性もあります。
少人数で複数の詐欺を掛け持ちした結果、交際クラブ・デートクラブに問い合わせても対応できる人物がいないため繋がりにくいことが多くなるのです。
その6:高額な報酬を謳っている
そもそも、交際クラブやデートクラブから男性側に報酬が支払われることはありません。
「女性と交際すれば高額な報酬が得られる」などと謳っている交際クラブ・デートクラブのほとんどは詐欺と言ってよいでしょう。
その7:事前に保証金を支払う必要がある
優良な交際クラブ・デートクラブでは保証金という制度自体設けられていません。
交際クラブ・デートクラブ詐欺は、「デート中に女性側に何か起き、女性や交際クラブ・デートクラブが損害を被った時のため」と言ってターゲットの男性に保証金を請求します。
多くの場合、「後ほど返金する」などと言って料金の支払いを要求しますが、返金されることはほとんどありません。
交際クラブ・デートクラブ詐欺に遭った時の対処法
交際クラブ・デートクラブ詐欺の被害に遭ってしまった時の対処法は以下の3つです。
- 警察に相談する
- 弁護士・探偵に相談する
- 国民生活センターに相談する
警察は犯人を捕まえて刑罰を与えることができる一方で、法律行為を行う権限を持つ弁護士はお金を取り戻すことができます。
しかしどちらの対処法も事実調査や証拠集めが不十分だと対応してもらうことができません。
そんな時に活躍するのが調査を専門としている探偵です。
ただし、弁護士や探偵に依頼するには費用がかかります。
どの機関に相談するべきか悩んでいる方は国民生活センターで今後のアドバイスを受けるという利用方法がおすすめです。
【1】警察に相談する
交際クラブ・デートクラブ詐欺の被害に遭ってしまったら、まずは警察に相談しましょう。
ただし、警察は民事不介入を原則としているため、捜査を依頼するためには刑事事件として立件される必要があります。
つまり、ただ「お金を返してもらえない」というだけでは捜査を行うことはないのです。
また、警察は証拠を重要視します。
証拠によって「本当に被害を受けたのか」「どれぐらいの規模の詐欺なのか」などを判断し、捜査を刑事事件として立件できるかどうかを判断するため、警察に相談に行く際はどんな些細な証拠でも持参しましょう。
明らかに詐欺によってお金を騙し取られた場合でも、証拠不十分などの理由で立件できないと判断されれば、警察が捜査に乗り出すことはありません。
警察に捜査を依頼したい場合はまず事実調査や証拠集めを行ってから相談するのがおすすめです。
【2】弁護士・探偵に相談する
証拠を集めてから警察に依頼したい場合や、お金の返還請求のみ行いたい場合は、弁護士・探偵に相談しましょう。
警察は十分な証拠があり、詐欺であると判断した場合は捜査をすることができますが、被害者が最も望んでいる返金を要求することはできません。
返金を要求できるのは、法律行為を行うことができる弁護士です。
ただし、返還請求などの法律行為を行う際は、十分な証拠が必要です。
弁護士は証拠を元に法律行為を行うため、証拠不十分の状態では対応することができません。
まずは事実調査や証拠集めを依頼できる探偵に調査を依頼し、証拠をしっかりと揃えてから警察や弁護士に相談するとスムーズに捜査や返還請求を依頼することができます。
【3】国民生活センターに相談する
詐欺であることがはっきりしない場合や、詐欺であることが分かったものの、警察や弁護士・探偵に相談するのはハードルが高いという方は国民生活センターに相談するのがおすすめです。
国民生活センターは、消費者被害の未然防止・拡大防止を支援する独立行政法人です。
過去に同じような詐欺被害がないかどうか、業者へのクレームがあがってないかなどを調査してもらうことができ、今後の対応をアドバイスしてもらうことができます。
交際クラブやデートクラブ詐欺に騙されないための予防法
交際クラブ・デートクラブ詐欺に騙されないためには、先ほどご紹介した注意すべき交際クラブ・デートクラブの特徴と照らし合わせ、当てはまらないことを確認した上で登録することが大切です。
また、現在は様々なサイトで交際クラブ・デートクラブの口コミを見ることができます。
そもそも口コミが掲載されていない交際クラブ・デートクラブは登録者が少ないか、詐欺クラブである可能性があります。
少しでも不審な点がある場合は問い合わせや登録をせず、他の交際クラブ・デートクラブを検討しましょう。
交際クラブ・デートクラブ詐欺は運営実態がないため、訴訟の前の事実調査が必要不可欠!
交際クラブ・デートクラブ詐欺は、運営実態がないことがほとんどです。
そのため、事実調査や証拠集めが不十分の段階で内容証明を送ったり、訴訟を起こしたりすると逃げられてしまう可能性があります。
そのため、まずは探偵に事実調査や証拠集めを依頼し、十分な証拠が揃ってから警察や弁護士に相談するのがよいでしょう。
交際クラブ・デートクラブ詐欺を解決するには、専門的な知識が必要不可欠です。
泣き寝入りしてしまうのではなく、まずは専門的な知識を持つ第三者に相談しましょう。
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