【投稿日】 2021年9月17日 【最終更新日】 2022年10月27日

2017年、大手住宅メーカーの積水ハウスが約55億円を騙し取られたことで話題となった不動産・地面師詐欺。

実は不動産・地面師詐欺がターゲットにしているのは企業だけではありません。

特に不動産投資を始めて間もない投資家は格好の餌食として不動産・地面師詐欺のターゲットになってしまいます。

今回は、「不動産・地面師詐欺に騙されてしまったのでは」と不安に感じている方や、これから不動産を購入する予定がある方に向けて、不動産・地面師詐欺の手口や見抜き方、騙されてしまった時の対処法を解説いたします。

不動産・地面師詐欺の実態

そもそも不動産・地面師詐欺とは、不動産業者や土地の所有者を装ってお金を騙し取る詐欺のことです。

不動産・地面師詐欺はターゲットを騙すために、最低でも5人以上のグループを作って行動し、それぞれに以下のような役割が与えられています。

  • グループのトップとして詐欺を企画・指示をする
  • 詐欺に利用する不動産情報を調査する
  • 文書や画像を偽造する
  • 買主へ直接営業や交渉をする
  • 弁護士や司法書士として取引のサポートをする
  • 土地の所有者になりすまして取引に同席する

実際に、住宅メーカーの大手である積水ハウスが不動産・地面師詐欺グループに約55億を騙し取られた事件では16人の詐欺師が関与していました。

不動産・地面師詐欺グループによって偽装された文書や画像はとても巧妙で、企業だけではなく金融機関でさえ騙されてしまうケースがあるほどです。

最近の不動産・地面師詐欺の件数などの詳しいデータは発表されていないため被害件数は不明ですが、高齢化による空き家の増加に伴い、不動産・地面師詐欺グループが空き家に目をつけて犯行に及ぶケースなど、手口が多様化しています。

不動産・地面師詐欺の9つの手口

不動産・地面師詐欺のほとんどは、不動産に関する知識の差を利用して行われています。

本来は必要のない手数料であっても、不動産の専門家である不動産会社に請求されると疑わずに支払ってしまうという心理を利用したケースが多く見られます。

このような詐欺が成立するのは契約締結時であることが多いのですが、不動産・地面師詐欺はさまざまなところに伏線を張って演技をしたり、偽造文書や画像を使用したりして信じ込ませるため、中々詐欺を見抜きにくいのが特徴です。

前述した通り不動産・地面師詐欺は手口が多様化しているため、全てを把握して警戒するというのは難しいものの、以下で紹介する9つの手口を知っておくことは被害を防ぐことに繋がります。

手口1:手付金を持ち逃げする

不動産・地面師詐欺では、手付金を支払ったら売主と連絡がつかなくなるケースや、1つの物件に複数名の買主からの契約を取りつけ、手付金を支払わせて持ち逃げするという手口があります。

手付金を持ち逃げする詐欺は「手付金詐欺」と呼ばれています。

そもそも手付金とは不動産の売買契約を交わす際に買主が売主に渡すお金のことで、あとで不動産の購入代金に充てることが可能なお金です。

ただし、もし買主が契約を解除した場合は、損害賠償・違約金として売主に支払われるようになっています。

手付金は不動産会社が売主の場合、5〜10%が相場です。

また、不動産会社が売主かつ購入者が個人の場合の手付金の上限は20%とされています。

もし、20%を超える手付金が請求された場合は不動産・地面師詐欺の可能性があるので注意しましょう。

手口2:サクラを入居させ満室を装う

不動産会社が売り出している物件に一時的にサクラや身内などを入居させ、入室状況が良好で、高利回りがあるようにみせかける手口です。

実際にサクラを入居させるケースや、見学のときだけ入居しているかのように装うケースがあります。

物件購入後には入居者が続々と退去していくため詐欺であることが判明するという訳です。

このようなサクラを入居させる手口では、物件の売買価格が相場よりも高く設定されている傾向があります。

マンション・アパートなどの不動産を一棟購入する場合、部屋ごとの入居状況や契約賃料が記載された「レントロール」という書類が発行されますが、詐欺をはたらく不動産業者は入居状況を偽装して満室であることを装うため、素人では非常に見抜きにくいのが特徴です。

手口3:すでに購入者がいることを伏せて他の投資家に販売する

すでに他の購入者や所有者がいるのを隠して別の投資家に販売する「二重譲渡詐欺」という手口があります。

不動産は、契約をしてお金を支払った時ではなく、登記を行った時にはじめて所有者となるため、先に登記をした者がその物件の所有者となります。

買主のどちらかはお金を騙し取られた上に物件も手に入れることができないという仕組みです。

二重譲渡詐欺は、仲介会社に知らせずに売主が行っているケースと、不動産詐欺業者が行っているケースがあります。

二重譲渡詐欺に騙されないためには決済前に登記簿を取り寄せて所有権が売主にあるかどうかを確認することが大切です。

また、決済を済ませたあとはすぐに登記をすることも二重譲渡詐欺の被害を防ぐことに繋がります。

手口4:価値が低い土地や物件を高額で販売する

「現在は価値がないが、もうすぐ駅ができるので将来高値で売れる」などと言って値上がりの見込みがなく、ほとんど価値がない土地を買わせるという手口です。

このような手口は「原野商法」と呼ばれ、1970〜1980年代には多くの被害が出ていました。

そして近年、原野商法で土地を購入した被害者をターゲットにして、別の土地を売りつける詐欺あります。

このような原野商法の二次被害に遭う被害者は年々増加しており、平均被害額は2014年から2018年の間に2.6倍に膨れ上がっています。(※国民生活センター発表資料より)

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017
相談件数 373 446 780 745 1,032 1,088 847 1,076 1,196

手口5:実際には所有していない物件を販売する

広告に実際には所有していないような魅力的な物件を広告に掲載し、問い合わせが来ると「成約済です」と言って別の物件の契約を勧めるという手口があります。

このように魅力的な物件でターゲットを引き寄せる広告は「おとり広告」と呼ばれる悪質な広告です。

不動産業者が広告に記載している物件を所有していないケース以外にも、所有しているけれど契約者は募集していないというケースや、そもそも物件が存在しないケースがあります。

不動産広告は誇大広告の禁止や広告開始時期の制限など、取引態様の明示などの項目が宅建業法によって細かく規定されています。

また、おとり広告自体は宅建業法に違反しているものであり、許されるものではありません。

しかし、不動産購入を検討している買主からすると、おとり広告の物件には不審な点がないため、勧められた物件も安心できると思い込み、契約してしまうのです。

条件が良すぎるのに長期間掲載されているような不動産広告はおとり広告の場合があるので注意しましょう。

手口6:「仮契約」と言って本契約書にサインさせる

「仮契約」と言って本契約書にサインさせ、契約を成立させる手口を「仮契約詐欺」と言います。

「仮契約だから請求は発生しない」と不動産業者が嘘をつくケースがありますが、本契約なので手付金の請求が発生します。

手付金を支払ったあとに契約の解除を申し出た場合、手付金は損害賠償や違約金として不動産詐欺業者に渡るため、返金されることはありません。

仮契約詐欺に騙されないためには不動産に仮契約は存在しないことを知っておくことが大切です。

「仮契約」と言って書類へのサインを求められた場合は、書類の内容にかかわらずサインしないようにしましょう。

また、手付金を支払うことを仮契約と解釈してしまう方もいますが、一般的には売買契約と同じタイミングで支払うのが原則です。

不動産業者から仮契約時を促された際に手付金を支払ってしまうと返金されないので注意しましょう。

手口7:海外の実態のない物件を販売する

実際に物件を見学に行くことができないのをいいことに実態のない物件を販売したり、実際の価値よりも高値で販売したりする手口です。

アジアなどの物価が安い国にある物件の場合、日本よりも安く購入できるというメリットがあるため購入に踏み切ってしまうケースが多くなっています。

ただし、マレーシアやベトナムなど一部の国では、外国人に対して物件購入価格や保有制限を定めている国があります。

このような規制に関する情報を知らずに「たくさんの利益を見込めるから」という理由で安易に海外不動産に手を出すのは危険です。

不動産会社の営業マンは巧みな言葉で海外不動産投資を勧誘しますが、不動産会社について調べたり、身元確認をしたりするなどして慎重に行動しましょう。

手口8:手数料を水増しする

不動産取引の際に本来は必要ない手数料を請求したり、手数料の金額が相場よりも大幅に高く設定していたりする手口は「手数料詐欺」と呼ばれています。

手数料詐欺では、「早く買い手が見つかる」などと言って手数料を先に請求し、持ち逃げするというパターンが一般的です。

手数料として請求される際は、「測量費」「調査費」「広告費」などの項目が利用されます。

しかしそもそも、不動産売買を仲介する過程で発生する測量費、調査費、広告費などの費用は、不動産業者が負担することや、不動産仲介業者は仲介手数料以外のお金を受け取ってはいけないことが法律で定められています。

仲介手数料以外の費用を請求された場合は不動産・地面師詐欺である可能性が高いので

注意しましょう。

手口9:恋愛感情につけ込んで不動産投資を勧める

マッチングアプリや出会い系サイトなどで出会い、デートを重ねて親密になったところで不動産投資を持ちかけ、ワンルームマンションなどの不動産を購入させるという手口もあります。

恋愛感情に付け込んで不動産などの高額商品を購入させる手法は「デート商法」と呼ばれ、古くから存在している悪質商法です。

不動産を購入させたあとは連絡が取れなくなり、クーリング・オフ制度を利用できる期間も過ぎているというのがデート商法を利用した不動産・地面師詐欺の常套手段です。

2019年6月には、デート商法による訴訟や被害が増加してきたことを受けて、消費者契約法が改正され、デート商法によって結んだ契約を取り消すことが可能になりました。

しかし、現在はまだ事例が少ないことから、どのようなケースや状況であれば適用されるのかというのははっきりしてしません。

マッチングアプリや出会い系サイトで出会った異性から不動産投資を持ちかけられた際は、恋愛感情に飲み込まれることなく冷静に判断しましょう。

不動産・地面師詐欺にのせられて知らないうちに金融機関への詐欺の加害者になる場合も!思い当たったら注意が必要な3つのケース

実は不動産・地面師詐欺の中には知らず知らずのうちに自分が加害者になってしまうケースがあります。

詐欺の加害者になってしまう場合に被害を被るのは、融資につい相談している金融機関です。

詐欺を行う気がなかった場合でも、金融機関が犯行を発見するとローンの一括支払いを命じられる場合や金利の引き上げが実施される場合があります。

不動産会社と取引をする際は以下のようなケースに注意しましょう。

  • ケース1:異なる金額が記された2通の契約書に押印したケース
  • ケース2:物件購入ごとに法人を作り、融資を受けているケース
  • ケース3:金融機関に提出する通帳預金残高を改ざんしたケース

ケース1:異なる金額が記された2通の契約書に押印したケース

実際の契約書の他にもう1通、実際の売買価格よりも高い金額を記載した契約書を作成し、金融機関に提出することでより多くの融資を受け取る手法は「二重売買契約」と言います。

二重売買契約は金融機関に提出する文書を偽造しているということなので、有印私文書偽造という違法行為です。

悪質な不動産業者は「みんなやってる」などと平然と嘘をつき、サインを迫りますが、有印私文書偽造は立派な犯罪です。

有印私文書偽造で逮捕・起訴された場合の法定刑は「3月以上5年以下の懲役」と定められています。

また、偽造された契約書であることが金融機関に知られると、不動産購入のためのローンの一括返済を求められる可能性があります。

契約書などの書類は慎重に確認し、少しでも疑問に感じた場合はサイン・押印をしないようにしましょう。

ケース2:物件購入ごとに法人を作り、融資を受けているケース

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いくつも法人を作り、法人ごとに違う銀行から融資を受ける手法は「多法人スキーム」や「法人スキーム」と呼ばれています。

しかし多法人スキームは2015年ごろから現在まで多くの不動産投資家が利用している手法です。

多くの不動産投資家が多法人スキームを利用しているのは、金融機関に「不動産に関する借金がない」と思わせることで融資を受け取ることができるからです。

個人で不動産を購入すると信用機関に信用情報が登録されますが、法人で不動産を購入した場合は基本的に信用機関に登録されることがありません。

そのため、それぞれの金融機関から融資を受けることができるのです。

このような手法を繰り返すことで多額の融資を引き出して多くの不動産を購入していきます。

一見グレーゾンな手法にも見えますが、金融機関に他の金融機関から融資を受けていることを申告せず融資を引き出すのは立派な詐称行為です。

加害意識の有無にかかわらず、ローンの一括返済の要求や金利の引き上げが実施される可能性があるので注意しましょう。

ケース3:金融機関に提出する通帳預金残高を改ざんしたケース

買主が提出した通帳預金残高のスクリーンショットなどを不動産業者が編集し、残高を多く見せるなどしてエビデンスを改ざん・偽造する手法はエビデンス改ざんと呼ばれています。

エビデンス改ざんに使われるのは、通帳預金残高のほかにも給与収入を証明する源泉徴収票や、株式などの有価証券を証明するネットページのコピーなどです。

そもそも、文書や画像を改ざんするのは詐欺や私文書偽造、公正証書元本不実記載などに問われる違法行為なので、不正を金融機関が発見した時は違法性を問われるだけでなく、ローンの一括返済を求められる可能性があります。

「自己資金ゼロでフルローン」などと謳っている不動産業者には注意しましょう。

これってもしかして不動産・地面師詐欺?共通する特徴から見た見抜き方

不動産・地面師詐欺の多くは以下のような特徴があります。

  • その1、「節税できる」とうたっている
  • その2、購入後にかかる費用や家賃の下落リスクを伝えない
  • その3、事務所がないか、雑居ビルの中にある

不動産・地面師詐欺は手口が非常に巧妙なので、契約後に逃げられてから騙されたことに気づくケースが多くなっています。

もしまだ契約していない段階で上記のような特徴を見つけたら、これ以上話を進めないようにしましょう。

その1、「節税できる」とうたっている

不動産投資のメリットの1つとして節税が挙げられますが、給与所得が900万円以下の買主に「節税できる」などと言って勧誘してくる不動産会社には注意が必要です。

確かに、相続税の節税対策として不動産投資は効果的ですが、所得税や住民税において節税効果を得ることができるのは、給与所得が900万円以上かつ不動産投資の家賃収入から経費を引いた額がマイナスになる場合のみです。

経費とは、不動産を運営する上で必要となる管理費、修繕積立費、火災保険などの費用を指します。

家賃収入から経費を引いた額がマイナスになった場合、赤字分を給与所得から差し引くことができるため、源泉税の還付を受けることができるというのが不動産投資よる節税の仕組みです。

ただ、不動産を運営していくうちに借入金を返済する際の支払い利息や減価償却費が減少するため、家賃収入から経費を差し引いた額がプラスになり、再び納税する義務が生まれます。

つまり、不動産の耐用年数を超えたあたりで節税効果は見込めなくなるということです。

また、赤字が続くと大規模修繕の際に銀行から融資を受けにくくなります。

節税効果を売りにして不動産投資を勧誘された場合は、節税効果が続く期間などを確認した上で判断しましょう。

その2、購入後にかかる費用や家賃の下落リスクを伝えない

不動産投資の魅力は安定したリターンを得られる点ですが、安定したリターンを得られるということはそれなりのリスクがあるということです。

不動産を経営する際のリスクやデメリットをきちんと伝えない不動産業者は信頼できる不動業者とは言えません。

そもそも不動産投資にはたくさんのリスクがあります。

対策することによって未然に回避できるものもありますが、避けられないリスクがいくつかあるのが特徴です。

具体的に、不動産投資に代表されるリスクには以下のようなものがあります。

  • 空室リスク
  • 家賃下落リスク
  • 不動産価値下落リスク
  • 修繕リスク
  • 金利上昇リスク
  • 家賃滞納リスク
  • 地震リスク

例えば修繕リスクや家賃下落リスクは経年劣化によるものなので避けては通れません。

また、不動産経営には、修繕費、管理費、火災保険料、税金などたくさんの費用がかかります。

このようなリスクや費用など、買主にとってはデメリットとなる情報を伝えずに、契約させる不動産会社には注意しましょう。

その3、事務所がないか、雑居ビルの中にある

不動産・地面師詐欺のグループはそもそも事務所がないか、雑居ビルの1室を事務所としている傾向があります。

事務所がなかったり、雑居ビルなどの1室に事務所があったりする理由は、そもそも家賃の高い物件に事務所を構えることができるような実績がない場合や、何かあったときにすぐに姿を眩ませることができるようにするためです。

そもそも、優良な不動産会社であれば事務所がないということはありません。

また、優良な不動産会社はしっかりとした実績があるため、良い物件を事務所にしているはずです。

契約する前に必ず不動産会社の所在や実態があるかを確認し、事務所がなかったり雑居ビルなど中にある場合は他の不動産会社を探しましょう。

不動産・地面師詐欺に騙されてしまった時の対処法

不動産・地面師詐欺に騙されてしまった時はすぐに第三者に相談しましょう。

詐欺というと警察をイメージする方がほとんどですが、実は警察に捜査を依頼できるのは、いくつかの条件をクリアした場合です。

一方で弁護士や探偵などの民間機関は警察が介入できない事案であっても依頼することができます。

ただし、弁護士は証拠を元に法律行為ができるかどうかを判断するため、証拠が充分でない場合は返還請求や交渉などを行うことができません。

証拠が揃っていない場合は探偵に証拠集めや企業調査を依頼した上で弁護士に相談するのがよいでしょう。

【1】警察に相談する

不動産・地面師詐欺に騙されてしまった場合は、まずは最寄りの警察署の担当部署に相談しましょう。

被害届や告訴状提出し受理されれば、警察は捜査や犯人の逮捕に乗り出します。

ただし、警察は民事不介入を原則としているため、私人間のトラブルであると判断された場合、警察は被害届や告訴状を提出しても受理せず、捜査を行いません。

他にも、警察が被害届や告訴状を受理しないのは以下のようなケースです。

  • 民事事件として扱われている
  • 詐欺の構成要件を満たしていない
  • 証拠が不十分である

特に告訴状は、警察が受理すると捜査を行って犯人を捕まえた後、起訴するかどうかを被害者に報告する義務が発生するという特徴があります。

そのため、被害の説明や証拠に曖昧な部分や、上記の3点に1つでも当てはまる場合は受理されにくくなっています。

一方で被害届の場合、受理したとしても事件を捜査したり、逮捕したりする義務はありません。

「被害届を出したのに、警察から何の連絡もない」というケースがあるのは捜査の義務がないからです。

被害届や告訴状が受理されるためには、不動産・地面師詐欺に遭った経緯や証拠をしっかりと用意しておくことが大切です。

【2】弁護士・探偵に相談する

警察に相談しても被害届や告訴状を受理してもらうことができなかった場合は、弁護士や探偵に相談するのが一番の解決方法です。

弁護士は法律行為を行うことができる権限を持っているため、不動産・地面師詐欺をはたらく業者と返金について直接交渉することができます。

また、訴訟になった場合も継続して対応を依頼することが可能です。

ただし、弁護士は証拠に基づいて法律行為を行うため、証拠が不十分の状態では被害者からの依頼に対応することができません。

一方で探偵は事実調査や証拠集めの専門家として詐欺被害に関する調査を依頼することが可能です。

警察と同じように尾行や張り込みを行うことが許されたり、てい独自の調査ルートを持っていたりするため、より確かな証拠を掴むことができます。

警察と異なる点は、警察に民事事件だと判断された場合でも依頼できる点です。

探偵に依頼して証拠を充分に集めた上で弁護士や警察に相談するとスムーズな対応が期待できます。

【3】国民生活センターに相談する

国民生活センターは消費者トラブルに関する相談受付や消費者の生活に関する研究を行っている独立行政法人です。

過去の相談に関するデータの中から似たような事案はないか、同じ不動産業者に対するクレームが寄せられていないかを調べて、今後の対応についてのアドバイスを受けることができます。

電話相談を中心に行っている機関ですが、「裁判はお金がかかるからできないけど泣き寝入りしたくない」「自分では解決できない」という場合には、ADR(裁判外紛争解決手続)という制度を利用することも可能です。

ADR(裁判外紛争解決手続)とは、国民生活センターの紛争解決委員会に所属する法律や商品の専門家が紛争の仲介や仲裁をするというものです。

ただし、あくまで和解を促すものであり、刑罰を与えたり、返金を請求したりできるものではありません。

国民生活センターは、今後の対応に迷った時に相談する機関として利用するのがよいでしょう。

不動産・地面師詐欺に騙されないための予防法

  1. 不動産投資の知識を身につける
  2. 契約書にサインする前に必ず現地を確認する
  3. 疑問点がある場合は契約しない
  4. 不動産会社の口コミや実績をチェックする

不動産・地面師詐欺に騙されないようにするためには、不動産に関する知識を身につけておくことがとても大切です。

冒頭でも述べた通り、不動産・地面師詐欺は知識の差を利用して犯行に及びます。

不動産投資に関する情報を集めて、仕組みやメリット・デメリット、利回りや費用などの知識を身につけましょう。

また、不動産・地面師詐欺をはたらく不動産会社は契約を急かす傾向にありますが、少しでも疑問に感じることがある場合は、必ず不動産会社に確認し、第三者に相談してから返事をするようにしましょう。

知識は時として自分を守る武器になる!

不動産・地面師詐欺に騙されないためには、不動産に関する知識をつけておくことがとても重要です。

少しでも知識をつけておけば、何か大きな不審点があった時に違和感を感じることができるはずです。

不審点について確認した際にあいまいに誤魔化したり、回答を避けたりする不動産業者は優良な業者とは言えません。

話をこれ以上進めず、解決するまで保留にするか、契約する前にキャンセルしましょう。

もしすでに騙されてしまった場合、1人で解決するのは不可能です。

警察や弁護士、探偵などの第三者に相談して適切なサポートを受けましょう。

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