ターゲットの自宅周辺や生活圏でのつきまとい、SNSや掲示板などでのしつこいメッセージや書き込みを行うストーカー。

ストーカーは恋愛感情や失恋の恨みによって、冷静な判断力を失っていることがほとんどです。そのため多くのストーカーは警察の介入などで自分の行動の異常性に気づき、迷惑行為をやめるパターンが多いことがわかっています。

では、警察ではなく探偵にストーカー対策を依頼するメリットは一体何でしょうか。探偵にできて警察にできないこととは?

この記事では探偵にできるストーカー対策を警察やその他の業種などと比較しつつ、どう役に立つのか解説します。

警察による主なストーカー対策とその問題点

ストーカー基本法の成立と改正によって、警察がストーカーに対して初期段階でとれる対策の範囲が拡大しました。それまで民事不介入、あるいはごく軽い犯罪としか見られなかった迷惑行為も、ストーカー行為としての条件を満たせば警察が積極的に介入できるようになったのです。

しかしそれでも、まだ警察では有効な手段をとれないパターンは少なからずあります。まずは警察にできるストーカー対策と、その問題点について具体的に説明します。

ストーカー行為に対し警察ができる措置

警察がストーカー被害に対してできること

アドバイス:
ストーカーに対してすべきこと・してはいけないことの助言。今後の対処法の提示。適切な相談機関や避難先のあっせん。
周辺のパトロール:
自宅付近やストーカー被害を受けた場所周辺のパトロール回数を増やすなどの措置。
警告:
犯人への「被害者に対しストーカー行為をこれ以上繰り返してはならない」旨の警告。
禁止命令:
主に犯人が警告に従わなかった場合、公安委員会から犯人に対して発せられる禁止命令。これを無視すれば犯人に2年以下の懲役または200万円以下の罰金を科すことができる。
逮捕:
被害届を出し、その内容が明確であり真実と認められれば、犯人の逮捕が可能。ストーカーが逮捕された場合、拘留手続きが取られることが多く、被害者と物理的に距離をとることができる。
犯人へのカウンセリング:
警察がその他の専門機関と連携して、犯人のカウンセリングなどを行ってストーカー行為の再発防止をする。

この中で一般人が思う以上に効果があるのは警告です。

最初にも述べましたが、ストーカーは恋愛感情や恨みによって正常な判断力を失っています。そこで警察が介入し、自分のやっていることはストーカー行為という犯罪行為であること、このままでは刑事罰を受ける可能性もあることを説明されると、ようやく自分を客観的に見られるようになれるのです。

実際、警告を受けてストーカー行為が止むパターンは多いという調査結果が出ています。

しかし問題は、警告をはじめとする有効なストーカー対策を実行できるかどうかです。実際に警察が動くには、ストーカー行為と認められる条件を満たさなくてはなりません。

ストーカー行為と認められるための条件

ストーカー規制法に違反するストーカー行為があれば警察も様々な対策を講じることができますが、逆に言えばストーカー行為と認められなくては有効な対策はできないということでもあります。

ストーカー行為と認められる条件

  • 恋愛感情、あるいは恋愛感情が報われなかったことによる恨みの感情に基づく行為である
  • ストーカー規制法で定める8項目の「つきまとい等」に当てはまる
    (つきまとい・待ち伏せ・押し掛け、行動の監視を相手に伝える、面会や交際など義務のない行動の要求、粗野・乱暴な言動、いたずら電話・無言電話、汚物などの送付、名誉毀損など、性的羞恥心を害する)
  • 「つきまとい等」を拒否されても繰り返し行っている

「つきまとい等」には、親しい間柄であれば問題のない行為もあります。そのため動機や被害者の拒否の姿勢、つきまとい等が繰り返されたかどうかがストーカー行為の判断基準となります。これらの条件が満たされなくては、警察としてはアドバイスや被害届の受理くらいしかできません。

警察の人員不足

上に挙げた警察によるストーカー対策の中で、パトロールの強化も一定の抑止力になります。警察の姿を見ればストーカーも活動しにくくなりますし、ストーカー行為が認められる前であれば、警察にとっては最大限の対策です。

しかし、パトロールの強化は、必ずしてもらえるわけではありません。

これは相談を受けた警察官の当たりはずれもありますが、何より警察の慢性的な人員不足によるところが大きいです。ストーカー行為という被害者がごく少数の犯罪よりは、もっと大きな被害をもたらす犯罪に人員を割かざるを得ません。

相談や被害届を受けてパトロールを始めても、しばらく続けて不審な人物や行動が見つからなければ終了するなど、警察がストーカー問題の解決に費やせる時間と労力には限界があるのです。

警察は規定内の行動しかできない

そもそもストーカー規制法が制定・改正されたのは、法律がなくては警察が動けないからです。基本的に警察は法に定められたこと、職務に該当することしかできません。アドバイスも対策も、あくまでマニュアルや職務の範囲内に限られます。

それはつまり、個々のパターンに応じた柔軟な対応ができないということです。これは命を奪われることもあり得るストーカー被害においては致命的といえます。ストーカー規制法があっても時代の変化に応じて変えるには時間がかかりますし、まだまだ警察が介入できないパターンは多いのです。

一定の条件を満たさなくては介入できない、定められた対応しかできないというのが、ストーカー対策における警察の最大の弱点といえるでしょう。ではこの弱点を探偵ならどう補えるのかを、次の項から説明していきます。

警察と探偵のストーカー対策の違い

警察が介入できればストーカー行為の大きな抑止力にはなるものの、介入するには時間がかかり個々のパターンに合わせた柔軟な対応ができない。では探偵ならば、どうやってその弱点を補うのでしょうか。

警察と探偵のストーカー対策の違いとそれぞれのメリットについて、警備会社などの他の業種とも比較しつつ解説します。アドバイス、証拠集め、犯人の特定…それぞれの段階で、警察と探偵にできることは大きく異なるのです。

相談・アドバイス

ストーカー対策の第一段階は、警察も探偵も同じで被害者の相談を受けてのアドバイスからです。この段階から、警察と探偵ではできることにかなりの違いがあります。

警察の相談・アドバイス
目的 ・相手(ストーカー)を刺激せず被害の拡大を防ぐ
・被害が大きくなった時に警告・逮捕に進むための準備
メリット ・ストーカー・DV被害者の避難先や公的機関に話が通りやすい
・被害届・逮捕・起訴など刑事事件としての解決法をとるのに不可欠
・ストーカー本人のカウンセリングなどによる根本的な解決も可能
デメリット ・無視する・着信拒否をするなどの消極的なアドバイスしかできない
・危険な目に遭うまで我慢しなくてはならず、時間が無駄になることも
探偵の相談・アドバイス
目的 ・刑事・民事両方の解決法を見越して証拠集めをする
・被害者自身ができる証拠集めの方法と注意点のアドバイス
メリット ・証拠集めの方法や監視カメラの設置など警察ではできないアドバイスも可能
・民事訴訟・示談をはじめ警察に頼らない解決方法も視野に入れられる
・個別のパターンに沿った柔軟なアドバイスができる
・様々な対策を知ることで今後の見通しが立ち、精神的不安が軽減されることも
デメリット ・警告・禁止命令などはできない(警察などへの要請が必要)

警察と探偵、どちらにもメリットとデメリットがあります。ストーカー問題を解決したいなら、警察と探偵のどちらにも相談することをおすすめします。ほとんどの探偵が無料で相談を受け付けていますし、多角的にアドバイスを受けることは必ず役に立ちます。

ただ探偵を選ぶ際には、その探偵社がストーカー対策を得意としているかどうかを見極める必要があります。探偵には会社ごとに得手不得手があるからです。

探偵に相談するメリットとして柔軟なアドバイスを受けられる、精神的不安が軽減されると上に書きましたが、逆に言えばこれができない探偵社はストーカー対策に向いていません。相談の際に説明がわかりやすく、信頼できる探偵を選んでください。

ちなみに警備会社にはストーカー被害に関するアドバイスを得意とするところはあまりなく、ほとんどが自宅周辺に現れたストーカーの撮影と確保に特化しています。

犯人の特定・証拠集め

探偵のストーカー調査の主な方法

  • 犯人の特定:張り込み、追跡調査(尾行)、聞き込み など
  • 証拠集め:定点撮影(監視カメラ)、張り込み・追跡しながらの撮影

探偵が警察や警備会社などと大きく違うのは、依頼人に適した調査ができる点です。

ストーカー問題の解決法には刑事告訴・民事訴訟・内容証明などいくつかありますが、それぞれに必要な証拠は違いますし、ストーカーのタイプによって調査の仕方を変えなくてはなりません。

犯人が誰かわからなければ特定し、警察に訴えるためにはストーカー行為の証拠を、民事で賠償金をとりたいなら被害の大きさを示す証拠を集める必要があります。目的に応じて適切な手段を選び、実行するのが、調査のプロである探偵の仕事です。

また探偵は、被害者本人にできる証拠集めの方法もアドバイスできますし、カメラなどの機材のみの貸し出しを行う探偵社もあります。こういった点も、探偵特有の柔軟さです。

警察ははっきりと犯罪行為が行われたことが立証されなければ、積極的な捜査はしてくれません。警察にストーカー対策をとってもらうには、少なくともストーカー行為が行われた証拠が必要なのです。

警備会社は、そもそも調査自体をしません。ただし大抵の警備会社が防犯カメラで自宅周辺を撮影するプランを提供しており、これが証拠として使える場合もあります。

最初から犯人がわかっていてすぐに警察が動けるほどの被害があるという場合以外なら、ストーカー問題の解決に探偵の調査力は必要不可欠です。

盗聴器発見調査

盗聴器発見調査はストーカー対策には欠かせない対策のひとつです。

ストーカーが盗聴器を利用してターゲットの情報を得ているパターンは多く、ストーカーが元交際相手であるような場合はもちろんですが、そうでなくてもいつの間にか自宅に盗聴器が仕掛けられていたという事例は意外にたくさんあります。

探偵が扱う案件はストーカーに限らず人間関係のトラブルが多いです。盗聴器はそれらの案件でよく使用されるため、ほとんどの探偵がハイレベルな盗聴器発見調査に対応しています。

探偵と同程度かそれ以上の盗聴器発見調査を行う専門業者もあり、金額でいえば探偵より安いこともあります。しかし盗聴器発見の専門業者は、証拠集めなどの調査を行っておらず、ストーカー対策には適していません。この点については警備会社も同様です。

そして警察は、盗聴器の発見調査を行っていません。なぜなら盗聴だけでは犯罪ではないからです。

ストーカーが盗聴していたという事実は、ストーカー行為の根拠になります。その事実を暴けるのは、盗聴器の発見調査だけでなく犯人の特定も行う探偵だけです。

現行犯逮捕

逮捕は主に警察の役目ですが、現行犯であれば警察官以外の一般人にも逮捕できると刑事訴訟法に定められています。現行犯とは、実際に目の前で犯罪が行われている、あるいは行われた直後の状態のことです。この状態での逮捕を現行犯逮捕といいます。

つまり探偵が張り込み中に目の前でストーカー行為が行われれば、犯人の身柄を確保し、逮捕することができるということです。しかも張り込み中であればストーカー行為の証拠も手に入れられるので、警察に引き渡す際に犯人の言い逃れを封じることができます。

もちろん警備会社のガードマンにも現行犯逮捕は可能ですが、家を犯罪から守るのが基本の業務なので、自宅周辺でなければ証拠を集めることも駆け付けることもできません。

探偵のストーカー対策で早期解決を

ストーカー被害にすぐに警察が介入できればいいのですが、法とマニュアルに沿って動く性質上、なかなかそうもいきません。そんな警察の融通の利かなさを補足するのが、探偵の仕事だと考えてください。

警察が動けないのであれば動かすだけの証拠をそろえる、あるいは警察に訴える以外の解決法のための証拠をそろえる。探偵ならそういった柔軟な対応が可能です。探偵が調査することで、ストーカー問題の解決は確実に早まります。

まとめ

  • ストーカー被害を受けたら早い段階で警察と探偵の両方に相談しましょう。
  • 最初の相談とアドバイスからもストーカー問題に強い探偵かどうか判断できます。
  • 警察にできない証拠集めや盗聴器発見調査を専門的に行うのが探偵です。
  • 探偵は個々の案件に柔軟に対応できます。

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