ストーカー被害を警察に相談したけれど、すぐには効果的な対策を講じてくれない…。ストーカーの刑事告訴や民事訴訟のための証拠を自分では集められない…。

そんなときに役に立つのが調査のプロである探偵です。探偵は警察や弁護士よりも柔軟な対応が可能で、警察に訴えたり法的手段に出たりする前の段階において特にその能力を発揮します。

具体的に探偵はストーカーに対して何ができるのか? 探偵に相談する前に準備することや注意点は? 調査料金の相場は?

この記事ではそういった疑問をひとつひとつ解消します!

探偵にできるストーカー対策と料金の相場は?

ストーカー規制法の成立とその後の改正によって、ストーカーに対して警察のできることの範囲は拡大しました。しかしそれはあくまで、嫌がらせなどを行っている人物がストーカーであると特定された場合です。ストーカーとの複雑な人間関係を客観的に立証するのは難しく、警察も介入できないパターンはまだいくらでもあります。

探偵がストーカー被害に対してできることは、客観的な証拠集めをはじめとする調査全般です。プロの技術で迅速かつ的確な調査を行い、警察への訴えやその他の法的手段に使える証拠や情報を集めます。

では具体的に、どんな方法で証拠を集めるのでしょうか。また、調査料を払ってまで探偵に依頼する意味はあるのでしょうか。

探偵にできるストーカー対策と探偵に依頼するメリット

探偵が行う主なストーカー対策

  • 写真・動画などの証拠集め
  • 張り込み・尾行・行動調査などによる犯人の特定
  • 盗聴器発見調査(ストーカーが盗聴器を仕掛けていることは多い)

これらはどれも素人では失敗する可能性が高い専門的な調査であり、下手をすれば犯人を逆上させて最悪の結果を招くこともあります。しかしストーカー行為が行われていることを証明し、犯人を特定しなくては、警察はなかなか動いてくれません。

探偵にストーカー調査を依頼するメリット

  • 素人にはできない専門的な調査ができる → 確実な証拠を最短で得られる
  • 被害者や関係者が必要以上にストーカーと接触せずに済む → 余計なトラブルを避けられる
  • 被害者や関係者の時間や労力を割かずに済む → 生活への負担を軽減できる
  • 対策のノウハウがあるため的確なアドバイスを得られる → 自分でもストーカー被害に的確な対応ができる

ストーカー行為を写真や動画に収められれば有力な証拠となりますが、それには専門的な技術と機材が必要ですし、被害を受けている本人が撮影するのは難しく非常に危険です。これだけでも、探偵に依頼するメリットは充分あります。

またストーカー被害の証拠には、被害者本人がその都度保管しなくてはならない物もあります。それらの集め方や保管方法についても、探偵なら的確なアドバイスができます。証拠は多ければ多いほどいいので、自分で確実に証拠を集めるためにも、できるだけ早く探偵に相談すべきです。

それでもなかなか相談に踏み切れないという方は、下の関連記事をまずは読んでみてください。自分でできるストーカーの証拠集めについて解説しています。

探偵によるストーカー調査の料金相場

探偵に依頼した方が確実に証拠を集められることはわかっていても、なかなか相談や依頼はためらわれるという方もいらっしゃるでしょう。そのブレーキになっていることのひとつに、調査料金の問題があるのではないでしょうか。

探偵によるストーカー調査料金は、5万円~50万円のように広い価格帯が書かれているサイトが多く、これでは相場などあってないようなものです。しかしこれは探偵事務所がごまかしているのではなく、個々のパターンによって必要な調査が大きく異なるからです。

調査料金は、依頼者が希望する解決方法、探偵に依頼する時点でそろっている情報量、ストーカーの手口・悪質さによって変わってきます。

ストーカーの手口や質は被害者にはどうしようもありませんが、自分自身とストーカー被害に関する情報は集められます。また情報が多ければ、料金だけでなく解決までの時間の削減にもなるので、探偵に依頼する前にしっかり準備しておきたいものです。

次は、探偵にストーカーの対策・調査を依頼する前の準備と、注意点について説明します。

探偵にストーカー対策を相談・依頼する前に必要な準備と注意点

ストーカー問題の解決はスピードが大事で、長引くほどストーカー行為がひどく、かつ被害も大きくなりがちです。

そのためには早期の対策が大事ですが、さすがに何もわからず情報の整理もせず飛び込んでは、警察にも探偵にも何もできることはありません。また探偵の調査料金も莫大な金額になってしまいます。

相談は早いに越したことはありませんが、その前に最低限の準備はしておきましょう。依頼の際に注意すべき点もしっかりチェックしてください。

自分(依頼者)に関する情報

まずは依頼者について探偵に伝えなくてはなりません。自分の個人情報をまとめておきましょう。

探偵に伝えるべき依頼者の情報

  • 住所・氏名・年齢・電話番号
  • 勤務先・学校
  • 家族構成(それぞれの年齢・性別・続柄と、同居か別居か、仲は良いか悪いかなど)
  • 交友関係(よく関わる人物をピックアップし、それぞれとの関係と顔写真なども)
  • 普段の生活パターン(日記や勤務表・時間割などがあれば持っていく)
  • 最近の身近なトラブルや何らかの変化(恋愛関係の解消・転属など)

履歴書に書くような個人情報はもちろんのこと、ストーカー調査に関わる情報も提示してください。犯人が誰かわからない場合は交友関係や行動範囲から当たっていく必要がありますし、調査中に怪しい人物を見かけた場合もあらかじめ写真などで顔を確認していれば迅速に対応できます。

また自分の身分証明書と、正式に依頼するときのための印鑑を持参するとなおよいです。

ストーカー被害に関する情報

    探偵に伝えるべきストーカー被害の情報

  • 最初におかしいと思ったきっかけ・いつ頃始まったか
  • いつ・どんな被害があったか
  • はっきりとした被害以外に不審なことはなかったか(自宅周辺での物音や近隣での被害など)
  • 自分の行動や会話をなぜか知られていたことはないか
  • ストーカー行為が始まった理由の心当たり

これらの情報を時系列にまとめ、できるだけ詳細に伝えてください。厳密にストーカー規制法で定められたストーカー行為に当たること以外でも、迷惑行為や不審な行動などがあれば、たくさん挙げるほど調査の手掛かりになります。

ストーカー犯人に関する情報

ストーカー行為の犯人が分かっている場合と、わかっていない場合があります。それぞれの場合でまとめておくと良い情報について説明します。

犯人が分かっている(知っている人物である)場合

  • 犯人の住所・氏名・年齢・電話番号(分からないなら無理に集めなくてよい)
  • 犯人の学校・勤務先・役職など
  • 犯人の家族構成・知人関係
  • 犯人がストーカー行為を始めた理由の心当たり・きっかけ(恋愛感情にもとづくか)
  • 自分と犯人のこれまでの関係性(いつどうやって知り合ったか、交際関係にあったかなど)
  • 写真など顔がわかるものがあるなら

    犯人が何者か特定できていない場合

  • 犯人の見た目やしゃべり方などの特徴
  • どんな時・どこに現れることが多いか
  • 特定できるような言動・プレゼント・手紙の内容
  • 犯人の様子や見た目から考えられる人物(心当たりのある知人など)
  • 犯人の動機の心当たり

これらの情報は多ければ多いほどいいですが、絶対になくてはならないものではありません。無理に相手のことを探ろうとするのは危険なのでやめてください。それよりは早い段階で相談することを優先する方が、ストーカー問題の解決に役に立ちます。

どんな解決法・調査方法を希望するか

どんな解決法・ゴールを目指すかによって、必要な証拠も変わってきます。費用や時間を最低限に抑えたいなら、探偵に依頼する段階で自分の希望をはっきり決めておく必要があります。

ストーカーの主な解決法

警察による警告、公安委員会による禁止命令:
ストーカー行為の証拠があれば、現状の緊急性に応じてとられる措置。警察に被害届を出すことでとられ、これによってストーカー行為の多くは止む。
逮捕・起訴:
ストーカーを法的に罰してもらう方法。ストーカー行為の証拠と犯人の特定によって可能。刑事告訴するには主に弁護士に依頼し、証拠を示すとともに書類手続きをする。
内容証明の送付:
ストーカー行為の内容と、それに対するこちらの今後の対応を相手に通達するもの。相手に自分の行為を自覚させる効果がある。証拠が必要なわけではないが、証拠がなくてはその後の対策がとれない。
示談:
弁護士などの第三者を挟み、相手と直接話し合って解決すること。ストーカーに対しては弁護士が関わるほどのことだとわからせる以上の効果はあまり期待できない。
民事訴訟:
ストーカー被害の賠償請求のための裁判。ストーカー行為の証拠、犯人の特定とともに被害の程度を示す証拠も必要。

逮捕・起訴や民事訴訟で相手を罰するには、客観的にストーカー行為の悪質性や緊急性を判断できる証拠が必要ですし、時間もかかります。しかし探偵や弁護士の力を借りて法的にきっちり解決すれば、後々のトラブルを防げます。

ストーカー問題解決のためにしてはいけないこと

ストーカーの調査を素人、こと被害者本人が行うのは非常に危険だということは説明しました。無理な調査はより大きな被害やトラブルを招くことになりかねません。それなら何もしない方がましです。

この他にもストーカーに対して絶対にしてはならないことはあります。探偵に相談・依頼するまでにも、これだけは必ず守ってください。

ストーカーに対してしてはいけないこと

  • 周りの人間にストーカー被害のことをしゃべる(ストーカーに情報を流される恐れがあるので、相談するならごく親しく信用できる少数の人にのみ)
  • 周りの人間に探偵に依頼することをしゃべる(同上)
  • ストーカーからの贈り物、プレゼントや手紙を捨てる(犯人の残した物は有力な証拠となる)
  • ストーカーからのメール・着信履歴や留守番電話を消す(同上)
  • ストーカーに対し受け入れる姿勢を示す(受け入れた事実があれば、ストーカーと認められにくくなる)

ストーカーにこちらの情報を漏らすことを避けるとともに、ストーカーへの対応にも注意が必要です。

ストーカー規制法で、ストーカー行為と認められるのは「つきまとい等」の行為が恋愛感情やそれが満たされなかったための恨みに起因している場合だと定められています。そのため、ストーカー行為を受け入れるようなそぶりを見せては警察が介入しづらくなるのです。

できるだけ誰かと一緒に行動するようにして、1対1でない状況ではっきりと拒否する姿勢を見せましょう。

探偵のストーカー調査にかかる料金の計算方法

探偵の調査料金は、基本的に「調査料金」+「経費」+「成功報酬」です。その他に報告書作成費などの手数料が加算される場合もあります。

調査料金とは人件費で、調査に関わった人数×時間分の料金のこと。経費は調査にかかった車のガソリン代や尾行で入った飲食店の費用などですが、それらも込みで調査料金を設定しているところも多いです。

そして成功報酬とは、依頼の難度が高く必ずしも希望通りの結果が得られるとはいえない場合に設定される料金です。

この中でストーカー調査の料金を最も大きく左右し、かつ一般の人にはわかりにくいのが調査料金です。主にこの調査料金に着目し、具体例を挙げてストーカー調査にかかる料金を算出してみます。

※ただし以下に挙げるのはあくまでも例です。個々のパターンによって料金は変動しますので、その点をご了承願います。

探偵の調査料金の相場

普通探偵は2人1組かそれ以上の人数で調査を行います。1人が運転、1人がカメラマンのように分業を行ったり、場合によっては二手に分かれて追跡したりすることがあるからです。ストーカーの調査も例外ではありません。

調査料金は「一般社団法人 東京都調査業協会」のアンケートによると、最も多いのは調査員2名1時間あたりで2万円~2.5万円という結果でした。一概には言えませんが都市部だと高く、地方だと安くなる傾向にありますが、2.5万円より高いと回答した業者はいませんでした。よってこの記事では、調査員2名1時間あたりの調査料金を2万円として算出します。

またパック料金で割安になったり、一定の時間を超過した場合に追加分が割安になったりする場合もあります。手元にあるだけの情報を提示し、どれくらいの調査が必要かを見積もってもらって、自分に適した料金プランを選んでください。

定点撮影の料金

定点撮影とは監視カメラを設置して犯行を撮影するもので、基本的には機材のレンタル代金と設置代金のみで調査料金はかかりません。

探偵の監視カメラのレンタル料金は、定点撮影の設置代金・編集代金込みで1時間当たり約2万円~。月額10,000円以下のカメラのレンタル業者があることを考えると、かなり高いと感じるでしょう。しかしこれは、慣れない素人が自分で設置して、不鮮明な画像を証拠として使えるほどに編集しなくてはならないからです。

絶対ではありませんが、探偵の撮影料金には編集料金も含まれています。そしてもちろん設置にも最適な位置や角度、時間帯を選ぶことができます。こうして調査の無駄をなくし、確実な証拠を得るのが探偵に依頼するメリットです。

定点撮影が効果的でない場合は別の方法をとるので、費用対効果を考えれば決して高くはないはずです。

張り込みの料金

張り込みとは、証拠写真や動画の撮影のため、あるいは犯人を現行犯逮捕するために特定の場所で待機することです。張り込みは撮影代なども込みの調査料金のみの場合が多いので、何時間調査するかで料金が決まります。

例えば毎晩、あるいは決まった曜日の夜間に、自宅のポストにプレゼントや手紙が投函されるとしましょう。被害者の帰宅時間が20時として、新聞配達員などに目撃されにくい午前4時まで張り込みをするなら、20時~4時の8時間で最高1日当たり 2万円×8時間=16万円。

同じようなパターンでも、ポストに投函される音で大体の時間が分かるなら、これより短い時間で安く済みます。逆に曜日や時間帯の予測が全くつかなければ、定点撮影で対応した方が得策です。

別のパターンで、例えば通勤通学途中に毎日同じ場所で待ち伏せされるのであれば、通勤・通学の30分~2時間の調査となるため、1日当たり 2万円×2時間=4万円 と、ぐっと金額は下がります。

行動調査の料金

行動調査とは、犯人や怪しい人物を尾行するなどして、行動パターンや犯人である証拠をつかむことです。行動調査も張り込みと同じく、撮影代込みの調査料金である場合が多いですが、車やバイクの移動は別途料金が加算されることもあります。

一例として、自宅ポスト近くに張り込んで素性のわからない犯人を発見してから、犯人が自宅に向かうまでを行動調査した場合を想定します。仮に車両費を1日1万円、自宅までの所要時間を2時間とすると、料金は1日当たり 2万円×2時間+1万円=5万円 です。

犯人の特定にさらに調査費はかかりますが、自宅さえわかれば芋づる式に得られる情報もたくさんあるため、調査員が行動調査をする必要はあまりありません。

盗聴器や盗撮調査の料金

ストーカーがターゲット(被害者)の自宅に盗聴器や盗撮カメラを仕掛けているパターンは多く、特にストーカーが元交際相手などで合鍵を持っている場合は、高確率で盗聴されていると思ってください。

盗聴されているとこちらの行動パターンや個人情報が筒抜けになるので、盗聴器(盗撮カメラ)発見調査はストーカー対策に必須です。

しかも盗聴器の発見にはプロの技術と専門の機材が必要なので、探偵あるいは盗聴器発見専門業者に依頼しなくては確実に見つけることはできません。

探偵の盗聴器発見調査の料金は、基本的に部屋の面積で決まります。探偵会社によってまちまちですが、ワンルームや1DKくらいであれば約2万円~請け負ってくれるところもあります。調査員を長時間動員する調査よりは安く、かつ明瞭な価格体系で確実に安心を得られるのですから、決して高い金額ではありません。

はっきりしたストーカー被害がなくても、何となく違和感を覚えるなら盗聴調査を依頼することをおすすめします。

探偵にストーカー調査を依頼する際には納得いくまで相談を

どんな案件であれ依頼人と探偵の間には信頼関係が大事ですが、ストーカー調査では特に最初の相談で納得いくまで説明を受ける必要があります。なぜならストーカー調査は下手をすればいくらでも時間がかかり、料金もかさんでしまうからです。

そういった無駄をなくすためには、事前にできるだけ情報を整理し、かつできるだけ早く探偵に相談してください。すぐに調査にかからないにしてもアドバイスを受けることができますし、それに従って情報を集めれば、時間も料金も削減できます。

この記事は、ストーカー問題の解決の中でも探偵に依頼するための基礎的な知識に特化したものです。そのため、その他の対策や注意点については触れていません。是非関連記事も熟読のうえ、信頼できる探偵を選んで解決を目指してください。