【投稿日】 2022年10月9日 【最終更新日】 2022年10月25日

親しい友人や親族間で起こる、お金の貸し借り。

いざ貸してみるといつまで経っても返ってこず、人間関係の悪化を恐れて指摘しないでいると、いつのまにか貸した事実がうやむやになってしまう、というケースも少なくありません。

数百円、数千円という少額であれば多少譲歩できますが、数万から数十万円、数百万と多額になってしまうと、貸した方の大きな不利益に繋がってきてしまいかねません。

大金の貸し借りを行う際に口約束だけで済ませる人は少ないと思いますが、友人や親族との関係性によっては許してしまう事もあるでしょう。

そこで、今回は、友人や親族などの親しい人にお金を貸す際、返済されないという事態を防ぐために、やっておくべきこと、注意するべきことをご紹介していきます。

お金を貸すときにやっておくべき5つのコト

「友人だし、大丈夫だろう」「親族だし、きっと返ってくるだろう」と思って口約束だけでお金の貸し借りを行うのは危険です。

親しい友人や親族だからこそ、今後の対人関係を円滑に進めていくためにも、お金の貸し借りを行う前にやっておきたいことがあります。

これらを確認し、友人にお金を貸して欲しいといわれた時は実践するようにしましょう。

やっておくべきこと1:借用書を作成する

友人や親族など親しい人にお金を貸し、それの返済を要求しても「お金なんて借りていない」「もらったものだ」と言われ、お金を返してもらえないという事態も起こり得ます。

それを未然に防ぐためにも、お金を貸した事実を証明し、返済額と返済日を設定した契約書や借用書を作成しておく必要があります。

個人で作成したものも有効ですが、不安な人は「強制執行受諾条項付きの公正証書」を作成しておけばより安心でしょう。

公正証明書を発行することにより、裁判手続を経ることなく、いきなり、借主の財産に対して強制執行することが可能となります。

公正証書は、最寄りの公証役場に行って必要な手数料を納め、手続きを行えば、比較的簡単に作成することができます。

友人や親族など借主と話し合い、文書を作成しましょう。

やっておくべきこと2:第三者に立ち会ってもらう

借用書など文書の作成を拒否されたり、作成が難しい場合には、両社にとって第三者である別の親族や友人などに立ち会ってもらい、お金の貸し借りの事実があったことを把握しておいてもらうのが有効です。

お金の貸し借りの際に立ち会った人は、万が一裁判などになった場合、お金を貸したことを証明する証人として認められます。

書面が作れない場合には、万が一に備えて、第三者に立ち会ってもらいましょう。

また、第三者が立ち会うことで、借りた側も言い逃れが出来なくなるので、返済しなければならないという意識もより強く生まれます。

やっておくべきこと3:(連帯)保証人を付ける

お金を貸す際に、(連帯)保証人を付けることも有効な手段となります。

保証人を付けることで、友人や親族がお金を返さなかった場合に、保証人に対してお金を返してもらうように請求することができます。

連帯保証人を付けてもらう場合には、必ず連帯保証人に会う必要があるので、その点は注意しましょう。

保証人に会い、借用書を見せて保証意思を確認し、書面に署名・押印してもらわなければなりません。

書面以外での保証契約は無効になります。

保証人を付けることで、お金を返さなければ保証人に請求が行く、という意識が借主に働くので間接的に返済を強制するという効果も期待できます。

やっておくべきこと4:担保をとる

お金を貸す際に、経済的価値のある物を担保にとるという方法も有効です。

お金を返さなければ担保として預かっていたものを没収することができるので、連帯保証人同様、お金の返済を間接的に促すことができます。

ただし、不動産などの大きなものを担保としてとるときは、きちんと法務局で登記手続きをしたうえでお金を渡さなければなりません。正しい手続きを行っていないと、担保として認められない可能性もあります。

また、担保として設定する不動産に、既にほかの抵当権がついていないかも確認が必要です。

すでに「先順位の権利」が設定されていると、後でつけた自分の担保には価値がなくなってしまうからです。

やっておくべきこと5:返済日をきちんと設ける

いつまでに返済する、という期日を明確に決めておくことも有効な手段です。

この日までに、と期日を明確に決めておけば、それまでにどのような方法でお金を作るか、どのくらい働けばいいかなどの見通しが立てやすくなります。

返済日から逆算して、仕事量を増減させることもできるので、勤労意欲や返済意欲を促す意味でも、返済日はきちんと設けるようにしましょう。

親しい人にお金を貸す時に、注意すべき4つのコト

親しい人にお金を貸すときにやっておくべきことを5つご紹介しましたが、そもそもお金を貸すときに注意しなければならない注意点もあります。

親しい人にお金を貸すうえで注意しておきたいことを4つ、ご紹介します。

注意点1:戸惑いなく貸せるときだけOKする

お金を貸すときに、少しでも戸惑ったり、自分の生活が不安になったりした場合にはお金を貸さないほうが懸命です。

親しい人に必死に頼まれてしまい、断り切れずに貸してしまうケースも少なくありません。

相手にお金を貸すことに躊躇や葛藤が生まれてしまった場合には、後々お金が返ってこないことに対する苛立ちを感じてしまったり、相手への不信感が募ってしまったり、悪循環になります。

自分の生活や支払いを後回しにしてまで、親しい人にお金を貸すのはあまり得策とは言えません。

本当にどうにかしてあげたいのであれば、お金を貸してくれそうな別の財源を探したり、借金の額を減らす方法を一緒に考えてあげた方が、より現実的です。

本当に親しい間柄であるのなら、お金を貸すのを断ってもそれを受け入れ、別の形で助けようとする姿勢に感謝するはずです。

もし、お金を貸してくれないことに対して憤るような友人であるなら、早めに関係を終わらせるのが得策と言えます。

注意点2:貸せる額を見極める

友人にお金を貸すことにした人でも、まずは貸せる金額を見極めなければなりません。

数千円、数百円であれば生活に大きな支障が出ることはほとんどありませんが、その金額が数万円、数十万円となってしまった場合はどうでしょうか。

自分のクレジットカード、自動車ローン、家賃などを切り崩してまで友人にお金を貸すのは現実的ではありません。自分の生活に支障が出ない余剰資金の中からお金を貸しましょう。

また、最悪の事態に備えて、返済がなくても痛手にならない程度の金額の見通しをつけておくのもひとつの手です。

注意点3:絶対に返済日は動かさない

一度決めた返済期限・返済日を伸ばさないようにしましょう。

「ごめん、あと何日」という風に何度も伸ばし、最終的には全く返ってくる気配がない、ということも十分起こり得る話です。

両者でどのくらいの期間あれば返済できるかをキチンと話し合い、それを動かさないようにするのが良いでしょう。

返済日をしっかり設定し、動かさないことで、返済を滞らせることなく円滑に進めることもできますし、返済日を知らなかったという主張も通ることはありません。

下手に延長をゆるしてしまうと、返済の遅延を発生させるだけでメリットはありませんので、動かさないようにしましょう。

注意点4:人間関係が悪化する恐れもある

お金を貸した時点で、人間関係の悪化が考えられることも意識しておきましょう。

相手の返済が遅れたら自分自身が疑心暗鬼になりますし、返す側も重圧や後ろめたさなどであなたと会うことが嫌になってしまうかもしれません。どんなに優しい言葉をかけたとしても嫌味として捉えられることもあるでしょう。

お金の貸し借りについて、他の人に相談した場合でも、人間関係が悪化する可能性は十分あり得ます。「他の人に話して欲しくなかったのに」という気持ちも芽生えるでしょう。

反対に、お金を貸した側としても、「ひとりで抱えこめなかったから相談しただけ」という風な気持ちも芽生えてしまうでしょう。

そういった気持ちそのものがすれ違い、トラブルに発展する可能性もあります。

借用書の書き方は?最低限入れたい項目は?

親しい間柄であっても、お金の貸し借りを行う上でとても重要になる「借用書」の存在。

お金の貸し借りが行われたことに対する証明にもなる借用書は、個人でも簡単に作成することができます。

ここでは、親しい間柄での金銭の貸し借りを想定し、利息等の約束がない場合を前提に、最低限入れるべき項目・その書き方についてご紹介します。

まず、親しい間柄で交わす借用書に最低限入れたい項目は次の通りです。

  • 当事者(貸主・借主)
  • 金額
  • 借用との記載
  • 支払期限や方法
  • 住所
  • 契約日
  • 署名
  • 押印

当事者(貸主・借主)

誰が、誰に貸すのかを明らかにするために記入しましょう。

連名で名前を書いただけだと、誰が誰にお金を貸したかがわからず、法的効力を持たない借用書になってしまいます。

そのため、それぞれがどのような義務を負うのか、どのような関係性なのかを明記しておかなければなりません。

特に、請求できる権利を持つのが誰なのか、第三者が見てもはっきりわかるように書いておきましょう。

金額

貸した金額についても明記しておかなければなりません。複数回にわたって貸し付けることを予定しているときは、それぞれの貸付時期・金額を個別に書いておきましょう。

「金○○円也」と書くことで、追記が出来ないようにしておきましょう。

借用との記載

後々に「あれは貰ったものだ」という主張をさせないためにも、「貸した」という明記をしましょう。

「○○は△△にお金を貸した」というような内容がわかれば問題ありません。

支払期限や方法

個人間でのやり取りだと、返済期限が曖昧だったり、記載がない事が多くあります。これもきちんと明確にしておく必要があります。

支払い期限は日付でわかりやすく書き、正式な請求が可能な日を取り決めておきましょう。

たとえば、「返済期限 令和〇年〇月〇日」というような書き方で問題ありません。

また、返済方法が一括なのか分割なのかも明記しておきましょう。

分割返済の場合は、さらに以下の1、2のような記載をしておくべきです。

  1. 返済期間と返済の間隔・各回の返済日と返済額:例えば、「令和4年3月から令和4年10月まで、毎月末日限り、2万円ずつ」などと明記しておきましょう。
  2. 支払いを怠った場合に残金を一括払いしてもらうことと、その回数:これを明記しておくことでのちの請求や回収がしやすくなる為、必ず明記して書いておく必要があります。

住所

同姓同名の人間が借りた、という言い訳を通さないために、借主の身元を明確に記載しておく必要があります。

住民票の住所と実際に住所が異なっている場合もあります。

相手が転居して音信不通にならないようにするためにも、住民票などの提出を求め、コピーなどを確認するというのが望ましいとされています。

住民票そのものの提出は個人情報保護にもなるので嫌がる人もいます。

そのため、どこまでの情報提供が可能であるかをお互いに話し合って、明記できるものは明記しておくと良いでしょう。

相手が音信不通になってしまったとき、その後も居場所や連絡先がわかるように情報を確保しておくと良いでしょう。

契約日

いつ契約したか、というのを明確にしておきましょう。年は元号でも西暦でも問題ありません。

署名

契約が成立したことを証するため、署名欄を作り、そこに実筆で署名をしてもらう必要があります。

印刷などでも良いですが、「別人が勝手に作ったものだ」という言い逃れをされてしまう可能性があります。

本人に確実に書いてもらったという証拠を得るためにも、実筆で書いてもらいましょう。

押印

法律上、実印である必要はありませんが、可能なら実印を押してもらいましょう。

印鑑証明を貰うことは義務とされていませんが、つけて貰えばより安心できる契約となります。

親しい友人にお金を貸したら返ってこないことを踏まえて貸すことが大切!

親しい人にお金を貸す際、基本的に貸したら返ってこないという覚悟で貸すようにしましょう。

借用書などを作成することで返済してもらえる可能性は高くなりますし、回収をきちんと行えば問題なく返ってきます。

しかし、中には全く返すそぶりを見せない人もいることを念頭に置き、親しい人にお金を貸すようにしましょう。

お金を貸すことで壊れてしまう人間関係も少なくありません。

お金が返ってこないかもしれないという不安を抱きながら日々を過ごすのもストレスになります。

借りた側も、貸主に対して劣等感などを抱いてしまう事でしょう。

お金の貸し借りは、親しい人との関係を今までのものとは違うものにしてしまう力があることを覚えておきましょう。

それだけではなく、貸したお金が多額であればあるほど自分の生活に支障が出てしまいます。

お金を貸す際には、借用書などを作成するのは勿論ですが、回収できなかった時、自分の生活に影響がない範囲にとどめておくことを意識しましょう。

親しい人から踏み倒された借金を何とかしたい場合は、探偵事務所SATへ!

たとえ親しい友人や親族などにお金を貸す場合であっても、貸したまま返済がなく音信不通になってしまったり、借金を踏み倒されたりで、今後どう対処すれば良いか悩んでいる方もいらっしゃると思います。

親しい友人や親族だからこそ、弁護士や探偵などに頼むのは今後の関係に影響しそう・・・かと言ってこのまま貸したお金が返ってこないのは苦しい・・・、そんな葛藤に悩まされているのであれば、まず相手の所在を調査して、話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。

探偵事務所SATでは、そういった音信不通になった債務者の所在を調査したり、現状相手側がどのような状況なのか、借金を返せるだけの資産は保有しているのか、を調査することができます。

また、相手の隠し財産の所在なども調査可能な上、無料で提携弁護士などの紹介も可能です。

お金と人間関係の葛藤で悩んでいるのであれば、まずは一度探偵事務所SATにご連絡ください。

※探偵は調査が仕事になるので、債務者の所在調査や資産調査、隠し財産の調査などしか行えません。債権回収自体は行えませんのでご注意ください。

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