【投稿日】 2019年12月12日 【最終更新日】 2021年10月21日

嫌がらせの手紙や張り紙、怪文書とも言いますが、たとえそこに書かれているのが根も葉もないことでも、受け取った側にとっては気味が悪くとても不安です。

手紙を出しているということは、犯人はあなたのことを確実に知っています。そしてかなりの悪意を持っていることも推測されます。つまり、放っておいたらさらにひどい嫌がらせをされるかもしれないのです。

そうならないために正しい対処をして、早期解決を目指しましょう! ケースによっては罪に問える可能性もあります。

こちらの記事では主に手書きの手紙・張り紙に関して解説します。メールなどネットでの嫌がらせについては、以下の関連記事に詳しく書いてあるのでそちらも参考にしてください。

匿名で届く嫌がらせの手紙・怪文書・張り紙の犯人(差出人)の目的は?

電話やメール、ネットの書き込みなどとは違い、具体的に内容のある手紙や張り紙を出す犯人は、ターゲットに対して強い恨みを持っていることが考えられます。

動機としてよくあるのは、不倫・愛人問題です。夫の愛人から妻へ、逆に妻から愛人へ、あるいは愛人から夫へなどで、恨みをぶつけたり脅したりするために行われます。また会社やご近所に不倫関係を暴露するケースもあります。

他にもストーカーや職場での人間関係のトラブル、逆恨みなど様々な原因が考えられますが、犯人がターゲットを知っているのはまず間違いありません。

対策をするときも、相手は自分をどこかで見ているかもしれないということを必ず念頭におきましょう。

匿名で届く嫌がらせの手紙・怪文書・張り紙の被害に対してまずすべきこと

では嫌がらせの手紙や張り紙などの怪文書に対して、具体的にどう対処すればいいのでしょうか。刑事裁判・民事裁判で争うことも想定して、対策を考えましょう。

現物の保管・記録

まずすべきなのが手紙・張り紙の現物の保管です。指紋や筆跡、消印などは有力な証拠となりますので、できるだけ状態を維持して保管してください。同時に、いつどの手紙が届いたか、どこでどんな張り紙を見つけたかなどの記録もとってください。

張り紙などは同じものが複数貼られていれば、できるだけたくさん集めておきましょう。

保管の際の注意点

  • 手袋などをして、素手で触れないようにする
  • ビニール袋などに入れて保管する

証拠の保管については下の関連記事でも詳しく説明しているので参考にしてください。

手紙・張り紙のコピーをとっておく

手紙や張り紙は、調査の過程で誰かに見せたり提供したりすることがあります。そのときに現物の状態を維持できるよう、コピーをとっておきましょう。調査に現物が必要なとき以外は、コピー見せたり提出したりする方がいいです。

他人に怪文書に関する話はしない

怪文書の犯人は、大抵の場合ターゲットを監視しています。他人に余計なことをしゃべると、犯人に漏れてしまう可能性が高いです。

特に犯人の目星がついていること、探偵や弁護士に相談していることなどを話すのは、ごく親しい人だけにしましょう。こちらの対策・計画が犯人にバレると調査の妨げになったり、より大きなトラブルに発展したりすることもあります。

犯人がわかっても誰にも言わない

「〇〇さんが犯人だ」ということは、不用意に口に出してはいけません。

嫌がらせの手紙を投函しているところを偶然見たとか、字の癖があまりに似すぎているとか、ほぼ犯人を断定できるような根拠があっても、それは証拠にはなりません。また仮に証拠写真が撮れたとしても、不用意に追求すると反対にこちらが罪に問われることもあるのです。

証拠をそろえ、警察や弁護士との連携をとってから、確実な解決を目指しましょう。

家族で相談して対策を立てる

家を知っている、あるいは行動範囲を知っているということは、周囲の人間にも害が及ぶ可能性があるということです。一緒に住んでいる家族はまとめてターゲットになりやすく、怪文書を手渡されたり張り紙の内容から誹謗中傷を受けたりすることが考えられます。

それどころか嫌がらせがエスカレートして、ケガをさせられる可能性もゼロではありません。

嫌がらせの手紙が家に届くにせよ近所に貼り出されるにせよ、すぐに家族にも知られることになるので、早いうちに家族で相談して対策を立てましょう。

監視されていることを想定して行動・対策をする

相手に監視されているなら、目立つ行動は控えなくてはなりません。特に相手の気持ちを逆なでするような行為はNGです。

たとえばポストに手紙が投函されるからと、自分で張り込んだり監視カメラをつけたりするのはトラブルの元です。監視カメラを設置しているところを目撃されていては効果がありませんし、犯人がそのことに逆上して嫌がらせをエスカレートさせることもあります。

またそれ以外でもあまり目立つ行動をすると良からぬトラブルを生むことになりかねないので、極力控えましょう。

証拠集め・犯人特定は探偵や専門業者に相談する

怪文書はまず犯人がわからないケースが多いうえ、解決するための証拠は素人の力では集められません。しかも警察も犯人が特定されなければ積極的に捜査してくれないので、探偵や興信所への相談は必須だと考えてください。

探偵なら犯人の特定も証拠集めも、プロの技術と機材で確実に行います。まずは無料相談を申し込み、自分のケースに適した探偵会社かどうかよく見極めましょう。無料相談の際に確認するポイントは、関連記事に詳しく書かれています。

匿名で届く嫌がらせの手紙・怪文書・張り紙の犯人特定で探偵ができる調査方法

嫌がらせの手紙や張り紙の問題を解決するには、探偵に依頼するのが何よりの近道ですが、では探偵なら具体的にどんな調査ができるのでしょうか。怪文書の犯人の特定と、証拠集めに関わる探偵の調査方法を紹介します。

つまりここに挙げる調査方法をたくさん網羅している探偵事務所が、嫌がらせの手紙・張り紙の調査に適しているというわけです。探偵選びの際の参考にしてください。

筆跡鑑定

もし手紙や張り紙が手書きなら、筆跡鑑定が犯人の特定に役立ちます。

筆跡鑑定は専門性の高い調査なので、探偵事務所が専門業者に委託している場合もあります。筆跡鑑定を行っているか、あるいは提携先があるのかどうかを無料相談の際に確認しましょう。

指紋鑑定

指紋鑑定による犯人特定なら、怪文書がPCなどで作成されていても可能です。ただし指紋鑑定を行うためには、手紙や張り紙をできるだけ最初に発見したときの状態のまま保管しておく必要があります。指紋は人によって異なる固有のものなので、犯人を特定する確実な証拠です。

指紋鑑定も探偵が専門業者に委託している場合があります。可能かどうかを相談の際に確認してみてください。

張り込み・聞き込み

筆跡も指紋も、全く犯人の見当がつかない状態では役に立ちません。そのため手紙なら自宅のポストや消印の住所付近、張り紙なら貼られていた近辺で張り込みと聞き込みをして、何らかの手掛かりから犯人を絞り込みます。

張り込みにはカメラも携帯するため、犯行中の犯人に遭遇すれば証拠写真や動画を撮ることもできます。プロの技術で証拠能力の高い写真や動画が取れるのも、探偵に依頼することの大きなメリットです。

行動調査

行動調査とは、いわゆる尾行のことです。張り込みや依頼人(被害者)からの情報で割り出した怪しい人物の行動を調査し、証拠の写真や動画を集めると同時に犯行の動機、所在地などを探ることができます。

嫌がらせ問題は人間関係が根本にあるため、証拠を集めて警察に訴えれば解決するとは限りません。恨みなのか、恋愛感情なのか、愉快犯なのか、犯人の動機を解明して最適な解決法を考えます。

嫌がらせの手紙・怪文書・張り紙の差出人を刑事・民事で罪に問うことはできるか

嫌がらせの手紙や張り紙は、内容や頻度・枚数などによってはれっきとした犯罪です。

警察が一個人の嫌がらせ被害に積極的な対応をしてくれることは稀です。しかしちゃんと犯人を特定し充分な証拠を揃えれば刑事罰を与えられますし、民事で損害賠償請求をすることもできます。

どんな場合にどういった罪に問えるのかを、この項で解説します。

名誉棄損罪・侮辱罪

名誉毀損罪とは、他人の社会的な名誉や評価を貶めた罪です。書かれているのが具体的で社会的信用を落とすような内容であるケースに適用され、嘘か真実かは関係ありません。張り紙であれば多くの人の目に触れるので、手紙より名誉毀損が適用されやすいです。

名誉毀損になる例

  • 「〇〇さんは浮気をしている」「刑務所に入っていたことがある」などの張り紙をする
  • 「〇〇の店は廃棄するような食材を使っている」など店の信用を下げるような手紙を大勢に送る
  • 関係ない第三者の名前で怪文書を出す(その第三者への名誉毀損になる)

また「バカだ」「卑怯者だ」などの具体性のない罵倒の内容の張り紙であれば、名誉毀損にはなりませんが侮辱罪が適用される可能性があります。

刑事罰

  • 名誉毀損罪:3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金
  • 侮辱罪:拘留または科料(過去の判例では最高で29日の拘留)

名誉毀損・侮辱は不法行為なので、民事で訴えることもできます。刑事罰より損害賠償請求を望むなら、弁護士に依頼して民事裁判を起こすことも考えてみてください。ちなみに損害賠償の金額も侮辱より名誉毀損の方が一般的には高額です。

脅迫罪

脅迫罪は、相手やその親族などの生命、身体、自由、財産を傷つけたり奪ったりすることをほのめかして脅かした場合に適用される罪です。脅迫の内容に緊急性が認められれば、警察がすぐに対応してくれることもあります。

脅迫罪になる例

  • 手紙に「殺す」「殴る」「監禁する」などの害を及ぼす具体的な内容が含まれる
  • 「お前の過去をばらす」などの相手を不安にさせる内容の手紙
  • 訴える気はないのに「裁判を起こす」と手紙などで脅す

刑事罰

  • 脅迫罪:2年以下の懲役または30万円以下の罰金

脅迫罪も不法行為なので民事での損害賠償請求が可能です。

住居侵入罪・建造物侵入罪

もしも犯人が手紙の投函や張り紙をする際に勝手に他人の敷地内・建物内に侵入していれれば、住居侵入罪あるいは建造物侵入罪に抵触します。実際に侵入していなくても、侵入しようとしていただけでも住居侵入罪は成立します。

住居侵入罪の刑事罰は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

刑事罰

  • 住居侵入罪:3年以下の懲役または10万円以下の罰金

民事で訴えることも可能ですが、手紙の投函程度では大きな被害に発展するとは考えにくいため、損害賠償請求をしても示談金はかなり少額となります。

プライバシー権の侵害

プライバシーとは、個人の私生活の事実や公開されたくない事柄、あるいは未公開の事柄のことです。そしてプライバシーを勝手に公開されない権利をプライバシー権といい、プライバシーを勝手に公開する行為はプライバシー権の侵害にあたります。

近年インターネットで取り沙汰されることが多いプライバシー権の侵害ですが、手紙や張り紙でも適用されることはあります。

プライバシー権の侵害の例

  • 住所・年齢・電話番号・年収・出身校などの情報を書いた張り紙をする
  • 過去の交際歴・逮捕歴などを勝手に広める

プライバシー権の侵害と認められる条件

  • 広められた情報が「私生活上の事実」である
  • これまで公開されていなかった情報を勝手に公開された
  • 公開されたことを被害者が不快に感じた

以上の3点を満たせば、プライバシー権の侵害と認められる可能性は高いです。「名誉・評判が傷つけられた」ことが争点となる名誉毀損と異なり、プライバシーの侵害では「被害者が不快に感じた」ことが争点となります。

ただしプライバシー権の侵害には刑事罰はありません。つまり損害賠償などの民事的責任を民事裁判などで追及するしかないので、探偵や弁護士に依頼して、証拠集めや裁判・示談などの手続きをしましょう。

肖像権侵害

肖像権とは、自分の容姿などを必要もなく勝手に利用・公表されない権利のことです。主に写真や映像の公開が、肖像権の侵害に当たります。被害者の写真のアイコラなどの合成画像でも同じです。

肖像権の侵害が認められる条件

  • 撮影対象の人物がはっきりと特定できる・顔などが識別できて誰が移っているのかわかる
  • 写真・映像で被写体(被害者)がメインである・他のものがメインであれば肖像権の侵害は認められにくい
  • 拡散の可能性が高い場所・方法で公開された
  • 撮影あるいは公開が無断で行われた

張り紙はインターネットに比べると拡散性が低いため、肖像権の侵害を証明するにはやや弱いのが難点です。しかし張り紙をやめさせ、損害賠償を請求する根拠にはなります。

警察に相談しても解決できない嫌がらせの手紙

手紙や張り紙などの怪文書では警察はなかなか動いてくれません。犯人が誰かわからなければなおさらです。

よって解決のために大事なのは、まず何より有力な証拠となる手紙・張り紙の現物を保管すること。そして犯人の特定には探偵、裁判や示談には弁護士と、プロの力を借りることです。

刑事罰を負わせたい、損害賠償を請求したい、やめてくれればそれでいいなど、希望はそれぞれあることでしょう。しかしどの解決法を望むにせよ、犯人の特定、証拠集め、法的措置は必須です。すべてを確実に行うためには是非プロに依頼してください。

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