恋愛ツールとして多くの人に利用されているマッチングアプリですが、今大きな問題になっているのはマッチングアプリを利用した詐欺です。

マッチングアプリの登録時には身分証明書などによる本人確認が行われていることから安全だというイメージがありますが、実際に詐欺の被害にあった方がいるのも事実です。

この記事では、マッチングアプリを利用した詐欺の手口を紹介するとともに、実際に騙されて被害にあったときにどのように対処すれば良いのかについても解説します。

典型的なマッチングアプリ詐欺の手口<マッチング後>

マッチングアプリ詐欺には、アプリを利用しているシチュエーションによってさまざまな手口があります。

まず最初に、マッチング後によくある典型的な手口を紹介します。

【1】別の有料サイトへの誘導

マッチングアプリには、有料サイトの運営業者が登録していることがあります。

このような業者は、マッチングアプリを利用している一般会員を有料サイトへ誘導して有料登録させて利用料金を取ることを目的としています。

多くの場合、女性会員として登録していることが多いようですが、中には男性会員で登録している業者もいます。

一般的な手口は、マッチング後に「よく使っている別のサイトがあるから、そっちで話したい」などのような言い方で別サイトに誘導するというものです。

マッチングアプリ詐欺の中で最も多いのがこの手口の詐欺ですので、別のサイトに誘導されても決して応じないようにすることが大切です。

典型的なマッチングアプリ詐欺の手口<連絡先交換後>

次に、連絡先を交換した後によくある手口を2つ紹介します。

【1】副業勧誘

「副業勧誘」は、マッチングした相手とのやりとりの中で「誰でも簡単に稼げる方法がある」などと持ちかけて、高額な情報商材や投資商品などを売りつける手口の詐欺です。

マッチングアプリでは、このような勧誘行為は規約違反になりますので、個人的な連絡先を交換した後にLINEなどの別のSNSに移ってから勧誘してきたり、直接勧誘するのではなく「友達にも紹介したい」と言ってLINEやTwitter、Facebookグループなどに誘導して、その後に本格的に売りつけてくる場合もあります。

もし相手から「副業」や「投資」という言葉が出てきたら怪しいと考えていいでしょうし、「二人の未来のために投資しよう」というような言葉にも要注意です。

なお、副業や投資を持ちかけてくるマッチングアプリ詐欺は近年増加しており、国民生活センターからも注意喚起が出されています。

【2】ネットワークビジネスなどへの勧誘

この「ネットワークビジネス」とは、いわゆる「マルチ商法」のことで、自社商品を売った相手を販売員として勧誘し、販売員のネットワークを拡大する仕組みのビジネスです。

販売員が増えれば増えるほど自分にお金が入ってくるため、マッチングアプリを利用して勧誘相手を探しているのです。

マルチ商法の勧誘はほとんど対面で行われますので、「友達も連れてきた」などと言って複数人で勧誘してくることもあります。

もしこのような勧誘を受けた場合は、絶対に契約などはしないようにしてその場をやり過ごし、それ以降は絶対に会わないようにしましょう。

典型的なマッチングアプリ詐欺の手口<実際に会った後>

最後に紹介するのは、実際に会った後にある詐欺の手口です。

【1】恋愛詐欺

「恋愛詐欺」とは、恋愛感情を利用して相手を騙して、金銭を搾取したり、物品を買わせたり、保証人にならせたり、返済の意思もないのに金銭を借りたり、個人情報を抜かれたりして、そのまま音信不通になってしまう詐欺のことです。

マッチングアプリの場合は、実際に会って恋愛感情が芽生え始めた時期に、「交際したいが不都合な障害や問題がある」と打ち明けてくるのが一般的な手口です。

例えば、親や兄弟などの家族が大病や事故で手術しなけらばならないが、定期預金の解約や資金繰りの都合が合わないため一時的に立て替えてほしいなどと言ってきます。

この他にも、店舗開業や会社設立のための資金を一時的に立て替えてほしいなどの理由を挙げることもあり、返済能力や資産はあるので、すぐに返却するつもりだと言います。

恋愛感情が芽生え始めた時期であり、返済の意思も示しているのだから「立て替えても良いだろう」という気持ちになるように仕向けてきます。

さらに、それでも渋る場合には、「交際する相手を信じてくれないなんて」などと言って追い打ちをかけてきます。

【2】結婚詐欺

「結婚詐欺」とは、結婚する意志がないのに結婚を餌にして異性に近づき、相手を騙して金銭を巻き上げたり、返済の意思もないのに金銭を借りたりする詐欺行為です。

一般的な交際を通じて信頼を深め、結婚を意識させながら、「結婚前に借金を清算しなければならない」「会社が倒産したので借金ができた」「親が重病で手術費が必要になった」などの理由をつけて高額の金銭を要求してきます。

被害者の多くは30代以上の女性であることが大きな特徴で、「お金を出すのを断ったら結婚できなくなってしまう」などと考えて言われるがままにお金を渡してしまうケースが多いようです。

結婚詐欺師には次のような特徴があると言われていますので、複数の項目が当てはまる場合は注意が必要です。

  • 交際をはじめて早い時期から結婚の話を持ち出してくる
  • 医者や経営者など社会的地位の高い職業に就いていると言う
  • 勤務先や自宅の住所を教えてくれない
  • 自分の家族に会わせてくれない

マッチングアプリで知り合った相手から、結婚の話が出てきて、そのタイミングで金銭や借金の要求などの話が出たら大いに警戒する必要があります。

【3】ぼったくりバー、飲食店への誘導

最近マッチングアプリを利用した詐欺の中で最も増えているのが、相手をぼったくりバーや飲食店に連れて行くという詐欺で、被害者は主に男性です。

ぼったくりバーとは、メニューに記載されていない高額の料金を請求してくるバーのことで、一見普通のバーに見えるため、会計の時にはじめてぼったくりに気付くケースがほとんどです。

加害者はぼったくりバーとグルになっていて、ターゲットとなる異性を探すためにマッチングアプリに登録しています。

一般的な手口は、マッチングアプリで仲良くなった相手に「前から行ってみたかったバーがある」と言ってグルになっているぼったくりバーに誘い、気づかずに同行して飲み食いしたターゲットに対し、高額の料金を請求するというものです。

相手からバーや飲食店を指定された場合は、この種の詐欺であることを疑ってみることが必要でしょう。

事前にお店をネットで調べるなどして、疑わしい場合は、別のお店を逆提案したりすることも必要です。

【4】デート商法

この「デート商法」は、マッチングアプリで仲良くなったターゲットをデートに誘いだして、高額な商品を購入させる詐欺です。

従来は絵画や宝石、毛皮などの商品を購入させるのが主流でしたが、最近では不動産や株式などの投資商品を購入させるケースが増加しており、被害額も高額になってきています。

国民生活センターの発表 によると、男性だけでなく女性の被害者も増えています。

マッチングアプリで出会った相手から投資を勧められた場合は、詐欺を疑うようにしましょう。

マッチングアプリ詐欺に騙された時はどうすればいい?

ここでは、実際にマッチングアプリ詐欺に騙された時はどうすればいいのかについて説明します。

①記録を残す(魚拓を取る)

まず怪しいと感じたら、その時点からマッチングアプリやその他のSNSでのすべてのやり取りの記録を取って証拠として残しておくようにしましょう。

また、実際に会ったときの会話などはICレコーダーなどに録音しておきましょう。

加害者は証拠を消すために、詐欺行為を行った後にマッチングアプリから自分の情報を削除してしまいますので、その前に被害を受けた状況を証明するための証拠を残しておくことが重要です。これによって被害の実態を説明しやすくなります。

残しておいた方が良いものとしては、次のようなものがあります。

  • チャットやメッセージなどのやり取りの履歴
  • 購入させられた商品の引き落とし履歴や領収書
  • クレジットカード明細などの支払い記録

②マッチングアプリの運営窓口に相談

マッチングアプリ詐欺に遭った場合は、まずはアプリの運営窓口に相談しましょう。

大手運営のマッチングアプリの場合は、トラブルに遭った相手を通報する機能も付いています。

受けた被害の内容によってはアプリの運営窓口だけでなく、以下で紹介する然るべきところに相談にいくことをおすすめします。

③国民生活センターへの相談

マッチングアプリ詐欺に遭った場合は、国民生活センターに相談する方法があります。

独立行政法人国民生活センターの消費生活センターでは、商品やサービスなどに関する苦情や問合せなどの相談を専門の相談員が受け付けて公正な立場で処理にあたっています。

どこの消費者生活センターに電話すればいいかわからない場合は、消費者ホットライン(局番なしの188)に電話をすると、最寄りの消費生活相談窓口(消費者センターなど)を紹介してくれて、詐欺などを含むさまざまな消費者トラブルに関する相談を受けてくれます。

返金などにあたってのアドバイスや専門機関の紹介のほか、業者との交渉なども行ってくれる場合もあります。

クーリングオフが使える場合は契約解除しよう!

先述の副業詐欺やマルチ商法、デート商法の場合は、売買契約が発生しているため、相談をすれば内容に応じて「クーリングオフ」が可能かどうかや契約の不当性について専門的なアドバイスをくれるはずです。

クーリングオフとは、一定の契約については一定期間、消費者側が無条件で申し込みの撤回や契約の解除ができるという制度です。

クーリングオフは、契約内容によって適用期間が個別に設定されているので、トラブルに遭った後はできるだけ早めに相談することをおすすめします。

クーリングオフを業者に通知する場合は、内容証明郵便で送付し、相手が受け取ったことを証明する配達証明も併せて利用するようにしましょう。

内容証明郵便は、郵便局が送った郵便物の内容を証明してくれるもので、この方法によって伝えられた内容は、法的な証拠として効力を持ちます。

④警察への相談

マッチングアプリ詐欺で被害にあったり犯罪などのトラブルに巻き込まれた場合は、収集した証拠を持って身近な警察署の被害相談窓口に相談をしてください。

また、まだ被害には遭っていないものの今後トラブルに繋がる恐れがある場合は、警察相談窓口(9110)に電話をして対処法を相談することもおすすめです。

110番と違って、犯罪の可能性のあるトラブルについて気軽に相談できる窓口で、緊急性のない問題でも相談することが可能です。

相談内容によっては被害届を提出し、トラブルを起こした相手を逮捕することもできます。

なお、自分の身に危険を感じるような状況に遭った場合は、躊躇せずに110番するようにしてください。

⑤弁護士への相談

マッチングアプリ詐欺で金銭を搾取されて、騙し取られた金銭を返してもらいたい場合は、法律のプロである弁護士に相談する方法もあります。

「法テラス」は国営の総合相談所ですので、トラブルに関するアドバイスを無料で受けることが可能です。

または、日本弁護士連合会(日弁連)のサイト から最寄の弁護士を探し、相談してみましょう。

情報商材やデート商法の場合は、弁護士を通じて交渉することによって返金や契約解除ができる可能性が高まります。

副業詐欺とマルチ商法で、クーリングオフの期限を過ぎた場合にも、弁護士などを通じて契約の解除を求めていくことになると思われます。

なお、弁護士に依頼する場合は費用がかかりますので注意が必要です。

⑥探偵への相談

マッチングアプリ詐欺に遭った場合は、探偵に相談するという方法もあります。

警察などの公的機関は無料で相談に乗ってくれますが、その分スピード感や動きが遅いことがあります。

このようなことから、探偵に相談する人も多くなっています。

マッチングアプリ詐欺に引っかからないためには?

この記事では、マッチングアプリ詐欺の手口や実際に被害にあったときの対処法について解説しました。

まず重要なことは、世の中にはこのようなマッチングアプリを使った詐欺があるということを知ったうえでマッチングアプリを利用することです。

そして、実際にマッチングアプリを利用しているときに「普通に考えてこんなこと自分だったら提案しない」「普通に考えて自分だったらこんなこと言わない」という違和感を感じたら警戒することが大切です。

さらに万が一、詐欺に遭ってしまった場合は、自分ひとりで対処法を考えずに公的な第三者に相談することが重要となります。

マッチングアプリ詐欺の手口はさまざまなものがありますが、この記事で紹介したポイントを押さえて対策をすることによって、詐欺に遭うリスクをかなり減らすことができるでしょう。

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