使用済みの衣服・下着や日用品、個人情報の書かれた手紙やその他の郵便物など、自分のゴミを他人が漁っているなんて、考えただけで気分が悪くなりますよね。たとえ捨てたものでも、人に見られるのは嫌なものです。

しかもゴミを漁っているのがあなたをつけ狙うストーカーだったら、実害が及ぶおそれも充分あります。それを防ぐためには、被害に遭う前の徹底した予防策が大事なのです。

しかし予防しても、あるいは予防できずにストーカーのゴミ漁りの被害に遭ってしまうことはあります。実際にごみ漁りの被害に遭ってしまったときの適切な対策と対処法も知って、もしものときに備えましょう。

ストーカーのゴミ漁りの目的と恐ろしい実害

他人にゴミを開封されたり見られたり持ち帰られたりすることは誰でも嫌でしょうが、犯人がストーカーの場合、ゴミ漁りにははっきりとした実害が伴うことが多いです。

ストーカーにとってゴミ漁りは目的であると同時に、ターゲットの情報を集めるための手段でもあります。ゴミから手に入れた情報を利用して、さらにストーカー行為をエスカレートさせるケースは少なくありません。

逆に言えば、ストーカーがなぜか自分の個人情報を知っている場合は、ゴミやポストから情報を得ていることを疑うべきなのです。

例えばあなたを偶然見かけて後をつけ、マンションを特定したけれど部屋がわからないという場合に、ゴミを漁れば郵便物から部屋番号や名前がわかります。ゴミ漁りを何回か繰り返せば、電話番号やメールアドレスなども入手できます。

これらの情報が手に入ればいたずら電話やポストへの手紙の投函ができますし、最悪の場合は家に押し掛けることもあり得ます。こうなるとストーカー被害は長期化し、解決が難しくなります。

ストーカーにゴミを漁られないための予防策

ゴミはストーカーにとって情報の宝庫です。ゴミを漁られることはストーカー行為をエスカレートさせることでもあります。よって漁られてから対策を立てるのでは遅く、漁られる前に予防策を講じることが大事です。

ストーカーのゴミ漁りを防ぐための対策・注意点

  • 郵便物など個人情報の記されたものはシュレッダーにかけてから捨てる
  • 収集車が来る直前にゴミを出すようにする
  • ストーカーが行動しやすい夜にはゴミを出さない
  • ストーカーが欲しがる郵便物・下着・使用済みの生活用品などは生ゴミと混ぜて捨てる
  • 下着などは業者の回収サービスを利用する
  • 他の家庭と同じ袋にゴミをまとめて出す

どれもストーカーが目的の物品を手に入れにくくするための対策です。捨てるタイミングだけでも気を付ければ、ストーカーがゴミを漁るのはほぼ無理になります。収集車が来る直前でなくても午前8時頃になれば出歩く人も多く、そんな中でゴミを漁っていては誰かに通報されかねません。

またゴミ漁りによる個人情報の流出を防ぐためには、シュレッダーにかけたり生ゴミと混ぜて捨てたりする方法が効果的です。これだけでもストーカー行為のエスカレートを防ぐ効果は十分あります。

下着の回収サービスはいくつかの下着会社が行っているので、インターネットで調べてみてください。

ストーカーのゴミ漁り被害を受けた場合にできる対策

ストーカーにゴミを漁られるのは予防するのが一番なのですが、仕事や生活パターンの問題でなかなか予防策を実行できない場合もあるでしょう。また実行していても執着心の強いストーカーなら、予防策をものともせずゴミを漁ることもありえます。

ストーカーにゴミを漁られてしまったら、今度はゴミ漁りをやめさせる、あるいは犯人を突き止めてしかるべき罰を受けさせるための対処法に移りましょう。

マンション・アパートの管理会社に相談する

まずはゴミ捨て場を管理しているマンションやアパートの管理会社・管理人に相談しましょう。

マンション・アパートの管理会社にできること

  • ゴミ捨て場に鍵をつける・見回りなどの対策
  • 防犯カメラの設置
  • 防犯カメラの映像の保存・閲覧許可

よほどひどい被害がないと鍵や防犯カメラを取り付けてくれる可能性は低いです。しかしゴミ漁りによってゴミが散乱するなどして他の住民も困っているなら、訴え続けることで何らかの対策をとってくれるかもしれません。

もしすでにゴミ捨て場に防犯カメラがつけられていたら、できるだけ早く閲覧を申請してください。防犯カメラの映像は2週間程度で上書きして消されることが多いからです。

防犯カメラの映像は犯人特定の手掛かりにもなる大事な証拠です。消される前に確保しましょう。もし閲覧許可が下りなければ、警察や弁護士に相談して付き添ってもらうのもひとつの方法です。

マンションの防犯カメラの場合、裁判所の命令がないなら警察に見せる義務はありませんが、それでも住民が1人で申請するよりは管理会社が対応してくれる可能性は高くなります。

警察に相談する

どんなストーカー被害も、できるだけ早く警察に相談することが大事です。

現在はストーカー規制法によって警察もストーカー被害の初期段階で動けるようになりました。具体的な対策をできないケースもありますが、アドバイスを受けるだけでも役に立ちますし、ケースによっては周辺のパトロール回数を増やしてくれます。

今は有効な対策ができなくても、今後はっきりとした犯罪行為を受けたときや犯人が特定されたときに、警察への相談実績があれば迅速な対応が期待できます。

ストーカーのゴミ漁りに適用できる罪状など

住居侵入罪(刑法第百三十条)

他人の敷地内に無断で立ち入ってゴミを漁った場合。現行犯のほか、防犯カメラなどで犯行現場を押さえた写真・動画が証拠になります。ゴミ捨て場に「関係者以外立ち入り禁止」などの表記があるとより適用しやすいです。

窃盗罪・専有物離脱横領罪(刑法第二百三十五条・二百五十三条)

ゴミ捨て場に「持ち去り禁止」と書いてあれば勝手に持ち帰ると窃盗罪になることもあります。現在民法ではゴミには所有権が認められていませんが、全国の自治体で問題になっているため、今後はゴミの持ち帰りの罰則は厳しくなる見通しです。

ストーカー規制法違反

ゴミを漁ること自体はストーカー規制法では取り締まれませんが、何度もゴミ漁りの被害を受けているなら、ストーカー規制法(ストーカー行為などの規制などに関する法律)の「つきまとい等」に当てはまるケースもあります。

「つきまとい等」には、特定の人物の住居などの周辺をみだりにうろつく行為が含まれているため、ストーカーが何度もマンションのゴミ捨て場に現れているならぜひ警察に相談してください。

ただしストーカー行為は恋愛感情やそれが満たされなかったことによる恨みを動機とするものと定義されているため、その点は注意が必要です。

役所に相談する

ストーカーに限らずゴミの持ち去り問題は全国の自治体でトラブルを引き起こしているため、自治体によって資源ゴミ漁りを条例で禁止しています。特に資源ゴミの持ち去りやゴミ捨て場荒らしは地域住民や自治体運営に大きな被害を与えるので、役所が動いてくれる可能性は高いです。

ゴミ捨て場の整備(小屋を建てる・鍵をつけるなど)をはじめ、漁られにくいように対策を行うのも自治体の仕事です。警察が動けないなら自治体の条例を調べて、役所などに訴えてみることも考えてみてください。ケースによっては警察よりも早く動いてくれることもあります。

弁護士に相談する

刑法などに触れる犯罪行為は警察が取り締まりますが、民事上の不法行為は民事裁判などに訴えることになります。その際最も心強い味方が法律と交渉のプロである弁護士です。

残念ながらゴミを漁ること自体は犯罪ではありません。しかしストーカーによるゴミ漁りは、他人のプライバシーを覗く目的があると考えられるため、プライバシー権の侵害に当てはまります。これが民事上の不法行為と認められれば、損害賠償を請求することができるのです。

警察がすぐに動いてくれない、あるいは適用できる罪状が見つからない場合は、弁護士に相談して民事で解決することをおすすめします。

探偵に相談する

実際にストーカーによるゴミ漁りを解決するのは警察や弁護士ですが、そのための準備段階において探偵は必要不可欠ともいえる存在です。

探偵は調査のプロです。特殊な機材や確かな技術によって、犯人の特定や証拠集めを行うことができます。

探偵がストーカーのゴミ漁りに関してできること

  • 張り込みによる犯行現場・ストーカー行為の撮影
  • 尾行などによる犯人の特定・情報集め
  • 指紋鑑定

ゴミ漁りは場所や時間がある程度限定できるため、探偵に依頼すれば犯人の特定や証拠集めは比較的簡単なケースが多いです。また場所や時間帯がわかっていれば、調査費用も安く抑えることができます。

さらに素早くかつ安く調査をしてもらうためには、探偵に相談する前にある程度の情報をまとめておきましょう。

ストーカーのゴミ漁りを探偵に相談する際にまとめておくべきポイント

  • いつからゴミがなくなる(漁られている)のか/いつ気づいたのか
  • 普段ゴミを出している曜日・時間
  • ゴミを出すときに不審な人物やよく会う人物はいないか
  • 近所に不審者情報はないか/不審な人物を見かけていないか
  • ご近所トラブルなどはないか
  • 今の住居に何年間住んでいるか
  • ゴミ漁り以外のストーカー行為をされている様子はないか
  • ゴミ漁りの犯人やきっかけに心当たりはないか

これらの情報に加えて自分に関する情報と身分証明書、契約手続きに必要な印鑑を持参すればなおよいです。

ストーカーのゴミ漁りには予防策と迅速な対応が大事

ストーカーのゴミ漁りはそれ自体が目的のケースもありますが、ターゲットに関する情報を手に入れる手段でもあります。郵便物などはそのまま捨てると、本名や正確な住所、電話番号、メールアドレスなどをストーカーに知られて、ストーカー行為がエスカレートすることは充分あり得ます。

しかもゴミ漁りはストーカー規制法を適用しづらく、他に被害がなければ警察もあまり有効な対策はできません。

よって何より大事なのは、最初からゴミを漁られないように予防することです。ストーカーが欲しがりそうなものを入手しづらい形にして捨てる工夫をしましょう。

しかし、それらの予防策が不十分でストーカーにゴミを漁られてしまったら、そのときはすぐに警察や弁護士、探偵などに相談してください。