【投稿日】 2018年8月29日 【最終更新日】 2021年10月21日
知人や近隣住民からの、あるいは全く心当たりのない嫌がらせやいたずらを解決するには、どんな形をとるにせよ探偵の調査力を利用するのが一番です。
しかし探偵に依頼するといっても、そのために何をすればいいのか、どんな準備をすればいいのか、不正な料金を請求されないためには…など、多くの不安を抱えてしまうのではないでしょうか。
探偵に依頼するのは、プロの技術を適正に利用して問題を解決するためです。もちろん時間と料金を節約できればなお良いはず。この記事では、そのための準備や依頼の方法、探偵事務所の見分け方から料金の計算方法まで解説します。
SAT探偵事務所 京都本部の代表取締役社長。
浮気調査や人探しといった個人向けのメジャーな調査はもちろん、他所では受任できない難度の企業向けの調査(信用調査、与信調査、M&A時等におけるDD 等)や経営コンサルティング業務にも従事している。
嫌がらせ・いたずら被害で探偵ができる調査方法
嫌がらせやいたずらを何とかするには、警察に訴えたり弁護士を雇ったりして決着をつけるのが一般的です。しかし警察も弁護士も、何の手掛かりもなくてはまず動いてくれることはありません。
探偵の仕事は、警察や弁護士に解決してもらうために、犯人を特定したり犯行(違法行為)の証拠をつかんだりすることです。犯人は誰なのか、どんな違法行為が行われているのかを証明すれば、警察も弁護士も解決に向けて積極的に動いてくれます。
探偵は調査のプロフェッショナルです。では、嫌がらせやいたずらの解決のために探偵は具体的にどんな調査を行うのかを説明しましょう。
定点撮影
嫌がらせ・いたずら行為が行われている様子を、暗視カメラ(犯行は夜が多いため)を設置して写真や動画に収める調査方法です。これは犯人の特定と犯行の証拠の両方に役立ちます。
定点撮影は調査員の人件費がかからないため料金が抑えられるのが最大のメリットです。しかしその反面、犯行の時間や場所の予測がつかないパターンではあまり効果がありません。
行動調査
調査員(通常2人1組)が張り込みと尾行を行う調査です。
人の手によるものなので定点撮影より確実な証拠が掴めますし、尾行することで犯人の特定、所在や生活パターンなどを把握できます。そのため示談、刑事告訴、民事裁判などそれぞれの解決法に合わせて最適な証拠を得られます。
多くの嫌がらせのパターンに対応できるのも大きなメリットです。しかし当然のことながら、その分料金はかかります。定点撮影で相手を特定してから行動調査に移るなど、調査計画について契約前にじっくり相談してください。
盗聴器発見調査
犯行が家人全員の留守中に集中して何度も繰り返される場合には、家の中に盗聴器が仕掛けられている可能性もあります。その際に必要となるのが盗聴器発見調査です。
専用の機器を用いて盗聴器を発見します。設置されていた盗聴器をすべて撤去して解決するならそれでいいですが、あえて残しておいて偽の情報を聞かせ、犯人をおびき寄せるといった方法もあります。
犯人の特定が難しい嫌がらせの案件に適した調査方法の1つです。
調査をプロの探偵に依頼すべき理由
嫌がらせ・いたずら問題を無事に解決するためには、被害者本人が調査をすべきではありません。その理由は主に2つ。
- さらなるトラブルに発展する可能性がある
- 素人では解決につながる証拠をつかむのはまず無理
トラブルを解決したいなら、当事者同士での接触は悪手です。それによって余計に関係がこじれ、嫌がらせがエスカレートしたり巧妙になったりすることが考えられます。
そして解決につながる証拠とは、犯人が言い逃れできず、警察も犯人と犯行が特定できると認めるだけの質と量を備えた証拠です。これは特別な機材と技術がなくては得られません。
探偵は調査のプロであるだけでなく、交渉のプロである弁護士とのパイプも持っています。嫌がらせのパターンや依頼者の望む解決方法に適した証拠を集め、それをどう使うべきかのアドバイスもできるのが、プロの探偵なのです。
是非信頼できる探偵事務所に調査を依頼し、解決を目指してください。
嫌がらせ・いたずら被害を探偵に調査依頼する準備
調査は探偵に任せるのが一番ですが、依頼する前にできる限りの準備はしておきましょう。それによって時間や料金が節約できますし、もちろん早期解決も期待できます。
壊されたものなど被害状況を示すものを保管
まず大事なのが、被害を受けた証拠を残すことです。またそれらを残すことで、犯人につながる情報が得られることもあります。
- 壊されたものはそのまま保管
- 傷つけられたもの(車など)を修理した場合は領収書
- 被害状況の写真
- 被害の日時と状況を詳細に記録(いつから始まったか・被害の回数なども)
手掛かりは多ければ多いほどいいですし、法的手段に訴える場合にも役に立ちます。また日時を記録することで、効率的に調査を行えます。
犯人に関する情報
犯人に心当たりがある場合は、その人物に関する情報をできるだけ詳しく伝えてください。
- 心当たりのある人物の写真
- その人物に関するデータ(年齢・住所・家族構成・職業など)
- その人物を疑うようになった理由・きっかけなど
しかし詳しくとはいっても、くれぐれも自分で調査しようとは思わないように! 既に知っていること、思い出せる範囲で充分です。
自分に関する情報
嫌がらせ・いたずらは全く知らない相手からであろうと逆恨みであろうと、何らかのきっかけがあって始まることが多いです。そのため、被害者について知ることで犯人の特定にもつながります。
- 氏名・住所・年齢・職業・家族構成
- 交友関係・生活パターン(普段の行動や最近起きた変化など)
- 過去に巻き込まれた事件があればその詳細な情報
どんな些細なこと、嫌がらせ・いたずらと関係なさそうなことでもいいので、思いつく限り探偵に伝えてください。
どんな解決を望むのかを考えておく
嫌がらせ・いたずらをやめさせたいのはもちろんでしょうが、それ以上の解決を望む方がほとんどです。謝罪させたい、慰謝料を請求したい、刑事罰を与えたいなど、問題の着地点を決めておけば、無駄のない調査ができます。
決められない場合は、それも併せて探偵に相談してください。
嫌がらせ・いたずら調査を依頼する探偵の選び方!チェックするべきこと見分け方
準備を整えて探偵に依頼することになりますが、今なら大抵の人がネットで近隣の事務所を検索するでしょう。しかしその中から、どれがいい探偵なのかわからずに悩んでしまうのでは?
いい探偵とは、問題をできるだけ早く確実に適正な調査料金で解決してくれる探偵のことです。その見分け方を説明します。
探偵業届出証明書
探偵業を営むには、管轄の警察署経由に探偵業開始届出書と必要書類を提出しなくてはなりません。届出が公安委員会に受理されたことを証明する書面が、探偵業届出証明書です。
つまり探偵業届出証明書がなくては、その探偵は違法ということになります。
探偵業届出証明書を持っているかどうかは、ホームページや営業所(探偵事務所)などで確認できます。
のように、8桁の数字で届出証明番号が記載されているはずです。まず偽の番号を記載している事務所はありませんが、もし心配であれば、公安委員会に電話で照合してください。
関連リンク:大阪府公安委員会連絡先
関連リンク:大阪府警察「情報公開の手続きについて」
過去の行政処分の有無
探偵業届出証明書を持っていても、過去に違法・悪質な調査などを行っていた場合、行政処分を受けている探偵事務所があります。
こちらも、ホームページや事務所に記載されている証明番号がわかれば、各都道府県の公安委員会ホームページで確認できます。
事務所の電話番号・住所が記載されているか
探偵事務所は規模が大きいほど、実績があって調査能力も高いと思ってしまいがちです。しかしそんな依頼者の心理を読んで、ホームページなどに営業所の数を水増しして記載している業者もあります。
そういった業者を見破るためには、各営業所の電話番号まで記載されているかどうかを見てください。電話を受けられるということは営業しているということなので、判断基準となります。
また、本社の住所が記載されていない、打ち合わせを毎回事務所以外で行うといった場合は、事務所自体がなくいつでも逃げられるようにしていることが考えられます。もちろんまともな探偵事務所ではないので、事務所・電話番号・住所のすべてが確認できなければ、決して契約しないでください。
誇大広告を掲載していないか
「成功率100%」「地域最安値」などを謳っている探偵事務所は、誇大広告の可能性があります。
確かに成功率は大事ですが、100%ということはまずありえません。にもかかわらずそのような広告を出すのは、依頼者に真摯に向き合っていない証拠です。
また値段の安さを前面に出す業者は、調査員を削減したり機材を安く済ませたり、十分な調査ができない可能性があります。または手付金のみが安いか無料で、高額な成功報酬を上乗せするといったわかりづらい料金体系で依頼者を煙に巻く場合も。
必ずしも悪徳とは限りませんが、かなり慎重にかからなくてはならない業者です。
過去の調査報告書・撮影機材は充分なものか
探偵に何より大事なのは調査能力。それを依頼前に完全に見極めることはできませんが、一定のレベルに達しているかどうかは、過去の調査のデータなどから判断できます。
まずは過去の調査報告書やサンプルを見せてもらってください。まともな探偵事務所であれば、日時と調査内容がきっちりまとめられているはずですし、そこからどんな調査にどれくらいの期間とコストがかかるのかなどがわかります。
そして嫌がらせの調査には必須となる撮影・録音機材も実際に見せてもらうか、それが無理なら過去の写真や録音データなどを提示してもらいましょう。同時に尾行に必要になる車やバイクの台数、調査員の人数も質問してください。
これらは調査計画を尋ねた流れで確認するのが自然です。
調査計画・料金体系の説明が明確か
信頼できる探偵事務所は相談の時点で、依頼者の話から調査計画を立てて説明します。それと併せて調査員の人数なども決まってくるので、料金の説明もなされます。
- どんな調査をどれだけの期間するのか
- その際にかかる料金の見積もりと内訳
- 支払期限・支払方法
- 解約した場合の料金・解約金
- 追加調査の料金について
これらを曖昧にごまかすようでは論外。他にも次のような場合は要注意です。
- 犯行の日時が特定できているのに人件費のかかる調査を薦める
- 説明もなく張り込みに同時に4人以上の調査員をつける
また依頼者も相談の際にはわからない点を積極的に質問し、どんな解決を望むか、絶対に避けたいことは何かなどをしっかり伝えましょう。
アフターフォローの確認
「調査をプロの探偵に依頼すべき理由」でも説明しましたが、探偵はあくまで調査のプロであり、実際の解決には弁護士や警察の協力が必要です。弁護士や警察に相談する際のフォローはしてもらえるのかも確認しておきましょう。
またそのフォローに追加料金がかかるのかもチェックポイントの1つです。
接客態度・説明内容からその探偵を信頼できるか
そして最後にチェックするのは、その探偵の人柄です。上で挙げたことをすべてクリアしていても、話を真剣に聞いてくれている気がしない、説明がわかりにくく聞き返すことが多いなど、引っ掛かるポイントがあれば、もう一度よく考えましょう。
探偵と依頼者の間に大事なものは信頼です。こればかりは人間対人間なので相性があり、自分で判断するしかありません。
嫌がらせ・いたずら調査、探偵の調査料金
探偵の主な料金体系は
人件費×時間×日数+経費 | 尾行・張り込みなどの調査に多い |
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着手金+成功報酬 | 人探しなど成果が得られるかどうかわからないものに多い |
の2つです。
嫌がらせの調査の場合は尾行や張り込み調査をすることが多いので、人件費の相場が料金の相場となります。はっきりとしたデータはありませんが、探偵の人件費の平均は1人1時間当たり10,000円~12,500円だといわれています。
しかし地方によっても異なってくるため、これが必ずしも基準になるとは言えません。とはいえ大幅に異なっているようなら、なぜその金額になるのか尋ねてみるといいでしょう。また、近隣の探偵事務所を何軒か当たってみると、地域の相場がわかります。
解決のためには妥協のない探偵選びを
一般市民が探偵に調査を依頼するなんてことは、一生にほんの数度のことではないでしょうか。逆に言えば、それほど思いつめている時だということです。また、嫌がらせ・いたずらの問題は、半端に済ませると余計に悪化します。
だからこそ慎重に探偵事務所を選ぶことをおすすめします。探偵は秘匿性の高い業種なので、ネットの評価はあまり当てになりません。少し面倒でも、いくつかの事務所を回って、信頼できる事務所に依頼してください。
そしてもちろん、そのための前準備もぬかりなくしておきましょう。
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