【投稿日】 2018年9月18日 【最終更新日】 2021年10月21日

結婚詐欺にあった時、多くの人が考えるのは次のような選択肢です。

  • 結婚詐欺師を警察に逮捕して貰いたい。
  • 結婚詐欺師に渡してしまったお金を取り戻したい
  • 結婚詐欺師に慰謝料を請求したい。

しかし、いざ相談をしても思うように話が進まず、納得のいかない結果を招いてしまうことも少なくありません。実は、結婚詐欺を相談する時には目的にあった準備をする必要があるのです。

結婚詐欺を相談するために必要な準備と一連の流れについて、具体的な例を挙げながら詳しく解説していきます。

結婚詐欺にあったときの相談先と具体的な流れを知っておく

結婚詐欺は立派な犯罪なので、刑事事件でも民事事件でもそれぞれ訴えることが可能です。しかし、それを行うためには必要な準備があり、ある程度の流れがわかっていないと思うように話が進まないことがあります。

どのような目的で結婚詐欺について相談するのか、それぞれの相談先を具体的に挙げながら説明していきましょう。

刑事事件として結婚詐欺を警察に相談する場合

結婚詐欺をはたらいた相手を刑事事件として立件・逮捕して欲しい場合には、警察に相談して被害届を出す必要があります。しかし、警察が被害届を受理して捜査を行うためには、以下のような条件が揃っていなければなりません。

欺罔行為(ぎもうこうい)があった

相手が被害者を騙して金品などを手に入れようとしたという行為がはっきりしていること。

錯誤(さくご)があった

被害者が何も知らずに騙されていたという事実があったということ。

処分行為があった

騙された被害者が自分の意思で財産を処分したこと(相手の言葉を信じて自分から財産を差し出すなどの行為があった)。

占有転移・利益の移転があった

被害者の持つ財産が詐欺師や第三者へ渡ったという事実があること。

因果関係があること

欺罔行為・錯誤・処分行為・占有転移・利益の移転にすべて因果関係があること。


難しい言葉もあるので少しわかりにくいかも知れませんが、簡単に言うと以下のような流れがはっきりしていることが条件となります。

  • 相手が自分を騙そうとしていることを知らずに付き合っていた。
  • 騙されていることに気がつかずお金や財産を渡した。
  • お金や財産を渡した後で相手が自分を騙していたことに気がついた。

この流れがはっきりと証明できたら、警察は相談を受けた後に被害届を受理し、ようやく捜査に取り掛かることになります。しかし、ここで問題となってくるのが「男女の関係は証明しにくい」という点です。

もし犯人が捕まったとしても、「最初から騙すつもりがあったわけではない、恋愛感情はあった」という証言をして逃げるケースも多く、実際に詐欺罪として立証するためには「騙すために付き合った」という証拠が必要です。警察へ相談に行く時には、最低でも次のような準備をする必要があります。

  • 結婚詐欺師との出会いから詐欺に気がつくまでの経緯を詳細にまとめたメモ
  • 結婚詐欺師と連絡が取れないことを証明するもの
  • 具体的な金銭的被害額と騙し取られた時の理由を正確に記録したメモ
  • 結婚詐欺師が書いた借用書
  • できる範囲で調べた結婚詐欺師の嘘についてまとめたメモ(嘘の勤め先や住所など)

警察が動くためには「明らかに相手が犯罪を犯した」という証拠が重要です。まずは可能な限りの証拠を集めて警察に相談しましょう。もし被害届を受理して貰えない場合には、具体的にどのような証拠があれば良いのか尋ねてみましょう。

民事事件として結婚詐欺を弁護士に相談する場合

結婚詐欺を民事事件として解決する時には、弁護士に相談することになります。解決方法は被害者と弁護士で相談することになりますが、具体的な例としては次のような解決方法が挙げられます。

  • 結婚詐欺による精神的苦痛に対する慰謝料
  • 騙し取った金品や財産の返済
  • 結婚準備に掛かった費用などの弁済
  • 公正証書などによる正式な謝罪

多くの場合、結婚詐欺に対する制裁として上記の解決方法をすべて盛り込み、そこから相手側との交渉を進めていくことになります。そこでも問題となってくるのが、「結婚詐欺があったかどうかの証拠」です。

結婚詐欺であることがはっきりしているのであれば良いのですが、明らかに騙した証拠がなければ逆に名誉毀損で訴えられる可能性があるため、弁護士に相談する時には結婚詐欺の証拠が必要となってきます。具体的には次のようなものです。

  • 相手が既婚者であることを証明する証拠
  • 知らされていた勤め先や住所が嘘であるという証拠
  • 貸したお金が聞かされていた理由と違う目的で使用されていたという証拠
  • 被害者との結婚を約束していたことを示す証拠
  • 相手が自分と結婚する意思がなかったという証拠

上記の証拠に加えて、相手を訴えるためには次のような情報が必要です。

  • 結婚詐欺師の住所氏名
  • 結婚詐欺師の勤め先や連絡先
  • 結婚詐欺師の電話番号やメールアドレスなど

民事訴訟はいきなり裁判になるわけではなく、まず相手に連絡を取って示談などの話し合いを行うことから始まります。

そのために必要なのが結婚詐欺を行なっている相手の連絡先なのですが、結婚詐欺師は犯罪であることを理解した上で行なっているので、バレたことが分かるとあっという間に逃げてしまいます。つまり、相手が逃げられない状況を作った上で訴える必要性があるのです。

結婚詐欺を確実に訴えるためにもっとも有効な相談の流れ

結婚詐欺問題は時間との勝負です。あちこちに相談をしてもし相手に気づかれてしまったら最後、訴えるべき相手が知らないうちに行方不明となり、被害者が泣き寝入りするケースも少なくありません。必要な証拠や手順が分かっていたとしても、相手に逃げる隙を与えないために第三者の力を借りることも重要です。

実際に結婚詐欺を疑い相手を訴えた経験がある人の多くが、次のような流れで準備を行なっています。

  • 相手に疑いを持った時点で探偵事務所に相談
  • 探偵事務所に詐欺の証拠集めを依頼
  • 集めた証拠を持って警察と弁護士の両方に相談

ポイントとなるのは、「もしかしたらと思った段階からすぐに探偵事務所に相談している」という点です。

警察や弁護士に相談する時には「詐欺が確定する証拠」が必要となりますが、探偵事務所は「詐欺かどうかを調べること」が目的となりますので、相手に気づかれる可能性がより低い状態から準備を始めることが出来ます。

まずは探偵事務所に相談をして証拠集めや事実関係の確認を行い、その結果を踏まえてその後の流れを決めると、依頼する側も悩まずに済み安心できるというメリットがあります。詐欺行為を行なった相手を逃がさないためにも、おかしいと思った時点で探偵事務所に相談するという選択肢も考慮しましょう。

探偵事務所が行なっている結婚詐欺の調査内容

早い段階から探偵事務所に相談することが有効となる結婚詐欺の調査ですが、では実際にどのような調査が行われているのでしょうか。探偵事務所の調査内容を詳しくご紹介していきます。

調査対象者の身元確認調査

調査対象者となる結婚詐欺師は、依頼者を騙すために住所・氏名・勤め先など誤魔化している可能性があります。本当に騙す気がなかったのであれば、わざわざ嘘をつく必要はないので、この事実が明らかになることが「最初から詐欺を行うつもりだった証拠」と認められます。

  • 結婚詐欺師が現在住んでいる住所
  • 結婚詐欺師から聞かされている勤め先の所属の有無
  • 結婚詐欺師から聞かされている学歴や経歴に詐称がないかどうか
  • 実家の住所や家族構成に詐称がないかどうか
  • その他の事実関係の確認

ここで必要となるのは、「依頼者がどれくらい多くの情報を探偵事務所提供できるか」という点です。改めて依頼者が情報を調べたり集めたりするというより、これまでのお付き合いの中で聞いてきた話を時系列にまとめたり、お金を貸した経緯や聞かされている理由・貸した日付などを細かく思い出してメモにまとめておくことが大切となります。

一つでも多くの嘘が暴かれることが重要となりますので、どんな些細なことでも思い出して探偵事務所に相談してみましょう。

調査対象者の追跡調査

調査対象者となる結婚詐欺師が行方不明になった場合でも、探偵事務所ではその居場所を調査して探し当てます。特に民事訴訟では訴える相手の現住所や連絡先が重要となりますので、調査対象者の行方を調べる追跡調査は大変重要です。地道な聞き込みを行うことになりますので、依頼者が持つ情報が不可欠となります。

  • 結婚詐欺師の顔写真
  • 結婚詐欺師の身体的特徴(身長・体重・ホクロや特徴的部分など)
  • 結婚詐欺師がよく利用していたお店の情報
  • 結婚詐欺師がよく利用していた公共交通機関や待ち合わせの場所
  • 結婚詐欺師が持っていたレシートや領収書(もし残してあれば)

上記の中でもレシートや領収書などは、結婚詐欺師の本当の行動範囲を知るために必要な情報源となります。調査のプロである探偵はどのような些細な情報からでもヒントを見つけ出す可能性がありますので、できるだけ細かくわかる限りの情報を伝えましょう。

結婚詐欺の証拠集め

結婚詐欺として立証し相手を逮捕して貰うためには、裁判でも有効な証拠を集めなければなりません。具体的な内容としては、以下のようなものです。

  • 式場の予約をするために渡したお金を他の人に渡していた。
  • 婚約まで済ませたのに実は既婚者で妻子がいることを隠していた。
  • 会社の経営難を理由にお金を貸したが会社自体が存在していなかった。
  • 身内の治療費としてお金を貸したが病気の身内がいなかった。
  • 結婚相談所に登録している情報がすべて嘘だった。

刑事事件として立件するためには、「相手が被害者を騙す意思があったことを証明する証拠」が必要です。つまり、相手が言い逃れできない嘘を見つけ出さなければなりません。

探偵事務所の結婚詐欺調査では、調査対象者となる結婚詐欺師の嘘を一つ一つ丁寧に調査して情報を集め、それを報告書にまとめて依頼者に渡します。この報告書は裁判でも通用する大切な証拠となりますので、調査後の流れを決める上でも役立てることができます。

結婚詐欺被害で探偵事務所に相談する時の注意点

結婚詐欺の調査において大変有効な探偵事務所への相談ですが、その際には依頼者側がいくつか注意をしなければならないことがあります。結婚詐欺の相談ではどのような点に注意しなければならないのか、一つ一つ確認してみましょう。

調査対象者に気づかれないようにする

結婚詐欺はお付き合いしている相手を疑い調べることになりますので、依頼者は次のような点に気をつけなければなりません。

  • いつもと変わらない態度を心掛けて普段通りに過ごす。
  • 調査対象者の情報を無理に調べない。
  • 調査対象者に疑われる行動を取らない。

結婚詐欺を訴えるためには結婚詐欺師が逃げないようにしなければいけません。特に前科のある結婚詐欺師は空気の変化に大変敏感なため、少しでも疑われていることが分かると逃亡する可能性が高くなります。

結婚詐欺を疑っていることを相手に悟られないように心掛けながら、自分に出来る範囲内で無理のないように過ごしましょう。

できるだけ早く探偵に相談するようにする

結婚詐欺の調査は、相談する時期が早ければ早いほど効果があります。出会いの方法が増えた分相手の素性が見えにくいことから、結婚調査を依頼したら実は結婚詐欺師だったということも少なくありません。

  • 確証があるわけではないがお金を借りる理由が納得いかない。
  • 相手の話がなんとなく信じられない。
  • メールや電話のやりとりになんとなく違和感を感じる。

このような漠然とした不安であっても、探偵事務所では相談を受け付けています。ある程度の情報からでもアドバイスが貰えることがありますので、もし不安を感じるようだったら探偵事務所に足を運んでみましょう。

最終的な目的をはっきりとさせておく

結婚詐欺の調査は、結果が出たらそこで終わりではありません。相手が結婚詐欺師だったとわかった後にどのようにしたいのか、自分の考えをまとめておくことで相談も調査内容もよりスムーズになってきます。

  • 最低でも金品や財産の全面的返却だけは絶対に求めたい。
  • 金品や財産の全面的返却と慰謝料請求をしたい。
  • 絶対に刑事事件で相手を逮捕したい。

目的がはっきりしていると、探偵事務所側はその後の流れを予測した上で、必要な証拠集めや目的達成のために必要な行動のアドバイスなどが出来ますので、大まかでも自分の気持ちや考えをしっかり伝えるようにしましょう。

まとめ

結婚詐欺の相談先や、必要な準備・その後の流れについて解説してきましたがいかがでしたでしょうか。もう一度内容を振り返り、ポイントを押さえてみましょう。

  • 結婚詐欺を刑事事件として訴えたい場合には警察へ相談する。
  • 結婚詐欺を民事事件として訴えたい場合は弁護士へ相談する。
  • 警察や弁護士に相談する時には、「詐欺行為が明らかにあった」という証拠が必要である。
  • 結婚詐欺は時間との勝負になるので、探偵事務所を利用して相手が逃げられない状況にするのが望ましい。
  • 相手が逃げてしまってからでは解決するまでに時間が掛かるので、出来るだけ早い段階で相談して、相手に気づかれないように行動する。

結婚という幸せな未来を詐欺に利用されたことで、依頼者は大変大きなショックを受けていることでしょう。しかし、そこで動きを止めずにすぐに行動しなければ、結婚詐欺師の思い通りになってしまいます。

誰かに相談することで心も落ち着き自分の行動を決めることが出来ますので、迷った時にはまず探偵事務所に足を運んでみましょう。

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