家出人の捜索で重要となるのは、「家出となった原因を探ること」です。しかし、普段通りの生活から突然失踪した場合、残された人たちは何から手をつければよいのかわからないということも少なくありません。

家出の原因にはどのようなことがあるのか、実際に探偵が捜索した実例を元にしながら、家出人の年齢・性別ごとに詳しく解説していきます。

家出・失踪は年齢・性別を問わずに起こる問題である

普段通りの日常生活を送っていると思っている人たちにとって、家族が突然家出をしたという状況は、なかなか受け入れ難い現実です。実際に探偵事務所に相談する方の中にも、次のようなことを訴えるケースがあります。

しかし、これらの意見はあくまで残された人たちが持つ気持ちであり、家出した本人から見た場合、何かしらの問題を抱えて家出をしたというケースも多いのです。警察庁が発表しているデータを見ながら、家出の原因を探る上で注意するべき点をみていきましょう。

警察のデータから見る家出の状況

平成30年の6月に発表された警察庁生活安全局生活安全企画課の資料を見ると、家出の状況は次のようになっています。

  • 家出人を性別でみると男性が64.3%、女性が35.7%となっている。
  • 行方不明者の年齢が9歳以下から80歳以上と幅広い。
  • 家出の原因は「家庭問題」「認知症などの疾病」「事業や職業の問題」「学校や受験などの問題」と多岐に渡っている。
  • 遊び癖や原因不明の家出も多く、全体の40%以上を占めている。

これらのデータから見えてくるのは、家出の可能性は誰にでもあるということです。実際に探偵が捜索した例でも、「一見すると家庭内は上手くいっているようだったが、実は親が苦痛で家出をした」というケースもあります。

家出をした本人にしか本当の理由はわかりません。誰にでも家出の可能性があることを十分理解した上で、思いつく限りの証拠や手がかりを集める必要があるのです。

「ありえない」と思い込むことは大変危険

警察や探偵に相談した時に「理由が無い」と言い切ることは、本来の家出の理由を見落とす可能性高くなり大変危険です。大切な人がいなくなったという状況をしっかりと認識した上で、「ありえない」と思い込むのではなく「もしかしたら」という疑問を持つことが重要なポイントとなります。

警察や探偵に相談する際に重要視されるのが、「家出人が残した物や家出した時の状況・証言」です。具体的な例としては以下のようなものになります。

  • 家出人の日記や直筆のメモ
  • 家出人の残した遺書や書き置き
  • 家出人宛の借金の督促状やキャッシング会社のハガキ
  • 旅行雑誌やリクルート雑誌
  • 病院の領収書や診察結果
  • 残されている薬
  • パソコン内の検索履歴やメール
  • 家出人のブログやSNSの内容
  • 残された衣服のポケットの中
  • 電話番号がメモされた付箋や用紙
  • ゴミ箱の中のレシート
  • カバンの中やポケット
  • 本棚の中の本や書類の間

もしどうしても自分では探すことが難しいと感じたり、「ありえない」という思いから動くことが出来ない場合には、家出がわかった初期の段階で探偵に相談して状況確認をして貰うのも良いでしょう。

配偶者が突然家出(失踪)をする時に考えられる原因とは

家出の原因は家出した本人にしかわからないことも多いのですが、年齢や性別・家出人の立場によってある程度の目安を持ち、原因を探ることも可能です。実際に探偵が捜索を行った具体例を元にして、年齢や性別などでそれぞれに多い原因についてみていきましょう。

夫が突然家出をした場合に確認するべきこと

夫が突然家出をしたり失踪して帰ってこないという状況は、残された妻にとって大きなショックとなります。特に日常生活において何も問題を感じていない場合には、何を目的として調べれば良いのか見当もつかないことでしょう。実際に探偵が行った捜索では、次のような例が原因として挙げられています。

各家庭によりその環境は様々ですが、口数が少なく理性を感情で押さえるタイプが多い男性の場合、ずっと隠し事をしていてそのプレッシャーから逃れるために家出をすることも少なくありません。

探偵が調査した事例の中には、妻からの信用を利用して浮気相手の家を渡り歩いたり、お金さえ渡しておけば問題ないと別宅を用意して二重生活を行なっていたケースもあります。夫を信じる妻にとっては心が痛むかも知れませんが、万が一の事を考えて様々なケースを想定した原因探しが大切です。

妻が家出をした場合に確認するべきこと

妻という立場から家庭の一切を任せている家族も多いことと思いますが、日常生活で何も不満を口にしない妻が、突然失踪するケースも増えてきています。探偵事務所に相談に訪れる人たちの中でも、妻がなぜ失踪したのかわからないという人も少なくありません。

しかし、実際に探偵が捜索をしてみると、依頼者が思いもよらなかった理由が隠れていることがあります。

お互いに望んで結婚した夫婦であっても、それぞれの持つ価値観や風習はそう簡単にすり合わせが出来るものではありません。少しずつ積み重なってきた我慢や不満がある日突然爆発して、妻が家出をするというケースも多いのです。

「何も問題はなかった」という認識は、もしかしたら残された家族の思い込みである可能性もあります。中には、安心させるために日常生活を装って計画的に失踪する妻もいますので、あらゆる方面から原因を探る必要があります。

息子や娘など子供が家出(失踪)をした場合に考えられる理由とは

親にとって、これまで大切に育ててきた子供が家出をするという状況は、年齢に関係なく大変心配で不安なものです。では、息子や娘が家出をした場合にはどのような理由が考えられるのか、具体的な例をみていきましょう。

息子や娘が成人している場合

すでに働き出しており自立している子どもが行方不明となっている時、考えられる原因としては次のような項目が挙げられます。

自立をしている息子や娘が行方不明となっている場合、まず最初に考えなければならないのは「計画的な家出」か「突発的な家出か」という判断です。特に計画的な家出の場合には、前もって慎重に準備を進めていることが多く、時間が経つほど発見することも難しくなってきます。

信用していた子どもが行方不明となったショックは大きいものですが、「うちの子は絶対に自発的な家出はしない」という考えは一旦置いておき、全ての可能性を考えて原因を探らなければなりません。

息子や娘が13歳以上の未成年者の場合

息子や娘が中学生・高校生の未成年者の場合、次のような原因が考えられます。

「未成年者であれば警察はすぐに動いてくれる」と考える人も多いのですが、実は日常生活において普段から深夜徘徊やプチ家出を繰り返している場合、警察もあまり積極的な動きをしません。しかし、未成年者は精神的にも発達途中で不安定な状態なので犯罪に巻き込まれるケースも多く、場合によっては最悪の事態になる可能性も高くなるのが現状です。

普段の生活態度や学校での評判・成績などを第三者の視点からしっかりと把握した上で、あらゆる方面から原因を探っていき、早い段階で警察や探偵に相談することが大切です。

息子や娘が小学生以下の場合

息子や娘が小学生以下の場合は、原因や状況に関わらず警察では積極的な捜索が行われます。警察の行方不明者の捜索活動は一定の規則に基づいて行われるのですが、小学生以下の子どもは行方不明者の中でも「特異行方不明者」に分類されるため、子どもの安全確保のために早急な対応を行います。

「危機管理能力が低い」「自力での脱出が困難」「犯罪に巻き込まれやすい」という危険性が高くなりますので、小学生以下の息子や娘が行方不明となった場合には、一刻も早く警察へ相談することが重要です。

祖父・祖母などの高齢者が家出(失踪)をする場合に考えられる原因とは

家族の中でも高齢者にあたる祖父・祖母が家出をした場合、原因を探るまえにまず確認するべきことは次のような内容です。

  • 家族が知らないうちに認知症の症状が出ていなかったか。
  • ご近所や親戚とのトラブルがなかったか。
  • 銀行の通帳やキャッシュカードがなくなっていないか。
  • 定期的にまとまった金額を引き落としていないか。
  • 家族の知らない人物との接触がなかったか。

核家族化が進み一人暮らしの高齢者が増えてきた現代では、高齢者が失踪して行方不明者届が出されるケースも増えてきました。それに加え、認知症による徘徊からの失踪も多く確認されており、高齢者の行方不明者は年々増加傾向にあります。探偵による捜索で実際にあったケースとしては、次のようなものが挙げられますます。

高齢者の行方不明者も「身体や生命の危険性が高い」ことから特異行方不明者となるため、警察でも積極的な捜索が行われます。必要となるのは素早い状況判断となりますので、出来るだけ早い段階で警察や探偵に相談するようにしましょう。

まとめ

どのようなことが家出の原因となるのか、年齢や性別などさまざまな視点から詳しく解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。最後にもう一度内容を振り返り、まとめてみましょう。

  • 家出の原因は本人にしかわからないことが多いので、思い込みや「ありえない」という考えに凝り固まらず、あらゆる可能性から判断することが大切である。
  • 夫や妻の家出の場合、夫婦の間で口にしなかったり感じ取れなかった感情や隠し事が家出の原因になることがある。
  • 成人している息子や娘の家出の場合、まずは「計画的家出」か「突発的家出」かを判断することが大切である。
  • 成人している息子や娘が「計画的家出」をしていた場合は、早期発見のために早い段階から探偵に相談する。
  • 中学生や高校生の未成年者が家出をした場合、普段の生活状況によっては警察が積極的な捜索を行わない可能性があるので、日常生活の状況や生活態度などを第三者の視点からしっかりと把握して、早い段階で警察や探偵に相談する。
  • 小学生以下の息子や娘が家出した場合、「特異行方不明者」として警察でも積極的な捜索が行われるのは、安全確保のためにもすぐに警察へ届け出る。
  • 祖父や祖母といった高齢者の家出は、認知症などの徘徊や持病による失踪、自力での帰宅が困難な状況などが考えられるため、行方不明とわかった段階ですぐに警察へ届け出るようにする。

大切な人が家出をしたという状況に対し、残された人が冷静でいることはなかなか難しいかも知れません。しかし、感情的になって「絶対にありえない」という思い込みをしてしまうと重要な証拠や捜索に必要な情報を見落とし、早期発見へ繋げることが難しくなってしまいます。

冷静な判断が難しい場合には探偵事務所の無料相談などを上手に利用して、家出の原因をしっかりと把握するように心掛けてみましょう。